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序章

それは遥か昔。


神々が存在する天界より見守られた生き物達が住む人間界は、発展に発展を重ねて文化を栄えさせていた。


燃料を生み出し、様々な移動手段、物流手段を作り出し、世界に文化の進展を伝え広がっていく。


車は宙に浮く透明な管を走り、奇妙奇天烈なビルが見渡すかぎりに広がる、そんな誰もが子供時代に思い描いたであろう、近未来文化がそこには実現していたのだ。


携帯電話は小型化、やがて直接脳に埋め込む形となり、街では人々が独り言を呟くように連絡を取り合う。


脳に埋め込む、という発想をヒントに、頭に直接ナノマシンを埋め込んで、脳内にネットワークを直接接続する『電脳』。


やがて、事故などで失った身体の一部は、精密に動く機械義手、義足。それはやがて、巷では義体(ぎたい)と呼ばれるようになった。


そして、そこからさらに時間は進み――――身体を全て機械化する全身義体。


脳を戦車や、人型ロボットに移植する、などという事も出来るようになっていた。


やがて――――人間たちは、人工知能《AI》だけでは飽き足らず――――自分達の手で、新しい生命を作りだし始めた。


クローン鶏、クローン牛。それが常になるほど時は進み――――人はやがて、『禁忌』を犯す。


そう、人間は『人工的』に、同じ人間を作り出してしまった。


故に、死んだものも新たな生を受け甦り、同じ人間も複数存在するという風に、自然の摂理を、力一杯引き裂いたのだ。


それを見た神々は、怒り、嘆き、悲しんだ。何故そんな感情が溢れたのか、人間達には理解の程度を越していたのでそれが疑問で仕方が無かったのだが――――


やがて、そんな中で1人の神が、人間界へ突如として出現する。


その姿を見た人間達は、驚きのたまり、逃げ惑うが、全ては無駄と帰し――――神は、その名の通り、神の雷を地上に振り下ろしたのだ。


瞬時にして、神の降り立った都市は壊滅。その後も、人々は、唯一持ち合わせた『勇気』で立ち向かうが――――敵はやはり神。


敵うはずも無く、世界からは全ての文化と、殆どの人間が消え去って行った。


世界は荒れ果て、水と、その大部分を占める砂。たったそれだけの世界へと成り果てた。


神が去った後、唯一生き残った人間は五千人弱。


人々の心に残されたものは『勇気』でも『希望』でも無く、暗く重く、冷たく深い『絶望』だった――――


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