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 足音が小さくなっていく。

 よかった。

 少し安心してホッと息を吐いた。

 頭上からヌッと突然生えた!

 人の顔が隠れていた机の上から出た。     

「やっほー」

 楓の口から声は漏れなかったが、びっくりして肩を上げていた。胸に手をやる。手は震えている。

「……!?」            

「大丈夫?」

 その女の子は心配そうに話しかけてきた。

 楓はゆっくり、口元の手をどける。

「だ、大丈夫じゃない」

 楓は今にも泣きそうなになって応えていた。

 その女の子は楽しんでいるかのように言った。

「みたいだね」

 楓は立ち上がってその女の子を見た。たぶん、楓と同じくらいの学年だろう。肩まであるボブヘアーで、背恰好は楓と同じくらいだ。

「よ」

 と女の子は乗っかっていたテーブルから降りた。

 二人の目が合った。目の前にいる女の子はじっと楓を見ていた。

「やっと人に会えたあ」

 と楓は緊張していた表情を緩ませた。見ると、女の子は黄色い剣を持っている。あの影が持っていた剣と似ているような気がした。ある考えが楓の中でよぎった。

「あなた、さっきの……もしかして昨日、私のこと助けてくれていたの?」

「まあね」

 女の子は照れたように頬を掻いた。

「ありがとう。ここはなに? あの黒い影は? なんなの?」

 楓はやっと会えた希望の光にすがるように、矢継ぎ早に質問を投げかけた。

「待って待って、落ち着いて一つずつね。ちゃんと説明するから。えーとね。私たちはここをたまり場って呼んでる。あいつらは、なれの果て」

「たまり場? なれの果て?」


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