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終わらせよう
今日で終わらせる
僕はもう知らないフリが出来ない
もう進まないといけない
いつまでも子供のままでいられない
「母さん、姉さん、麻衣、兄さん」
「どうしたの?」
姉さんは不思議そうに首を傾げる
その動作さえ、嘘らしい
「ごめんなさい」
「何が?」
兄さんのとげとげしい声
「自分勝手で、ごめんなさい」
「顔を上げて。あなたは悪くないのよ」
母さんが優しい声でいう
「だけど、もう終わらせなきゃ」
「何を終わらせるの?」
麻衣の真っ直ぐな瞳
それが僕を見てる
「終わらせよう。自分勝手な生き方を、人だけをかばう生き方を」
僕の言葉が部屋で響く
みんなの瞳は僕を見てた