泣き虫の金色ライオン
そのライオンは泣き虫でした。
大きな金色の体と大きな声で泣いていました。
一体何があったのでしょうか?
悲しい声で金色ライオンは言いました。
「一人ぼっちになってしまったんだ」
誰からも愛されず。
誰からも必要とされず。
傍には誰もいない。
そう言って金色ライオンはまた泣き出しました。
悲しみで心をいっぱいにしたライオンは、泣いて泣いて溶けてしまいそうでした。
「大丈夫だよ。
きっと誰かが愛してくれる。
必要としてくれる。
だから、泣かないで」
私が告げると金色ライオンは泣きやみました。
そうして私を見ると喉を鳴らし、大きく口を開きました。
「泣きすぎてお腹が減ってしまった」
金色ライオンはパクリと私を食べると満足そうに顔を舐めました。
そうしてまた金色ライオンは一人になってしまいました。
本能には逆らえない。