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 沢山泣いた。

 あれは幻想だったのだろうか。

 死んだりっちゃんに会えたのは夢だったのだろうか。

 りっちゃんはあそこにいた。

 確かに存在していたんだ。

 また、会えたんだ。

「夢でたまるか」

 制服のポケットをまさぐった。丸くて硬い感触。

「あった」

 夢じゃない。  

 風が吹いた。

 誰かが後ろにいるような気がした。

「りっちゃん?」

 振り返る。

 誰もいない。

 楓は立ち上がり涙を拭いた。手の中にある物を握りしめる。

楓は屋上を後にした。



少女は教卓の上に座って足をぶらぶらさせていた。

 少年は窓から上半身を出してぼーっと外を見ている。

「ん?」 

 少女が手を見ると。手が透明な光になっていた。少女はニッと笑った。

「一抜けピ」

 そう言うと机から降りて、教室の戸に手をかけた。

「よかったな、あがれて」

 少年は振り返らずに手を振った。

「んじゃ、あっちでまたね」

「おう、そのうちなあ」

 少女は顔をほころばせて教室を出て行った。  


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