日直
日直。この世で1番無駄な仕事だと私は思う。現在の時刻は7時。超眠い。そんな中1番にクラスに行き、黒板を綺麗にして、チョークを補充。日誌を職員室に取りに行き、今日一日の目標を決めるって小学生か!ってツッコミたくなるな。今どきの高校生は目標なんてたてないよなぁと愚痴ってみる。日直のペアは姫夏だし、適当に終わらせっかな~。
「さくらおはよー、日直めんどくさいね」
下駄箱で先程話した姫夏と遭遇。名前は桜内姫夏、出席番号が前後で話すようになって今となっては親友に近いかな。私の趣味を唯一知ってる子でもある。理解はされてないが。
「姫夏、おはよ。めんどいことはさっさと終わらせよ。」
たわいのない話をしながら、私たちの教室がある2階へあがって廊下を渡り2組の教室へ到着。さっさと入って黒板を消そうと考えながら扉を開けようとするとガチャガチャ。鍵がかかっている。おかしいな?教室の鍵は移動教室とかであける時にしかかけないんだけどな?仕方ない、前の扉なら開いてるかな?
「桜内、春野、お前たちどうしたんだ?そんなところで?」
前方から歩いてきたのは私たちの担任の黒瀬先生。国語の先生なのだが、知的でユーモアもあり、生徒からの人気も高い。私生活も充実しており、昨年結婚し、今は奥さんは妊娠中だと授業中に惚気けたこともあった。
「先生、後ろ鍵閉まってるんですけど前開いてます?」
姫夏が先生に尋ねる。
「なんで鍵が?仕方ないな、ん?…中に誰かいるぞ?」
先生が中を覗き込んでそういうので私たちも中を覗き込んでみる。するとそこには
「きゃーーーーーー」
頭から血を流している女子生徒が地面にうつ伏せに倒れている。床には血が広がり、凶器のような棒も落ちている。
「くそっ、前の扉にも鍵ががかかっている…おい!大丈夫か!?原田!返事をしろ!」
前の扉も鍵がかかっているらしく、先生は扉を叩いている。
「春野!用務員室に行って教室の鍵を貰ってこい!!桜内!お前は職員室に行ってほかの先生に伝えて、警察を呼んでくるんだ!急げ!!!」
先生の声でなんとか立ち上がり、私たちは指示された場所へ走り出した。用務員室は1階の下駄箱の奥側にある。職員室は1階の真反対だからさらに遠い。頑張れ姫夏!私は用務員室に着くと、用務員のおじさんに事情を説明し、鍵を持って教室へ!2階に駆け上がると先生が待っている。先生が私たちに気づくと、走ってこっちにきて鍵を取り、扉に鍵をさし扉を開けた。
「お前はここにいなさい!」
先生にそう言われ、中には入らなかった。その時いつもの癖ではないが周りを見渡した。特にいつもと変わりのない教室である。あれ?窓に鍵かかってない?なんかやばくない?もしかしてドラマとかでいう密室殺人ってやつなんじゃ…
こうして、7時23分。2年2組の教室から原田優里さんの遺体が発見されたのだった。