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Cage  作者: 内田智明
3/20

二話

手を引っ張られてから10分が過ぎた頃、俺達が向かってたのは隣の旧校舎だった。

木造建てでそれなりに古く、確か50年前に建てられたとかなんとか。


「皆ー!最後の人連れてきたよー!」


旧校舎の前に待機してた他の生徒達が一斉に目を向ける。

俺、注目されるのってあんま好きじゃないのよねぇ。

まぁ大半の奴らは直ぐに視線を外したけどね。

多分興味無いのだろう。


「じゃ、また後でね」


名前を思い出せない女生徒はいつの間にか俺の手を放して複数がいるグループへと向かった。

結局彼女の名前は最後まで思い出せなかった。

まぁ多分思い出す必要はないけどね。

さて…これからどうしようか。

ていうか何が始まるんだか。


「あはは、その様子だと古田君も無理矢理参加させられたみたいね」


どうしようかと考え事をしてたらいつの間にか女生徒が俺の隣に立っている。

眼鏡をかけたショートボブの女の子。

確か名前は…茶木さんだ。

うちのクラスの委員長なのでなにかと声をかける機会が多い。


「なぁ、これって何の集まりなんだ?何も聞かせれてないんだけど」

「あー、なんでも高校最後の思い出に皆で肝試ししようって沢渡さんがね」


沢渡って誰よ。

全然顔が思い浮かばない。

てか何故よりによって肝試しをチョイスしたか。


「ところでさぁ、これ何人集まってる?」

「うん、古田君で26人目だよ」


あれ、以外と少ない。


「本当はもっと来る筈だったんだけど家の手伝いや塾とかで忙しいみたいでね」

「そういう茶木さんこそ大丈夫なの?」


確かこの人も塾通いじゃなかったっけ?


「うーん、高校最後って言われるとどうしても参加したくなんだよねー」


まぁ、その気持ちも分らんでもないが…。


―――ざわざわ


茶木さんと話していると先頭の方がざわつきだす。


「よーし、これ以上誰も来る気配も無いしそろそろ始めようぜ!」


待ち切れなくなった先頭の誰かさんが皆を引っ張って旧校舎へと入る。


「それじゃあ私達も行きましょ」

「あ、うん」


全員が移動を開始するとふと旧校舎の上を見上げる。

カーテンが架かった窓から薄っすらと人影が見えた気がした。

気がするだけ。

実際はただの錯覚なのかもしれない。

だが何故か言い知れない不安が俺を襲う。

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