朝、目覚めて
シャロが部屋に戻った数時間、夜が明け、シャロが開けっ放しにしていた窓から日差しとそよ風が入り、外からリリーとは違う鳥の鳴き声も聞こえてくる。風で揺れた髪がシャーロットの頬に触れて、シャーロットが少し目を覚ます。もう少し眠ろうと、目を閉じ寝返りを打ちながら布団を引っ張る。強く引っ張っても中々動かない布団にほんの少し苛ついて、さっきよりも目を開ける。すると、目の前にスヤスヤと眠るシャロがいた
「えっ……。なんでいるのよ」
シャーロットの隣で布団に入り眠り続けるシャロを見てすぐ驚いて飛び起きる。眠たかった目も冷めて、はぁ。と一つため息をつくと、シャロを起こそうと、ユラユラと強めに体を揺らす
「ちょっと邪魔よ。起きて、邪魔」
何度も体を左右に揺らし、頬を軽く叩いたり布団を奪ってみても、シャロは起きないまま眠り続ける
「なんなのよ、もう……」
起こすのは諦めてベッドから降りる。うーんと一つ背伸びをして、開けっ放しの窓と、窓の側にあるテーブルに残った軽食を見つけた。カーテンを開けるついでにテーブルの所に行き、窓を閉め、カーテンを開ける。テーブルを見て手付かずの軽食にため息ついた後、椅子に置かれたメアリから貰った魔術書を見つけ手に取る。魔術書を開いて、ページをパラパラとめくると、ページに文字が書き足されていた。他のページも確認していると、部屋の扉がコンコンとノックされた
「シャーロット様、おはようございます」
「おはよう」
ワゴンを引いて部屋に入ってきた家政婦達を見て手に持っていた魔術書を閉じ、テーブルに置きながら返事をする。軽食を片付けようとしていた家政婦がまだ残っているのに気づいて、片付けようと手を伸ばす
「これ、朝御飯に食べるわ。暖め直してもらえる?」
「かしこまりました」
シャーロットに返事をすると、軽食をワゴンに乗せはじめる。カチャカチャと食器が移動する時の音を聞いていると、ベッドで家政婦が集まっているのに気づいた
「ああ、起こしても全然起きないのよ。仕方ないから、寝かせてあげて」
「分かりました……」
ベッドで眠るシャロを起こさないように小声で答え、そーっと離れていく。騒ぎに気づいていないシャロが寝返りを打った
「シャーロット様、お着替えの用意が出来ました」
部屋にあるクローゼットから着替えの服を数着持ってきた家政婦がシャーロットに声をかける。家政婦に着替えを手伝ってもらいながら着替え終えると、髪を直してもらうため、片付けを終えたテーブルの隣にある椅子に座った
「そうだ。お父様とお母様は帰ってきた?」
「いえ、まだ……」
シャーロットの髪を櫛でときながら答えると、シャーロットが少しうつ向く。そのままうつ向いたままで寝癖を直してもらっていると、ワゴンに軽食を移動し終えた家政婦が部屋の入り口でシャーロットに声をかける
「シャーロット様、暖め終えた後は、ここで食べられますか?」
「いえ、騒がしさで起きるかもしれないから、食堂に行くわ。先に持っていって」
「分かりました。のちほどまたお呼びいたしますね」
そう言うと部屋の扉を閉じ、ガラガラとワゴンを運ぶ音を鳴らしながら去っていき、シャーロットの髪をとき終えた家政婦も部屋を出る。また部屋が静かになると、シャーロットが椅子に背もたれながら、テーブルにある魔術書に手を伸ばした
「私でも分かるように書いてくれたのかしらね」
ページをめくり呟くと、そっと本を閉じまたテーブルに置き直し、椅子から立ち上がる。シャロがいるベッドの方を向いて、ふぅ。と一つため息をついた
「続きはご飯の後ね。お腹が空いてたら魔力が使えないと言っていたものね」




