238☆シン最終章[10]◆神授祭 2日目⑤
ねえ、知ってる?
PCってね、長いこと使ってると……壊れるんだよ。
(……いきなり、なんなんですか、それ?)
それでね、PCが壊れると……なにかが、ポキッ、と折れるんだよ。
(…………)
それを何と呼ぶのか……今のわたしには分からないのだけれども、えーっと、とにかくそういうことなんだよ。
…………。
……。
◆
「「「「「いいにおーい!」」」」」
クッキーが焼き上がった。
焼き上がるまでのあいだ、なにやらものすごーく時間がかかったような気もするけれども……それはきっと、たぶん気のせいだろう。
石窯から金属板のトレイを引き出してみると、真っ白だったクッキー生地が「小麦色」になってる。
でもこれ、生地に練りこんだバターが焦げてるっぽい。
小麦粉そのものの焼き色じゃないと思われるな。
「きつね色ですね」
まるで、「あぶらげ」か「コロッケ」みたいな言い方だ。
誰かと思って振り向くと、元・狐耳奴隷らしい『巫女』サレイシャだった。
でも、奴隷期間が始まる直前で『化物』を替え玉に仕立てて逃亡したそうで、実際の奴隷としての実働期間はゼロらしいんだよな。
(きつねって、『キタキツネ』のことだべか?)
長くなりそうなので、こっちはスルーしよう。
「真っ白かったのに、こんな色に焼けるんですね」
自分自身と、重ねてるんでろうか?
『巫女選挙』の頃の「褐色の肌」は「日焼け」の結果で、もともとは今みたいな「白い肌」の持ち主らしいし。
「サレイシャさんは、『巫女』になる前は、どちらで何をしておられたので?」
料理とかお菓子作りそのものが、初めてなんじゃなかろうか?
そんな感じの、浮世離れした知らなさ加減だ。
「私の『巫女見習い』時代は、ずっと『洗濯』担当で、毎日毎日、洗濯物と戦っていました)
「そうなんですの?」
『全知全能神神殿』に所属する『巫女見習い』には、広い『神殿』のどこかで、なんらかの「お仕事」が割り振られるのだ。タダ飯は食えないのだ。
で、それって『プリン○ス・プリンシパル』の「洗濯工場」みたいな感じなんやろか?
「私、身体が引き締まっている、とよく言われるのですが」
「ああ、ハイ」
俺も、そう思ってました。
ウエストが引きしまったナイスバディの持ち主なのだ。
「それって、洗濯物を両手で『圧し洗い』してたからなのです」
「へー……」
そんなことを毎日やってると、ウエストがすごく引き締まるらしい。
そんで、いつだったか、セシリアがまだ『猫耳』つけてた時に、洗濯物を両手で「前足とんとん」してたのを思い出したよ。
(あの動作は『ふみふみ』じゃないの?)⇒ミーヨ。
アニメの「田舎の少女」に多い気がする「ふみちゃん」。
俺は2人知ってる。いずれも名作だ。猫関係ないな……でも、『スキッ○とローファー』の「みつみ」ちゃん家のペットは、犬は「おみそ」で猫は「おしお」……イヤ、だから猫の話じゃないってば! 「洗濯」の話だってば!
(洗濯物にティッシュ混入で激怒してた巨大猫がいたのだべさ)
そんな事されたら、巨大猫じゃなくてもフツーに怒るよ。
ちなみに『デキる○は今日も憂鬱』の話だよ。
同じ制作会社で、同じ期に放送されてたらしい『好きな子がめがねを○れた』と、どっちが「作り置き」だったんだろう? どっちも、めっちゃクオリティ高かったよ。ガチな同時進行だったとしたらスゴいよな。
ま、それはそれとして――
「私は、とくに取柄もなくて……ずっと『洗濯係り』ばかりでした」
『巫女』サレイシャが、憂鬱そうに言った。
彼女は、見た目とちがって「デキる」ってタイプではないらしいのだ。かと言って、ポンコツ感もないけれど。
「そうでしたの……」
しかし、女性の下着洗うのって、たのしいんやろか?
あれこれとうるさく言われて、面倒くさそうだよ「洗濯係り」。
(どこかの『使い魔』みたいですね)⇒カオリちゃん。
だから、俺はキャストオフされた「P」には興味がないってば!
◇
でも、いくつか焦げてるのがあるなあ。
「焼きすぎてますってば!」
「炭化したのは、捨てないとダメですってば!」
『巫女』アルルミナと『聖女』ヨハンナ(中身は俺)だ。
合金ならまだしも、食べ物に「炭化」はアカンのだ。たんたんたぬきの「キングテイマー」なのだ。てか、「王を調教する者」って、つまりは「女王さま」か?
(『平成○合戦ぽんぽこ』だとなんでしたっけ?)
(『きん○ま』だべか?)
言いたい事は多々あるが、ここはスルーするぜ。
ちなみに、原曲は「讃美歌」らしいよ。その替え歌なんだってさ。
「捨てるのはぁ、もったいないですう」
「食べられるのは、あとで食べるらしいわよ」
『巫女』クリムソルダと『巫女』アナベルだ。
ユニット名は「クリアナ」だ。ちょっと危険だ。
とにかく、素人がやってることなので、焼きすぎて焦げたクッキーもあったのだ。でも、歩留まりは悪くないな。アウトレットに回されるのは、ちょびっとだ。
で、その「非正規品」は、今日の『神殿』の夕食に饗されるらしい。
「焦げたものは、こちらに移してくださいね」
『巫女』シンシアだ。新たなヘアスタイル「姫カット」がかわいい。
相変わらず、すこぶる委員長的だ。なお、「すこぶる」は「頗る」で、なんかの略じゃないらしい。したら、「おでこパワー満タン」の「満タン」て何の略だろ?
(その前に、『おでこパワー』ってなんなんですか?)
カオリちゃんだ。「Wヨハンナ」の一人だ。
ちなみに、彼女のおでこにあった『聖女』の証の「数千年に渡るひとびとの記憶」が宿る「黒い星」は、入れ替わり前日に、こっそりと『おでこ合わせの儀』を行って移動させ、いま現在は俺の「おでこ」にある。
(だから、『おでこパワー』ってなんなんですか?)
なお、「おでこパワー」は、『星屑テレ○ス』の話だ。「おでこパシー」だ。
ロケットがいっぱい出てくる話だ。すばらしい良作だ。OPもEDもめっちゃいいし、『spektro』も良かった。ただ、歌詞が「宇宙語」なので、完全に意味不明だったけれども。
(ボナヴ~)⇒ホノカ。
マティヴー。
(ふつうに会話してるじゃないですか)
これはただの「あいさつ」だ。
「焦げすぎというと、こんな色味ですかね」
『巫女』ポタテが、自分の褐色の手をカラーチャートみたいに使ってる。
『地球』だとセンシティヴになるかもしれないけれど、惑星『アアス』に住む人は六割がたが「すべての人種の特徴がいりまじったような褐色の肌」が多い。俺もそうだし、気にすることはないのだ。
そんで、某アニメのヒロインが、「日焼け」と見せかけといての「肌黒ファンデ」で褐色になってたの思い出したよ。作中、「健康な下乳を見ると健康になれる」って、スゴイ名言があるよ。てか、これぞまさしく「宇宙の真理」ってやつだよ(笑)。
でも、主人公の○条新菜君は、なぜかいつも「やつれ気味」だ。意味深にボックスティッシュとか……。
(『その着せ替え人形は○をする』だべか?)
いいアニメって、視聴中の「体感時間」を短く感じるけれど……この作品も、感覚的には「一話5分」だよ。あっという間に観終わっちゃうよ。ヒロイン、えっちぃよ。よきー。
(『海夢ちゃん』だべか?)
ほかにもいるよね、マリンちゃん。
某アニメ作中の架空作品だけど、『魔女の谷のマジカル・マリン』ってのがあったな。その声優さんは、どなただったかしら?
(『ほしのあくあまりん』とか?)
はて?
ミーヨは何を言っているのだ? どこかの水族館か?
(実は、わたしも今『あにめ』観てるの)
(あたしが『通訳』してあげてるのだべさ)
へー、どんなアニメ?
アクアマリンって、元・喫茶店のラジオ局とか?
(双子でね、もうひとりは『るびー』ちゃん)
(あたしは、この瞳に慣れるまで、時間かかったのだべさ)
……へー?
でも、なるべく「胎教」にいいやつ観てね。ガチな妊婦さんだし。
(…………)⇒ホノカ。
なぜ黙り込む?
「『聖女』さま。撮影いいですか?」
コスプレ撮影会みたいなことになってるな。
『神官女』ダイナさんに、魔法的なスナップショットを撮られながら、分厚い「鍋つかみ」みたいなので、クッキーの乗った金属トレイを取り出したよ。ところで、この「鍋つかみ」は、なんて名前だっけ?
(『ミトン』ですか?)
どっかの「有翼球体生物」みたいな名前だ。
ちなみに「棒付球体飴玉」のバリ取りのほうは、「やってる体」の写真撮影が終わったので、外注というか下請けに出されている。さすがに我々『七人の巫女』が全部やるには、数が膨大すぎるのだ。
将来有望な『巫女見習い』セシリアも、どっかで手伝わされてるらしいよ。
(あたしもですよ~)
ドロレスちゃんだ。
彼女、今回は『巫女見習い』として『王都』に来てるので、『神殿』の雑用に動員されてらしい。がんばってねー。
で、クッキー、キャンディーときたら……お次はアレだな?
「『めろんぱん』ですう」
……マシュマロじゃなかった。
そしたら、チョコレートも無しだな。
(そんな!)⇒ホノカ。
(ひどい!)⇒カオリちゃん。
でも、個人的には「くるみパン」が食いたいな。
「先生。あのナッツは持ってる?」
「『なっつ』?」
俺が訊いたら、ロザリンダ嬢が不思議そうな顔してるよ。
意味が通じてないな。ちなみに、「ナイスロケッツ」の略ではないよ。
「昨日いただいた『木の実』のことです。もし、お持ちなら、パンに入れたいので、またくださいな。おねがい☆先生」
「でしたら、すこし、お待ちを」
あっさりと「おねがい」が通ってしまった。
あのナッツ。香りもいいし、おいしいのだ。ぶっちゃけて言うと「くるみ」だ。
(やるんじゃないかなー、とは思ってましたが、本当にやりましたね? ですが、放送順は『ティーチャー』『ツインズ』『あの夏』でしたよ?)
カオリちゃんの「思念訂正波」だ。
だがしかし、俺の視聴順は『双子たち』『あの夏』『先生』だったのだ。そんで、あの「湖」はどこにあるんだ?
(『地球』の日本の長野県の大町市です)
そこって、町なの市なの? 信濃なの?
◇
(『サン○ャイン!!』のスピンオフ『幻日のヨハ○』でも、「女子会」やって「お菓子作り」してたべさ)
こっちは、静岡県沼津市……に似た異世界のお話だな。
お菓子作りのチーム分けのために「くじびき」をやって、見事に「一年生チーム」「二年生チーム」「三年生チーム」に分かれてた……って、イヤ、それってイカサマなのでは?
(その舞台が、『劇場版』の『浦の☆女学院 分校』だったので、なかなかエモかったのだべさ)
古びた廃校な。似た感じの展開が『G&Pz』でもあったよねー。
ちなみに、「Pz」は「パンツァー」だよ。変な意味の略ではないよ。
(異世界の後宮の、胸の小さな侍女の子が、胸のデカいお妃さまに、なにやら教えてたアニメもあったのだべさ)
花街の妓楼の叡智らしい。ただ、その詳細は不明らしい。
◇
「祈願! みんなまとめて ★くるみ割りっ☆」
パキン! パキン! パキン!
軽音でも爆音でもなく、「快音」が連発した。
事前に、厨房にあった鉄鍋で、ゴロゴロと転がしながら炒ってもらったので、中身を取り出すのは比較的容易だ。くるみを竹製の爪楊枝でほじほじする。うん、綺麗に剥けた。これをパンに入れるのだ。干しブドウも欲しいけれど、俺様の……やめとこ。
で、『地球』の日本には、「くるみと小魚の佃煮」があるやん?
あの『くるみ小女子』の『小女子』って、なんて読むの?
(『小女子』じゃないんですか?)
コウナゴ? ……へー、そうだったんだ?
読み方知らなくて、字の見た目から「くるみ小女子」と仮称してたよ。
(ロリって、そんなアホな……ああっ、このトランク。そうだったんだ?)
『リコリス・リ○イル』の第2話のことだろう。
そろそろだと思って、狙ってブチ込んでやったのだ。
◇
石窯に、メロンパン(※生)と、くるみパン(※俺用)をブチ込んだ。
今は、それが焼きあがるまでの待ち時間なのだけれど……。
「……アレはなに?」
『全知全能神殿』の『厨房』には、「赤葡萄酒」とかが貯蔵されてる「地下食糧保管庫」につながる扉がある。それでそこから、恭しいまでの丁重さで、取り出されてきたものがある。
それはまるで、う○……イヤ、大きさといい、カタチといい「黒糖かりんとう」みたいな物体が、トレイに並べられている。なんなんだ、アレは?
「『辛口師匠』の実ですね」
『巫女』シンシアが明快に言った。
辛口? で、その「師匠」って落語の? 与太郎の? まめだぬきの?
「『女体樹』のひとつで、『満腹丸焼き』に使う香辛料なのですって」
「ああ、ハイハイ。『満腹丸焼き』ね」
『満腹丸焼き』は、ラウラ姫の「大好物」だ。
以前、食ったことがあるので知ってる。カレー味の「鳥の丸焼き」だ。『神授祭』の名物料理だ。
「すると、『辛口師匠』って、カレー味のオールインスパイス……イヤ、カレールーかな?」
前々から、どんなスパイス使ってるんだろう? と思ってはいたけれど、またまた『女体樹』かあ。でも、そのカタチが、う○……イヤ、「かりんとう」に見えるってのもどうなんだ?
(「師匠」と「カレー」って言ったら、『転生したら○でした』みたいだべさ。加○亜衣さんの幼女声が、あんなにもかわいいとは思わなかったべさ)
したら、俺も聞きたい。で、フ○ンちゃん。猫耳少女らしい。
あと、「剣」のほうは、微妙に「おじいちゃん」ぽいらしい。……怒られない?
「『おーるいん』? なんですって?」
教えてくれた『巫女』アルルミナが、知らない言葉にとまどってるようだ。
(明日は、『お肉の日』ですから)
実は、12年前のその日に生まれてるというドロレスちゃんだ。
にしても、『満腹丸焼き』か。
『神授祭』の期間中の、いつ登場するんだろう? と思ってはいたけれど、明日の『お肉の日』かあ。なるう。そのために、今から仕込みにはいるんだろうな。でっかい「鳥肉」が運ばれて来るんだろうな。
(カレーに大きな肉は入れなくていいのだべさ。チクワでいいのだべさ)
どこの「姫」だ?
ついでに言うと、カレーに「かくしあじ」として、味噌を入れようとしてた子もいたな。
(ん? アシ○パさんですか?)
と見せかけといて、『五等○の花嫁』の「中○三玖」です。
で、考えたら「三」って、夏服でも黒っぽいタイツはいてた気がするな。今、ふと思い出したよ。そんで、実はチョコレート苦手なんだよな。
よし、ならば「三」にちなんで、しばらくチョコレート禁止だな。
(そんな!)⇒カオリちゃん。
(ひどい!)⇒ホノカ。
「「「「「いいにおーい」」」」」
焼き上がりが近づいて、石窯からパンの匂いがただよってきてるよ。
『五等分』の「二」と「三」。パン屋になってたよなあ。
『劇場版』のラストの「三」の「大人ver」が、めっちゃ綺麗で惚れ直したよ。
(国木田花○ちゃんも、パン屋になってたずら)
でも、それは「異世界のお話」だ。
ホノカの推しキャラは「魔王」だったし。俺の推しキャラなんて、もはや異世界でもファンタジーでもなかったよ(泣)。あのスーツとかバイクはなんだったの?
(黒澤ダイ○ちゃんだべか?)
ホノカは、キャラを混同しそうな場合には、きちんとフルネームで呼ぶらしい。
ダイヤちゃんには、『サト○ダイヤモンド』がいるもんな。
(『国木田』には、メガネの独歩さん、がいるのだべさ)
『Nopp○』食いたい。
◇
「「「「「おいっしー!!」」」」」
焼きたて「メロンパン」をいただいてます。
いい出来です。上がサックサクで、パンもフワッフワです。さすが俺様です。某・眼帯キャラじゃないです。
(あたしは『チョココロネ』食べたいべさ。♪チョココロネー)
ホノカが、『BanG Drea○』の某ベーシストみたいなこと言ってるよ。
ちなみに、その子が所属するバンド『P○ppin'Party』には、「パン屋(※ベーカリー)」の長女もいるよ。そんで、その弟さんは下品な言葉を連発してたりするよ。
「白いパンてぇ、おいっしーですう」⇒『巫女選挙』第一位。
食えるの? フライ(ド)にすれば、食べれるのかな?
「『神殿』にいると、『黒パン』ばかりですしね」⇒同・第二位。
フランス語で「クロパンクロパン」てぇ、どんな意味だっけ? 「なんとかなる」かな? つまりは「気合」だな。
「『くるみパン』。なつかしいなあ」⇒同・第三位。
俺だ。
ちなみに、『巫女』の「お給金」は、『巫女選挙』の順位にしたがって、段階的に約10パーセントずつ低下していくらしいよ。ひでー話だ(泣)。
(違いますよ。(100×0.9)×0.9……って感じに計算していくそうです。だから、第七位の人は、一位の人の「約59パーセント」だそうです。なかなかの格差ですよね)
でもまあ、「獲得票数」の比率で計算した場合、みんなもっと下がるしな。
今年は、『巫女』クリムソルダの「おっぱい力」が炸裂してたのだ。おっぱいこそパワーだったのだ。そんで、「『聖女』手当て」とかは無いらしいんだよな。
(そのために『私的な祈願』が、2回出来るらしいですよ)
……へー。
「『聖女』さまは、甘いパンが苦手なのですって」⇒同・第四位。
そんな事はないのだけれど、クッキーやキャンディの甘い匂いが満ち満ちてるので、とりあえず今のところは甘くないのが食べたかったのだ。
あと、未来人ホノカから、某作品の某キャラの「愛称」が「メロンパン」だったと聞かされ、なんか複雑な気持ちになってしまったのはナイショだ。
「あたしの地元の『パン工房』の人が、すっごい怪力でさー」⇒同・第五位。
明日の『神前重量挙げ大会』に出るらしいよ。スウさん。
「……(もくもく)……」⇒同・第六位。
「……(もぐもぐ)……」⇒同・第七位。
……なんか、しゃべれや。
以上が、今代の『七人の巫女』だ。
みんな人間だ。その、「アアス亜種」なのかもしれんけど……耳が長くて、尖ってるとかの差異はないし、外見上は完全に「ニンゲン」だ。
そんで、『○実』の『七陰』は、「4/7」で非常にエルフ率が高い。約60パーセントくらいかな? というか、「ガーデン」には他にもエルフがいっぱいだよね。
(……めんどくさそうですよね、エルフって)
エルフに対する偏見だ。
でも、まったく謂われのない事でもないな。めんどくさいエルフって、いっぱいいるし。「弓手」とか「魔法使い」とか「大魔法使い」とか……あと、タイトル秘密だけど、めっちゃかわいい「男の娘」までいるし。
(『葬送のフ○ーレン』がすごかったのだべさ)⇒ホノカ。
大事だよなー、「体感時間」。
俺、飼ってた犬や猫たちを思い出して泣いちゃったよ……。
世界中で大人気だったらしいよ。『フリー○ン』。あとでガッツリやるよ。
あと、巫女とエルフの物語もあったな。
でも、なんで「江戸前」が「オタク」なんだろ?
◇
「「「「「おつかれさまでしたー!」」」」」
カツカレーサマー。
『七人の巫女』による「お菓子作り」は終了した。
なお、今は「夏」ではなく、「冬」だ。フツーに寒い。
ちなみに俺は、ある年の夏に作家「京極○彦」氏の作品を読みまくったことがある。個人的に、あの夏のことを「日本の夏 京極の夏」と呼称しているのだ。……怒られるか。
(『きょうごくなつひこのさいころぼん』てなに?)
ミーヨに訊かれてビックリした。ナニソレ?
(作中に『絡新婦の○』の文庫本が登場するのだべさ。園児が読んでたのだべさ)
……そうなんだ?
それ、俺の「個人的に好きな小説」だよ。指で押しても倒れないよ。
そんで、ホノカオの二人も読んでたそうだよ。
京極先生。北海道ご出身らしいよ。二人に聞いて、はじめて知ったよ。
(ああ、ハラハラする。あ、おかあさんだ)⇒ミーヨ。
……しかし君ら、ホントになんのアニメ観てるの?
そんで、「おかあさん」で思い出したよ。
「あ、ダイナさん! これを、お嬢さんに」
立ち去ろうとしていた『神官女』ダイナさんを呼び止めた。
『聖女』さま手作りの「クッキー&キャンディ」をプレゼントだ。「ハッピーハロウィン」だ。イヤ、これは違うな。
「シャシャンナに……ですか?」
なんか意味ありげに、自分のお腹をなでてる。「自分の分もくれ」って意味か?
「実は、お腹に『ふたり目』が」
「あらららら……それはそれは、おめでとうございます」
ご懐妊中だったらしい。
『神官女』は、元『巫女見習い』で、なおかつ「正式な結婚」をした『神殿』勤めの女性だ。なので、「デキる」場合があるのだ。
「そしたら、その子の分も」
まあ、実際に食うのは、この女性だろうけれども。
「ははーっ、有り難き幸せ」
そんな小芝居いらんがな。
◇
「あのー、『聖女』さま。少しよろしいですか?」
不意に、『巫女』シンシアが近距離に接近してきた。
「『聖女』さまは、ジンさんの幼馴染なのですよね?」
そんな前置きをされた上で――
「『聖女』さまには、お話しておきますね」
すごく近くで、俺にしか聴こえないような小声で話し出した。
先刻、『巫女』サレイシャが「お菓子作り」の休憩時に話していた事から、何かを刺激されたらしい。
「実は私も、すでに亡くなったと思っていた人が生きていた……という経験があるのです」
「……ハイ」
これは、真面目に聞くしかない雰囲気だ。
「私の、『異母姉』のことです」
ん? ホノカのこと……じゃあないな。
「……異母姉?」
「はい、プロペラ小僧ジンさんの」
どうでもいいけど、「プロペラ小僧ジン」が、俺の正式名称みたくなって広まってしまっているなあ。
「祖母にあたる人なのですけれど、私には年齢の離れた異母姉がいるのです」
「ジンさんの……おばあちゃん?」
俺の「おばあちゃん」? 生きてたんか?
イヤ、母方の「ばあちゃん」は元気に生きてるんだけどさ。ついでに言うと、別に■亡説はなかったけれど、某ライブハウスのオーナーも生きてたよ。孫が「おもしれー女(の子)」だよ。
……でも、父方のほうは、「もう亡くなってる」って聞いてたぞ? 生きてたの?
いまの俺と同じ名前の「ヨハンナさん」だよ。イヤ、その母親も「ヨハンナさん」らしいので、なんやかんやで混同してたのかも?
ああ、そっか。
昨日、ホノカが『養老院』で会ってた人って……つまり、そういう事か?
そのひと、最近名前を聞く事が多い、奇行で名高い俺の父親「キ・コーシュ」氏の母親だよ。
「その方が、数奇な運命を辿られ、つい先日、旧『北の帝国』領から帰還なされたのです」
その地は、『女王国』に併呑されたのだ。
どっかのアホが、ついつい勢い余って「征服」しちゃったのだ。
で、『女王国』は「下る者」に対しては非常に寛大なので、元の身分にいっさい関係なく、すべて『女王国』の「国民」として受け入れたのだ。
でも、そのあたりの事情は、『聖女』ヨハンナとしては与り知らぬところだ。
「えーっと、獣耳奴隷……とかですか?」
「私もくわしい事情は分かりかねますが、12年前の『王都大火』で何事かあったらしく、自責の念から、自ら『捨身奴隷』となられたそうなのです。私は、その事を知らされておらず、亡くなったものと思い込んでいました」
「……そうなんですの」
ごくまれに、そういう人がいるらしいんだよな。
事情はそれぞれだけど、自らすすんで「獣耳奴隷」になっちゃう人が。
俺のばあちゃん。何にどんな風に関係してたんだろ?
『大火』の原因となった『二の姫』の父親が、本当に「キ・コーシュ」氏だとすると……その母親こそがその人なわけで、つまりは「孫娘のしでかしたこと」に責任を感じたのかもしれない。
また、ややこしいことにならなきゃいいけどな……。
お菓子作りのあとの世間話なのに、あまくはないなあ。
そんな事を思って黙りこんでいると、ついでのように言われた。
「ちなみに、『猫耳』だったそうです」
「…………」
つっても、現在60歳を越えてるらしいので……ニャンだかなあ。
(愛称は『ばあニャ』だべか?)
てか、お前! 知ってたんなら教えろや!
◇
(うううっ……。だうううううううっ)
ミーヨさん? 泣いてんの?
(わたしは、生まれてくる子供に、『愛してる』って絶対に言う!)
うん。だから、なんのアニメ観たの?
(『【推し○子】』だべさ)
『おし○こ』?
タイトルから察するに、「アイドルもの」……かな?
(有馬○なは、新生『○小町』のセンターだべさ)
(ジンくんも、あとで絶対に観てね! あと、わたしは二人を引き取ったミヤコさんが、すごくエラいと思う!)
……お、おう。
しかし、異世界の女の子から『地球』の日本のアニメを推奨されるとか……フツーは、ありませんよ、そんなシチュ。
◇◇◇
だううううううううううう(※号泣)。
薦められるがままに観てみたら、第1話から大号泣だった。
それにしても、このアニメ。めっちゃいいのに、一話が妙に長く感じられたな。「体感時間」が、ちょっとだけ長く感じられたよ。
(いやそれ、第1話は1時間半くらいありますから)
で、ここに至るまでに、実に色々なことがあった。
……ハイ、回想。
◆◇◆
「……いなりずしに」
「毛が生えたようなもの」
符牒はバッチリ「正解」だった。
「『将棋愛好会』へようこそ、だべさ」
「そんなことより、合い言葉変えようよ。なんなんだよ、これ」
◆
次回。神授祭 2日目⑥。のびたので大冒険(※ウソ)。




