四話
俺は思わず身構えてしまった。
こんな場所でいきなり大きな音がしたもので警戒する。
「何だ…今の音は…」
誰かのイタズラか?
だとしたらマジでやめて欲しい。
肝試し中にそんな事したら誰だってビビる。
ていうか本当何があったんだ?
―――しーん。
嫌な予感がする。
職員室の外が静かすぎる。
誰かが騒いだり悲鳴を上げたりする様子がない。
一体何が起こっているんだ。
…そういえば用務員室で鍵を捜してくれてる茶木さんはどうしているだろうか。
さっきの音が聞こえなかった筈がないし…。
「…よし」
俺は意を決して職員室を出る。
―――ガララ。
…廊下が不気味な位に静かだった。
人の声が何も響かない。
確か大人数で入った筈なのに今は何も気配がしない。
思わず緊張する。
気分はさながらゾンビゲームの主人公みたいだ。
さて、隣の用務員室を調べよう。
―――ギシ―――ギシ。
歩く度に廊下がギシギシいってる。
確かに古い建物だからそんな音が出るだろう。
でもさっきまでそんな音は出てたか?
多分音は出てたけど気にしていなかったんだ。
今はあまりの静けさに聴覚が研ぎ澄まされて聞こえなくてもいい音まで拾ってしまう。
まぁ、何が言いたいかと言うとつまり怖いんです。
「…ここだ」
用務員室の前に着いた。
―――コンコン。
軽くノックする。
「茶木さん、まだいる?」
確認をとってみたが返事が無い。
扉を開けてみると部屋の中とっくに蛻の殻だった。
辺りを見てみると物が散乱している。
さっきまでここで探し物をしていた証拠だ。
茶木さんついさっきまでここにいたんだ。
「…すれ違ったか」
廊下で大きな音がしたから彼女はそれを調べに行ったんだろう。
これ以上留まる用も無いので俺は用務員室を出る。
気は進まないが俺も音がした方へ行くべきなんだろう。
ーーー
ーー
ー
俺はさっきの玄関前へと向かっていた。
廊下は相変わらずの静けさなので歩を進める度に全身が寒くなる。
―――スン。
何だこの匂い。
何か嗅ぎなれない変な匂いがした。
酷い悪臭という訳ではないが思わず左手で口と鼻を塞いだ。
そしてさらに歩を進めると…。
「え」
シャッターが開いてた。
いや、正確に言えばこじ開けられた。
まるで何かが体当たりして無理矢理こじ開けた、そんな開け方だった。
だが一番目を引いたのはその下の水溜まりだった。
いや…訂正しよう。
最初は暗くて分からなかったがそれは血だった。
それも大量の。
周辺を見渡すと体の一部だった■■■■が辺りに転がっている。
赤黒く染まったピンク色の■■■■が床に散乱していた。
その■■■■は誰の物だったのか。
―――カラ。
足を動かしたら何かに触れる。
血に染まった眼鏡だった。
あぁ…分かった。
この目の前の■■■■が誰なのか。
眼鏡が落ちてあった直ぐ横に…彼女の…。
茶木奈々さんの生首が転がっていた。