たどり着くその前に
「じゃあ、買いに行こっか」
ディオロイ城から出て、町からほんの少し離れた歩道を歩くシャロ。シャーロットの肩に乗るリリーに声をかけると、スタスタと町の方へと先に歩いていく。一緒に来たシャーロットは、どんどん離れていくシャロを追いかけることなく立ち尽くしたまま、長い布に巻かれた何かを支えにして持っている動かずにいると、心配したリリーが肩から頭の上に移動してシャーロットの顔を伺うように顔を横に向けた
「どうしたの?行かないの?」
「行くわよ。でもその前に、雲が近くなるほど、あんな高く飛んで移動しなくても良くない?」
「あのくらいはいつもだよ。魔術を使いたいなら、慣れなきゃね」
「そうね。でも、私はもう少し低く飛ぶわ……」
リリーと話しながらトホトボと歩いていると、大分背後から聞こえるリリーとシャーロットの声を聞いたシャロが立ち止まり、さっきよりも雲が多くなった空を見上げながら二人を待っている
「今日は人がたくさんいるね」
「晴れているからね。みんなも散歩したいんだよ」
町につくと、ガヤガヤと騒がしく人々がたくさん歩いている。人混みに慣れているシャロやリリーはスタスタと人混みを分け歩いていく。一方まだディオロイ城から出て数回のシャーロットは人混みに慣れず、キョロキョロと通りすぎていく人達を見たり、建物を見たり忙しそうにしている。全然来ないシャーロットに気づいたリリーが、乗っていたシャロの肩からシャーロットまで戻り左肩に乗ると、突然、持ってきた布をほどきはじめた。リリーが首をかしげつつ見ていると、少し前を歩いていたシャロも戻ってきてシャーロットの様子を見ている。ほどけた布からシャーロットの練習用の木刀が現れ、リリーが驚いて、シャロの右肩に飛び乗った
「それはなに?」
「護身用よ。何あったらこれを使うの」
「でも、持っていたら危ないよ」
素振りをしようとしていたシャーロットを止めるようにリリーが言うと、突然シャーロットが持つ木刀が手元から消えてなくなった
「えっ?なんで?」
驚いたシャーロットが隣にいるシャロを睨むように見ると、再び歩きはじめていたシャロがシャーロットを見るように少し振り向いて、はぁ。と呆れたように一つため息をついた
「邪魔。こんなの持ってたら目立つじゃん。だから、買える時まで預かってあげる」




