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252☆シン最終章[24]◆神授祭 3日目⑨



「――貴女(あなた)が」

「……(ポンポン)……」


 ダイレクトアタックの最中、肩をポンポンされた。


「違いますよ、『聖女』さま」


 聞き覚えのある声だ。そして、息がカレーくさい。


 振り向くと、そこにいたのはドロレスちゃん……『巫女見習い』ドロレスだった。素顔だ。ちなみにここは、『夕食会』の会場の大食堂だ。食事するのに邪魔だから、いつもの白いヴェールを外してるんだろうな。


 ……はいいけど、なんでいるの?

 もう、寝たんじゃあなかったの?


 念話で質問したら、念話で返された。


(『巫女』さまがたの随員(ずいいん)の『巫女見習い』たちも、『夕食会』の出席をゆるされてるんです。末席(まっせき)ですけどね)


 ……そうだったんだ?


 カオリちゃんが念話で言ってた『巫女見習い』たちって、その子らのことだったらしい。


 で、彼女ドロレスちゃんは、『冶金(やきん)の丘』の『全能神神殿』所属で、そこに赴任した『巫女』アナベルの「ズィイイン」なのだった。なんの効果音だよ? 「随員(ずいいん)」だよ。


 それなら、『英知な都』の『全知神神殿』所属で『巫女』シンシアの随員である『巫女見習い』セシリアは?


(彼女は来てません。寝ちゃってます)


 『満腹丸焼き』食べれるのに……でも、セシリアは、お昼にあった『お肉の日』の『御振舞(おふるまい)』で、お肉をたらふく食べて満足してるらしい。


 たらふく……「タラちゃん」て、「フクダさん」?


 俺の、『神造の双子』であるカオリちゃんに訊いてみた。


(『フグ()』です。ひとつ、豆知識として……タラちゃんの祖父にあたる波平さんには、双子の兄がいます)


 ……知らんかった。


 なんかで、「双子のアニメキャラと言えば?」的なランキングやってんのを見たことあるけど、ランクインしてなかったと思うよ。


(そりゃそうでしょうよ)


 よく知らない感じの、女性向け作品のキャラばっかりだった気がする。


 ま、それはそれとして、今はドロレスちゃんと話そう。


(いままでの『ぶれすと』。バババーン、とすべて聞いてましたよ)


 俺経由で、複数人でリモート念話の『★伝心☆』ネットワークをやると、リンク先全部に不必要に伝わってしまうらしいのだ。会話がフルオープンでダダ洩れの垂れ流し状態になるらしいのだ。


 それって、きっと「神様たち」にも伝わってるだろうから、セキュリティ的にちょっと不安があるのだった……。


(プリマ・ハンナさんから聞いたことがある『らじお』みたいでした)


 ラジオって、きょうび聞かねえな。……二重の意味で。

 ちなみに、先の双子ランキング1位は、『リゼ○』の双子姉妹だったよ。


 でも、秋葉原の「ラジオ○館」は、いろんなアニメに登場するよ。

 『アキバ冥途○争』では、白黒大熊猫(※着ぐるみ)が、ハリツケにされてたりもしたよ。あと、「取立て屋」じゃなくて「取り立て屋」だったよ。表記が間違ってました。めんご!


(『らじお』と『とらんしるばあ』って、どう違うんでしょう?)


 後者は『トランシーバ(ー)』だから。それだと吸血鬼の故郷みたくなっちゃうから。

 前者は「一方通行」で、後者は「●子と初春さん」みたいな感じだよ。……違うか。双方とも、高度なネットワーク駆使してるし。


 でも、『文豪ストレイドッ○ス』では、吸血鬼のブラちゃんが「無線ラジオ」欲しがってたよ。最終的には、スマホで篭絡(ろうらく)されてたけど。


 あと、「トランシーバ(ー)」って、異世界換金アイテムとしては、めっちゃ優秀らしい。高く売れるらしいよ。佐々木さんも取りあつかってるらしいよ。


 さらに言うと、『よふかし○うた』には「腕時計型トランシーバー」が出てたよ。悲しみに満ちたアイテムだよ。ヒロインが吸血鬼だし、これこそ「トランシルバニア」とかけてるんやろか?


 なお、今回は「ラジオ番組」については触れないよ。長引くから。

 でも、ネットで聞く場合「ラジオ番組」でいいんだろうか? イヤ、「ネットラジオ」で問題ないか。


(2024年に、『声優ラジオ○ウラオモテ』ってアニメがあったのだべさ)


 キャスト聞いてみたら、もう観るしかない感じだった。

 豊○萌絵(もえ)さんが「ツンデレ」とか新鮮。めっちゃいいだろうな。


(して、第2話では……言ってたのだべさ。あの言葉を)


 俺的「感謝の気持ちを伝えたい声優さんリスト」に、その名が刻まれた(笑)。


 ……イヤ、だから、こんなことやってるから話が長引くんだってば!


(あたし、まだ『満腹丸焼き』食べてたいので、席に戻りますね)


 そ、そう?


 で、超ロングテーブルのすみっこの「末席」についたドロレスちゃんが、食事を再開したようだ。


 俺も近くに、例の「セルフチカン行為」をしつつ座ったけれど、「給仕係」がいなくて『聖女』さまの食卓は空虚で何も無い。……ヒドい。セルフでやるしかないのか?


 見渡しても「ごちそう」はすでに食べつくされていて、「神殿黒パン」とか「ねぱねば漬け」のような不人気メニューしかない。


(先刻、『触感』とか言ってませんでした? 『食感』でしょう?)


 イヤ、だから触ったことはあっても、食べたことはないんだよ。

 ちなみに、触ると固めの「シリコンゴム」みたいな「触感」だよ、「ヌメヌメスベスベ」の「産卵子」って。


 語感が似てるので、ついでに言うと「ユニコーンガン○ム」が『にじ○ん あにめーしょん』の2期目に出てたよ。キャラはデフォルメなのに、ユニ○ーンはしっかりした等身だったり。でも、その2話目。かわいくて好きなエピソードだよ。


(……いいですか? 話、つづけますよ?)⇒ドロレスちゃん。


 めんご、めんご。


 お互いに素知らぬ顔で、思念波で会話をつづけたさ。


 したら、話を最初に戻して……何が違うんですのん?


(犯人は彼女じゃありません)


 うん、だろうね。


(なぜ、カオリさんだと思ったんですか?)


 俺が、ダイレクトアタックしようとしてたのは、実はカオリちゃんだ。


 大食堂に『乙女神官』ロザリンダ嬢の姿が見えなかったので、もうめんどいから、あとはカオリちゃんに「丸投げ」して、就寝したい気持ちだったのだ。


(……おい)⇒カオリちゃん。


 ……ハイ。ごめんなさい。


(ロザリンダさんでもないですよ。ちょっと、裏の事情があるんです)


 裏の事情? もしかして、これって「事件」ではなかった……とか?


(実は『ウチ』が(から)んでるんです。それに関して、お話させてください)


 ウチ? 君の地元の『冶金の丘』ってこと?


 じゃあ、例の「金塊?」の出どころとか……あるいは、無くなった「金塊」の行方は知ってるの?


(昨日の『出迎えの儀』の)


 昨日!? うそ……『出迎えの儀』って昨日だっけ?


 俺は、ドロレスちゃんの言葉に愕然とした。


(……そうでしたけど?)


 ……そうだったんだ?

 はるか遠い昔のことにしか思えないのに。


(そこで、『馬車』の横転事故があったじゃないですか?)


 ……ああ、あったね。


 みんなして、「綱引き」みたいにして引き起こしたよ。

 横転の原因は、過積載で「トップヘビー」だったとかかな?


(『とっぷべびー』?)


 トップが「小○生」とか「幼女」とかは……でも、某・帝国では「乳児」が皇帝に即位してたな。……させられてたというか。二代目の王朝の二代目もそうだと思うし。


馭者(ぎょしゃ)が、まだ不慣れでしたので、ご迷惑をおかけしました)


 その「馭者」と、知り合いなのかな? そんな口ぶりだ。

 黙ってられないから、ついでに言うと、『ス○ァライト』の関連楽曲に「ぎょしゃ座」が出てくるよ。


(あの横転事故は、重量の(かたよ)りが原因だったんです)


 10個入りの「玉子パック」とかでも、片側の列だけ使ってると、パックがひっくり返るもんね……って、生粋の異世界人のドロレスちゃんに言っても、わかんないか。


(あの『馬車』には、(くだん)の『金属塊』が積まれていたんです)


 あの「金塊?」の「素体(そたい)」って、ドロレスちゃんの地元『冶金の丘』で作られた「金属インゴット」だったらしい。


(隠さずに言いますと、『金塊』の方も、ウチで作ったものです)


 ドロレスちゃんのおじいさんは、女王陛下の直轄領『冶金の丘』の「代官」だ。なので、「ウチ」という言い方になるのだ。


 ついでに言うと、「プロペラ小僧ジンくん」も、某所の「お代官様」に任命されてたりするよ。


(以前、お兄さんが持ち込んだ『黄金のウ○コ』があったじゃないですか?)


 黄金のウ○コ! ……なつかしいなあ。


(アレも、他の物と一緒に()かされて、『金塊』の一部になってるはずです)


 ……へー、そうなんだ?

 熔かされて、もう無いんだ? 特に愛着もないから、別にいいけど。


(ウチでは、古い『明星金貨(フォスファ)』から、『金』と『銀』を()り分けてるそうです)


 『冶金の丘』の名の通り、金属の純度を上げる「精錬」をやってるんだよな。


 つまり、昨日の横転事故は……重たいものを片側に寄せ過ぎて、バランスを崩して、ひっくり返ったの?


 俺はてっきり、「馬車がひっくり返って、水飛沫(しぶき)がバッシャーン!!」って、ただそれだけのしょーもない話だと思ってたのに……。


 てか、そもそも『神殿』で、重たい「金属塊」なんて、何に使うの?


(『神殿』の『大扉』って、ものすごく大きいじゃないですか?)


 うん、7m級の○人も通れそうだよ。

 それよりデカい「奇行○」だと、通れない扉でも無理やり突き破って入って来るだろうな。どちらにせよ怖いよな。


(巨人って、『じゃん○まっくす』とかですか?)


 ジャンボマッ○ス?

 そんなの聞いたことも……イヤ、『○STARD!! -暗●の破壊神-』の原作漫画で見た気がする。なんなのかは知らんけど。


 これまたプリムローズさんが「情報の発信源」だろうけれど、変なこと広めないでほしいな。イヤ、俺も他人のことは言えんけど。


(本来の用途は、その大扉を開けっ(ぱな)しにしたい時に置く、『扉留め』なんだそうです)


 つまり、「ドアストッパー」だったらしい。


 でも、その『大扉』。

 真北向いてるから、ずっと日陰になってて、めっちゃさむいよ? あそこの階段なんて、濡れてるとブラックアイス出来るし。


 現在、真冬だし。

 そこを「開けっ放し」にはしないと思うんだけどなあ。横っちょに「普通の扉」が付いてるから、たいていはそこから出入りするし。


(明後日、『渡り』があるじゃないですか)


 渡り? アオカンムリハネナガインコ?


(……それこそ、なんなんですか?)


 『(わら)う アルス○トリア すんっ!』の話さ。


(……夏に、ホノカさんたちと見たじゃないですか?)


 ああ、『永遠の道』の「大交差」を全面交通封鎖して、『巫女』たちが徒歩で『北の街区』に行くやつね?


 そっか、アレを今度は、俺らがやるわけか……。

 一種の「イベント」だから、普段は使用しない『大扉』をつかうワケか。


(その際に必要だってことで、ウチに発注されてたんです)


 で、いちおう『神殿』なので、それなりの威厳を出すために、表面に「金箔(きんぱく)」を貼ってあったらしい。


 それが、たまたまホンモノの「金塊」とそっくりだったので、「すり替え」に使用された?


 ……なんかこう、釈然としないものが残るな。


(熔かした金属を、同じ『鋳型(いがた)』に流し込むので、『金』も『金属塊』も、同じ大きさの同じカタチになってるんです)


 専門用語でいうと、「使い回し」ってやつだな。

 牛乳パック2本分。「菓子箱」くらいの大きさだったよ。


 で、その同型のものが、30個ほど発注されてたらしい。そしたら、総重量は「1(トン)」を超えてるかも。


 あと、なぜか不明ながら、俺が「現場」の捜索をしてるあいだ、かの地『冶金の丘』に赴任していた『巫女』アナベルが、ずっとべったり貼りついてたんだよ。あれはなんだったんだろう?


(…………)


 それと、『まん(まる)()』には、それっぽい『金属塊』なんて無かったよ。


(『土舞台』の、『上げ底』にされてるそうです)


 あの「相撲」の「土俵」みたいなのの、下に埋められてたの?

 でもまあ、そのあたりの「些事(さじ)」は、もういいや。核心に迫ろう。


 ……ならば、ドロレスちゃん。


 君は、ホンモノの「金」の行方(ゆくえ)は知ってるの?


(第三期までで、まだ行ってない北海道の有名な都市は?)⇒ホノカ。


 邪魔すんなし! そして、ネタバレすんなし!

 てか、ホントにスタンプラリー形式になってたし。


 でも、『ラブ○イブ!サンシャ○ン!!』では、そこでライブやってたよ。


(『アイ○ルマスター ミリ○ンライブ!』でも、来ちゃったのだべさ)


 あとは……なんだろう?

 もうアニメネタじゃなくなるけど、「塩ラーメン」とか「カニ丼」とか「いかそうめん」とか。……ああ、腹減ったなあ。


(『キタ○ン』のお父さんに、その都市に関連した楽曲があるのだべさ)


 はるばる来たらしい。


(『道産子ギャル○なまらめんこい』では『合言葉』に使用されてたべさ)


 お前も、なんかの時に言ってたけどな。あの場所のことを。


 そんなことをやってると、カオリちゃんからも『★伝心☆』が入った。


(『金』を運び出したと(おぼ)しき人物を見つけました)


 未来人ホノカのネタバレ情報によって、知ってるんだけどさ。


(『金神』じゃなくて、『金塊』のほうです)


 『金塊』よりも、今はカレーライスが食いたいよ。

 『金神』でも、カレー食べてたけど……あれはなんの「お肉」だっけ? エゾシカ肉? その席で、爆誕してたよ。「某・先生」が。


(聞いてください! いましたよ、怪しい人物が)


 ここに? 大食堂に?


 カオリちゃんがいるところとは、席が離れてる……てか、彼女は本来『聖女』が座るべき「上座」に、堂々と座ってるのだ。


(ああ、すみません。いつものクセで、つい)


 ……まあ、いいけど。


 で、その人物。どんな風に怪しいの?


(顔が真っ赤です。汗だくです)


 みんなして、辛口な「チキンカレー」食ってるわけだし、多少は。


(そんなレベルじゃない感じで、異様に汗かいてるんですよ)


 汗ばんだのなら、服を脱げばいいのに。

 制服の下に着込んでる「スクール水着」になればいいのに。


(『僕○バ』ですか? 脱いでませんよ、山田)


 俺が言ってるのは、某・陽炎(かげろう)型航洋直接教育艦の「機関部」の話だ。機関長以外は、みんな脱いでたよ……制服を。スク水姿だったよ。


(ミーヨさんの推理通りに、うすくのばした『金』を服の下に着込んでいるとしたら、それってもう、『金蒸着フィルムの保温ブランケット』を着てるようなものじゃないですか?)


 キャンプとかサバイバルに使うようなやつね?


 したら、熱、逃げないだろうね。

 通気性も無いだろうから、湿気もこもるだろうし。


(そんな状態で、ホットでスパイシーな『満腹丸焼き』食べてるんですよ?)


 めっちゃ「汗だく」になるだろうな。


 ……てか、それって誰?


(名前は知りませんけど……やはり『大会』の参加者でした)


「あっ!」


 ドロレスちゃんが『満腹丸焼き』を食べながら短く叫ぶと、俺の背後からも騒ぎ声が上がった。


「「「「「うわああっ!」」」」」


 なんの騒ぎ?


(……そのひと、倒れちゃいました。きっと、熱中症でしょうね)

 

 真冬にか?


(どこかに運ばれていくようです)


 『神殿』に、「保健室」とかあったっけ? 


(ジンさん、保健室に行って、ベッドの下に隠れてください。そしたら、自分の本当の気持ちに気づくはずです)


 それ、なんの儀式なの?


      ◇


「ここは、あたくしが!」


 勢い込んで、『聖女』ムーブしてみたものの、そこに倒れていたのは……○ゲでマッチョなおっさんだった(泣)。しかも、赤く発熱して汗だくなので、まるで「()でダコ」のようだった。その点に関しては、ちょっとおもろかった(笑)。


「『聖女』さまは、お疲れでしょうから、私が」

「いえいえいえ、ここはあたくしが!」


 俺と同じように駆けつけて来た『巫女』シンシアは言うけれど、彼女にこんなタコを触らせるワケにはいかない。謎なタコ足が触手のように伸びてきて、変なことされたら大変だ!


(第13話で、マジ○サルファが、お口に無理矢理ねじまれてたのだべさ)


 見たままの事実だけど、そんな風にイヤラしく言わないでください!

 あと、あくまでも「第13話」であって「最終話」ではないことを信じてます! それと、その第13話で、某キャラから「アズール」に「()し変」しましたことを、ここにご報告いたします。めっちゃよかったです、「薄氷(うすらひ)の巫女」。なお、『まほあこ』こと『魔法少○にあこがれて』の話です。


(したら、もとは誰推しだったのだべか?)


 ……言わない。


(そんなことより、『熱中症』の対処の仕方、知ってます?)


 太い血管があるところを、冷やせばいいんじゃないの?

 首筋とか「わきのした」とか「おまた」とか。……なんだろう、変なことは言ってないハズなのに。あ、「おまた」じゃなくて「足の付け根」か?


(それだけではなく、水分と塩分の補給が必須です)


 水分と塩分?


 ならば、『聖女』さまの『聖水』の出番だな。いま出るかな?


(……冗談でも止めてください)


 ……ハイ。ごめんなさい。


 そんなことを、グダグダやってると――


「フンガガ、フンガー!」


 ゴっさんだ。

 右手がッ、白く輝いてるッッ!


(某ロボの『シャイニン○フィンガー』だべか?)


 ナニソレ?

 あと、右手が白く輝くと言っても、某アニメキャラじゃないです。


「フンガフガフガ!」


 実は、ゴっさんも『癒し手』なのだ。『施薬治療院』勤務なのだった。完全に忘れてた。そんで、こういうときは「ウホウホ」じゃないんだ?


「……フガ?」


 『癒し手』の「白い光」が、対象の身体に浸透しないな。


「体温が高いようですから、まず服を脱……あ!」


 『巫女』シンシアが、ひかえめに提案……あ!


「フンガー!」

「……(バリビリバリ)……」


 ゴっさんが、タコの服を破りだしてるし……って、ああっ!?


「「「「「あああっ!?」」」」」


 取り囲むようにして見ていた連中も、声を上げた。


 そのタコ。服の下に、「金の服」を着込んでいたのだ。


 ミーヨの推理が、正鵠(せいこく)()ていたのだ。


 ……ところで「正鵠」って、なに?


(弓道の『(まと)』の真ん中のことです。なので、『正鵠を()る』とも言います)


 つまり、「おっぱい」で言うところの「◎首」だな。

 そう言ってくれれば、もっと理解しやすいのに。


(言いませんよ)


 なお、ミーヨは、さすがにもう寝てるらしい。ホントに遅い時間だしな。


「フガフガ?」

「……これは、金? と義母は言ってるわ」


 いつの間にかいた『乙女神官』アプロダイテ嬢だ。「フンガー語」わかるんだ? したら「宇宙語」とか「ガガピー語」は?


「もう! なにすんのよ、えっち!」


 ……タ、タコがしゃべった。


 てか、こんな筋肉ダルマなのに、「おねえ」なの?


(『僕ヤ○』のなら、CVは田○ゆかりさんです)


 おおっ!! ……じゃなくて!


 どうやら、このタコ。ココロはオトメらしいよ。


非道(ひど)いわ! 人が意識を失っているあいだに、服を破るだなんて!」


 そう言って、破られた服の前を引き合わせようしている。でも、隠しきれてませんよ?


「その……金の服は、なんなんですのん?」


 イヤ、「服」というか、もはや見事な「工芸品」だった。

 西洋甲冑の「ブレスト・プレート(胸甲)」みたいに、完璧に成型されていた。


 雑に引っ(ぱた)いただけの「金の板」を肩にかけてるんだろう……くらいに思ってたら、なんなんだ、この歌は!?


(うた?)


 ……間違えました。

 なんなんだ、この()り方は? って言おうとしてました。ですが、ついついネタに走ってしまいました。


 でも、『勇気爆発バーン○レイバーン』のOP前奏の、「♪パッパラパラッパー」が好き(笑)。あと、「(せい)」かよ! 作中で大人のジョーク的なノリが散見されたから、「性」だと思ってたよ(笑)! 第12話のラストで知ったよ!


(EDもいいのだべさ。『双炎○絆』)


 第2話で初めて「ED」観たとき、ついつい「……ここで切ろうかな」と思ってしまったのはナイショだ(笑)。言っちゃってるけど。


(ぜひ、両方ともフルバージョンで聴いてほしいのだべさ)


 なんというか、元気ソングだもんな。


「ウッホウホウホ、ウホ?」

「これは紛失した金塊なのでは? と義母は言ってます」


 ゴっさんと、お姉さまだ。タコに問うている。


「…………」


 タコは無言だ。やっぱ、しゃべれないのでは?


(いいかげん、タコタコ言うのやめましょうよ?)


 だって、名前知らないし。○ゲも失礼な気がするし。


 とりあえず、仮称で呼ぶしかないじゃない?

 ○○○○は、あなたの心の中にいるじゃない。これだと、ア○ラ様がすごくいい子みたいじゃない? 二人で、ハグしそうじゃない?


(いくらなんでも、それはないんじゃない?)⇒ホノカ。


 確かに、それが正解じゃない?

 あと、奈良の東大寺正倉院宝物庫の香木の珍宝は、なんじゃい?


蘭奢待(らんじゃたい)じゃない? あ、わたしにも伝染した!)⇒カオリちゃん。


 ……とにかく、タコはタコだ。そう呼称します。


(プリちゃんから聞いたことある『八郎』って?)

(タコって8本足? イカは11本足なんですか?)

(イカでもタコでもないクラゲのイラストだべさ)

(『ぼっち』では『たこせん』食べてましたよね)


 今回は、あえてスルーしよう。


 てか、ミーヨさん。貴女はホントのホントにもう寝なさい。


 あと、ドロレスちゃん。「そうはイカのペ○ス」って、そういうことじゃないから。


 そして、ホノカさん。それって、なんの話?


 ちなみに『ゾン1○○』には、「男には夢がないとクラゲになっちまう」っていう名言があるよ。まだ、ネタあるし、「クラゲつながり」は後でまたやりたいな。


(2024年春アニメ。『夜のクラゲは○げない』の話だべさ)


 キャスト聞いたら、これまた観るしかないやつだった。

 しかも、第1話冒頭からサービスシーンがあるらしい。


(単なるサービスシーンではなく、ヒロインが、ごく普通の子である事をあらわす重要なシーンなのだべさ)


 サイズ的に、「ごく普通」らしい。

 だが、俺に言わせれば、それもよき。


 で、2024年春アニメ。すごく充実してるらしい。

 ビッグタイトルの続編とか、かなり尖ったガールズバンドものとか、女子競輪のお話まであるらしい。ホノカは「ふともも」好きだし、たまらんだろうな。


(その期で『ふともも』と言ったら、『第七王子』なのだべさ)


 王子の……ふともも? どゆこと?


 まあ、それはそれとして、最後に、カオリちゃん。

 あの「たこせん」て、「1t(ワンティー)」の圧力かけて作るらしいよ。……このネタ通じるひと、どんだけいるんだろ?


(結局、全部返してるじゃない?)


 我々が、そんなことをやってると――


      どすん!


「「「「「きゃあああっ!」」」」」


 今度はなんだ?


(また、誰かが倒れたようです)


 てことは、「共犯者」は一人じゃなかったってことか?



      どすん! ばたん! どたん! ……ばたばたばたばたばたばた。



 なんか、つぎつぎと物音がしてるんですけど?


 最後は、ラヴィー……雪崩(なだれ)式に連鎖したようですけど?


      ◆


 事件は混沌としたまま、最終局面へ。

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