表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/81

80

 相変わらず天我は友達のグループに無視をされていた。悲しくはあったが、もう気にしないことにした。他人は変えられないから、変えられないことに悩んでいても時間の無駄だと思うことにした。変えられることを変えていこう。そう思うことにした。

「ねえ、このあと時間ある?」

 天我が話しかけても、相手はなにも反応してくれなかった。

「見せたいものがあるから体育館に来てほしいんだ」

 そう言い残して天我はその場をあとにした。

「なんだ?」

 体育館には別段これといってなにもなくて、天我と友人だけだった。

「そこで見ててくれる、黒川先生来るから」

「なんで黒川が?」

 天我は友達を二階へ続く階段の上に待たせた。本人はというと体育館入り口の真上にいた。なぜだか、バスケットボールとバレーボールのカゴが横にあった。

(いったいなんなんだ?)

 数学教師の黒川が来た。天我ばかりを説教する先生だった。

「黒川先生!」

 黒川は頭上の声がする方を見た。

「なんだ天上、呼ばれて来てみれば、そんなところでなにをしてるんだ」

「しねええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!」

 天我はバスケットボールを黒川めがけて投げつけた。

「な、なにをするんだ!?」

 天我はボールを投げ続ける。

「僕ばっかり、目の敵にして頭来てんだよ、くそ先公がよおおお!」

 ボールの一つが黒川の鼻頭に激突して鼻血が出た。

「ば、ばか止めろ!」

 ボールが黒川の身体に当たり続ける。

 止んだ。

「はあ、はあ」

 天我は階段を降りるとき友達を見た。すごい楽しそうにしている友人と目を合わせた。階段を降り、黒川の目の前で頭を下げた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ