5話
アメリカにて…
スーツにサングラスをかけ、黒の『シビック』に乗った2人がある機密情報を手に入れる為に海岸線を走っていた。
総「仁はカタギだろ?会社休んで大丈夫なのか?」
仁「会社休む方法なんていくらでもある。上司から1年はゆっくり休めと言われたよ。」
総「なんて言ったんだよ…」
仁「…まー、いいじゃねぇか!それより見つかんねーな。」
総「アメリカは情報集めるにも一苦労だな。」
仁「まぁ、場所は合ってるはずだろ?」
総「ったく、麗司の野郎面倒くさい仕事任せやがって。」
仁「そう文句言うな。盗みは昔からやってただろ?」
総「盗む物の格が違うだろ。国家機密だぞ!?」
仁「あの建物じゃねーか?」
海岸沿いから海の中へ施設が伸びている大きな建物を見つけ丁寧に駐車場に停めサングラスに内蔵されてあるカメラの電源をつけると耳に着けている無線を通じて韓国にいる隼斗と連絡を取る。
総「隼斗!着いたぞ!」
隼「んな大声出さんでも聞こえとる!」
仁「いいから指示をくれ。」
隼「よし、ちょっと待ってろ…」
そう言うとキーボードをカタカタと叩く音が聞こえたと思ったら指示が飛んできた。
隼「車のダッシュボードにカードが入ってるだろ?それ使って中に入ってくれ。」
仁「これか。」
隼「中に入ったら受付に先月の報告不備があるから誰か呼んでくれと言え。あ、総士郎は何も喋んなよ?英語できないから。」
総「わーってるよ!」
隼斗の指示通り動くと白衣を着た若い男が走ってきた。
「せ、先月の不備に関しては電話でも伝えた通り来月の報告の時にまとめてしますよ!」
仁「あぁ、それについてはそうしてくれ。だがこちらも書類はまとめてくれとの指示だから直接見に来た。」
「そ、そういうことでしたらこちらへどうぞ。」
そう言うと若い男はサーバー室へ案内し自分のパソコンを見せ色々話していた。
仁がその対応をしている後ろで総士郎はUSBメモリを刺し隼斗の指示通り必要なデータをダウンロードし終わると総士郎が仁へと電話しその電話に出るフリをすると仁は「急用が出来た」と白衣を着た若い男にそう伝え撤収した。
総「あの建物は結局なんなんだ?」
仁「海洋研究所だ、海の色んなことを研究している。」
総「なるほど、てことは研究データを取ったんだな!」
隼「ちげーよバーカ!海洋研究データなんて取っても意味ねーだろ!」
総「じゃぁ何取ったんだよ。」
仁「潜水艦のデータだろ?」
隼「さすがは仁だな!正確には潜水艦の制御システムデータとそのコードが欲しかったんだ。」
総「そう言えば修二が潜水艦がどうとか言ってたな。」
仁「聞いてなかったのかよ…」
総「ま、そんな時もあるよな!」
隼 仁「ねーよ!」