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233☆シン最終章[5]◆神授祭 初日⑤



「あたくしが行きます!」


 『王都』で発生した「混乱」で、負傷者が出たらしい。

 『癒し手』が不足しているらしいので、速攻志願した。


 呼ばれてないけど、『施薬治療院』に突撃訪問だ。

 そこには、まだ会えてない『巫女見習い』ヒサヤがいるのだ。久しぶりに会って、話したいことがあるのだ。


(あ! 注意事項があります)


 なに? カオリちゃん。


(『聖女』ヨハンナは、『巫女見習い』ヒサヤと昨日も会ってます。だから、『お久しぶりね』とか言ったらOUTですよ)


 ……そ、そんな「縛り」が?

 だって、俺的には、めっちゃ久しぶりだよ?


 そんで、その「OUT」はア○ロ・レイ?

 アム○に、「また来られたらアウトだぞ」ってセリフがあるらしいよ。


(そのリスペクトかどうかは不明ですけど、『SEED』のキ○・ヤマトに、似た感じのセリフがあった気がします)


 そうなの?

 そんで、考えたら、いまの俺って「ミーア・○ャンベル」が「ラクス・ク○イン」を演じるようなものだよ。


(ですけど、あれって○○じゃないですか)


 だよね。そしたら、『水☆の魔女』にもいたな。

 でも、「○○」しても「耳は変わらない」って、某アニメで観たな。ネタパレになるから、タイトル秘密だけど。


 ま、それはそれとして、誰かを「演じる」って、すごく大変。


(女優でしょう? 最後までヨハンナを演じてみせなさい!)


 女優ではないです。レンカノでもないです。

 アパートの隣の部屋の男性に、シャワーの音は聞かれたくないです。


 すべてを(さら)け出すつもりで……なんて、無理です。


 俺に演じられるのなんて、「バカ」か「道化(どうけ)」くらいがいいとこだよ。


(え? ジンさん、『バカ』を演じることって……あるんですか?)


 ないけど?


      ◇


「おひさしぶりです。『聖女』さま」

「おひさしぶりね。『巫女』シンシア……って、え!? どうしてここに?」


 『施薬治療院』の中の、だだっ広い大待合室だ。


 座面が幅広で、がっちりした長椅子がたくさん並んでいる。

 それって、こんな状況下で緊急の寝台として使用するためなのかもしれない。現にいま、そこには搬送された負傷者のみなさんが寝かされていた。


 そのあいだを、幾人もの『癒し手』が駆け回っていた。


 『王都』のあちこちで、『馬車』の横転事故があったって話だ。

 見た限り、重傷者はいないようだ。イヤ、重傷者は別な治療室に運ばれてるのかもしれないけれども。


 『癒し手』の中に、颯爽と立ち振る舞う、若く美しい女性がいて、思わず見入っていたら、彼女も俺に気付いて、挨拶してくれた。


 それが、久しぶりに会った『巫女』シンシアさんだった。


「『出迎えの儀』は、明日に順延と聞いていますが」

「はい、それはそうなのですけど、来ちゃいました」


 美少女なので、お茶目な感じもかわいい。

 さっきまで同じ顔をした双子の姉のホノカを見てたけれど、やっぱ違う。


 でも、いいんだろうか? 負傷者には……。


「なんと言いますか……あの『赤いの』は平気ですの?」


 この場合の「赤いの」は「Blood」のことだ。

 ついでに言うと、俺はシリーズ一作目の『BL○○D THE LAST VAMPIRE』が圧倒的に好きだったりする。古今屈指の名作だ。


「はい。任地で色々ありまして……苦手は克服しました」

「……そうなんですの」


 『英知な都』の『全知神神殿』で、なにがあったんだろう?


 そしてシンシアさんがいるということは、その随伴者の……ああ、まだまだぎこちないなあ。


「かいなにやどれ、しろきひかり。わがてにつどいて、いとしごへ」


 まだ小さな『巫女見習い』の左手が、白い光に包まれた。


「☆いやしのて☆」


 なんやかんやあって、『癒し手』として覚醒した元・猫耳奴隷のセシリアだ。


「……うええっ」


 で、「白き光」のもとになっている『守護の星(極小サイズ)』を補充するために、なにかの液体を飲んで、マズそうに(うめ)いて、顔をしかめてる。


「――(かいな)に宿れ、白き光。我が手に(つど)いて、(いと)()へ」


 あいかわらず、「呪文詠唱」と言うよりも、律儀に「手順を確認」してる感じだ。そして、美声が耳に心地よい。耳から癒されるよ。


「☆(いや)しの手☆」


 シンシアさんは、負傷者の傷口を見ないように顔を(そむ)けながら……って、苦手克服されてないやん!


 よし、ならば俺もいっちょやったろか。


「みんなまとめて ☆癒しの手っ☆」


「「「「「はきゅぅぅぅう」」」」」


 みんなして変な声を上げないで!


 みんなまとめて、雑に瞬殺したったぜ。イヤ、■してはないけどね。

 そんで、これって(はた)から見ると、白く光る手がいっぱい現れて、『Re:ゼロから○める異世界生活』の「怠惰」担当の某・司教さまみたいらしい。


 でも、まとめてやったほうが、鳥取……手っ取り早いし。


      ◇


「……ぷはぁ。不味(まず)い! もう一杯!」


 『守護の星(極小サイズ)』補充のため、「ヒカリちゃんの体液」を一気飲みした。俺的には飲む必要のないものなのだけれど、飲まないのも不自然なので、ある種の「偽装」だ。


 で、これって、激動の昭和を生き抜いたプリムローズさんによれば、何かのCMのセリフなんだそうだ。なんかの健康飲料らしいよ。


「なーらけんこうらーんど」


 セシリアだ。

 彼女もまた、プリムローズさんから何か教わっているらしい。これもまた、『地球』の魔法の言葉のひとつだろうな。意味不明だけど。


「『聖女』さま。おかわりをお持ちしました」

「……え!? あ、ありがとござるます」


 ……ただのネタだったのに。ホントに、もう一杯飲むはめになったよ。


 動揺のあまり、アー○ャ・フォージャーみたいになってしまったよ。

 女児をフルネームで呼ぶのもどうかと思うけど……○ーニャは他にもいるしな。俺の知る限りでは、「ラウンズ」とか「帝国の忍者」とか「プリンセス」とか「研究員」とか。


      ◇


「「「「「おつかれさまでした」」」」」


 負傷者の治療も終えた。

 大体が擦り傷とか切り傷を負った怪我人ばかりだった。それくらいなら、『癒し手』の「手当て」でなんとかなってしまうのだった。


 落ち着いたので、シンシアさんに事情を訊いてみた。


「私たちは、船でしたから……」


 『王都』とは『北行運河』でつながる『英知な都』からは、『巫女』さま一行は「奉納品」と共に船で遡上していたお陰で、『永遠の道』で起きた「混乱」には巻き込まれず済んだらしい。


「人造湖のそばの、『(いち)の小宮殿』で待機していたんです」


 『出迎えの儀』は、『馬車』の車列を組んで「奉納品」を『全知全能神神殿』に納めるのが慣例らしくて、ほかの『巫女』による奉納が終わったあとで、それを一式まるっと借りる手筈になっていたらしい、


 でも、『真っ赤な太陽』による「混乱」があって……。


「それで、『癒し手』が足りないとの連絡を受けまして」


 シンシアさん、誰とリンクしてるんだろ?

 『★伝心☆』は、総計「三打点(約4時間半)」の通話で満了するから、ちょこちょこリンク相手を変えてるらしいんだよな。


 俺も……でも、伝わってはアカン感じの邪念に満ちたエロ妄想が、ダダ洩れになるだろうな。『琴浦○ん』みたいになるだろうな。「エロス」とか呼ばれそう。場合によっては「空気読めよ」ってマジ説教されるだろうな。


 ちなみに、あまりにもモロなために自粛してただけで、忘れてたわけではないよ。『琴○さん』。うん。


      ◇


「おひさしゅうございます。『聖女』さま」


 見覚えのある老女から、丁寧に挨拶されて困惑した。


 ……なんで、アンタがここに?


 ネコジッタ(ばあ)は『養老院』に……って、イヤ、こっちは双子のお姉さんの方だ。「ベコちゃん」ことベコジッタ婆だ。なぜなら、それと断定出来る随伴者がいたからだ。……てか、このひと。妹さんが生きてたのは知ってるんだろうか?


「ベコジッタ様も、お元気そうで」

「なに言っとりますじゃ、昨日おうとりますがな」


 ひっかけ……だと?


「あんたは、いったい誰なのですじゃ?」


 疑惑の眼差(まなざ)しを向けられた。


「……普段のあたくしと、どこか(こと)なる点がございまして?」

「椅子に腰かける時に、自分で自分の尻を()でとりましたでしょう?」


 例の「セルフチカン行為」のことか?

 実は意識してやってるからな。『女王国』全土の女子に、流行(はや)らせようと企んでるからな(笑)。俺いま『聖女』だし、そこそこ影響力はあるはずだし。


「そして、座った後の足の開き方が、まるで男みたいでしたわい」

「…………」


 『お○ちゃんはおしまい!』でも、そうなんだよなー。

 でも、男の子が足を開き気味に座るのは当然だよ。だって、股間に「おちん○ん」がついてるんだもん(笑)。


(はい、OUT!)


 まだワンアウト。まだこれからだ!


 てか、カオリちゃん!

 いつ誰と会ったかを、ちゃんと教えといてくれよー。


「かつて、あたしら双子姉妹も、『入れ替わり』をやって『イケナイアヤマチ』認定されてしまったのですじゃ」

「…………」


 詳細に興味はないけれども……そんな過去が?


「あたしゃ、妹よりチチがデカいでしたで、それでバレてしまいましたわい」

「…………」


 かつて「超巨乳なベコちゃん」と呼ばれてたそうだけど、今は見る影もないし。


「ところで、そちらのお方は?」

「誤魔化す気ですかい? まあいいですわい。ささ、(ぼっ)ちゃん。今代(こんだい)の『聖女』さまですじゃ」


 そう言って、後ろに控えていた『仮面の男』の手を引いて、前に立たせた。


 『仮面の男』は……実は、ラウラ姫とドロレスちゃんのお父さんだ。今上の女王陛下の『(いと)(びと)』だった人だ。考えたら、元・第一王子と元・第二王子の父親でもあるな。


 背の高い、がっちりとした骨格の人だ。


「人前で『坊ちゃん』はよしてくれ」


 あれ? 割と普通にしゃべれるんだ?

 12年前の『王都大火』で、お顔にヒドい火傷を負って、それで光をうしなって、傷跡を隠すために『仮面』を付けてるそうなんだけどな。


「『聖女』ヨハンナです」

「これはご丁寧に」


 慣例に従い、握手した……のはいいのだけれど。

 目が見えてない割には、やけにすんなりと俺の手を取ったぞ?


「…………」

「ささ、坊ちゃん。行きますですじゃ」


 疑念をいだかれた事に気付いたベコジッタ婆が、逃げ出す気満々だ。


 そうはイカのペ○ス!


「ちょっ――」

「『聖女』さま!」


 呼び止められたのは、俺のほうだった。

 その隙に、二人には逃げられてしまったよ。


 ところで、カオリちゃん的には「ペ○ス」は「セーフ」なの?


(……あは……あははははは……)


 笑いのツボにハマって、判定出すどころじゃなかったらしい。


 ところで、イカって「金○」とか「ペ○ス」はあるんだっけ? なにか特殊な方法でナニかするんじゃなかった? あと、さすがにこの流れで『娘』の話はしないよ。


      ◇


「おひさしぶりね、ヨハンナさん」


 俺を呼び止めたのは、『乙女神官』アプロダイテ嬢だった。

 先代の、第4574代の『聖女』だったおひとだ。


「……本当に、おひさしぶりでしたでしょうか?」


 もう「ひっかけ」はイヤなので、こちらからカマをかけてみた。


「やあねえ、ヨハンナさんたら!」


 おばちゃんノリで言われるも……どっちなんだ?

 教えて、カオリちゃん!


(……えーっと、ですね。10日くらい前にお会いしてます)


 微妙だ。

 でも、某アニメの巨乳キャラは、10日間の休暇明けで「おひさしぶりです」と言ってたな。


「それで、こちらでなにを?」

義母(はは)に呼ばれて、手伝いをね」


 ああ、「ゴッさん」な。

 さっき見かけたよ。負傷者を2名ほど小脇に抱えて歩いてたよ。


「……あの子。『巫女見習い』になったのね」

「ですわね」


 いきなり言われて戸惑ったけれど、セシリアのことだろう。

 シンシアさんと一緒に、大待合室から出ていくところだ。


 彼女がまだ猫耳奴隷だった頃に、『神殿』の「夕食会」の給仕の手伝いにかり出された事があったから、それで見覚えがあったのかな?


 そう言えば……その夕食会の前に、このかたとロザリンダ嬢と3人で、『()の姫』の「転生体」を探すために『★迷子探し☆』をやったな。


 あの時、テキトーに有耶無耶にしないで、ハッキリさせとけばよかった。

 ……やれやれ、だ。


 そんなことを思っていると、アプロダイテ嬢が恐ろしい事を言い出した。


「12年前に亡くなった『()の姫』が――」


 内心を読まれたのかと思って、ビビったっス。


「実は、生きているというウワサがあるのだけれど……ご存じ?」

「…………」


 そんなウワサがあるのか……。

 マズいな。そんなウワサ話が広まるだけでもマズい。


 ラウラ姫は、もともとは王位請求権のない『(よん)の姫』なのだ。

 我々には「大望(たいもう)」があるのだ。獣耳奴隷制度廃止のためにも、ラウラ姫には是非とも『女王国』の女王になってもらわないと困るのだ。


「そんなお話を、どちらでお聞きになりましたので?」

「『養老院』よ。最近は慰問に行くと、かならずその話が出るそうよ」


 発信源は、ほぼ間違いなくネコジッタ婆だろうな。

 うーむ。どないしたろ? その姉であるベコジッタ婆ちゃんに引き取ってもらうのが、いい気がするな。


 ところで、カオリちゃん。


(なんですか?)


 『聖女』ヨハンナは、『乙女神官』アプロダイテ嬢をなんて呼んでるの?


(『お(ねえ)さま』と呼んでと)


「あのー、お姉さま」


(言われてるんですけど、もちろんそんな風には呼ばずに……って、え?)


「なあに? ヨハンナさん」


 なんか、めっちゃうれしそうにニヨニヨしてるぞ?


「お姉さまは、『()の姫』さまに会われたことがおありなのですよね?」

「ええ、そうよ」


(それ、定着させないでくださいよ。いやですよ、『お姉さま』とか)


 ごちゃごちゃ言わんで。


「どんな方でしたの?」

「……そうね、黒髪で、色白な子だったわね」


 黒髪はともかく……色白?


「性格的には……人柄とかは?」

「さあ? それは分からないわ。あの三人を、遠巻きに見てただけだもの」


 同名の3人組「三人ロザリンダ」のことだろうな。


「もしも、その方が生きていて、久しぶりに……12年ぶりに会ったとしたら、すぐに気づきますでしょうか?」


 俺が(たず)ねると、お姉さまは少し考えこんだ。


(それ、使用禁止で)


「気づかないと思うわ。地味で、目立たない印象しかない子だったから」

「…………」


 それと見破ったらしいお方も、いるんだけどな。


「それと、お訊きしたいことがあるんです」

「なにかしら?」


「『神殿七不思議』についてです」


 実はまだコンプリートしてないので、いい機会なので質問してみた。


      ◇


 外はもう真っ暗だ。


 いまは『地球』でいう「冬至」の時期なので、あっという間に日が暮れるのだ。ああ、「小豆(あずき)かぼちゃ」食いたい。


 結局、『巫女見習い』ヒサヤとは会えなかった。


 お姉さまに聞いたら、神殿七不思議のひとつ『開かずのおトイレの怪』は、ただ単に『神殿』勤めの人たちは男女共に「お通じのよくないひと」が多いからなんだそうだ。食物繊維()れや!


(だから、『お姉さま』はやめてくださいってば)⇒カオリちゃん。


 そのせいなのかは知らんけど、ヒサヤがいる「*門科」みたいなところは、常に大忙しなんだそうだ。みんな「硬い」のかな?


「お食事中だべさ」


 となりの人から、小声で注意された。

 ごめんよ。後で「ホットチョコパフェ」錬成(つく)ってあげるから。


「よろこぶべきか……悩ましいべさ」


 現在、『全知全能神神殿』の大食堂で夕食中だ。

 いつもの質素な「神殿フルコース」だ。お昼とまったく同じものだよ。まったくもーもー。


 いつになったら、お祭りらしい「ごちそう」を食べられるんだろ?


(――ジンくん。ジンくん)


 お、ミーヨからの『★伝心☆』だ。


(頼まれてたことなんだけどね)


 実は、こっそりと情報収集を依頼してたのだ。


(姫ちゃんのところの侍女のポーニャさんに聞いたら、ヒサヤちゃん、あの時も「●゛」の治療のために『王宮』にお泊りしてたんだって)


 やっぱり、そうだったんだ?


 以前、お姉さまたちと発動させた『★迷子探し☆』の星の群れが指し示した方向は、「北」だった。


(やーめーてー)⇒カオリちゃん。


 『巫女選挙』関係者が宿泊していた『(いち)の小宮殿』を飛び越えて、北の彼方につづいていたのだ。


 ニンゲンの個体識別や位置の特定は、『アアス』の魔法システム的に考えれば、情報収集端末である「黒い星」で行っているはずだ。


 なので、『()の姫』に宿っていた「黒い星」を継承した人物が、あの方向にいたのは間違いないのだ。


(『黒い星』だけが()がれて、他人にくっつくこともあるって、ジンくん言ってたもんね)


 うん。さんざん手こずった『亡霊』さんが、そうだったしな。


      ◇


 であるならば、「実体」のほうの『()の姫』は、当時の記憶を失くして「記憶喪失」って感じになってるのかもしれないな。


(『ゴー……いえ、なんでもないです)


 カオリちゃんが言いかけて止めた。ネタバレ防止措置らしい。


 とにかく、ウワサの発信源になってるらしいネコジッタ婆を、なんとかしないとな。


(でも、おかしくありません?)

「なにがだべか?」


 カオリちゃんの『★伝心☆』に、ホノカが肉声で応じてる。

 俺経由だと、いったい何がどう伝わってるんだろう? ホノカオは『魂の双子』で、オレカオは『神造の双子』だしな。


 てか、内容があれだから、念話ONLYで、おねがい☆双子たち。


(そのおばあさん。お姫様の姿を見たのは、12年ぶりだったんでしょう?)

(そのあいだに成長してってから、パッと見て、本人と分かったのだべか?)


 まあ、そうだよな。


 某アニメの最終話でも、いきなり18年後の姿で現れて、「誰!?」って思ったよ。

 それが、作中では2018年のことだから、放送された2022年には「不惑(ふわく)」を越えておられるよ。「人生五十年」の80%を消化してるよ。


(そんくらい、大したことないべさ)


 ホノカが生きてた時代には、平均寿命は何歳だったんだろう?


 で、子供時代の姿から、未来の姿をAIとかで「復元」というか「自動生成」するというか「未来予想」するって……アレみたい。


(ああ、『2』ですか?)

(あれの『ホロスーツ』って、全裸でもいいんだべか?)


 『お披露目会』では、みんな『全知神の三角』という、きわどい「Tバック」を身に着けてたんだけど……なにかしらの分かりやすい「肉体的特徴」でもあったのかな?


(『アザ』とか『紋章』とか『刻印』とか、ありませんでした?)


 そんなの……無かったと思うけどなあ。


 ネコジッタ婆は、どうやって『()の姫』を特定したんだろう?


      ◆


 次回。やっと『神授祭 2日目』。

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