おやつがもっと美味しくなるために
「何から食べていいの?」
家政婦達がシャーロットの部屋から出てすぐ窓から入ってきたリリー。テーブルに置かれたたくさんのおやつを見てご機嫌でシャーロットの左肩に止まる
「早い帰宅ね。しばらく帰ってこないと思ったわ」
耳元でリリーの鼻唄を聞きながら食べられそうな食べ物を小さく切っていくシャーロット。細かくなったリリー用のおやつをフォークで差し、少し羽根を広げ待ちわびているリリーに差し出す。おやつを一口で咥えるとテーブルに移動して、同じおやつを食べようとしているシャーロットと一緒におやつを食べた
「お腹空いたし、シャロの魔術を感じたから帰ってきたの」
「魔術って、帰ってきてないわよ」
「そうなの?おかしいなぁ……」
おやつのおかわりを貰いつつ、シャーロットの返事を聞いて首をかしげていると、ふと置きっぱなしにしていた本を見つけ、おやつを一気に食べ終え表紙の上に飛び乗った
「この本はなに?」
「書庫にあったの。たぶん、この本を感じて帰ってきたんじゃないの?」
「この本からは魔力も魔術も感じないよ」
「そうなの?でも、魔術は書かれているわよ」
「シャロの?」
「たぶんそうだと思うけれど」
シャーロットが本に手を伸ばすと、リリーが本から退きシャーロットの右肩に乗る。シャーロットが本を開いてページをめくり、書かれた文字や魔術を見てリリーがまた首をかしげた
「確かにシャロの魔術が書いてあるけど、さっきみたいな……」
最後のページをめくり終え、パタンと本を閉じると、紅茶を飲みはじめたシャーロット。リリーもまた本の裏表紙に飛び乗って、ティーポットからティーカップに紅茶を注ぐシャーロットをじっと見た
「ねえ。もしかして、この本読んでた?」
「ええ、さっきまで読んでいたわよ」
紅茶を注ぎ終え、ティーポットをテーブルに置きながら答えると、リリーが突然シャーロットの周りを何度もぐるりと飛び回りはじめた
「急にどうしたの?」
リリーの行動にシャーロットが驚いて、おやつを食べようとしていた手が止まる。そのおやつを貰えると思ったリリーが本の裏表紙に止まり、羽根を大きく広げた
「おやつがもっと美味しくなったんだよ。とても良いことだね」




