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ツイングリッター  作者: シャオえる


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52/69

私に出来ること

「はい、どうぞ」

「ありがとー」

 お昼過ぎになった朝御飯を部屋に用意してもらったシャーロット。テーブル一杯に並ぶ料理にリリーがどれから食べようかとご機嫌で、沢山あるお皿の端を飛び回る。リリーの鼻歌を聞きながら椅子に座ったシャーロットが、手前にあるパンを小さくちぎってデザート用の果物が入ったお皿の上に居るリリーの前に差し出した

「よく食べるわね」

「うん、ここの世界のご飯は美味しいからね」

「ここの世界って何なのよ」

 シャーロットの質問に答えず、あっという間にパンを食べ終えたリリーがおかわりを求めて、シャーロットの肩に乗る。さっきとは違う別のパンを小さくちぎり、お皿の上に置くとパンを食べるため降りてまた食べはじめる。美味しそうに食べるリリーを見ながらシャーロットも朝ごはんを食べる



「ところでいつ帰ってくるの?」

 沢山あった朝ごはんを、ほとんど食べ終えた頃、シャーロットがリリーに問いかける。お腹いっぱいで窓辺で風に当たっていたリリーがシャーロットがいる方に振り向いて少し首をかしげた

「わかんない。今すぐか、明日かも知れないし、ずっと来ないかも」

「ずっと来ないって……。でも、呼ばれたらすぐに会えるんでしょ?」

 デザートの果物を食べるシャーロットを見て、リリーが右肩に飛び乗る。シャーロットがリリー用にイチゴを小さく切りはじめ、待ちきれないリリーがお皿の上に移動し、イチゴをじっと見つめる


「シャロ、探してみようかな」

 と、イチゴを食べながらリリーが言うと、同じく切って残ったイチゴを食べようとしていたシャーロットが驚いた顔でリリーを見た

「探すの?お留守番って言われたなら、待った方が良いんじゃないの?」

「そうだけど、シャロも魔力を使って、お腹空いているだろうし」

「そうね。確かにお腹は空いているかもね」

 次の果物をフォークで差しながらそう言うと、リリーがまた窓辺に立ち、空を見上げた後、リリーの後ろ姿を見ながら食べようとしていたシャーロットと目線が合うように振り向いた

「一緒に探しに行く?」

「……一緒に?」

 リリーの言葉を繰り返すように呟いたシャーロット。すぐに返事は出来ず、リリーの言葉を聞いた戸惑いを打ち消すように、コンコンと部屋の扉がノックする音が聞こえた


「シャーロット、体調はどう?」

 ノースが部屋の扉を開け、椅子に座るシャーロットを見てすぐ声をかけながら部屋に入ってきた。シャーロットの前にあるテーブルの上に沢山並ぶ朝ごはんを食べ終えたであろうお皿を見て、ノースがクスッと笑う

「ずっと寝ていて心配したわ。どこか具合が悪かったの?」

「いえ、ただ眠かっただけです。心配かけてごめんなさい」

 シャーロットの言葉を聞いて、ノースがぎゅっと抱きしめる。いつもより強く抱きしめられて、少し戸惑っていると、ノースが抱きしめていた手を離し、そっとシャーロットの頭を撫でた

「シャーロット、急にしばらく留守ことになったの。一人で大丈夫?」

「またお仕事ですか?」

「ええ、そうなの。体調が心配だし、本当は一緒に居るべきだけど……」

「大丈夫ですわ、お母様。お仕事頑張って下さい」

「ありがとう。すぐに帰ってくるわね」

 シャーロットをもう一度抱きしめて、部屋を出たノース。パタンと静かに閉まった部屋の扉の音がシャーロットの胸に響く。少し残ったデザートもすぐに食べれずにいると、どこかに隠れていたリリーが窓辺に現れてシャーロットの肩に乗る

「じゃあ、また後でね」

 リリーがシャーロットにそう言うと、窓から外へ飛び立っていった。すぐに外へと目線を向けると、リリーは町の方へと向かって快晴の空を駆け抜けていく

「また私、一人……」

 リリーの姿を見つめ呟く。一人になった部屋に、ディオロイ城の外を歩く人達の楽しそうな話し声が聞こえてくる。その話し声も村の方に向かって離れて聞こえなくなると、シャーロットが目を閉じ、ふぅ。と一つ深呼吸をした

「そうよ。私の出来ること、やらなきゃだわ」

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