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 この身体は動けて楽しいや。けど、少し寒いかな。

 少し遠くの方で影のようなモノが動いていた。

 ドロドロとしたアメーバのような見た目だった。

 少年は息を飲んだ。

 玉は赤い剣になった。

 赤い血のような美しい剣だ。

「なにこれ、かっこいいじゃん」

 少年は剣から影に視線を移す。

「これで倒せってことかな」

 少年は再び笑った。

 はしゃいでいた。

 走って、不気味な影に向かっていった。

 影に斬りつけて。

 引き裂いて。

 二つにして。

 剣を振った。振った。振った。

「あははは」

 見るとまだ影がうようよとしている。

 少年は走りだした。

 楽しくて仕方がなさそうな顔をしていた。




 律は遠くの家の屋根の上から少年の様子を見ていた。

「すごいな、来てすぐに戦えるんだ。しかも楽しそうにしてる」

 大抵の人間はここに来たら、逃げるだけだ。逃げて、絶望して、悲観して、拒絶して、それからやっと戦うか、諦めるかを選択する。彼は例外だった。はじめから影と戦う勇気を持っていた。未知への恐れが無い。

「かなり、変わってるのかなあ、さてさてどんな人なのやら」

 律は屋根から屋根を飛んで少年の元に向かうことにした。


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