願いの先に
「シャロ、どうする?お願い聞いたら、おやつもご飯も沢山食べれるよ」
クロームとの会話を終え、書庫からディオロイ城の屋根に移動したシャロとリリー。リリーがシャーロットから貰ったサンドイッチを頬張るシャロにリリーが問いかける
「お願い断るの?」
「今のところ、その予定」
「なんで?ご飯要らないの?」
「興味ないから。私の力に必要なさそうだし」
袋からもう一つサンドイッチを取り出しながら答える。サンドイッチを欲しそうに袋から取り出すのを見ているリリーの分も小さくちぎって渡すと、美味しそうに食べはじめた
「そうかなぁ。ちょっとはシャロの力になるんじゃない?」
「本当にそう思う?」
「思わない。シャロが渡した本でも、魔術は使えないもん」
「ダメだった?」
先に食べ終えたシャロが今度は果物を取り出し齧り問いかけながらふと、さっきまでいた書庫の方を見ると、シャーロットがシャロを探しているのか、牢屋と書庫を行ったり来たりしていた
「うん、知識がついただけって」
「じゃあ、やっぱり断るしかないね」
「でも、シャロ……」
「知識がついただけじゃ無意味なんだよ」
リリーと話していると、シャーロットを探していたノースがシャーロットに声をかけ、一緒にディオロイ城に戻っていくのを見ながら立ち上がり、ふぅ。と一つため息をつく。サンドイッチを食べ終えたリリーもシャロの肩に乗り羽を伸ばす。羽がシャロの頬に当たり、ちょっと邪魔そうに目をそらす。すると、またシャーロットがディオロイ城から出てきて、庭でニコニコと楽しそうに笑っている。ノースやクロームも庭に出てきてシャーロットを見ながら微笑んでいる。三人を見ないように背を向けたシャロ。屋根にコツンと足音を立てると、少し振り向いて物音に気づかないまま微笑むシャーロットを見た
「今まで魔術を使ったことがないのに、私の魔力を渡してほしいなんて無意味だよ」




