夢の続きを抱きしめて
「……あれ?」
寝ていたシャーロットが目を覚ます。ゆっくりと顔を動かし、体もちょっとずつ動かして、隣で一緒に寝ていたはずのノースを探す。一足先に起きていたノースはシャーロットの隣におらず、体を起こしてまだ頭がボーッとしつつも部屋を見渡すと、ノースは窓辺にある椅子に座り、朝日を浴びながら紅茶を注いでいた
「あら、おはようシャーロット」
起きたシャーロットに気づいたノースがニコリと微笑むが、シャーロットはまだボーッとしているのかノースの顔をじっと見ている
「どうしたの?」
ノースがシャーロットの隣に座り、背中をさする。シャーロットがノースに甘えるように体を傾ける
「夢を見ました。けど、もう忘れちゃって……」
「あら……。なんとなく思い出せないの?」
「大事な夢だったと思うのですが……」
「大事な夢ならきっとすぐに思い出すわ」
「でもお母様、私は夢を思い出したことはありません」
「そうね。それじゃあまた夢を見ることを願いましょ」
シャーロットの返事を聞いて、ノースがフフッと笑ってぎゅっと抱きしめる。シャーロットもノースを抱きしめ顔を見え嬉しそうに笑うと、コンコンと部屋の扉がノックする音と同時に二人を起こす予定だった家政婦達が部屋に入ってきた
「ノース様、シャーロット様、おはようございます」
「おはよう。来てすぐ悪いけれど、二人分の着替えを用意してくれるかしら」
「すぐに」
ノースにお辞儀をしつつ返事をして、数名の家政婦はシャーロットの部屋にあるクローゼットに向かい、残りはノースの服を取りに部屋を出た。部屋が少しずつ騒がしくなりはじめ、シャーロットもやっと目が覚めてベッドから降りる。紅茶を飲もうと、 ノースがさっきまでいたテーブルに向かうと、窓からザァと雨が降っている音が聞こえた
「雨だ……」
「本当ね。ついさっきまで晴れていたのに」
ノースもシャーロットの隣に来て窓を見る。ポツポツと窓に当たる雨をじっと見つめるシャーロット
「どうしたの?」
「雨の日に小鳥は何処で休むのでしょうか」
「そうねぇ……」
答えられずにいると、ノースの着替えの服を数着持ってきた家政婦達が戻ってきた。シャーロットの服もクローゼットから取り出され、部屋が二人分の服で溢れだす。ノースがカーテンを閉めて、シャーロットの背中をまたそっと触れた
「じゃあ、着替えてから書庫に資料が調べに行きましょ」




