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第00話 襲来

「ねぇ父さん!もうそろそろ肉焼けたんじゃない?

 もう僕待ちきれないよ〜。」


「そうだな、よし食っていいぞ!」

父さんがそう言うと同時に肉にかぶりつく

横でお父さんも大口を開けて肉を食っている。


「めっちゃ美味いよこの肉!母さんもはやく食べてみてよ!」


僕がそう言うと母さんが


「2人ともそんな急いで食べると喉詰まらせるわよ〜

お肉は無くならないんだからゆっくり食べなさい。」


「でも肉は早く食った方がうまいだろ〜。」


と言いながら父さんが肉を喉に詰まらせて水!水!と言っていた。

街から遠く離れた、メレの森で僕ら家族は、暮らしていた。

こんななんでもない毎日がとても平和で和やかでとても楽しかった。

こんな日がずっと続くのだと思っていた。

でも終わりというものは突然やってきた。

それはみんなが寝静まった夜のことだった。


「カグラ!!起きろ!」


父さんの声がして眠りから覚めた。

その時ありえない光景が目に飛び込んできた。

周りは火の海で武装した人々がおよそ100人はいるだろう


「よく聞け!ライカ、レイナお前らを今日確実に殺す!」


武装した人々のリーダー格であろういかつめの男が父さんと母さんの名前を叫んでいる。

父さんと母さんの方を見ると今まで見たことないような険しく、怖い顔になっていた。


「お前らアルカディアか!!」


父さんがそう叫ぶと


「そうだ。お前らに10年前壊滅にまで追い込まれた

あの恨み今晴らす!」


『影の守護神よ俺に力を!

守護神解放!』


男がそういうと大剣がどこからか飛んで来て暗い禍々しいオーラが放たれた。


「チッ守護神を扱えるようになっているのかめんどくせぇ、レイナ最初から全力で行くぞ!」


「ええもちろんよ。カグラどこかに隠れていなさい。」


「いやだ!僕、最近父さんに稽古つけてもらってるんだ!僕も戦うよ!」


ここで自分だけ逃げても、とてつもない後悔をすることになると直感で感じた僕は自分が行っても足手まといになることをわかっていながらリーダー格であろう男のほうを向いて逃げようとしなかった。

武装した男が僕をまじまじと見つめながら


「お前、どっかで見たような…もしかして…もしそうだったらとてつもなく面白くなるなぁっ!」


と訳のわからないことを言っている。


「なにを言ってるんだお前?僕はお前みたいなやつ見たことないぞ!」


「カグラ!こっちに来い!」


父さんが僕を呼んだ。


「どうしたの?父さん、早くあいつを倒そうよ!」


「そうだな。でもカグラはここで少し待っとくんだ。


父さんと母さんがさっさとやっつけるからな!」


「いやだよ!僕も戦うんだ!」


「ダメだ。ここは危ない。」


「でも…でも!」


なんだか嫌な予感がするんだ。と言おうとしたとき、

父さんはと僕の首を強く叩いた。


「ごめんな、カグラ」


「父さん…なん…で。」


僕はその場で意識を失った。


「おーい!親子での話し合いは終わったか?まぁ俺の目が正しければ、実の子供でも無いだろうけどなぁ!」


「おいお前…俺らの家族に手ェ出したんだ、お前だけは絶対に殺す!!」


『時の守護神よ我が呼びに応えよ!

守護神解放!!』


「レレナ殺るぞ。」


「ええ…君、覚悟はできてるんでしょうね?

私達家族に危害を加えたんだからタダじゃ済まさないわ!」


『記憶の守護神よ私に答えて!

守護神解放!』


「お前らほんとに呆れるぜ。本当の家族でも無いのにそんなキレちゃって、でもまぁ面白いもんも見れたし今は気分が良いんだ。ここで俺に殺されるんなら

あいつだけでも助けてやらんこともないぞ?」


「その提案、断らせてもらおうか!」


「あなた達全員まとめてかかってきなさいっ!」


「そうか、ならば全員殺す!」


「俺の守護神は影を操る力を持つ!全てを飲み込め!」


月影獄(げつえいごく)!!』


「お前らアルカディアはこの世で生きていてはいけないっ!!時をも切り裂け!」


時断剣(じだんけん)!!』


「私達は絶対に負けない!負けられないっ!ここにあるもの達の記憶よ!彼の者たちに怒りをぶつけなさい!!」


『記憶の怒号(メモリアルブラスター)!!』


3つの巨大なエネルギーにより当たり一面が光に包まれた……



あれからどのくらい経ったのだろうか…

目が覚めて最初に目に入ってきたのは、

異常なほどに何もない真っさらな平地だった。

無限とも思われるほど生えていた木々も、武装された人々も、いかつい男も、父さんも母さんも誰もいなかった。


「なんだよこれ!なんで誰もいないんだよっ!

父さん!母さん!誰か返事をしてよ!ねぇっ!ねぇってば!」


世界に1人だけ取り残された感じがして泣き出しそうになったとき


「大丈夫ですか?カグラさん。」


どこからともなくとても優しい声がした。


「誰?どこにいるの?」


「私はここにいます。ほらカグラさんの右肩の方です。」


自分の右肩を見ると自分の手のひらくらいの大きさだろうか。妖精のような羽がついていて緑の光に身を包んだ人間の見た目の可愛らしい女の子がちょこんと乗っかっている。


「君は誰だい?どこから来たの?」


「私はカグラさんのお父様とお母様、ライカ様とレイナ様の力によって生み出された妖精です。」


「父さんと母さん!父さんと母さんはどこ!どこにいるんだ!」


「落ち着いてください。カグラさん、あなた様向けにビデオレターを預かっています。今すぐご覧になりますか?」


「父さんと母さんから?もちろん今すぐ見るよ。」


「それでは再生いたします。」


[ブイン]


目の前に大きなスクリーンが映し出された。

そこにはお父さんとお母さんの姿が映し出されていた。


「カグラ、お前がこれを見ている時とても混乱しているだろう。だけどよく聞いてくれ。」


「まずカグラ、私達はあの男達との戦いで死んではいないわ。」


「しかし、今俺らは、ある呪いによって記憶と時の守護神らによって囚われている。そして、もう一つお前に言わなければいけないことがある。」


「覚えている?私達と戦っていた男が言っていたことを。」


「あいつはお前のことを見たことあると言っていただろう。」


「それは、カグラ、あなたととアルカディアという組織はとても深い関わりを持っているからなの。」


「もう時間がない。今俺らから言えるのはすまんがここまでだ。

もしお前が、お前とアルカディアという組織の関係を自分の目で確かめたいともし思うなら、」


「五年後に都市オリビアでベッルムという大武闘大会に参加し、レグヌムという軍に入りなさい。」


「そこは、かつて俺らが所属していた国王直属の軍だ。そこに所属し、いろいろな経験をしていけば、

おのずと全ての答えが見つかるだろう。」


「アルカディアとはなんなのか。そしてなぜカグラに深い関わりを持っているのか。」


「そして、お前が俺らの息子なら、俺らとお前はもう一度会うことができる。」


「もし、カグラが自分の目で全てを確かめたいと思い、旅に出ると決めたなら、今から、いうことを絶対に覚えていて。」


「もし、とてつもない困難にぶち当たったとき、乗り越えれないと感じることがいつかあるだろう、そんなときは、誰でも良い自分のそばにいてくれている仲間に頼れ。」


「もしそれでも、無理だと思ったら堂々とその場から逃げなさい。逃げるというのは、必ずしも悪いことではないわ。」


「本当にいけないのは、その場で止まってしまうことだ。逃げた先には、必ず今までとは違う道がある。」


「その道をまた一歩ずつ歩いていけば気づいた時には、元の道よりも進んでいるから。」


「分かったか?あと、今この映像を見せているのは、俺とレイナが作った時と記憶の妖精だ。」


「旅をする時のナビゲーターや今やるべきことを教えてくれるわ。いろいろ聞きながら道を進みなさい。」


「もう時間だ。それじゃあしばらくのお別れだ、カグラ。」


「安心してカグラ、どんなことがあってもカグラは私達の子よ。ずっと見守っているわ。」


『俺達の

    息子に幸が在らんことを。

 私達の            』


[ブイン]


「どうでしたか。カグラ様、これからどうしていくのか決まりましたか?」


「正直まだ、どうしたらいいか分からないけど、そのレグヌムってところに入られば、お父さんとお母さんを助けられるかもしれないし、突然ここにお父さんとお母さんを倒しに来た、アルカディアっていうあの男達ともう一回会えるってことだよね。」


「はい、その通りです。」


「じゃあ、そこを目指して行くしかないよ!」


「しかし、命の危険がいつも隣り合わせでついてくることをくれぐれも忘れないでください。下手な覚悟で行ったら確実に死んでしまいます。」


「それでも行くよ。僕は、僕達の日常を奪った奴らを許さない。」


「分かりました。では、明日から5年後のベッルムに向けて特訓していきましょう。厳しくいきますので覚悟しておいてください。」


「まかしてよ!これでもお父さんには、戦いのセンスがあるって褒められたんだから!」


一晩経って特訓の開始日、


「では、まずカグラ様には試練を与えます。そうですね、今から3つの試練を与えます。その試練を1週間後までに全てクリアしてください。」


「試練?いいよ、なんでもかかってこい!ちなみにもし、その試験をクリア出来なかったら?」


「その時点でもう旅に出ることをやめさせていただきます。私の1番の使命は、カグラ様をサポートし生かすことです。この試練をクリア出来ないようなら、この先すぐ死んでしまうと判断します。」


「分かった。こんなところでつまずいている暇はないからね。で、その試練の内容は?」


「はい、今から説明いたします。

一つ目は、この大岩を粉砕することです。」


そういうと、目の前に直径2メートルくらいはあるだろう大岩が現れた。


「でっか!!この大岩を粉砕?!そんなことできるの?」


「はい、出来ます。この大岩は、少しヒビが入ったり削れたりしてもすぐに元通りになるので気をつけてください。」


「ちなみにこの岩は、どこから?」


「まぁ妖精の特殊能力だと思ってください。簡単な物なら生成できるんです。」


「う、うん。すごいね、それは。」


「では二つ目です。二つ目は、1分間飛んで来た石を避け続けてください。」


「君が投げるの?それなら楽勝だよ!」


「いいえ、私ではありませんこの二つの発射台から石を1分間でランダムに240個の石が前と後ろから発射します。それを、全て避けてください。」


「後ろからも!?どうやって避けるのさ…」


「そこは追々分かるでしょう。」


「で、最後はなんなの?」


「最後は、これから一週間カグラ様には、60キロのおもりを背負って生活してもらいます。まぁこれは、試練というより修行内容ですけど。」


「ふ〜ん。で、おもりはどこ?」


「今から出しますよ。」


彼女がそう言うとズンと自分の体が重くなった。


「重っ!僕に何したの?!」


「今、カグラ様に60キロのおもりを着けさせてもらいました。修行中は、外しませんよ。」


まじかよこれはしんどいって!と心の中で毒づいた。


「頑張って下さい。守護神に耐えられる体を作らないと話にならないんですから。」


「そう!そういえばずっと気になっていたことがあるんだよね。質問してもいい?」


「はい、なんでも質問してください。」


「前、父さんと母さんも言ってたけど、守護神ってなんなの?」


「守護神とは、選ばれた特別な人にだけ現れる、

謎多き神達です。昔、人類は、天界と魔界の衝突により絶滅寸前までいったとされています。しかし勇敢な6人の男女が無謀にも天界軍と魔界軍に向かって戦いに行きました。しかしながら当然圧倒的な力によってすぐに蹴散らされてしまいました。このままでは、死んでしまう、そんなとき、どこからか「創造神」が舞い降り、こう言ったとされています。」


『其方たち人間は弱い、しかし、其方たち人間が滅びるとこの世界の均衡が崩れてしまう。そのため、天界の者と魔界の者に抗える力を与えてやろう、其方たち人間には、自分以外の者に憑依し、特別な力をもたらす力のある、守護神を与えよう、これから守護神達に気に入られた者は、ガーディアンが舞い降り、脅威を向かい撃てる力を与えられるだろう。では、最初にガーディアンに気に入られた其方たちには、現状を打破できるような力が与えられるだろう。』


「それからその6人は、その場に居た天界軍と魔界軍を全滅させ、自分達の身に何が起こったのかを生き残りの人類に教え、その場から居なくなり、もうその顔を皆の前に出すことはなく、長年の月日が経ち、今でも人間と守護神は、共存して過ごしています。これが

守護神の言い伝えです。」


「へ〜じゃあ守護神に選ばれるには、どうしたらいいの?」


「それは、分かりません。だから選ばれた者なのです。そしてベッルムに参加するには、守護神に選ばれた者でなければいけません。なのでこれから5年間で守護神に選ばれなかったら、ベッルムに参加することすら出来ません。」


「ほんとに言ってる?どうしたらいいかも分からないのに、守護神に選ばれることなんて出来るかなぁ?

ちょっと自信無くなってきた…。」


「まだ5年もあるんですから、早々に自信を無くさないでください。それよりもまず、3つの試練に挑戦してもらいますよ。今日から3日目と7日目に試練に挑戦することを許します。それまでは、私の言うことを全てやって下さい。」


「分かった。つまりは、修行をするんだな!」


「そうです。それでは、始めますよ。覚悟してくださいね。」


「うん!なんでも来い!」


        ーその日の夜ー


「やっと終わったぁぁ、もう無理動けない….こんなにしんどいのか…」


「当たり前です。しかし、まだ筋力トレーニングと体力トレーニングしかしてませんよ。」


「でも!筋力トレーニングは、ぶっ通しで6時間は、やったし、体力トレーニングなんて、このだだっ広くて、道の険しいメレの森をずうーーーっと走ってたんだよ!しかも50キロのおもりを付けて!」


「はい、正直私も引きました。カグラ様人間じゃないですよ。普通の10歳ほどの人間なら、過労で死んでいます。」


「え、ほんと?照れるなぁそんなに褒めてくれちゃあ。」


「褒めてません。引いてるんです。」


(ほんとに、カグラ様の筋力と体力はどうなってるんでしょう。見た目は、10歳くらいの体格で身長も140センチと普通です。この筋力と体力は、何処から湧いてるのでしょう。いくらライカ様とレイナ様の子だとしても、これは異常です。何か理由などがあるのでしょうか、これはとても成長が楽しみです。)


「では、食事にしましょうか。カグラ様がトレーニングしている間に食材を集めて置きました。私は、料理が出来ないのでそのままですが、まぁ大丈夫でしょう。」


「やった〜!もうお腹ぺこぺこだよ〜。」


この日の料理もされていないご飯は、いつものご飯よりも身に染みた気がする。


「さぁもう寝ますよ。明日も早いですから。」


「分かった。でも、ここは、木が全部無くなっちゃったから、寝るところがないよ。どうするの?」


「それもそうですね。では、寝床を出しましょう。」


そう言うと、簡易的な寝床が現れた。


「ほんとに君の能力はすごいねぇ。そうだ!その能力でアルカディアって奴らを倒せないの?」


「出来ません。生命に一定の危害を私の出したもので加えてしまうと、出したものは、消えてしまうんです。」


「そっかぁ、いい案だと思ったんだけどなぁ。」


「バカなこと言ってないで早く寝てください。」


「当たり強くない?!じゃあまた明日ね。おやすみなさい。」


(こうして僕のお父さんとお母さんを探す旅が始まった。これからどんなことに出会うのだろうか、早くまたお父さんとお母さんに会いたいと強く思いながら僕は、眠りに着いた)

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