表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/81

64

 学校の外は相変わらず薄気味悪かった。膨らんだ闇。そんな印象の道。

 川を見ると魚の形の影がいた。飛び跳ねる影はピラニアに似ていた。

「やべえのに出くわさなきゃいいけどな」

「あの魚の影みたいな?」

 楓は川の方を指さした。

「あんなのかわいいほうだろ」

 楽朗は川をのぞき込むように見て言った。

「じゃあ、ヤバいのってなに?」

「成れの果てにもいろいろいてさ、二人がかりでもどうしようもできないのもいるから、そんときは逃げるぞ」

「どんなの?」

「たまに不死身のやつがいる、あとどうもできないやつ」

「……なにそれ」

 訊いておいてなんだが、正直耳を塞ぎたいくらいだった。

「ま、遭遇しないことを祈るしかないのよ、幸いそいつら脚が遅いから逃げたらだいじょうぶ」

 楓は絶対に会いたくないと思った。 

「やつら、生きてる人間に集まってくるのかと思ってたけど違うみたいだな」

「なんでそう思うの?」

「お前に成れの果てどもが集まってこない」

「楽朗君がいるからじゃなくて?」

「いや、それは関係ないな。二回目来る人間なんて初めてだったけど、なんかが違うんだろうな」

「何が違うんだろうね」

「しらん」

「死にたがっている人間に集まるのか、単純に呼ばれた人間だけに集まるのか。無理矢理来た私には興味がないってことだね。よかった」

「俺は興味あるけどな」

「どういう意味で?」

「なんでもない」

「そういえば、私達みたいな生きてる人間が迷い込んだとき以外はなにやってるの?」

「んー、本か漫画読んだり、スケボーとかして遊んだりかトランペット吹くかな、あとは

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ