表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/81

61

「嘘でしょ?」

 言葉が出てくる前から薄々気づいていた。だけど信じたくなかったから言わないようにしていた。進んでも進んでも道が同じなのだ。どこからが境かわからない。だがある程度いくと先ほど通った道に逆戻りしている。

 自分の家に向かおうとしていた。だがこれじゃあ、いつまで経ってもたどり着くことはできない。永遠に家に着かない。

 前を見るとゆらゆらと影が見える。

 ヤバい。

 天我は脇道にそれた。

 

 楓は蜘蛛の影に苦戦していた。斬ろうとしても剣は弾かれるばかりだった。

 他の影みたいに斬れない……

「うわああああああああああああああ!」

 それでも果敢に挑みかかった。

 蜘蛛の脚を斬った。

 やった。

 と思った瞬間。

 身体に衝撃が走り、思い切り吹っ飛んでいた。

 剣が手から離れた。床に転がる。

 フェンスに叩きつけられる身体。

 飛びかける意識。

(あ……)

 目だけ向けると、蜘蛛の影が近づいている。

 剣が踏まれていた。

 手を伸ばしても届く距離にはない。

 身体が痛みで動かない。

 や……だ……

 そのときだった。

 蜘蛛の影を背後から斬りつけた者がいた。

 蜘蛛の影は二つに分かれて果てた。

「りっ……ちゃん?」

 いや、違う人物だった。知っている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ