新たな本に
リリーが部屋を出た後、シャーロットも部屋を飛び出し、走って牢屋の隣にある昨晩クロームやノース達とシャロの魔術を見た書庫に戻って来た。扉の前で立ち止まり、ふぅ。と一つ深呼吸をして、扉を開いた。すぐに埃が舞い上がり、ケホケホと咳払いをして書庫の中に入った
「ここにあるのは読めなかったのよね」
書庫にある本棚を見ながらカーテンと窓を開ける。ふわりとそよ風が入り、カーテンが本がなくなった本棚を隠す
「あれ?なんで何もないの?」
空っぽの本棚に驚きながら書庫の奥へと進んでいく。数冊しか残っていない本棚に驚きつつも、シャロの姿を思い出して、またため息をつく
「ここにある本も全部読んだのね。これじゃあ、私がお父様に叱られるじゃないの」
シャロに対し少し怒りながら書庫の奥にある机まで着いたシャーロット。机の近くにある窓を開け、机の上に置かれていた一冊の本が風でパラパラとページがめくられた。シャーロットがページの音に気づいて、その本を手に取る。シャーロットも本をパラパラと流し読んで、パタンと本を閉じた
「この魔術は、多分あの時の魔術かしら……」
本の表紙をじっと見つめた後、ゆっくりと目を閉じる。昨晩クロームが見せてくれたシャロの魔術を思い出し、手に持つ本をまためくる。時々書かれている魔術が分かり、ページをめくる速度が上がる。すぐにパタンと本を閉じると、うんと一つ頷いた
「せっかく勉強したんだし、今の私ならちょっとは読めるかも。早く部屋に戻らなきゃ」




