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異世界に折衷を  作者: 佑玲
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1話 神からの使命

目が覚めるとそこはなにもない空間。

いや正確には雲の上?綺麗な水色の空のような場所だった。


ここは一体どこなんだろう?

ああ、そっか俺は車に撥ねられて死んだのか。


「そう、お前は死んだ」


声のする方を見るとそこには銀髪の男がティーカップを手に座っていた。


「あんたはいったい?」

「我は神」

「神?」

「そう神だ」


あ、この声。この声は死ぬ直前に聞こえたあの声によく似ているな。


「そう、ここにお前呼んだのは我だ」

「呼んだ?俺を事故にあわせたってことなのか?」

「いや、それは違う。お前はあの場で死ぬ予定だった。

だから死んだお前の魂をここに呼んだのだ。」

「そうか、まあ別に未練があるわけではないから構わないけど、

呼んだと言うのならなにか理由があるんだろ?」

「お前は異世界に興味があるのだろう?」


「異世界?本当に存在するのか!?」

神からの異世界という言葉に俺は胸が高まった。


「ああ、存在する。その異世界にお前を転生させてやる。

その代わりにお前には我の使命をこなしてもらいたい。」

「使命?面倒くさそうだな。それは断れるのか?」

「断る?お前が望んだ異世界に行けるのだぞ?」

「まあ確かに異世界に行けるのはすごく面白そうだけど、

使命っていうのがな。」


異世界への興味はあるが、使命という言葉に面倒さしか感じずどうしても即決が出来なかった。


「分かった。本来使命のある転生者には望む力を1つ与えていたが

お前には3つまで望むものをやろう。」

「望む力?異世界転生あるあるってやつか。

というかその言い方だと俺以外にも転生してるやつがいるのか?」

「否、お前が行く世界には転生したものはいない。

神の力といえども同世界に転生者を2人以上送ることは出来ない。」

「そうか、転生者は俺一人ってことか。

とりあえずその使命ってやつの話だけも聞くことにするよ。」


神からの話を要約すると、

俺が送られる予定の異世界は4人の魔王と1人の国王がそれぞれ統治する5国がある世界らしい。

その世界では4人の魔王も人間たちもそれぞれが自国を広げようと争い続けており

このままだとその世界はいずれ滅亡してしまうため、その世界に行き、救ってほしいとのこと。


「その世界に勇者ってのは居ないのか?それとも勇者になれってことなのか?」

「勇者になれということではない、だが勇者がいるわけでもない。

正確には勇者と呼ばれる存在がまだ生まれていないのだ。」

「勇者が生まれてないってことはのちに生まれるのか。

んで俺はそこで魔王たちを倒せと言うことか?」

「魔王を倒しても良いし、人間たちを滅ぼしても良いし、お前がこの世界の王となっても良いし

方法は問わない。お前が思う方法で救ってほしい。」


世界を救うか…。

やっぱり大分面倒だな。

さてどうするか、異世界に興味あるが使命は面倒くさい。


「やはり面倒か?お前が行ってくれないとなると我としても困るのだがな。」

「困る?というかなんで俺なんだ?」

「それは詳しくは話せない、だがまあ端的に言えば神の采配ということだな。」

「神の采配ね…。俺じゃなきゃいけないみたいだし、

世界を救うとかよく分からないし面倒だが、引き受けることにするよ。」

「そうか、行ってくれるか!ではお前の望む力を教えてくれ。」


望む力。異世界で使えそうな力を考えてみるか。

神から聞いた異世界の話からするにゲームやアニメみたいな世界っぽいし、

魔法やスキル、魔力やスタミナみたいなステータス的なのもあるみたいだからそこも踏まえたほうがいいよな。


「よし決めた!」


俺が望んだ力は


倒した相手のスキルや魔法 能力の取得 ステータスは追加で取得する力。

そして習得済みの魔法やスキルから新たな能力の作成をする力。

最後に壊れることがなく手入れも不要な刀の装備。


大分異世界っぽい力が思いついた。


「その3つで良いのだな?もっと強い力でも良いのだぞ?」

「いくら異世界転生とは言え、最初からチート級の力を持っててもつまらないからな。

自分で強くなって行かなきゃつまらないゲームみたいにすぐに飽きてしまうかもしれないしな。」

「そうか変わったやつだな。」


神は不思議そうな顔をしながら、紅茶を口に運んだ。


「それではお前にはこれから異世界に行ってもらう。

異世界での言葉は理解できるようにしておく、もちろん読み書きも可能だ。」

「助かる。そうしてもらわないと生きて行くのも大変そうだしな。」

「佑李よ、世界を頼んだぞ。」


神がそう言うと目の前が白く発光する。

それと同時に意識が遠ざかっていく感じがした。


『そうだ佑李よ、転生先での容姿はお前の頭の中のイメージを参考にさせてもらったぞ。』


薄らぐ意識の中、頭の中に神の声が響いた。

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