2話 転生した世界
んん~っ!
目を開けるとそこは草が一面に広がる草原だった。
ここが異世界?
やっぱりどこか海外のような雰囲気があるな。
これも異世界あるあるって感じだな。
そういえば神が最後になんか容姿がどうとか言ってたな。
近くに鏡とかはないしどんな見た目になっているのかは分からないけど、
この服は和服?装備が刀だからか?
それに髪は結んでいるのか。
自分の頭や体を触りながら大体の予想をしていく。
そうか、俺のイメージか。
この見た目は恐らくだけど俺がゲームでよく使うキャラメイクを元に作られたんだろうな。
服・髪・髪色なんかはある程度把握できたな。
さて次は敵を倒して自身の強化ってところなんだろうが、ここが何処かも分からない上に
敵が出るのかも分からないからな。
それに近くに村とかそういうのはあるのか?
衣はとりあえず良しとして食住の部分をなんとかしないとな。
まずはこの辺を歩き回ってみるか。
神からもっと詳しく聞いておけばよかったな。
若干の後悔をしながら何もない草原を進んだ。
何もない草原を進んでいるとちらほら木が生えているのが見えてきた。
こういうところには土で道が出来ているのがゲームあるあるなんだけどな。
ま、そんな考えはゲームやアニメの知識で、ここは異世界とは言え現実そんなに甘くないよな。
そんな事を考えながら道なき道をひたすらに進んでいると。
カサカサ…
近くの木から何かが動く音がした。
鳥か?それとも魔物か?
俺は刀の柄に手をかけた。
ガサッ!
ブーンッ
それは嫌な羽音と共に木から俺に向かって飛んできた。
蜂!?しかもまあまあデカいぞ!
俺は咄嗟に後ろに飛び、鞘から刀を抜きそのまま向かってくる蜂を切り上げるように刀を振った。
スカッ
俺が切り上げた刀は虚しくも空を切った。
今の外したのか!?
蜂に目を向けると蜂は刀で切り上げる直前に高く飛び躱していたようだ。
おいおい魔物とは言えそこまでの知能あるのかよ。
初めての敵に少し動揺しつつも、俺は刀を構えた。
まあまあな速さはあるが一対一ならなんとかなるか。
ブーン!
蜂は再び俺に向かって一直線に飛んでくる。
今度は躱されないようにしっかりと引き付けよう。
なるべく近く…なるべく近くへ…。
今だっ!!
サッ
ザシュッ!!
蜂の突進をサイドステップで躱し、蜂の首目掛け刀を振り下ろした。
ふぅ・・・なんとかなったか。
えーっとこれで俺の能力はなんか上がったのか?
頭の中に文字が浮かんでくる感じがする。
【スキル習得:探知・毒付与】
【能力向上:俊敏】
探知スキルか。
恐らくこれで初撃を躱されたのだろう。
それと蜂だから毒付与ってことね。
能力は速さが上がったということだろうな。
ただどれくらい上がったのかは分からないのか。
この世界のシステムが少しは分かってきたな。
さてこの蜂の残骸だが、ゲームとかなら素材って感じになるんだろうけど
地味にデカいせいで嵩張るな。
とりあえずなんかの素材になりそうな針と羽根だけ持っていくか。
俺は刀で羽根と針を落とし帯に挟むようにしまった。
この調子だと敵と出会って倒しても素材を集めるのは大変そうだな。
さっさと街かなんか見つけて鞄とか手に入れないと厳しいな。
俺は再び道なき草原を進み始めた。
習得済スキル
探知
毒付与