114 番外編 とある青年からのラブレター
ある日トキワはレイトから一通の手紙を渡された。差出人は勇者エアハルトだった。どうやら海の向こうの国で騎士団長をしているレイトの友人、トウマを通じてトキワに手紙を書いた様だ。苦虫を噛み潰したような表情でトキワはその場で封を切り手紙を読んだ。
親愛なるトキワくんへ
先日は君と君の彼女に多大なる迷惑を掛けたことを深くお詫びします。
あれから祖国へ帰り師匠から水鏡族の話を聞きました。水鏡族の女の子は君の彼女のように可愛い子ばかりだそうですね。
特に僕が興味を持ったのは神殿に仕える光の神子です。水鏡族で唯一光属性の魔術が使えて、傷を癒すという奇跡の力を持ち合わせているそうですね。
それって所謂“聖女”ていう事ですよね?やはり勇者の僕に相応しい女性は聖女である光の神子だと確信しました。彼女はきっと美しくて清楚でナイスバディで処女だと思います。僕もご存知の通り美形でスタイル抜群で、おまけに光属性の魔術が使えるので、きっとお似合いだと思います。
今度水鏡族の村へ赴き、彼女に求愛して、共に魔王と戦おうと誘ってみようと思います。その時はトキワくんも一緒に旅に出ましょうね。楽しみにしています。
ではまた近々お会いしましょう。待っててね。
エアハルトより
追伸
Tバックばかり履いてると身体を冷やしてしまうと君の彼女に伝えてください。
一体どこから突っ込めばいいかトキワは悩んだが追伸まで読んで、とりあえずこれだけは口にしようと決めて手紙を握りつぶした。
「死ね」




