はぁ!?どゆこと?
ハハ…デコピンで威力じゃねぇ…。だが、一周回って冷静になれた。
カチャ、ボン!
スパイが体に仕込まれた発煙弾を起動した。部屋中に白い煙が広がる。
「ケホッ、ケホッ!」
女性が咳き込んだ。
スパイが関節を外しヌルヌルとして逃げ出した。
「フハハハハハハ、逃げ切ったぞ!俺は解放された!」
さて、海外に高跳びしよう。証拠も回収、発信機で人外の位置も把握!様子を見るに俺様の場所も付けられた発信機も分かって無い。我ながら、俺様の手際と技術が恐ろしくなる!
「クククッ」
反対方向に進んやがる。馬鹿な女だ。
スパイは帰宅した。
かわいそうな女だ。あんなのでは嫁の貰い手も現れないだろう。親孝行など夢のまた夢心底同情してやるよ。
「フフフフフフ」
スパイはソファに座り、優雅に仕事終わりのワインを嗜む。
ガシャン!
玄関で何かが壊れるような音がした。
「なっ、何だ!?」
スパイはすぐ確認に向かう。
「ここが、あなたの家?普通、」
「ファ!?」
スパイは自宅の奥に駆け込んだ。それはもう見事な手際で鍵を掛け地下シェルターに逃げ込んだ。
バン!ベキベキ、メリメリ、ガッシャン!
正体不明の破壊音がどんどん近づいて来る。
「お…ピッ、せ…ピッ、し…ピッ
システムオールグリーン緊急脱出システムを発動します。3、」
早くしろ!奴が来る!クソ!こんな事になるならボタン一つで即脱出できるようにしておくべきだった!
ガッシャン!
電源が破壊されたらしいく、システムがダウンした。
地下通路にっ…!
「待って」
「うっ!」
女性はスパイの襟を掴んで引っ張った。
「待って、待って欲しい、依存させて、あなた以外との生活なんて想像できない!」
でしょうね!こんな化け物女、一般人じゃ関わっただけで死ねるわ!俺様でもごめんだ!
「だから、」
「だから?」
「寝取る事にした」
「ハッ!?」
「無理やり」
「無理やり!?」