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三題噺もどき3

買い物―スーパー

作者: 狐彪

三題噺もどき―よんひゃくごじゅうに。

 


 目の前の自動ドアが開くと同時に、ざわめきが鼓膜を叩く。


 イヤホンでもしてくるんだったと、早々に後悔して引き返したくなった。

 が、そもそも充電していなかったと思いだして踏みとどまった。

 こういう時に、発揮されるズボラはいらないよな。必要不可欠というわけでもないが、それなりに使うんだから、管理をしっかりとしておくべきだった。

「……」

 でも、買い物をするときは極力イヤホンの類はしないようにしているので、あってもつけなかったかもしれない。

 あれで、耳を塞いで外音が聞こえなくなるのはいいが、聞くべきものが聞こえなくなるのはよくないだろう。

「……」

 店員の言葉が届かないのは、双方にとって居心地も悪いものだし。

 過去にレジのバイトをしていたとき、イヤホンをしている人は、個人的にはものすごく印象が悪かった。

 袋の有無も箸の有無も聞こえない。聞き返せば睨んでくるのだから、悪印象にもなるだろう。

「……」

 あと個人的には、電話しながら来る人もあまり好きではない。

 こっちの声もあまり聞こえないだろうし。

 聞きたくもない他人の会話を聞く羽目になるのが何より嫌だった。意識不明で運ばれたなんてセリフを聞くことがあるなんて思いもしなかった。

 あの頃は、他人へは何かしらの気遣いを残していたんので、変な不安に襲われたりもした。

「……」

 まぁ、過去のその辺のことは置いておいて。

 自分がそういう行動をしないように、戒めとして飲み込めばいいとして。

 今日は今日の事をしなくては。

 買い物をさっさと済ませてしまおう。

「……」

 カートを一台取り出し、カゴを乗せる。

 肩にかけていた鞄の中から、スマホを取り出し、メモアプリを開く。

 普段はここまでしないのだが、今日は買うものが少々多かったので、忘れないようにメモしてきたのだ。何度も買い物に行く余裕はない。

 あと、不要なものを買わないようにというのもあって。

「……」

 さて……。

 とりあえず、野菜と果物あたり。

 あーでもその前に洗剤を見ておきたい。あの辺の商品はあっち側か。

 別にドラックストアとかで買ってもいいのだがあちこち行くのは面倒だ。あーでも薬……いや、いいか。こちらの方が安そうだ。

「……」

 これと……これと。

 いつも使っているものを見つけ、カゴに入れていく。

 ボトル容器はあるので、詰め替え用のモノ。

 まぁ、最近は大き目のサイズを買って、それをそのまま使うこともあるが。今日は安くなってはなかったので、通常サイズの詰め替え用を買う。

「……」

 あとは、食器用の洗剤。

 あれ……いつものがない。

 んーまぁ、これでいいか。

 モノは同じだし、匂いが若干違うだけだし。

「……」

 さて、次こそ食料を見に行こう。

 カートを押しながら、入り口の近くまで戻る。

「……」

 とりあえず、このあたりがあればいいから……。

 じゃない、メモを確認しろ……何のために用意したんだ。

 ……でもまぁ、この辺はあっても困るものじゃないし。

「……」

 果物……高いな。缶詰とかで良いかな。

 いや、そっちの方が高いかもしれないが……そんなに頻繁に食べないし保存が効く方がいい。ん。缶詰はどちらにせよ見に行くからそのときでいいか。

「……」

 そのままの流れで、魚が売られているコーナーへと進める。

 この辺はどこのスーパーにいっても同じようなつくりになっているよなぁ。

 そういう決まりでもあるんだろうか……詳しいことは分からないが。見て回る側としてはありがたい限りだよな。変なストレスなく回ることができる。

 ―と。

「―っすみません!」

「いえいえ、」

 突然、後ろから衝撃が襲ってきた。衝撃という程のものでもないが。

 ジャージを着た若者だった。

 学校指定のものだろうか、アレは何度か見たことがある。

 きっと母親と共に買い物に来たのだろう。

 あっさりと、母親の元に戻り、楽しそうに話している。

 今日の夕飯の事だろうか。はたまた学校でのあれこれだろうか。

「……」

 ああいう関係は羨ましいな。

 うわべだとしても。

「……」

 さて。

 それよりも、さっさと買い物を済ませよう。

 魚と肉はあまり量は買えないな。

 どちらにせよ、値段と期限を確認しつつだ。


 結局、メモしたもの以外のモノも買ってしまった。

 ま、なんにせよ必要なものだし。

 良しとしよう。







 お題:魚・意識不明・ジャージ

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