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追放物でよくある後からじっくりざまぁではなく、速攻でざまぁをしたおっさん冒険者の話

作者: 山田 勝
掲載日:2026/04/12

「ノド、追放だ!」

「そうよ。使えないわね!後、もう少しだったのに貴方のせいよ!」


 俺はノド、元兵士の30歳、荷物持ち。罵倒する二人はパーティ名銀翼、20代前半のエリート冒険者だ。


 追放された理由は、『使えないから』だ。


 小型ドラゴン討伐のクエストだった。

 俺はひたすら荷物を守っていた。

 それが気に食わないらしい。


 俺が戦闘補助につけばドラゴンを倒せたと主張している。



 ここは反論がある。


「だって、リヒターとナタリアの命令は『待機』だろう?」


 そうだ。俺は荷物持ちだ。だから荷物を守っていた。


「荷物持ちなんて誰でもできる。プラスアルファーが必要なんだよ」

「そうよ。私たちが戦っている間、ただボウとしているだけじゃない」


 リーダーはリヒター、ソードマスター、ナタリアは賢者だ。

 二人とも強い。

 罵倒が続く。



「そうだわ。肩を壊して軍を追い出された貴方を拾ってやったのに」



 これも良い。事実だ。俺の悪口はいくら言っても良い。

 だが。


「言われたことしか出来ない馬鹿だな」

「そうね。兵士って融通が利かないって本当ね」


 これは我慢できない。栄光ある王国陸軍を侮辱していることにもなる。

 だから。


「ボケとバイタ!その発言を取り消せ!」


「何だと!」

「まあ、使えないおっさんのくせに!」



「まあ、まあ、ここでケンカをするなよ」


 仲裁が入り。表に出ることになった。

 つまり決闘だ。


 リヒターは漆黒の魔剣を持っている。胸鎧を付けているな。何でも切れると触れ込みだ。

 ナタリアはスカート膝まで、胸も谷間が見える白い服を着ている。目のやり場にいつも困る。

 手にはでかい魔石を埋め込んだ魔法杖を持っている。


 装備は良い。




「ノド、お前は使えない。この言葉は決して取り消さないぞ」

「それは良い。事実だ。しかし、この女の『兵士って融通が利かないって本当ね』は取り消せ!」


「この女ですって!」

「ナタリア、俺が戦うよ。君の名誉にかけて!」


「阿呆、二人一緒だ。馬鹿カップル!」



 二人は構えたが・・・俺の武器は・・・


「おい、ノド、何短剣を外しているのだ!」


「ヘン、前から思っていたけどお前らなんて素手で十分だ」


 俺は腰を落として構えた。両手は自由だ。


 二人との距離は5メートルか?



「はい、はい、俺が決闘立会人をするぜ。死んでも恨みっこなしだぜ」


 クラン長のアルフか。俺よりも年上か・・・40歳。


「本当に良いのか?ノド、若い者のいう事は受け流すことも大事だぜ」

「フン、俺は軍では伍長だった。侮辱は受け流せないね」


「プッ伍長だって」

「まあ、リーダーでもないのね」


 人混みが出来た。好都合だ。


「お前ら逃げられないぞ。取り消すまで痛めつけてやる」



「決闘前の口上は終わったか?では開始だ!」


 俺は瞬時に腰に付けておいた袋をリヒターに投げた。剣で斬られたが・・・中身は剣では切断できない。


 中身は糞だ。二人に降り注いだ。


「な、何だと!」

「キャアー!服が汚れちゃう!」


 また、投げた。今度は素手で糞を投げた。二人の目に入ったか?・・・手で顔を覆っている。。


 ベチャと二人の顔にへばりついたようだ。


「ヒィ、臭い!」

「おい、こんなのありかよ!」


 二人とも腰が引けている。


 リヒターの足を引っかけ倒し。蹴りまくった。


「オラ、オラ!ボンクラ!お前なんて一個班で殺せるんだよ!」

「ウウ・・・」


 剣を蹴飛ばし。顔を数発蹴ったら大人しくなった。

 次はナタリアだ。


「ヒィ・・・」

「ファッションばかりに気を使うな。バカ女!」


 これも倒して蹴りまくった。


「ほら、取り消せ!取り消せ!何にも知らないくせに!攻城戦ならば熱した糞が城壁から降ってくるんだよ!命令されたら糞の雨の中を突撃をするんだ」


 ボカボカと蹴りまくったら・・・



「おい、やめろ、そんな状態じゃ口もきけないぞ!」

「はあ、はあ、はあ」



 止められた。


 結局、俺の勝ち。


 その後は、相変わらずに荷物持ちと荷物の番をしている。

 アルフのクランだ。


 大所帯なので荷物が多い。数人で行う。

 ここは主力に任せるほどではないが、かといってないがしろにもできない。

 今の俺にふさわしい場所だ。



「ノドさん。大変だよ。リヒターの銀翼パーティー、連絡が取れないってさ。元パーティー員だろう?何か知らないかい?」


「さあ、小型のドラゴンの群れをやろうとしていたから、荷物をくわえて持っていかれて路頭に迷っているのではないか?」


「うちで捜索を受け持ったから案内してくれよ」

「分かった」


 事実、リヒターたちは餓死をしていた。

 新米の荷物持ちは刀を持っていた。

 おそらく、荷物を奪われたのだろう。


「どうして、荷物を軽んじて任務が遂行できると思ったのだろうか」


 リヒターとナタリアは答えない。遺体だからな。


「未熟もいいが、学ばなければ死ぬ・・・」


 俺は手を合わせた。


 経験のみで学ぶ奴は馬鹿だが、経験で学ばない奴も馬鹿だ。

 深く胸に刻み込んだ。




最後までお読みいただき有難うございました。

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― 新着の感想 ―
相手が、どんな行動パターンを取るかも調べてなかったんだろうな 孫子の兵法の基礎の基礎なのに、道具とか所持品とか食料とか、はそこからだぞ。
兵站は本当に大切。 冒険者は戦いだけができればいいのではない事は早めに知っておくべきよね
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