8話
韓国ガレージ付近の路地裏にて…
煌「ほら起きろよ。」
そう言いながら1発のパンチで気絶したこの辺りを縄張りにしているチンピラに話しかけた。首根っこを片手で捕み持ち上げると気が付いたチンピラはビビり散らかしていた。
「も、もうやめてくれ!目的はなんだ?金か?直ぐに持ってこさせるから!」
煌「何言ってっかわかんねーんだよ!」
言葉の分からない煌輝は拳を振り上げるとチンピラは情けない声で助けを呼んでいた。
佐「コラコラ煌輝ちゃん。そこまでだよ?」
煌「佐助か。丁度いい、コイツに今日からこの辺は『魂破仁怨珠』の縄張りだって言っとけ。」
そう言ってチンピラを投げ飛ばしガレージへ帰っていった。
佐「大丈夫?すまない、僕の仲間が…」
「い、いえ。助かりました。」
佐「僕達は仕事で日本から韓国へ来たんですけど、あまり目立ちたくないのでここら辺を管理してるアナタに僕らと揉め無い事を約束して頂きたい。」
「わ、分かりました。俺のナワバリに居る日本人には手を出すなと伝えておきます。」
佐「うん、よろしくね!あ、あと1つ…カジノは何処かな?」
そして2人はチンピラから教えてもらったカジノの場所へ向かった。
佐「こりゃ、いい場所だ。」
煌「退屈しのぎにはなるか…」
佐「小遣い渡すから大人しく遊んで来なよ煌輝。今から俺は仕事をするからよ…」
煌「あいよ。」
佐「暴れんなよ。」
煌「…あいよ。」
そう言うと煌輝は自分の知ってるゲームの席に座り賭けを始めた。
佐助はカジノ内の監視カメラの種類、個数、警備の数、ディーラーの死角を探していたら煌輝が叫び出した…
佐助は急いで煌輝の座った席に慌てて戻った。
煌「うぉらー!!!」
佐「おい!大人しくしろって言ったろ!」
煌「佐助!大人しくできるかよ!」
佐「誰を殴った?」
そう言って周りを見るも誰も殴られた痕跡がない…それどころか皆歓声を上げていた。そこへ韓国人ディーラーが話しかけてきた。
「あー、彼の通訳ですか?」
佐「あー、仲間だ。こいつ何しでかしたんだ?」
「彼がシックボーのトリプルを当てたんです!このカジノ始まって以来の出来事ですよ!素晴らしい勝利を掴みましたね!直ぐにお金を持ってこさせます!少々お待ちを。」
佐「なんだよ。ってトリプルって言ったか!?煌輝!お前いくら賭けたんだよ!」
煌「は?全額に決まってるだろ!30万が4530万になったぜ!ハハッ!」
佐「全額って…相変わらずイカれてんな。だが、よくやった!おかげで俺の仕事が無くなったよ!」
煌「おう!…仕事って?」
「お金の準備が出来ました!引き続き遊ぶならこちらでいくらか預かっておきますがどうされます?」
佐「いや、帰るよ!そう何度も当てたらカジノが潰れちゃうだろ?」
「お気遣いどうも!では、出口までお運びします!」
疑問いっぱいの顔で聞き返す煌輝だったがお金が届くと目がお金になり佐助の言ったことなど忘れていた。出口へ行き4億8500万ウォン(4530万円)をアタッシュケース5つで受け取った2人は車へ乗りガレージへ帰った。