第二話。
そんな中、バチャバチャッ、と誰か駆けてきた。
朦朧とする意識の中で、目の前に人が居るのが分かった。
キャップを深くかぶっていて、顔がよく見えない。
「大丈夫ですか!?しっかりして下さい!!」
其の人は、私に声をかける。
けど、私は、朦朧とする意識の中で、理解が追いつかない。
「助、けて……」
そう言い乍ら、其の人の手を握る。
…あ。温かい…。
其の手をギュッと握り締めて、意識を失った。
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俺は、渋谷でのコンサートを終え、一人で傘を差しつつ、ファンから逃れる。
何となく、ファンの側に居たくない。
自分の理想を、俺に押しつけてくる奴らは、ファンだから。
俺は、拳を握る。
雨が、更に、強くなる。
「…じゃあ、俺は、何の為に此所に居るんだっ!」
ザアァ……
雨に混じって、俺の頬から、流れ落ちた。
涙が。涙が。涙が。
苦しくなる。こんな生活、やりたくない。
ファンの奴らにチヤホヤされて。
金、いっぱい貰って。
で、何も残らない。
苦しい生活から、抜け出す為に、って、役に立たない。
バカだから。バカだから。この道を選んだ。
ぼやけた視界に、何かが映った。
何かは、分からなかったから、もっと近くに寄った。
…ネコ、とかかな?
涙を拭きつつ、じっと見た。
俺は、驚いて、走って近寄った。
文が、下手くそですが、引き続き、お読み下さい。
感想、意見、お待ちしております。