表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

気分が乗らないな、本当に

さっきの不法侵入者。

四木と名乗っていた男が言うには0時に四ノ宮公園で話があるとかないとか。

正直そんなに行く気がしない。

家に勝手に上り込むようなやつの言うことを信じる方がどうかしている。

しかし気になることがあるのも事実。

なんであの男は自分の胸のうちを知っていたのだろう。

誰にも「平穏が嫌い」ということをいったことはないと断言できる。

ならばなぜ分かったのか。

心理学の応用とかと言われたとしてもしっくりとこない。


まあ、わからないことを考え続けた所で仕方がない。

指定された時間までまだ5時間ほどある。

ベットで寝ていよう。

ベットの上に転がるとふとズボンのポケット部分に違和感を感じた。

ポケットに手を入れ確認すると先程の指輪を入れていたのを思い出した。

指輪を天井の照明向け掲げる。

指輪には小指の爪の大きさ並みの赤い宝石が付いている。

アームの部分は金と銀が捻れているような装飾だ。

よく見てみるとあまり見かけないような形をしている。


「まさかGPSとか盗聴器とかついてないよな......」

あやしい宗教団体とかだったらどうしよう。

もしくは新手の詐欺だろうか。

いろいろ考えていると眠気が襲ってきた。

そこら辺に指輪を置いておくとどこかに失くしそうだ。

指にはめておこう。

襲いかかる眠気に中指輪をはめて、暗い闇の中へと落ちていった。





ここはどこだろう。

血なまぐさい匂い。

飛び交う怒号。

辺り一面は人、人、人。

いろんな人が剣や槍やらで殺し合っている。

恐る恐る自分の手元をみる

するとどうだろうか。

自分の手にもそこらの人と同じように一本の槍を持っている。

背後から兵士が雄叫びをあげながら剣を振り下ろしてきた。

なぜだろうか。

体が勝手に動く。

というよりどう動かせばいいのかがわかる。

それは鮮やかに手に持っていた槍はその兵士を心臓を突き刺した。

目の前で人が死んだ

自分が殺したのだ

視界が赤くなり、次から次へと兵士が自分に向かい襲いかかってくる。

その攻撃を容易く受け流し自分の意思とは関係なしにその兵士たちの命を絶っていく。

一人、また一人と機械のように、作業のように、兵士を刺し、切り裂いて行く。

体感的には攻防、いやこれは攻防とは呼べない。

完全に殺戮と呼べるそれは生きているもの全て滅ぼした。

ふと自分の手を見る。

そこには血まみれの、自分の手とは思えないほど赤色に染まっている。


「うわああああああああ」

気が動転して大声が出てしまった。

そこは戦場でもなければ、自分の家の自分のベットの上だった。

何かに縋るように上へ伸ばした手を見て、ここが現実だということがはっきりと分かった。

こんなリアルな夢は初めてだ。

まだ目が覚めたばっかりだからか鮮明に夢の内容も覚えているし、感覚も残っているような気がする。

寝起きで手を伸ばすなんていうのはゲームやアニメの中だけだと思っていたのに、まさか自分がやることになるなんてな。

ふと時計を見ると、時計の針が11時30分のところを指していた。

「気分が乗らないな、本当に。」

家に帰れば不法侵入者が家におり、その次は悪夢と来たか。

2度ある事は3度起こりそうだ。

重い腰を上げ、貰ったスマホを手に取り家を出た。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ