251☆シン最終章[23]◆神授祭 3日目⑧
「それでは、僭越ではありますが」
俺は『聖女』だ。
なのでか知らんけど、乾杯の音頭をやらされた。
赤く澄んだ「ポタテの搾り汁」の入った「マルタマガラスガイ」のグラスを、みんなから見えるように高く掲げる。なお、漢字表記だと「丸玉硝子貝」だ。海の底棲生物の「殻」なのだ。
「みなさん、おつかれニャま」
「「「「「……ニャま?」」」」」
疲れてるのだ。多少、噛むのも仕方のないことだ。
「プロージッ……乾杯!」
「「「「「……? かんぱーい!」」」」」
『夕食会』が始まった。
彼女の「機転」が、功を奏したようだ。
まるで「通夜」か「お葬式」みたいな空気だった会場は、一転して和やかで陽気な雰囲気に包まれている。
『神殿』所属の純然たる「関係者」である我々『七人の巫女』。そして、『乙女神官』や『神官女』さんたち。ちなみに、遅い時間なので、10代女子の『巫女見習い』たちはいない。……あとは、有象無象の野郎どもだ。どうでもいい。
「……ぼそっ(だから、ヒドいです)」
カオリちゃんが小声で言った。「実体」が、至近距離にいるのだ。
「「「「「おおっ!」」」」」
マッチョたちが、大食堂に運び込まれた「肉塊」に興奮している。
実は、『神前重量挙げ大会』の参加者たちも招待されているのだ。
彼らへの「ねぎらい」の意味もこめての『夕食会』なのであった。
「それでは、実食です!」
長いこと「おあずけ」を食らっていた例のアレだ。
大きな鳥のお腹に、香草やら香辛料やら野菜をぎっちりと詰めて「満腹」にし、それを巨大なオープンで「丸焼き」にする。
それがッ! 『満腹丸焼き』だッ!
これって、モトネタは荒木先生の『バ○ー来訪者』なのだけれど。
詳しい人に聞いたら、アニメ化されてたのね? 知らんかったよ。探し出して、ぜひ観たいよ。
で、それはいったん置いて、『神殿』での『満腹丸焼き』は、調理の最後に「お肉」をほぐして、「増量用の野菜」とスープごと混ぜ込んでしまう。それが『神殿』風なんだそうだ。なので、完全に「チキンカレー」だ。やっぱ、ライスちょうだい!
会場である『全知全能神神殿』の大食堂は、そのチキンカレーの匂い。『満腹丸焼き』の香りに満ち満ちている。ベリースパイシーだ。ベリーダンスじゃなくて、リンボーダンスやってたのは『無彩限のファントム○ールド』だ。もちろん、見えなかった。
「どうぞ、お召し上がりくださいな」
「ありがとうございます。『聖女』さま」
『満腹丸焼き』を盛ったお皿を、オリカ・テレコ嬢……てか、年齢を盛ったカオリちゃんに差し出した。
彼女の提示した「案」が、ウルトラC的な玉虫色の解決策だったのだ。
そして、そのまま『夕食会』の主賓級な扱いで、ここにいるのだった。
ところで、「ウルトラC」って、なに?
ウルト○マン的なお面を付けたコ○ット……違うだろうな。
(体操競技の技の難易度……でなかったべか?)
体操もののアニメ。男子がメインだし、あんまり観てないなあ。
女子体操選手が、男子体操選手に向かって「段違いしないでよね! 段違い平行棒は、男子の種目じゃないんだからね!」とかツンデレ気味に言うことはあるんやろか? ……俺、ホントに疲れてるニャあ……。でも、富○美憂さん希望(笑)。
「どうぞ、お召し上がりくださいな」
『満腹丸焼き』を盛ったお皿を、『神前重量挙げ大会』優勝者のゴスメリラ・ヒヤシンスさんに差し出したよ。隣には、その義理の娘『乙女神官』アプロダイテ嬢がいるよ。
「ウッホ、ウホウホ……ウッホッホ」
「ありがとうございます。『聖女』さま……と義母は言ってるわ」
てか、なんで『聖女』が、「給仕係」をやらなきゃならないんだよう?
で、この「白い割烹着」。昨日の「お菓子作り」の使いまわしだぞう。
「それと、こちらもどうぞ」
この俺様が、特別に錬成した「バナナ」だ。
現在、ゴっさんは「全身脱毛」によって、見た目は全然ゴリラっぽくないので、こんなことしても全然ノープロブレムなのだ。 でも、かなり豪快な感じで食事してるので、某・空賊一味の「ママ」みたい。
「ウホウホウホ、ウッホウホウホ」
「この黄色い皮を食べるのですか? と義母は言ってるわ」
「これは『バナナ』という食べ物です。皮をむいて、中身をお召し上がりくださいな」
しかも、いつもの「キャベンディッシュ種」じゃなくて、20世紀に全滅しかけたという伝説のバナナ「グロス・ミッチェル」だ。『アアス』にあったのだ。イヤ、『地球』にもあるらしいけれども。
「ウホホウホホ、ウッホホホーホ」
めっちゃ美味しそうに食べてる。よかった。
(図書室でパーティ用のポテトチップス食べてた……ぶホッ!)
カオリちゃんの思念波が、突然途切れた。どしたの?
(『満腹丸焼き』が辛くて、すこし咽ました。臭い柔道着の匂いを嗅いだわけじゃないです)
くさい柔道着?
でも、なんかのゲームに「臭いものシリーズ4点セット」とかあった気がする。
「ウホウホ、ウホホウホホ?」
「この皮は食べないのですか? と義母は言ってるわ」
見た目がどことなく似てるので、『アアス』の謎生物「ヌメヌメスベスベ」の「産卵子」と勘違いしてるんだろうな。
でも、実はアレも食べれるらしいよ。
ホノカの好物になってる「神殿名物・ねばねば漬け」にも、湯掻いて細長く刻んだアレが入ってるらしいよ。ソレが、コリコリした触感で美味なんだそうだよ。俺は食べたことないから、どんなんか知らんけど……。
「ウホッ、ウーホホホ」
「ウホッ、いい男……と義母は言ってるわ」
誰をやねん?
と見てみたら、見覚えのない、そこそこのイケメンがいた。
「『女王国』造幣局の者です。『金塊』を引き取りにまいりました」
そうなんだよ。
元々は、「金貨鋳造用の金塊」らしいのよ。
そんで、未読なので知らなかったけれども、2024年に再アニメ化された『狼と○辛料』の原作には、『太陽金貨』が登場するらしいよ。それが、太陽の刻印入りで、忠実に再現されたりしてたらしいよ。なお、俺たちが住んでる『アアス』のは、『太陽金貨』だったりするよ。
(なにやら言い訳がましいのだべさ)⇒ホノカ。
……だって、本当に知らなかったんですもの。
「こちらですね? それでは回収させていただきます」
その「金塊」。
まるで「宴会場のオブジェ」みたいに、華やかに飾り付けられた大食堂の「ダンカマ(※暖炉兼カマド)」の近くに、どでーん! と据えられている。さっきまで、『神殿』関係者たちが、おもしろ半分にぺたぺた触ってたよ。
「……いっ!? い、今ですか?」
対応している『神授祭』実行委員の『乙女神官』ロザリンダ嬢が、ひどく慌ててる。動揺して、揺れが激しい。いま、ぶるん、てなった。
(いつもいつも、一体どこ見てるんですか?)
だってそれは、いつだってぼくに元気と勇気をくれるんだ。
「今と言われましても、約束していた時間ですので」
「そ、それはそうどすが」
……どす?
『大会』が「賭け」にまつわる不手際で、遅延しまくって、現在の時刻は「夜の四打点」を過ぎている。シンデレラガールの帰宅時間も近づいてるのだ。
てか、ホントに今すぐに持ち出してしまうらしい。信用されてないのか?
「それでは失礼します」
造幣局の人が、デカい氷の塊を動かす時に使うような「フック」で、「金塊」を引っ掛けた。しかし、すげー雑なあつかいだな。傷がつくぞ?
「……よっこい、しょういち」
そこそこのイケメンなのに、残念な掛け声で、持ち込んだ台車に移そうとしている。そして、それだと腰を痛めそうだ。やっちまいそうだ。
ドスン!
フックの爪が、すべって外れて、「金塊」そのものは床に落ちてしまった。
「……ああッ! こ、これはっ!?」
爪で引っ掻いた部分の「金」が剥がれて、違う金属の地肌が見えている……って、え!?
「「「「「…………」」」」」
みんな呆然としている。
「こ、この金塊はッ、ニセモノだッッ!!」
表面だけ「ゴル○ー・キンメッキ」……もとい、「金メッキ」された「なにかの金属塊」だったらしい。
――大事件発生だ。
いつの間にやら、「金塊」が「ニセモノ」とすり替えられていたらしい。
『大会』終了後、『まん丸い間』から、この大食堂に持ち込まれるあいだに、それは行われていたらしい。
危惧していた「金塊盗難事件」が、現実のものとなってしまったようだ。
だがしかし、俺はもう眠いので寝る。
……おやすみ。
「――我が生命を代償に奉げん! 暗黒邪法 ★空白の2ツンっ★」
カオリちゃんだ。
きちんと『夜叉の構え』だ。夏に「伝授」したもんな。
「……あははは。うふふふ……」
『女王国』造幣局の男が、「お花畑笑い」をしている。
フ○ーレンちゃんならば、「気持ち○い」と言うかもだ。
「……(ぼてっ)……」
そして、意識を失い、倒れて寝込んだ。
「今のうちに、その男性を外に運び出してください!」
カオリちゃんが、颯爽と指示を出している。
なかなかに男前だ。さすがは俺のコピー体。『神造の双子』だ。
……って、なんてことすんねん!
◇
「『聖女』さま。『聖女』さま」
肩を揺すられ、強制的に目覚めさせられた。
「…………」
目の前には……白い、平らな……雪原?
「……ここはどこ? あたくしは誰ですのん?」
「しっかりなさってください、『聖女』さま。……というかさ、よく立ったまま眠れるわよね?」
『巫女』アナベルだった。
雪原かと思われたのは、一部では「値千金」と称される『白銀の祭服』を着た彼女の胸元だったらしい。
でも、銀色の糸で細かい刺繍が施されているとは言え、そんな「値打ち」あるの?
(『巫女』が使用済みのものを、変た……いえ、好事家に売るらしいです)⇒カオリちゃん。
『神殿』の財政は、『巫女』たちの涙で支えられているのだ(泣)。
「目、覚めた? あっちで呼ばれてるわよ」
「……あっち?」
周囲を見渡すと……寝落ちする前と、なんら変わらない光景が広がっていた。……てか、ホントに立ったまま寝てたよ。俺は、サバンナのガゼルか? これ以上言うと「歌詞の引用」になってしまうから、ここまでにしとくよ。
「マアアアアアァァァァァ……ヤ」⇒俺。
「変なアクビねえ」
意識を失っていたのは、ものの数ツンだったらしい。
でもまあ、ちょっとした仮眠になった。
その間に、事件は解決……してなさそうだな。
『美南海』の島の、樹齢数百年を超える巨木から切り出されたという、大食堂の「超ロングテーブル」には、いくつもの空席があった。
全体的にざわついていて、人の出入りも激しい。
例の「金塊?」は……どこかに運び出されたらしい。もう、ないな。
てかさ、アレって「実は、最初からニセモノでした~!」って、オチなんじゃあないの?
しかし、『神前』での大会だしな。そういった「ごまかし」はないだろうから、やっば用意された「ニセモノ」とすり替えられた「盗難事件」なのか?
そういうの、わりとよくあるハズだな。
某・国民的探偵アニメでもあるのかな?
(観たことないんですか? 『名探偵○ナン』。あの作品にも、○ンがいるのに)
時間帯が時間帯ですし……。
明るい時間帯には、アニメ観ない人なのよ、俺って。なぜか背徳感を感じてしまうのよ。俺にとってアニメは、夜暗くなってから観るものなのよ。
(……どんな感性で、そんなの感じるんですか?)
でも、『名探偵○ナン』は国民的アニメだけに、ほとんど観たことないのに、だいたいのざっくりとした内容は知ってるよ。別作品でも取り上げられてるし。『宇○ちゃんは遊びたい!』の伝説的な「鳥取回」にも、「鳥取砂丘コ○ン空港」が出てたし。
そんなことを考えていると、『巫女』アナベルに言われた。
「ほら、こっち来て」
「……なんですのん?」
仕方なく、『巫女』アナベルの背中を追う。
てか、どうしても「そこ」に目がいく。なかなかキュートだ。
胸のひかえめな子は、「お尻でアピール」するのが「お約束」なのか? どこのアイドルだよ? てか、アニメにも数人いるよ、そんなキャラが。ダントツは「ツグミ」だな。OPは一時停止が必須だよ。キュートなヒップだよ。
「……うぐっ!」
「……どあっ!」
激突した。
よそ見してた上にアニメな妄想してたから、先行する『巫女』アナベルが一時停止していたことに気づかなかった。めんご!
で、そこにいた人物から、一方的に言い渡された。
「『聖女』さま。この事件を、解決に導いてください」
「…………」
無茶言うなあ、このひと。
『神官女長』だよ。ミーヨの叔母さんだよ。
「……なぜどすのん?」
「『神殿』に、『女王国憲兵隊』を踏み込ませるワケにはいかないのは、『聖女』さまにもお分かりでしょう?」
『女王国憲兵隊』は、『女王国』の「警察」に相当する機関だ。
もともとは、「国軍」にあたる『王都防衛軍団』の一部に過ぎなかったものが、一般の犯罪事件まで取り扱うようになって、独立した「機関」に格上げされたのだそうだ。個人的には、「団」じゃないんだ? って感想だ。
「『神殿』に、こういった事件をあつかう捜査機関的なものは……」
「『風紀委員会』はあっても、『神殿』に捜査機関なんてものはありません」
てか、「風紀委員会」はあるんだ?
知らんかったよ。「持ち物検査」とかされるの? 「お菓子」とか没収されるの?
「なぜ、ないんどすのん?」
アニメに「機関」は色々あるのに。「機関長」も何人もいるのに。だいたいはメカニカルなやつだけど。
「捜査機関なんてものを常設しておいても、お金にならないからです。なお、『風紀委員会』は有志によって運営されています」
「…………」
そんなことを言われましても。
「それにしたって、なんでまた、あたくしが?」
「『聖女』さまには、人の心を読む力があると聞いています。以前もそれで、例の事件を解決してくれたではありませんか」
……イヤ、待て。一体なんのこと?
「では、事件のあらましと犯人を突き止め次第、ご報告をお願いします」
「…………」
……なんか眠い。また睡魔が……。
ただし、サンドマン的なやつだ。サキュバスとかインプならば、逆にギンギンになるだろうし。
「我々は、そのあいだ、たのしい『夕食会』を続行します」
「…………」
俺も食いたし、『満腹丸焼き』。
「万が一、犯人が見つからなかった場合……その時は、『身の代の巫女』としての責務を果たしていただきます。貴女の身柄を差し出すことになるでしょう」
「……うええっ!?」
……ヒドい。ヒドすぎる(泣)。
『聖女』の元の名である『身の代の巫女』って、そういう意味?
『神殿』になんかあった時に、「人身御供」にされちゃうのか?
「……あたくしが、やるしかないんですのん?」
「そういうことです」
言いたいことを言って、『神官女長』は大食堂に戻っていった。
……やれやれだわ。
というワケで、またまた「探偵ごっこ」の始まりだ!
◇
だがしかし、俺はもう眠いので寝る。
……おやすみ。
ふわーっと寝落ちする直前。カオリちゃんからの思念波が届いた。
(寝ちゃダメです! ガンバってください。あとで、すっごい可愛い女の子を紹介してあげますから)
その「すっごい可愛い女の子」って、どうせアニメキャラだろ(笑)。
(黒髪ロングストレートで、デカい子ですよ?)
ほほう? ……で、その名は?
(山田です)
伝説のドラマー? ……かもしれない「0号」?
あるいは『あさが○と加瀬さん。』の? 髪型ぜんぜん違うか。
山田くんならば、いっぱいいるよ。タイトルになってるのが2人いるし。
(♪おーじゃまじゃまじゃま。2人でなくて、3人だべさ)
夜中に言ってたやつだな。それも「山田くん」なの?
あと、『よ○実』の「アルベル○きゅん」も「山田」だし。
そう言えば、「梅の香り」とともに「堀北(兄)」も卒業してしまったよ。春は別れと出会いの季節だよ。でも、うしなう寂しさのほうが大きいかもだよ。「○○○○○ロス」だよ。しょんぼり顔のエルフさんだよ。
それはそれとして……そちらの「山田」って、どちらの山田さん?
(練馬区です。だからか知りませんけど、作中で『ねるねるねる○』作って食べてましたよ。学校で)
学校でか?
(作品のタイトルは、『僕の○のヤバイやつ』です)
俺が、まだ観ていない未視聴作品だな。
(もっと早く観ておけばよかった! って後悔するような、すっごい名作でしたよ)
カオリちゃんの「推し」にハズレはないからな。
その点、全幅の信頼を寄せているよ。
(したら、テッペイくんも山田だべさ。市川くんも山田のジャージ着てたせいで、山田のお父さんに山田くんと誤解されてたのだべさ。さらに市川くんは先生から小林さんと誤解されて、山田と○○することになったのだべさ)
……なんか、すっごいややこしいぞ?
(あと、市川くんは卒業式の『送辞』をやってたのだべさ。それを失念してて、のちのエピソードで『掃除の子』ってなんだべか? と思ってしまったのだべさ)
でも、原作漫画では、きちんと「送辞の子」と表記されてたらしい。
情報が「音」だけだと、間違えちゃうことってあるよ。俺も何度もあるよ。
そんで、堀北(兄)のは、卒業生代表の「答辞」だろうから、在校生代表の「送辞」は誰だったのやら……。
で、どんなお話なの? 『ヤバイやつ』って。
(山田には『彼氏さん』がいるんですけど……主人公の市川くんが、その『彼氏さん』から山田の身も心も奪い取るお話です。NTRです)
……絶対にウソだ。君の嘘だ。
もし仮に、今日が4月1日だとして、エイプリルフールだとしても、ヒドすぎるウソだ。
ま、それは置いて……出演されてる声優さんは?
(堀○瞬さんだべさ)
(羊○妃那さんです)
どっちが山田で、どっちが市川?
そんで、堀江さん。『ミギ○ダリ』だと……どっちだっけ?
あと、「羊宮さん」て、お名前からして「おひつじ座」なの? 某アニメでは「えせ関西弁」しゃべってたけど、ご出身はどちらなの?
(あをによし 奈良の都の香具山の……青二プロ○クション所属で、奈良県ご出身なのだべさ)
それと関係あるのか知らんけど、作中の「修学旅行」は「奈良」だったらしい。
(『京都』にも行ってたべさ。その前夜の奈良では、お風呂で男たちの熱いバトルがあったらしいべさ。男子中学生ならではのアレが)
……ナニソレ?
(あと、羊宮さんつながりで、『MyG○!!!!!』が、『○ヤバ』主題歌の『僕○…』をカヴァーしてたのだべさ。その動画は、羊宮さんのお誕生日に公開されてたのだべさ)
だから、そのお誕生日って、いつだったの?
……卒業式ネタも含めて、もう完全に過ぎてるかもだけど。
(あと、奈良では「迷子かな?」ってセリフがあったのだべさ)
ただし、それはコラボではないらしい。
ならば、あとで観てみるよ。『○の心のヤバイやつ』。
(そうしてください。ジタバタと身悶えしてください)
そうすることにするよ。
◇
ところで、カオリちゃん。
『神官女長』から、なんか怖いこと言われたよ?
人の心を読むって、なに?
(色々ありまして……すこし前に、わたしも『探偵ごっこ』したんです)
俺様の魔眼『光眼』の「嘘発見モード」のことが、バレてんのかと思ったよ。
(以前、ジンさんから借りパ……いえ、ジンさんからいただいた『神授の真珠モドキ』の、『おでこで読心』機能のことです)
だったら、君がやってよ!
俺のは、ウソかホントかしか分かんないから、また長々とした『ウミガメのスープ』問答になってしまうよ。
(わたしは『夕食会』の会場で、『満腹丸焼き』を食べながら、あやしい人物がいないかどうかを確かめます。いま食事中で、『神官女』や『巫女見習い』が素顔をさらしてますし、『おでこ』が見えてるんですよ。いまがチャンスです。なかなか美味しいです、これ。あ、ライスおかわりお願いします)
最後のは誰に……てか、ライス? あるの?
(『東の円』が寄贈したものです。わたしには食べる権利があります)
俺も食いたし、チキンカレーライス。
(ジンさんは、犯行現場の確認をお願いします)
…………。
(返事は?)⇒圧。体感圧力8GPa。
……アイアイマム。
◇
で、やって来ました。
『大会』の会場だった『まん丸い間』。
撤収作業が進められているのかと思ったら、何も手がつけられていない。そのまんまだな。
相撲の土俵みたいな「土舞台」もそのままだし、その「土」の運搬に使用されるという「樽」もそのままだった。
行方不明になってる「金塊」は、どこだろう?
丸く湾曲した壁沿いに並べられている「樽」の中を、歩きながら、ざっくり確認すると、「空」の「樽」ばっかりだ。
ただし、いくつかの「樽」には、「土舞台」を築造するための道具が入れられていた。「杵」みたいやつと、デカい「金槌」。2本あるから『ハンマ×ハンマ』だな。あれ変形したっけか? で、その「土」を圧し固めるって、「古墳」を造るみたいなものなんやろか?
ちなみに、『アアス』には「スコップ」とか「シャベル」は無い。
(園芸とか農作業に使う、小さい『へら』はあるよ)⇒ミーヨ。
まだ起きてたのか? 妊婦さんなんだから、睡眠は大事なのだわさ。
で、その「へら」って、『地球』で言う「短いグングニル」のことだろうな。別名「イショクベラ」かな? どことなく妖怪人間ぽいな。
それはそれとして……実は、土木作業用の『魔法』があるのだ。
そして、その『魔法』で動かせる「土」の重量もまた、『神前重量挙げ大会』の最高記録にイコールだ。なので、『大会』は多方面から注目されてたのだ。
(その『魔法』。冬場は『除雪』にも使われれてるよ)
まるで「ブルドーザ」だな。
(『ショウギ』?)
言ってない。言ってない。思ってもいない。
どこから出てきたの? 「将棋」って。
広間を見渡すと、眠そうな半目みたいな『全知神の瞳』という名の「カメラ」が、「定点カメラ」か「監視カメラ」みたいに、あちこちに設置されたままだ。
その映像に、「犯行」当時の映像とか残ってないのかしら? これも確認事項だな。
あと、「羊宮さん」つながりで言うと、『Ba○ Dream! It's MyG○!!!!!』に、「固定カメラ視点」の演出がある回があって、ライブハウスの舞台裏とか楽屋裏を「のぞき見」してる気分になったよ。
空間全体は、オレンジ色の光のままだな。
疑似的な『夕焼け空の魔法停止現象』を引き起こす魔法照明『アカリさん』が燈りっぱなしだった。てことは、『魔法』を使用せずに、「金塊」を物理の力だけで運び出したのかな?
それ以外の……事前と事後での、細かい部分の差異とか違和感なんて分かんないな。「推理もの」のキモなんだから、こまかく観察すべきなのもしれんけど。
そう言えば、学園推理ものアニメの最高峰『○菓』と同じ原作者さんの別作品も、アニメ化されてたらしいよ。……どうしたって、比べられるだろうなあ……。
(羊○妃那さん。岐阜県が舞台の『○市民』のヒロインだったのだべさ)
ならば、そっちも観てみたい。
でも、『氷○』の舞台も岐阜県北部の「飛騨」がモデルだったりする。
そんで、岐阜って真ん中にあるよねー。
『BanG ○eam!』2期目だよ、山田じゃなくて、花園さんだよ。
「たったまま、ぼーとしてないで、そっちを見てよ」
「え? これは……?」
見たまんまを言うと、『神前重量挙げ大会』の決勝前のデモンストレーションに使われていた「業務用の大きな天秤」だ。
片方の天秤皿には、表面が引っかかれて、金メッキが剥がれて銀色の金属の「地」が見えかけている「金塊?」が載せられ、もう片方には『虹色豆・黒』の大袋が四つも載せられていた。こっちは約44㎏だ。
にもかかわらず、天秤は「金塊?」のほうに傾いていた。
……あれ?
「『大会』の前には、重さは釣り合ってたらしいわよ」
雑に言ったのは、「地」が出てる『巫女』アナベルだ。
『聖女』さま相手に、その口の利き方はなんだよ?
「したら、これ、『金』よりも重い金属ってことですのん?」
しかし、頑丈な天秤だ。
こんな重いもの載せて、微妙にプルプルしてるのに、バーベルのバーみたいに「たわむ」ことはないし。
(市川くん、山田さんと一緒に『○ルーチェ』作るときに、分量を正確にするために、化学室の『天秤』使ってましたよ)
でも、食べずにぶちまけてしまったのだそうだ。
それが故に、「実名」ではなく「プルーチェ」だったらしい。てか、どこにどんな風にぶちまけたの?
ま、それはそれとして、『宇宙』ではなんやかんやと色々あったし、『金』より密度が高い元素と言えば、ヤバイ感じの「放射性元素」ばっかで、安全そうなのは「白金」しかないのでは? でも、「プラチナ族元素」とか言って、似た性質なのが寄り集まるらしいから、あるいは、なんかとなんかの「合金」かも知れんけど。
(表面は、『金』なんでしょう?)
プラチナって「電極」として使えるから、「金メッキ」も可能なんやろか?
しかし、誰がどうやって作ったんだろうね、この「金塊?」って。
(東大寺盧舎那仏って)
トウダイジルシャナブツ?
(俗にいう『奈良の大仏』のことです)
『かぐ○様』の「でこメガネちゃん」は、「大仏」さんだ。鎌倉時代にいそうだ。未来人ホノカのネタバレ情報によれば、実は「めっちゃ○○」らしいよ。
(その大仏さま。建立された当時は、全身黄金につつまれた『金銅仏』だったの、知ってます?)
ああ、知ってる。
『金』と『水銀』を混ぜた「アマルガム」を塗って、加熱して水銀だけ蒸発させ……イヤ、待って。水銀て、めっちゃ危ないんじゃあないの? のちに「遷都」されたのって、水銀が原因?
(そんな新説。はじめて聞きましたよ)
今ふと思いついたので、言ってみただけです。
鉱石から金を精錬する「灰吹法」も似た感じじゃなかった? 「鉛」とか「水銀」とか……でも、あれは「焼いた骨」に浸み込ませるんだっけ?
それって危なくないの?
でも、プリムローズさんから、「奈良」の前につける「枕詞」の「あをによし」の「丹」って、「水銀朱」のことだって聞いたことあるな。あと、「帝政ローマ」の衰退の原因のひとつが「鉛」だって聞いたことあるよ。
(ですから、初代の『奈良の大仏』をつくった時には、水銀による健康被害があったらしいですよ)
ついでに言うと、「鎌倉の大仏」が、某・宇宙人によってロボット化されて、暴れまわったアニメがあるよ。市街地に被害が出てたよ。『チャージ○ン研!』だよ。
あと、どっちかの「大仏」って、「高さ18m」で『ガン○ム』と同じ大きさだって、なんかで見たな。
(高さ18mなら、『マジンガー○』とか『鉄○28号』もそうだべさ)
(三体で戦うと、どれがいちばん強いんでしょうね?)
操縦者次第な気がする。
でも、某・作品には、「俺たちゃガ○ダムより強えぜ」って豪語してたニンジャマスターがいるよ。褐色のハーフエルフさんのほうは、『ガン○ム』知らなさそうだったけれども。
あと、「全身金色のロボット」とか「MS」も色々あるけれど、「表面素材」はなんなんだろう? なかには「純金」なのもあるな。
ちなみに「バーンブレイブビッグバーン」の金色は「勇気の輝き」だ。
やっぱ、「やりきる勇気」は大事だ。俺はあの作品から学んだよ。見事にやりきってたよ。ありがとう、ブレイバーン! そして、ガガピー!
(なんの話ですか?)
思いっきり、主役ロボの名前言っちゃってます(笑)。
で、ほかに「金色に見せかける方法」って、なんだろう?
アルミホイルに、黄色いマジックで色塗る……とか?
(表面だけ金ならば、『金箔』貼ってたんでないべか?)
金箔って、光に透けるくらい薄いよな。
どうやって作るの? 「金箔」って。なんかの魔法?
(某・魔族ではないのだべさ。金箔は、ちっちゃい純金の粒を紙に包んで、何枚も重ねて、ひたすら叩いて延ばして作るのだべさ。金は『展延性』がすごいのだべさ)
魔法じゃなくて、物理だった。
某・作品に「黄○郷」の異名を持つ魔族がいるらしい。なんでも「○」に変えてしまうらしい。
俺も、一応は「錬○術師」だけど、そんなことは出来ないのであった(泣)。
でも……実は、問題は「そこじゃない」のだ。
ニセモノの「金塊?」の製造方法とか、後回しでいいのだ。
ホンモノの「金塊」が、どこに消えたのか? が、いちばんの問題だ。
それと真犯人……こっちは「めざし」がついてる。
でも、どっちかというと、「ししゃも」食いたい。『氷見』の「ししゃも」。
(…………)
(…………)
ボケが放置されるのって、ツラいなあ(泣)。
ま、「真犯人」って言っても、俺の勝手な推理なので、またまたハズレてるかもしれないしな。
あと、「金塊」なんて重たいものを、カンタンには持ち運べなかっただろうから、「共犯者」がいるはずだ。
(『重量挙げ大会』に参加するようなマッチョメンなら、数十㎏くらいなら、カンタンに持ち運べるのでは?)
そこは、疑いたくないなあ。
筋肉ダルマのマッチョ相手に「事情聴取」とか、イヤすぎるし(泣)。どうせなら、女子と甘酸っぱいストロベリートークがしたい。
(ストロベリーって、変な意味もありますからね?)
天秤皿の「金塊?」を見てみると、真贋を見極めるためなのか、かなりの面積の「金」が剥ぎとられていた。地の色は「銀」だろうな。ただ、『アカリさん』のオレンジ色の照明の下では微妙な色合いに見える。
でも、表面の「金」を剥ぎ取るとか、某『天空の城』を思い出すなあ。
あと、『ダン○ョン飯』だと、主人公が駆け出しの新人時代に、妹さんと「地中の迷宮」と化した城の「金はぎ」とかしてたらしいよ。
(『○ンジョン飯』の、金銀財宝に擬態する某・魔物とかの、迷宮の生態系の描写が、めっちゃ素晴らしいのだべさ)
ホノカが絶賛してる。俺も激しく同意するよ。
ただし、作中の迷宮料理は、あんまし食べたいとは思わないけどな(笑)。でも、「パン」は美味しそうだった。
ちなみに『ダ○ジョン飯』の「第1シーズン」は2024年1月スタートで、「第2シーズン」は2024年4月スタートだったらしい……あれ?
それはそれとして、『アアス』には、瞬間移動可能な「転移魔法」もないし、亜空間に繋がってるような「インベントリ(ア)」とかもないし、どうやって「金塊」を運び出したのだろうか?
牛乳パック2本分くらいの大きさだし、パンツの中に隠すのは無理だろうし。そんなことしたら、パンツ破けるだろうし。巨大化した「マゼンタ」のパンツの中にみんなして入ったら、重さでパンツが破けてたし。謎の光がまぶしかったし。
(……それまた、なんの話ですか?)
『地球』の、魔法少女たちのお話さ。
シスターギ○ントと、さらに別作品の「玉体革命」した某キャラを加えた「巨大化した女性キャラたち」で戦うと、誰がいちばん強いのだろうか?
(茅○愛衣さんが、やさしいお母さんぽく演じてた『ジァイ○ント』は、残念ながら、そんなにデカくはないのだべさ)
○野さん。「お母さん役に移行」とか言ってしまって、本当に申し訳ありませんでした。某・図書室ヒロイン素敵でした!
(したら、劇の朗読もよかったのだべさ)
(ネタバレしていいんなら、その図書室)
……とかやってたら、ミーヨが再び参加した。
(また『地球』の『あにめ』の話?)
そうだよ。
(ジンくん。『地球』には、妊婦さんの大変さを知ってもらうための服があるとか言ってなかった?)
ああ、あるらしいよ。
見た目は「ライフジャケット」みたいなものに、「おもり」が仕込んであって、疑似的に「妊婦さん」を体験できる服が。正式名称知らんけど。なんて言うんだろ? あれ。
(あたしも知らないけども、男どもに『わからせジャケット』とかだべか?)
……そんな、変な「圧」のある名称じゃあねーだろ。
(とにかく、無くなった『金』を、誰かが服の下に隠してるんじゃあないの?)
でもさ、大きさが……。
(だから、『金』って引っ叩くと、薄く延ばせるじゃないの?)
なるぽよ。
服の下に、「金属鎧」やら「鎖帷子」やら「防弾ジャケット」みたいに着込むワケか。
(服の下に、『週刊少年○ャンプ』を仕込んどくのだべさ。したら、万が一刺されても、読者投稿ページぎりぎりで助かるのだべさ)
『武装少女マキャ○ェリズム』では、「やっぱ、漫画雑誌は月刊に限るぜ」ってセリフがあったぞ? そっちも読者投稿ページぎりぎりだったぞ?
それは置いて……薄く延ばして、「貫頭衣」みたいに着込むことなら出来るかもだ。
ついでに言うと、『山田くん』の「鴨田さん」はいいひとだ。なお、「かもた」なので要注意だ。
さらに言うと、別な『山田くん』の某・魔女は「ノーパン」だ。
断っておくけど、変態ではなく、それなりの理由があるのだ。この子、俺の「お気に」だ。「OP」には出てるのに、なかなか本編に登場しないキャラっているけれど、初登場は第10話だよ。全12話の。
(そんなこと言ったら、ま○ちゃんとユ○ちゃんが『プリ○ュア』になったのも、かなり遅かったのだべさ)
でも、一年通しだから、全50話くらいあるのでは?
てか、こんなこと言ってるから、話が長引くのだ。
で、話を戻すと……『金』をひっぱたいて、うすくのばして「服」にする……なんて、そんな時間あったかな?
(うん、あったと思うよ)
『神前重量挙げ大会』の「表彰式」から『夕食会』が始まるまでのあいだ、『はんだく……間違えた。「半打点(約45分)」くらいの「間隔」があったらしいのだ。
俺、寝不足と空腹と疲労で、「体感時間」がおかしなことになってるからな。
◇
(……ふふん!)
ミーヨさん。自慢げで、ドヤった思念波だ。
俺様の魔眼『光眼』の「顕微鏡モード」で、「樽」に入ってたハンマーのヘッドを拡大して見てみると、そこにはキラキラした金粉のような残留物があったのだ。
そんで、『金』は衝撃を加えると変形するだけだろうし、叩いても「火花」飛ばないだろうな、きっと。そして、「エントロピー」ってやつが、溜まってくんだろうな。
(『えろとぴ……あ、ちがくて、『えんとろぴ~』?)
それもどうなんだ?
しかし、すごい推理力だな。寝台に寝た状態の妊婦さんなのに。
名付けて、「妊婦探偵ミーヨちゃん」だな。
(……それはヤダ)
ですよね。
でも、なんかで「安楽椅子探偵」っていたはずだ。
でも、椅子代わりにされてた某キャラじゃないよ?
で、ミーヨは、どうやって、その答えを導き出したんだ?
(ここまでの『雑談』で、何かヒントになるようなことがあったのでは?)
ならば、それは「雑談」ではなく、「ブレーンストーミング」と呼ぶべきでは?
(『ぶれーん』?)
それだけだと、某アニメの主人公の愛称みたいだな。
(略して、『ブレスト』だべさ)
そしたら、ブレスト・アウェアネスって、なに?
ま、それはそれとして、あとは「もっとも怪しい人物」に、ダイレクトアタックだ!
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次回。真犯人が判明するといいなあ(希望)。




