小さな隙間から
シャロがシャーロットの護身用の木刀を回収し終え再び歩き出した二人。器用に人混みを避ながら進むシャロの背後をシャーロットが頬を膨らませながら付いて歩く
「機嫌悪いの?」
シャーロットの肩に乗っていたリリーが問いかけると、頬を膨らませながら数回顔を横に振った
「悪くないわ。ただ護身用を取られて、私に何かあったらどうするのよ?」
「リリーと買い物に行ってた人が今さら……」
シャロがシャーロットの話しに言い返すと、少しムッとしたシャーロットが顔を横に向ける。そのまま会話もなく歩き続けていると、リリーがシャロの頭の上に飛び乗って羽根を少し広げた
「シャロ、見つけたよ。見に行く?」
リリーがそう言うと、歩いていたシャロが急に立ち止まり辺りを見渡す。後ろを歩いていたシャーロットがシャロの背中に顔をぶつけて止まった
「急になんなの?」
「お店を見つけたの。行こう」
痛そうに顔を擦るシャーロットが少し怒りながら言うと、シャロの頭の上にいたリリーが飛び立ち先に目的の書店に向かう。後を追うようにシャロも書店に向かうと、シャーロットも慌てて二人を追うと、魔術書店と看板を掲げた少し古い二階建ての店の前でリリーとシャロが立ち止まっていた。シャーロットも隣に来て、入り口にある小窓からお店の中を見る。カーテン越しから店内を見て、たくさんある書物にシャーロットが目を輝かせる
「すごい量ね。書庫と変わらないかも……」
書店の中をリリーと一緒に見入っていると、隣で一緒に見ていたシャロが急に扉から離れた
「先に中に入ってて」
「えっ、なんで?魔術書好きなんでしょ?」
どこかへ行こうとしていたシャロを止めるように少し大声で言うとシャロが空を指差した。シャーロットとリリーも指差す先を見ると、魔術書店に来る前よりも雲が多くなっていた
「あの雲が来る前に、リリーのおやつ買わなきゃいけないからね」




