1−1 異世界転移?
気がつくと、ベッドの上に横になっていた。
「知らない天井だ。」
お約束の言葉を口にしてみた。
手を動かすと、何かが手に触れた。
見てみると、白い封筒である。
宛名がなかった。
開けてみて見る。
『新田明君。君は、残念ながら地球で死んでしまった。本来ならば地球で生まれ変わるところだったが、たまたま見ていた私がこの世界へと君の魂を持ってきてしまった。許してくれ。』
「へ? ここは地球じゃないのかって僕死んだの?」
どうやら、自動販売機の下敷きになって死んでしまったようである。
情けないことに、もう自動販売機に会えないという思いしか込み上げてこなかった。
『この世界に連れてきてしまったお詫びに何かスキルを1つ上げようと思っていたんだが、君が好きな自動販売機を召喚できるスキルをつけておいたよ。あと、サービスで言語能力スキルと生活用品などもつけておいたぞ。君には特に使命というものない。この世界を十分に楽しんでくれたらそれでいい。』
「自動販売機にまた会える?嬉しい。ありがとう神様!」
『最後に、伝えることがある。自分のステータスを確認するためには、「ステータスオープン」と心の中で言えば表示されるから。それでは、元気でな、明。』
読み終えると、キラキラ光って手紙が消えていってしまった。
「神様ありがとうございました。それじゃあ、ステータス確認しようかな。」
「ステータスオープン!」