表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/81

78

が震えて割れた。

 台風が衝突してきたようだった。

(これが、どうしようもない奴だ)

 戦っても勝ち目のない、抗いようのない、圧倒的な存在。どうにかしてやろうとか、考えること自体が間違いだと思うような、そんな存在。

「天我君! 天我君!」

 肩を揺さぶる。

 ポケットの中の玉が淡く光っていた。

 天我の目が開く。

 上体を起こして伸びをした。

 さもよく寝たという表情をしている。

「よかった、逃げよう! 立って!」

 天我が楓に促されて立ったとき、影の巨人を見た。引っぱろうとする楓は、動かなくなった天我を見る。

「ねえ、なにやってるの! 早く!」

 天我は玉を握り剣にした。

「かえちゃん、一緒に持って」

「え? どうゆう――」

 天我は剣を一緒に持てと言っているようだった。

「いいから!」

「う、うん」

 楓は天我の勢いに押されて剣の柄を一緒に持った。

 掲げる剣からは緋色の光が湧きでていた。

「光が……」

「いくよ」

 二人で剣を振りおろした。

 影の巨人を二つに斬っていた。

 空の闇も二つに分かたれ、切り口からは緋色の光が溢れていた。

「なにこれ」

「行こう」

 楓は天我に手を引かれるまま、光が溢でる先へ走っていった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ