表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/81

22

 影が次々と湧いて出る。

 影が湧き出る速さより速く、影を倒していった。

 交錯する刃。同時攻撃。お互いの死角からくる攻撃を弾く。最後は息を合わせて同時に斬る。   

 もう影は湧きでてこなかった。全てを倒した。

 楓は床に剣を突き立てる。

 二人で背中合わせで座わりこんだ。

「や、やった」

「疲れたー、もう死んだほうがましー」

 その言葉がなんだかおかしかった。

「ふ、あは、あははははははは――」

「そんなにおかしいかな」

「別におかしくないよ」

 私は堪えきれずにまた笑いだした。

「笑いすぎじゃん?」

「ごめんね、くくくく」

 楓は笑いながら涙をふいた。

「ねえ、あの男子、助けに行かなくていいの?」

「大丈夫、大丈夫、あいつ、殺してもしなないから」

「なにそれ」

 彼女が言うのなら本当に大丈夫なのだろう。そういえばもう一つ気になっていたことがあった。忘れずに訊いておこう。

「ねえ、名前、なんていうの? 聞きそびれてたね。私、楓」

「あたし、律。よろしくね、かえちゃん」

 楓は振り返って律の背中を見つめた。

「りっ……ちゃん?」

 幼い頃の律の顔と今の律の顔が視界の中で重なりあった。

「うそ」

 また、会うことができた。もう会えないと思っていた死んでしまった親友に。

 言葉にならないくらい嬉しさが溢れかえった。

 突然ぐらぐらと身体が揺れた。

「なに!?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ