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「大丈夫なのこれ」

「大丈夫じゃない!」

「うそ」

「ほんと!」

「ついてきて!」

「う、うん」

 少女は走って体育館の入り口に溢れる影達に突っ込む。

「よいしょお!」

 複数の影を一掃した。

 追いついてきた楓の手が取られる。

 二人は一緒に体育館を出ていった。 

 非常灯が明滅する。

 廊下を走る。走る。走る。

 楓はドキドキしていた。恐怖なんかじゃなく、女の子が戦っているところを見て、かっこいいと思った。彼女がいてくれたら、大丈夫、絶対大丈夫。そんな想いが溢れていた。

 廊下の先で誰かが複数の影と対峙していた。あれは、昨日会った少年だ。生きていて良かったと楓は思った。戦っているところを通り過ぎていく。

「サンキュー」

 と女の子は少年にいう。

 楓の視線が少年とかち合った。

「ありがとー!」

 楓も大きな声でお礼をいった。

「おらあああ!」

 少年は二人の言葉には応えなかったが、敵をまとめて斬り倒していた。

二人は廊下を駆け抜ける。

「さっきの人は知り合い? 昨日、彼が助けてくれたの」

「うん、楽朗っての」

「楽朗くん……、彼は一人で大丈夫?」

「大丈夫、大丈夫。言ったでしょ、狙われるのは生きてる人間だって」

 楓はそれを聞いて、なんだか複雑な心持ちになった。

なんでこうまでして守ってくれるんだろう。

 通路に影が溢れ返っていて、二人は先に進めずに立ち止まる。


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