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232☆シン最終章[4]◆神授祭 初日④



(ところで、ジンさん。いえ、ヨハンナさん)


 なに? カオリちゃん。


(久保エリカちゃんて誰なんですか? ユリカさん、じゃないんですか? もしかして、またまた間違い案件ですか?)


 ふむ。

 ならば、その問いに答えよう。 


 あの「エリカちゃん」は、「久保さん」じゃなくて燦燦(さんさん)と降り注いでいた「赤い光」に(かか)っていたんだよ。


(どういう意味です?) 


 実は『チャー○マン研!』に、『悪魔のサーカス団』というお話があるのだけれど、それに「ライオン使いのエリカちゃん」てのが出てくるんだよ。


(わたしも観ましたが……よく覚えてません。それで?)


 例によって例のごとく、その子は「ジ○ラル星人」だったんだけど、チャージ○ン研が、武器の「赤い光線」でサーカス団を「皆■し」にしたんだよ。


(……それで、どうなったんでしたっけ?)


 で、実は「アルファガンは赤い光線にすると麻酔銃になる」って話で、みんなで「なーんだ良かったアハハハハ」ってオチなんだよ。


(……そうだったんですか)


 そうだったんだよ。


(でも、それって完全なネタバレじゃありません?)


 完全なネタバレだけど、『チャージマン○!』は迷……名作だから、『地球』だろうと異世界だろうと、時空を超えて世に広めないと。「布教」ってやつだよ。


(……ふうん、そうでしたか。それじゃあ、またあとで)


 ハイ。またあとでね。


 …………。


 ……。


 よし、うまく誤魔化せた、っと。


(やっぱり間違えてたんじゃないですか!)


 はううう、ごめんなさーい!

 とりかじ、いっぱぁ――い!!


      ◇


 久○ユリカさんと言えば、『ラブ○イブ!』の「小泉さん」だ。

 でも、ラーメン大好きなのは、その親友の「(りん)ちゃん」だ。俺、あのラーメン買って食べたよ。これ、触れていい話題だっけ? また、いらんコト言ったかな?


 …………。


 ……。


 でも、なんか……あれだな。


 妙な気配がするというか、街がざわついてるな。


      ◇


 やっぱ……なんか、どこかでざわついてんな。


 俺がいるのは、『王都』の『南の街区』の大半を占める『全知全能神神殿』。

 その中核である『双塔大拝堂』の「南の正門」前だ。


 そこからは、南に向かう「大参道」が続いている。

 道の両脇には店舗がたくさんあって、普段ならば『神前町』として(にぎわ)わっているところだ。


 ただ、現在は、ある目的から交通規制がなされ、進入禁止にされている。結果、「大参道」には馬車も人もまったくいないのだった。なので、その反対の方向。北からの「ざわめき」を感じるな。一体なんだろう?


 まだ日は高く、よく晴れてるし。真冬とは言え、そんなに寒くはない。

 ただ、こんな天気だと、そのあとに「放射冷却現象」が起きるらしいって話だ。ああ、寒いのヤだなあ。


 先ほどの天体現象『真っ赤な太陽』は、ほぼ真南に伸びる「大参道」の彼方の空に見えていた。


 てことは、「南中(なんちゅう)」ってヤツだったのかな?


「おい、お前どこ中だよ?」

「『リ○リコ』のちさと?」


「『これは○ンビですか?』のサブタイだべさ」

「……ああ、ゴメン。観てないかも」


「しゃーなしだな」


 使い方、間違ってない?


「して、この道路の六角形の紋様は、なんなんだべか?」


 ここは、「六角形の陶板」が敷き詰められた、かなり珍しい舗装路なのだ。


「亀甲縛りってヤツだべか?」


 縛ってどーする? 大事なものなんだから、大事にあつかえ。「亀甲紋」とか「ハチの巣」とかに例えろ。


 イヤ、我々はアニメ好きだ。

 六角形を見たならば、「AT」とか「クライン」とか「波動○壁」とか「『ケムリ○サ』のなんか」って言え。……もっと、あるかも知れんけども。


 ま、俺は知ってるから、ホノカに教えてあげよう。


「これは、『玉潰(たまつぶ)し』だよ」

「『玉潰し』!?」


 ミーヨの領地『英知な都』の、「特産品」と言えば「特産品」だ。


 『英知な都』は、かつて『死の廃都』と呼ばれていた。

 『王都』で■くなった人が、葬儀の後で「送り舟」に載せられ、送られるのが、その街なのだ。


 そこは、『北行(ほっこう)運河』の終端地だ。


 かなり大きな、「H」のカタチをした湖で行き止まってるのだ。

 湖には、俺も築造にかかわった「港」もある。その名は「タルマエ港」だ。……命名したのは、ホノカだ。


 そんなんはいいとして、その街の「領地経営」を手伝ったときに知ったのだけれど……そこで作られている『玉潰し』には、実は「■くなった人の遺骨」が混ぜられているのだ。


 ま、正確には「遺灰」なのだけど、それを「粘土」に混ぜてある。


 ここからは、以前、シンシアさんから聞いた話だ。

 その粘土を、まんまるく()ねて玉にし、それをいっぱい並べて、上に板を載せて潰す。みんなで踏みつけにするのだ。


 そうすることで、圧し潰された「球体」が「六角形」の板になる。

 それを(かま)で焼いたものが、六角陶板『玉潰し』だ。『玉』は、『魂』でもあったのだ。


 そうやって■後も、人や馬車に踏みまくられて功徳(くどく)を積むことで、『良き転生』が叶う……と信じられているそうなのだ。ま、異世界の事なので、なにも言いたくはない。


 けれども……。


 人に踏まれて功徳を積む、とか……どエムか! どエムなのか!?


 でも、『陰の○力者になりたくて!』では、名だたる声優さん方が、堂々と活舌(かつぜつ)よく「ドエム・○ツハット」とか言いまくってたよ。その声に、「言ってて楽しそうな波動(笑)」を感じたのは、俺だけだろうか?


 それはそれとして――


 『死の廃都』改め『英知な都』のご当主は、現在『王都』にご滞在中だ。


 言ったら、俺の「メインヒロイン」だ。


 ――ミーヨさん。ミーヨさん。応答願います。


(なに?)


 呼んでみただけ。


(もう、ばか!)


 アハハハハ……じゃなくて!


 ちゃんとした用があるんだよ。さっきの『真っ赤な太陽』は、どこから見てた?


(『王立産院』の3階。『王立産院』は、『王都』の『北の街区』にあって、『永遠の道・北東路』に面してるよ)


 そこそこ説明的だ。


 そしたら、いまの『王都』はどうなってる? 「X」になってる『大交差』のあたり。なんか、ざわついてるような気がするんだよ。


(なんかね、一言で言うと『混乱』してる)


 なんで?


(『神授祭』で、あちこちから『馬車』がいっぱい来てて混んでるでしょ? そのうえで、『真っ赤な太陽』を見るために、『永遠の道』の上にも、いっばい人が出てきてて……すごく混乱してる)


 ああ、そんなことになってんのか。


 『永遠の道』は道幅が100メートル以上あって、大きな障害物もなく視界がひらけてるから、例の天体現象を見るのに好都合だったんだろうけど……その上に、歩行者があれかえってんのか?


 『真っ赤な太陽』の影響というか、「余波」がまだ続いてるのか……。


 さらに言えば、現在「大参道」は『巫女』たちの『出迎えの儀』のために交通規制してるから、通れなくて迂回しないといけなくなった馬車やら人やらが、『永遠の道』のほうにあふれてるだろうし。


 そんで俺も、かなり説明的だな。


(『道の警備隊』が出てきて、交通整理はじめたけど……人や馬車や馬が多すぎて、ちょっと収拾がつかない感じ)


 うん、だいたい分かった。


 あとは大事にしてて。

 もし産まれそうになったら、『★伝心☆』つなぎっぱなしにしてもいいから。


(えー、そんなの恥ずかしいよ。すごく大きな声が出ちゃう、って聞いてるし)


 そうなの? てか、「念話」だよ?


      ◇


 『神授祭』の最中(さなか)だし、いくらなんでも『王都』で「暴動」とか「騒乱」とか……そんなんは起きないだろうから、そっちはそっちで、なんとか(おさ)めてもらおう。


 で、こっちはこっちで、『出迎えの儀』って……まだあ?


 けっこう待ってるのに、『巫女』を乗せた馬車なんて、一向に見えないよ。

 これって、ミーヨが言ってた「混乱」に巻き込まれて、どこかで動くに動けなくなっちゃってんじゃあないの?


 待ってるだけなので、退屈だし。

 しかも、本格的に腹が減ってきてるよ。


 暇だし、またまたアニメな妄想しようっと。


 某声優さんつながりだと、『ようこそ実力至上主義の○室へ』が思い浮かぶな。


 2期目観たけど……残念なことに、あんまりデレてなかったよ、堀北さん。

 イヤ、あれはデレた後で、冷めたんじゃなかろうか?


 てか、完全に「メインヒロイン」の座を明け渡してたよ(泣)。あれは、やはり「Pきっかけ」なんやろか?


 でも、カッコよかったもんな、綾○路きゅん。

 俺が女の子だったら、ホレちゃうよ。てか、いま女体化してて女の子だしな、俺。


 他の三人はボコボコにしたのに、○吹さんには紳士的だったり。

 で、その○吹さん。「○ルベルトの時には……」とか言ってたけど、ア○ベルトきゅんの時には何をしたのかしら? 龍○きゅん。


 そんなことを考えてたら、となりの人に言われた。


「ヨハンナちゃん、一緒に『おトイレ』行くべさ」


 女子だなあ。


 でも、(さそ)ってくれて、うれしいよ。

 俺は、「ひとりぼっち」じゃないって、そんな気持ちになれるよ。


「……ドッドッドッドッドッドッ……」


「だから、どこのどんな『ヒーロー』だよ?」

「あたし的には『ギターヒー○ー』。『ぼっち・ざ・○っく!』の後藤○とりちゃんなのだべさ」


「後藤さんてデカいの? 心臓の音が」

「後藤さんはデカいのだべさ。心臓の音が」


「ああ、前に言ってた『後藤さんはデカい』って、そういう意味だったんだ? 文化祭ライブの直前のアレな」

「……そ、そうなのだべさ。ドラムの音だと思われてたのだべさ」


 なるほどね。第1話でも、「ドッドッドッ」て音してたもんね。

 素直な俺様は、完全に「おっぱい」のことだと思ってましたよ(笑)。


「んじゃ、はやく『おトイレ』行こっ!」


 ずっと外にいて、冷えてきたし、俺も行きたかったのだ。


「ホノカ、ラジャーだべさ」


 これ、「玉」になったあとに「全裸」になる子がモトネタらしい。そう言えば、あの子も「六角形(HEX)」展開してたな。


      ◇


 でも、ここ。

 『全知全能神神殿』の敷地内とは言え、「おそと」だから、建物の中まで戻らないといけないのだ。


 付き添いの『乙女神官』に、『おトイレ』に行く旨を告げて、ホノカと歩く。


 冬枯れて、葉っぱが茶色い「☆」の形になってる『伝説のデカい樹』がある中庭を進み、馬車寄せのスロープを登って、『神殿』関係者用の玄関から『双塔大拝堂』に入る。


 中央部の『まん丸い()』に沿って湾曲してる廊下をしばらく進んで、『朝に立つ塔』側の『おトイレ』に辿(たど)り着く。そのとなりは、以前ドタバタした「小浴場」だったりする。


「『ようこそ実力至上主義の○室へ』に、みんなで風呂場で、大きさを比べるエピソードがあったのだべさ」


 ホノカが、なにやら素敵なことを言う。


「そ、それって誰がいちばんデカかったの?」


 でも、初耳だな、それ。

 俺は、いわゆる「アニメ勢」だけど、ホノカは原作も読んでたそうで、先々の展開もちょこちょこ聞いてたりするのだ。


「名前忘れたけど、眼鏡の子? (くし)○さん? 軽○沢さん? ○北さん? 一○瀬さん? 長○部さんも意外と……。あるいは先生? あるいは先生(保険医兼任)? てか、大きい子が多いよ、『よ○実』は。そんで、そのエピソードはアニメ化されたの?」


「……そ、それはヒミツなのだべさ」

「そっかー、ヒミツかー」


「…………」


 ん? なに黙り込んでんの?


      ◇


「……オウフ!」


 一気に体温を失い、ぶるぶるぶるっ……と胴震いしてしまった。


「祈願! ★後始末☆」 


 女体化してると、『おトイレ』が近い気がするな。

 コレって、「ついてる/ついてない」の差なんやろか?


 個室から出ると、ぽってりと「着ぶくれ」した人影があった。


「あとちょっとで、むぐすとこだったべさ」


 『東の(つぶら)十二単王国』の女王『火巫女(ヒミコ)』さまだ。ホノカだ。厚着した冬verだ。


 彼女から聞いた話では、2023年のアニメには、男の子が女の子になるという、いわゆる「TSもの」が多かったらしい。


 その中に、水分多めな『お○ちゃんはおしまい!』という作品がある。


 たんに水分多めなだけなら別にいいのだけれど……あの作品では、女の子になってしまったお○ちゃんに、「お月様」が来ていた。かなり、衝撃的な展開だ。正直、びっくりしましたよ。ぶったまげましたよ。そこまで踏み込むんだ? って思いましたよ。


 俺は『身体錬成』によって、自分自身の身体を「改変」出来たりする。

 イヤ、「改変」どころか性転換して、「女体化」しちゃってる。


 で、その応用で、その件に関しては「イヤ! 来ないで!」ということにしてある。ホルモンバランスをどうにかして、遅らせてるのだと思われる。我が身のことながら、実際のところ詳細は不明だ。てか、気にしないことにしている。


「祈願! ★乾燥っ☆」


 『お○まい』って、動きが細かくて、ぬるぬるしてる。妹ちゃんが座るとき「セルフチカン行為」もやってたよ。EDの「猫のすりぬけ」とか「頬ずり」とか。OPの、スク水の「てらてらぬらぬら感」とか。意味深な「お月様で餅つき」とか。妹ちゃんの「下垂(かすい)」とか「下垂」とか。


「おまたせしたのだべさ」


 俺たちは、『全知全能神神殿』の中核『双塔大拝堂』の関係者用『おトイレ』から出て、通路を進んだ。


 『まん丸い()』を取り囲む円形通路に出ると、灰色の祭服を身に着けた『乙女神官』ロザリンダ嬢が待ち構えていた。


 で、「ロザリンダ」の「リンダ」って、スペイン語で「きれい」とか「かわいい」くらいの意味で、やっぱり『真っ赤な薔薇』にちなんだ名前らしい。


(『ゴールデン○イム』の『リンダ』は、『林田』ですよ)


 ……イヤ、そんなこと訊いてないし。


「『聖女』さま。こちらに」


 ところで、ロザリンダ嬢。

 なんで、俺のいるところには必ずいるんだろう? ……謎だ。


(ロザリンダさん、『実行委員』ですよ)


 なんの? 『完。』でやってたプロム?

 でも、俺は漫画『ファイブ○ター物語(ストーリーズ)』でしか知らないよ、プロム。外国のドラマとかは、あんま観ないし。


(『プロム』じゃなくて、『神授祭』の、です)


 そっち? へー、そうだったんだ?


 話を聞いたら、我々人類の母なる故郷『地球』より伝えられし聖なる儀式「じゃんけん」で、実行委員に選出されたのだそうだ。俺も何度か戦ったことあるけど、ロザリンダ嬢は、めちゃくちゃ「じゃんけん」が弱いのだ。


 ちなみに、『リコリス・○コイル』で俺が「井ノ上たき○」推しなのは、「じゃんけん」で勝利した時の姿が、めちゃくちゃ可愛かったからだ。


 アレで俺は墜ちたのだ。ばきゅん!とされたのだ。ハートを撃ち抜かれたのだ。てか、それだと俺は■んでるな(笑)。「○きな」は実弾使うしな。


 ま、それはそれとして――


 ロザリンダ嬢が目の前にいると、あのことを考えてしまう。


(例のロケットおっぱいですか?)

(ねっとりしたクリームだべか?)


 本当に、『()の姫』ロザリンダ王女は生きてるんだろうか……?


      ◇◇◇


 ここで、ちょっと雑談。


 で、アレって、実は「生きてる」んじゃあないの?


 こう、プチッとされて、血がいっぱい出て、腕がモゲちゃったけれども……頭とかは潰されてなくて。そもそもが、某株式会社って、某技術の医療への応用を目的に設立したんじゃなかったっけ? 某キャラも「もともと医療工学」とか言ってたやん。


 そのへん、どうだったの、未来人ホノカさん?


「……(スヤー)……」


 立ったまま寝たフリすんなや。


      ◇


「……では、段取り通りに」


 『神授祭』実行委員のロザリンダ嬢だ。

 声に出しちゃってるけど、『★伝心☆』で誰かと連絡を取り合っているらしい。


 これから、各地に赴任していた『巫女』たちの『出迎えの儀』だそうだ。


 天体現象『真っ赤な太陽』の発生によって、みんながみんな、それに注目してしまい、儀式どころではなくなって、「先延ばし」にされていたのを、改めて「仕切り直し」だそうだ。


「……え? そんな、先ほどの連絡では……横転!? 多重衝突!?」


 なぜか「念話」なのに、声に出す人って多いんだよな。

 ミーヨも、そうなんかな?


「そ、それで『巫女』たちは?」


 その『巫女』の中に、12年前の『王都大火』で亡くなったとされている『()の姫』が混じっているかもしれないのだ。


「……みなさん、申し訳ありません。一度『神殿』に戻ります」


 なんか、To……トラブルらしい。

 いま思い出したけど、変なロケットで女体化してたよな。あと、『あやかし○ライアングル』も「TSもの」だ。でも、「すず」は「イチゴ」じゃないよ? コミカライズとかされてたけれども。


「……To羅○。なつかしいべさ」


 なんの話?


      ◇


 遅い昼食を摂りつつ、ほかの『巫女』たちの「到着待ち」となった。


 てか、これ絶対に現在『王都』で発生してる「混乱」のせいだろうな。

 街全体が、ざわついてる感じだ。


「池袋の街で、何かが動き出している……のだべか?」

「イケブクロ?」


 『ヤマノ○スメ』で、ちょくちょく行ってたな。

 そんで、4期目は「富士山リベンジ」だったよ。「ネル○ン・バビンコイ氏」もまた出てたよ(笑)。


 『その着せ替え人形(ビスクドール)は○をする』でも行ってたな。そしてラーメン屋の帰りに、ホントにロクでもないこと言ってたな(笑)。


 あるいは、なんかの発売日初日?

 ちがくて、なにか別なアニメかな?


「やっぱし、『ねばねば漬け』はうーまーいー!」

「……マジか? その『ねばねば』の正体はアレだぞ?」


 そして、「お楽しみ袋」は「在庫処分袋」とも言うのか?


「『デンキ街の○屋さん』だべか?」

「と見せかけといて、『○ャル子さん』だ」


 俺は俺で、苦くて酸っぱい『神殿黒パン』をかじりつつ、思い出す。

 今回はアニメの話じゃなくて、『()の姫』さまのことだ。


 あの「ネコジッタ(ばあ)」の証言は、正しいのだろうか?

 俺様の『嘘発見モード』で確認してるから、ウソはついてないのは間違いないだろうけれど。


 あのおばあちゃん。「舞台上に、おったのじゃ」とか言ってたな。


 でも、あのステージ上には、『巫女選挙』の立候補者である『巫女見習い』だけではなく、その「お手伝い役」の『黒幕』さんたちもいたのだ。


 なので、画面の端っこにでも「映り込んでいた」という可能性があるのだ。


 東京オリン○ックでも、なにかの競技の生中継の国際映像に「ユニコーン○ンダム」が「映り込んでいた」って話だし。さすがは「可能性の獣」だよな。イヤ、この場合は「希望の象徴」だな。


 そんなことを考えてたら、ホノカがなんか言い出した。


「映り込み? 『アストンマー○ャン』とか『くま○』さんみたいにだべか?」

「『アストン○ーチャン』はいいとして、『く○さ』さんて誰?」


「『○まさ』さんは『えり○よ』さんの友人で、『推しが武道館いってくれたら■ぬ』に出てくる『いいひと』なのだべさ」

「……へー」


 ホノカは、「オタク男性」をあたたかい目で見守る、やさしい子なのだ。


 で、『推しが武道館いってくれたら■ぬ』は、東京の武道館を目指す岡山県のアイドルグループと、それを応援するドルオタたちの人間模様を描いた作品だそうだ。そんで、その「○りぴよ」さんて、本名判明してるの? パンをひっくり返す仕事って、ホントにあるの?


「『武道館』か……『シャ○ンポスト』でも目指してたけれども。その『Cham○m』さんたちは行けたの?」

「東京の武道館に、たどり着いてたべさ」


 そんなにハッキリと言ってしまって、ネタバレにならんのやろか?

 それならハッピーエンドってことになるのかな? イヤ、でも、そしたら、みんな■んだの?


「ただし、最終話で驚愕の真実が明かされる展開があったのだべさ」

「……どんな?」


「ただの『はがし』の人だと思ってた『吉川さん』が、実は事務所の社長であったことが判明するのだべさ」

「…………」


 ……知らんがな。


「ありがとう、ございましたぁ!」


 だから、知らんがな。


「てか、アニメに映り込みは、ありえないよ」

「そうでもないべさ。あたしの叔母さんに聞いた大昔(おおむかし)の話に」


 彼女は「未来人」なので、「大昔」とか言ってるけれど、せいぜい数十年前のことだろうな。


「デジタルでない、『フィルム』の時代に、カメラやフィルムにくっついた『ゴミ』とか『毛』が、そのまま撮影されて、画面に映りこむことがあったらしいべさ」


 たまに「眼球についたゴミ」が、自分で見える人がいるそうだけど……それとは違うだろうな。あと、「デジタルリマスター」って、その手の「ノイズ除去」もやってるらしいよ。


「して、『毛』の中には、ちぢれたやつがあって、どうみても」

「その話は、そこでやめろ!」


      ◇


 ……ん? ロザリンダ嬢だ。なにやら深刻な表情だ。


「みなさんに、残念なお報せがあります。現在『王都』で発生している諸々の事象により、『出迎えの儀』は……明日(あす)に順延となりました」


「「「「「…………」」」」」


 さんざん引っ張っといて、「明日に順延」だとう!?


 まったくもーもー。なにやってんだよう!


 ……でもまあ、こんな時にピッタリなセリフがある。


 ちょうど女体化していることだし、せっかくだから言っておこう。


「……やれやれだわ」


      ◆


 次回。『神授祭 初日⑤』。

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