97.豪華金満旅行計画?
※本作は空想の歴史を書いたものなので、史実や実在の自称・人物・史跡とは全く色々微妙に異なりますのでゴメンナサイ。
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爛漫の春、を前に年度末の単位取得を終えた私、時尾司。
大学もうすぐ4年生。就職活動間近。胃が痛い。
大学受験で培った語学力を生かして国際企業…は低信頼ローンの崩壊事件で突然クビ!の嵐が吹き荒れているし。
国内の堅実な会社…と言っても情報系は成熟業界=停滞中だし。
新興の人材派遣は人を人とも思わぬ暗黒企業体質がバレで経営者の竹ナントカって奴が終身刑か献体刑を選ばされて一気に収束したし。
こういう時海外留学の美女3人組、「飴ズ」みたいに夢があると突っ走れる勢いがあっていいよね。
なんて悶々としていたら、その飴ズのスーから連絡があった。
「ゴメン司ン!凄くイヤなお願いがあるんだけど」
「自分からイヤなって言う正直さは評価する、だが断る!」
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「ウチの親族がオリジナリティ~溢れる日本ツアーを御所望なんだよー!
あの『関東地味な城巡りで歴史と文化と経済を学べる極楽ツアー』を組んだ司ンなら!
あのやかましいオバサン軍団を!
究極で至高のラグジュアリーを!」
「出来ないって!あれ色々手配したの殆ど時サンなんだよ?」
「あー、ウチのオバサン連中金だけは持ってるからさ、ある程度理想的なプラン組めば旅行代理店が仕上げてくれるよ」
「いや~、そういうんじゃないと思うよ?時サンは気配りの権化だからね」
「というと?」
「私達が盛り上がれる様に、飽きない様に、関心を持ってる事に触れられる様に、相当よ~く考えて旅程を練ったんじゃないかな?
解散した後も寂しくならない様に大晦日を最終日に持ってきたんじゃないかな?
なんて、あれから考えたんだよね…」
「何と。私達学祭で初めてお会いしただけなのに、そこまで考えてくれてたのか。
考えすぎって事無い?」
「お延さん達に聞いてもはぐらかしてる。それって逆に肯定してるって事だよね」
「ぬう。お延さん、嘘付けない菩薩様みたいな人だな」
「で、私はスーの親戚の皆さんを知らないし、旅行代理店であんな下手したら渋滞突入、寒空でブーイングみたいな旅を上手くやり切れるかなって思うとね…」
「尚の事時サンに惚れたか?」
「オッサンは臭くてイヤです」
「ヒデェ」
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その翌日、観光資格ゼミの、もとい国際経済学の教授から呼び出された。
あのゼミ、歴史学じゃなくて経済学の延長だったのよね。その観点が面白そうだったんだけどすっかり歴史マニア、城マニアな方向に行っちまったよ。何故だ?
「時尾、お前『案内士になろう!』社に入らない?」
「何スかのその誰でも案内士になれそうな間口広そうな会社?」
「間口狭いぞ?21世紀の日本の新興産業、国際ツーリズム業界で海外の富裕層にアプローチする会社だ」
「割に社名軽いっすね」
「余目君…あ、スー君から相談受けてね」「あんにゃろー!」
「まあまあ。彼女の実家はシンガポールからベトナム、香港、台湾まで貿易会社やホテル会社をやってる経営者で、日本にも何度も豪華旅行に来てるんだよ」
「裏山ー」
「で、スー君が君の話をしたら『面白そー』ってその代理店さんにオリジナリティあふれる企画を打診したんだよ」
「富裕層相手の会社だったらいいプラン提案できるんじゃないですか?」
「ところが、だ。先方の旅行来歴を調べたら大体の日本オススメ旅行は経験済。
穴場旅行は価値観が合わなくてイマイチ。
あ、近京坂城ツアーももう何回か行ったそうだ」
「裏山!裏山!」
「で代理店さん、むしろ何で時尾が行った九州城旅や関東ショボ城旅に食いついたのかがわからんって泣きついて来たんだよ。
過去の穴場ツアーとの違いを確かめたい、ってね」
「確かめたい、って事はある程度目安ついてるんじゃないですかね?代理店さんは旅のプロだし」
「鋭いね。そこで企画だけでも意見が欲しい、オバサン達が食いついた旅行について詳しく知りたい、金は出す、って話だ」
「直ぐに参ります!」
「あーよかったよかった、卒業生の受け入れ先に顔が建つってもんだ」
「卒業…受け入れ?」
「あ、打ち合わせにはスー君も呼ばれてるそうだ」
「え"」
これって、何だか最後まで取り込まれそうな予感。
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「愛してるよ司ーン!」
「イケメンから言われたいよそのセリフ」
「きっと来てくれるって思ったよー!」
都心の高級なオフィスで、割とクールだったスーから愛の告白を受けてさっきまでの緊張が全部フっ飛んで脱力したよ。嬉しくないなあ。
「初めまして。『株式会社案内士になろう!』の企画課長、スー・ヤーティンです」
凄い美人!気品が全身から香り立っていますよ!
うわー、こんなキャリアウーマンに産まれたかったよ。
でも誰かに似てる?
ん?頂いた名刺には「徐雅婷」…スーの本名って徐好婷だ。
「あ~。雅姉は遠縁の従妹だよ。今回のツアーの、第一被害者」
「被害者言うなー!ハオも被害者にしてやろうか!」
あ、美女台無し。スーの従妹のお姉さんか。
そーかそーか。スーもロン毛でバッチリ決めたらこうなるのか…
「コホン、失礼しました。いつもヨシコがお世話になっています」
「いえ、こちらこそ色々助けてもらっています」
軽く挨拶して。
「先日ヨシコ」
「ハオでいいよ」
「ハオから聞かせて頂いた、時尾さんの旅行の話が今回の地獄…いえアジア富裕層向けのオリジナル企画ツアーの参考になるかと思いまして」
「えー、それ実は私ではなく、歴史に詳しい知人が企画して手配したものなんです」
「ほうほう」
私は全部…時サン達が時間を超えて歴史をいじくった事以外、宿や足の手配をしてくれた事を説明した。
「その方普通の人じゃないですね。でも最後の関東ツアーは司ン…失礼」「それでいいです」
「司ンがスー達の要望を取り入れて、亘さんと考えて、案内は全部司ンがやった、ですよね?」
「微力ですが」
「そこはもっと『私がやった』!って言わなきゃダメですよ!」うわ!
「この世界、成功実績は自分の物!失敗は他人の責任!アナタもこの業界に来るならそうしなきゃダメ!」
うわ!このお姉さんガツガツ来る!
「ましてやあのオバサン軍団!多少ミスっても『日本じゃ当たり前!気にしたら負け!』位ガンガン行かないと1元の損得で1日予定が狂うからね!」
半分愚痴が混ざって来た!
「じゃあ作戦…もとい、ツアープランを練りましょうね!」
今の挨拶だけで命半分削られたよ…
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新章突入します。
今までと違って他人に振り回されるツアーになりそうな幕開けですが、不快にならない程度にオバサン軍団に暴れまくってもらう予定です。
いやあ~コロナにかかりました。
書き溜め分がギリ1.5話分あったので何とか投降しました。
前回同様誤字脱字等の修正は追って行います。
それよか明日書けるといいなあ。




