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ツイングリッター  作者: シャオえる


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37/49

溢れ落ちた後に

「疲れたー」

 シャロが逃げて数時間後、ディオロイ城の外は暗くなり、夕御飯を食べ終え、お風呂も終えたシャーロットが部屋のベッドに飛び乗り寝転がる。部屋に連れてこられたノースが布団に丸まるシャーロットを見てクスクスと微笑む

「お母様、今日は一緒に眠りますか?」

 シャーロットが聞くと、ノースが頬に手を当て少し考え込む。その間、ノースを見つめ返事を待つシャーロットの目に負けて、部屋の入り口で待機していた家政婦達の方に体を向けた

「そうね、一緒に眠りしょうか。お願いできる?」

「もちろんです。すぐにノース様のお布団をご用意します」

「やった!じゃあもう寝ましょう」

 ベッドから降りて、ノースの腕をつかんで引っ張る。強く引っ張られ少しよろけそうになりながらも、シャーロットとベッドに向かうノース。すると、部屋にあるテーブルに見慣れぬ一冊の本が置いてあるのに気づいた

「あら、あの本は?」

「あっ、それは……」

 ノースの声に引っ張っていた手を緩める。体が自由になったノースがテーブルに近づき本を手に取る

。青い表紙の本を物珍しそうに見つめ、首をかしげる

「シャーロット、これはどこから?」

「えーと、書庫からです。先程お散歩をした、あの……」

 ノースの質問に、しどろもどろになりながらも答えていると、ノースが本を開いて確認しようとページをパラパラとめくる。書かれた内容を読もうとページに手を添えた瞬間、読もうとしたページが水に濡れたように染みはじめ、書かれた文字が滲む。本の異変にノースが驚いていると、シャーロットも気づいて駆け寄る。ノースが本を閉じ、テーブルに置くと、本を囲うように水溜まりがテーブルに溢れ、床に水滴が落ちる。シャーロットが一瞬水滴を追いかけ本から目を離したその間に、シャロから預かった本は水溜まりから無くなっていた

「本からは全く魔力を感じなかったのに……」

 ノースがテーブルに手を添える。乾いているテーブルと水滴で濡れたはずの床を見て呟く。シャーロットも本が消えた事に気づいて、恐る恐るノースの顔を伺う

「お母様……あの……あの本は……」

「間違えて術をかけたのかしら。シャーロット、驚かせちゃったわね」

「ノース様、お布団を用意しました」

 二人の騒ぎに気づいていない家政婦達が部屋に戻ってきて、テキパキとシャーロットのベッドにノース用の布団や枕を置いて整えはじめる。それを見ていたシャーロットが目線を変えノースを見る。視線に気づいたノースがシャーロットを見てニコリと微笑み背中にそっと手を添えた

「もう寝ましょう。また明日、朝ごはんが楽しみね」

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