お喋りの合間に
シャロがシャーロットの部屋を出て数分後、部屋の窓から見えていた村も天気が晴れ、村の人達もちらほらと外に出て散歩や買い物をしはじめている。店前の掃除のため外に出た果物屋の年配の女性店主が空を見上げて、ニコリと微笑み箒を掃く。同じく雨上がりの窓掃除のため出てきた隣の喫茶店の店主が掃除に気づいて、ヒラヒラと手を振り挨拶をする。気づいた女性店主も手を振り掃除を止めて、道路で立ち話をはじめた
「やっと晴れたわねー」
「そうね。やっとお店が開けられるわ」
楽しそうに話す二人の横をリリーを肩に乗せたシャロがバシャンと水溜まりを踏んで通りすぎた
「聞いた?ノース様とクローム様が帰ってきたそうよ」
「あらもう?今回は早かったのね」
「ええ、心配になったみたいよ」
「心配?なにかあったの?」
「ええ、それがね……」
跳ねた水がかかりそうになっても気にせず話し続ける二人。話が気になるリリーが少し振り向いて、二人の様子をじっと見ている
「シャロ、お話聞かないの?」
「聞いても、魔術にも魔力にも関係なさそうだから聞かないよ」
「えー、シャロにも関係ありそうだよ」
「関係ないよ」
「えー、そうなぁ……」
リリーと話している間もスタスタと歩いて、二人の楽しそうな会話も聞こえなくなっていく。話が聞きたいリリーが乗っていたシャロの肩から頭の上に移動した。少しグシャグシャになったシャロの髪がリリーの足に絡まって、ジタバタ足を動かしていると、シャロが突然立ち止まり、前にシャーロットとリリーが立ち寄ったパン屋の看板を見つけリリーを見るように少し顔を上に向けた
「それよりリリー、今お腹空いてる?」
「リンゴたくさん食べたから、今は大丈夫」
「そう。でもお腹が空く前に、ここに寄ろうか」
「魔力を使わなきゃ、しばらくお腹は空かないから今は行かないよ」
そう言いつつもリリーもパン屋を見ると、ちょうど出来立てのパンをお店に並べていた。たくさん並べられた美味しそうなパンを見て、リリーがまたシャロの肩に移動し羽根を広げて、シャロに行こうと誘い、気が変わった様子のリリーにシャロがフフッと笑い、またパシャンと水溜まりを踏み、パン屋の方に一歩歩いた
「魔力を使うから今のうちに買うんだよ。リリーが好きなもの無くなる前に急いで買いに行くよ」




