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宇宙蛇足編●224F◇未来油槽船『はれるや』[前]



(正直に言って欲しいのだべさ)


 ……ハイ。


(『使った』のだべか?)


 ……ハイ。使いました。いえ、使わせていただきました。


(何に『使った』のだべか?)


 いやら……『(いや)し』に、使わせていただきました。


(ならばよし)


 あをによし 奈良山越えて……あと知らん。


      ◇


 『東の(つぶら)十二単王国』の女王『火巫女(ヒミコ)』さまより「ご寛恕(かんじょ)」をたまわった俺は、「発見」した未来油槽船『はれるや』の調査を開始した。


 船は巨大だった。

 近くに浮かぶ「カーフェリー」の3倍はある。全長が。


 てか、この「カーフェリー」。なんか地味だな。

 左舷に「切り欠き」があって、そこが自動車の乗降を行う「傾斜路(ランプ)」になってるらしい。こんなんあったら、邪魔で左舷に弾幕はれないやん。


(したら、それは『カーフェリー』でなくて、『RORO(ローロー)船』でないべか)


 ロロ?


 劇場版には登場しないんだっけ? そっちじゃなくて、ヴァイキングの方かな? あるいは「くまのぬいぐるみ」? でも、頭に「カ(ぎょう)」は付けちゃダメだよな。あるいは、お尻に「ミヤ」で「がしゃどくろ」? 『とんがり○ーン』食いたいな。


(『ロールオン・ロールオフ』の略で、『RORO』なのだべさ。『ナカノヒト』でもないのだべさ)


 最後のが分からんけど……トレーラートラックの、先頭の「牽引車(トラクタ)」を切り離して、コンテナ積んだトレーラ部分だけを積みこむやつだよな? 船内で、分離と合体をするんだよな?


 『ファースト(ガン○ム)』の「コア○ァイター」がドッキングするのって、「コ○ブースター」だっけ? Gファイ……イヤ、それはブラックヒストリーに触れることになるのか?


 てか、俺は『馬車』の運用経験があるから、『アアス』の輸送交通手段で言えば、完全に「馬」と「馬車」の関係だな。


 そんで、俺の『前世の記憶』には無いのだけれど……俺とカオリちゃんのそれぞれの「オリジナル」って、北海道行きの「フェリー」の船内で知り合ったらしいんだよな。どんな出会いだったんだろ?


(あたし、聞いてるべさ)


      ◇◆◇


 左。右。左。右。


「「…………」」


 左。右。左。右。


「「…………」」


 たまたま出くわしたフェリーの通路で、すれ違おうとした俺とカオリちゃんは、「鏡写し」みたいに何度も同じ方向に避けあって、お見合い状態になってしまったらしい。


(『連続回避本能』って現象らしいべさ)


 何度も「反復横跳び」したあとで、俺の「オリジナル」が言ったらしい。


「気が合いますね」


 残念ながら観てないけどね、『アイ○ス』。


「気が合わないから、同じ方向に避けあってるじゃないですか!」


 かなりキツい言い方で、不機嫌にカオリちゃんの「オリジナル」が言ったらしい。


 それで、お互いに気まずくなって、その場は別れたらしい。


(して、悪いことをしたなあ、と思ったカオリが、ジン君を探し回って、見つけた後にいろいろ話しかけたらしいべさ)


 名乗った時に、彼女の名を「ゆいか○りさん?」と聞き返したことで、お互いに「アニメ好き」と認識しあったらしい。


 そんで、いろいろとアニメの話をして、『四月は君の○』の話題で俺が泣き出して、彼女を困惑させたらしい……。


      ◇


 ……ま、それって『俺』じゃないしな。

 しかも、その部分の『前世の記憶』が、俺にはないし。


 へー、そんな出会いだったんだ? ってのが、率直な感想だ。


 で、俺は「船の通路でのすれ違い」というと、『ハイスクール・○リート』の「伊勢(いせ)さん」を思い出すよ。


(狭い通路で、背の低い子が、背が高くておっぱいのデカい子の胸の谷間に顔を挟まれて、もみくちゃにされたアレだべか?)


 伊勢さんは「ごめんね」って言ってたけど……謝るべき悪いことなんて、ひとつもないよな(笑)。


 そんで、思えば『はれ○ぜ』の艦内服も、基本「セーラー服」だったよ。

 失念してたよ。ついでに、俺の「お気に」の子のツインテールの後頭部が、「ジグザグ」になってたのを思い出したよ。


 で、あの小さい子。目立たないキャラなので、名前知らないな。


(『宇宙』の『宇』と『田んぼ』の『田』と『彗星』の『彗』だべさ)


 上・下・上、って感じの名前だ。

 でも、「田んぼ」は「小宇宙」とか聞いたことあるな。下は、なんて読むの?


(『めぐみ』。愛称は『めぐちゃん』だべさ。シャランラではないのだべさ)


 『これ○ば』の「めぐ○ん」は本名だしな。ご両親も、そんなお名前だし。別に言いたいことはないし。でも、「○ぐみん」がメインヒロインに昇格した『爆焔を!』とかがあったらしいし。


 ……で、考えたら「大きい子」の下の名前も知らないな。


(『咲良(さくら)』だべさ)


 おお、いたのか。さくらちゃん……って、ああっ!


(なんだべか?)


 忘れてた! 『蒼穹のファ○ナー』にもいるやん、「咲良」!

 結婚して、姓が変わってたけれども……そんで旧姓はなんだっけ?


(続編では、子供も出来てたべさ)


 人類の希望の星だな。


 さらに言えば、「(すい)くん」もいるな。

 あのあと、「好きなだけ」見せてもらえたんだろうか? 知りたいナリ。


(なんの話だべか?)


 ……イヤ、その……俺とカオリちゃんて、同じ「フェリー」に乗ってたのに、『前世の記憶』の最後の部分が、数十分くらいズレてるみたいなんだよ。


 それって、どういうことなんだろうな?

 『アアス』の「集団的意識共有体」の代表格であるところの『全知全能神』が、船を、まるっと一隻『すきゃん』するのに、小一時間くらいかかるってことだろ?


(ジン君とカオリの、どっちが船の先っちょに乗ってて、どっちかが船のお尻に乗ってた……ってことだべか?)


 そういう事だと思うんだけどな。……でないと、説明つかないし。

 てか、「お尻」とか言うな。「船尾(せんび)」だ。


(ところで、ジン君は、目の前に女の子のお尻がある状態で、ロボットの操縦はできるべか?)


 無理……だな。集中でけんわ。


 『ゼロ○ァフナー』もそうだけど、前後配置の二人乗りタンデム複座のコクピットというと、『ダーリン・イン・ザ・○ランキス』だろ?


 しかも、パイロットスーツが男女ともに「ぴっちり」してるしな。男の子は特にタイヘンだよ。いろいろとバレちゃうよ。


 でも、先輩から聞いた話だと、80年代に「もっこり」するアニメがあったらしいんだよな。


(『シティ○ンター』だべか? 2020年代に、再アニメ化されてたべさ)


 ……大丈夫なの? いろいろと。


      ◇


「……なんか、もっこりしてる」


 未来油槽船『はれるや』の甲板には、「LNG船」みたいな巨大な半球状のドームがいくつもあった。てか、これって球形をした「ガスタンク」だろうな。


 そして、つるんとした真っすぐな円筒形の「帆柱」も、いくつも生えていた。


 なるぽよ、「竹を割ったようなカタチ」ってこういうことか。

 その「帆」は、カマボコ型のビニールハウスを、垂直におっ立てたようなカタチをしていた。そして、この「帆」。「太陽電池」も兼ねてるらしい。


 これって、「風を受けるだけ」なら最適なカタチだろうな。

 でも、「帆船」って、「風向き」と「進みたい方向」が違う場合には、ジグザグに進路を取って……飛行機の「翼」と似たような原理で、「揚力」を発生させながら進むんじゃなかったかな?


 そのへん、どうやってんだろうな?

 きっと、「コンピュータ制御」ってやつ? あるいは「人工知能(エーアイ)」? ……関係ないけど、『もらい○き』の歌い出し、ってどんなんだっけ?


 そんで、上から見た限りでは、「煙突(ファンネル)」どころか「船橋(ブリッジ)」が無いよ。


 この船、無人船なの?


(船体各部の全方位にカメラがいっぱいついてて、それで外部をモニタリングしてるのだべさ。あと、遠隔での無人操作も可能だったはずだべさ)


 メインカメラがやられたらどーすんだ? 気にしなきゃいいだけかな?

 あと、遠隔操作も可能とか……ネタバレになるか。


 全方位ってことは、『ヤ○ト』の「第三艦橋」みたいに船体の下も見れるの?

 俺の先輩は、ずっと「第三艦橋」が無事だったことに、びっくりしたそうだよ。「なんで脱落しないんだ!?」って、むしろ怒ってたよ。


(『ヤ○ト』のあそこは、なんかの制御室だか電算室になってて、脱落したらとんでもないことになるのだべさ)


 すごく大事なところが、艦の外に「出っ張ってる」んだもんな。

 まるで……ううん、なんでもないの。


 てか、艦内の容積的な問題で、そうなってるんやろか?

 艦載機「コスモファル○ン」の格納庫が、「回転式拳銃のシリンダー弾倉」みたいになってるもんな。某・ステルス爆撃機の爆弾倉みたいだよ。


 ……で、この未来油槽船『はれるや』。

 どこから、船内に入ればいいの? 無いよ、入れそうなドアとか。


 前々から一度やってみたいんだけど、俺の右目の魔眼『光眼(コウガン)』の「レーザーカッター・モード」で焼き切ったら……怒られるだろうな。


(『お尻』から入れるんでないべか?)


 イヤ、なんかさ。


 この船「(セイル)」で帆走するって言ってたやん?

 だから、「推進用のプロペラ」が無いんだよ。完全な「対称形」になってるっぽいよ。どっちが「前」か「後ろ」かなんて分かんないよ(泣)。


 船の「右舷」は、「星」とは関係ないけれど「starboard side」。

 で、「左舷」が、「港」と関係ある「port side」と呼ばれてるそうだ。


 なので、物資の積み込みとかに使うような大きめのハッチなりドアがあれば、そちらが「左舷」だと思うんだけどな。


(舷側に、「取水口」とか「排水口」みたいなドアはないべか?)


 ああ、バラストタンクのな。サイドに移動して探してみるよ。


(ただし、船に爆弾を仕掛ける時には、生ごみを捨てるタイミングに気をつけないといけないのだべさ)


 そんなことしないよ? なんの話?

 そんな細かい「小ネタ」言って、分かる人いるの?


      ◇


 取水とか排水とか、どんな「排水装置」使ってるんだろ?

 俺は、「ポンプ」にはうるさいぞ。


(ポンプポンプポンプポンポンポンポンポンポン)


 うるさいよ。そんで、後半言えてないよ。

 それだと、『崖の上のポニ○』の「ポンポン船」を思い出すよ。


(プロペラみたいなのを回して、遠心力を利用して、水を()み出してるんでないべか?)


 ふむ。「遠心ポンプ」な。

 カタツムリの(から)みたいな形の「ケーシング」の中で、羽根車を高速回転させるやつな。で、あれの羽根車は「プロペラ」じゃなくて「インペラ」だよ。


(そんな話してたら、『映像○には手を出すな!』を思い出したべさ)


 女子高生3人組が、部活でアニメ制作するアニメだそうだ。

 てか、なんで「遠心力」から「アニメ制作」を想起するんだ?


(その中に、美少女アニメーターがいて)


 アニメーターが……美少女だとう!?


 でもまあ、『SHIR○BAK○』にもいるよ。美少女アニメーター。

 俺もリテイク食らいたいよ。一緒にエンゼル体操したいよ。……イヤ、リテイクは食らっちゃダメか。そして、考えたら年齢的に微妙な気もするな。


(その子のひいおばあちゃんが、湯呑茶碗ばクルクル回して、その遠心力で茶碗の底の水ば、遠くの庭のほうに飛ばして捨ててたのだべさ)


 で、それを絵として表現すべく、その美少女アニメーターが夢中になって取り組んだらしい。てか、それもまたエラいメニアックな着眼点だなあ。


(作中には、『未○少年コ○ン』ぽい作品も登場するのだべさ)


 あくまでも、「ぽい作品」で、そのものではないらしい。

 いろいろと大人っぽい事情があるんだろう。……たぶん。


      ◇


 で、「取水口」と言ったら、「喫水線」の下だろうな。

 ところで、赤い塗料で塗られた喫水線の下のところどころに、銀色の金属板みたいなのが、ぽこぽこと付いてるんだけど……ナニコレ?


(ああ、したら、それは『亜鉛板』でないべか?)


 亜鉛(あえん)? 何に効くんだっけ? 「爪」とか「味蕾(みらい)」だっけ?

 お前、味音痴っぽいから、摂ったほうがいいんじゃね?


(『犠牲防蝕』だべさ。金属のイオン化傾向……()びやすさの違いを利用して、先に酸化して、鉄の船体を守ってるのだべさ)


 イオン化?

 いつの間にか『ジャ○コ』が……って、違うだろうな。


 てことは、これもやっぱり「鉄の船」なんだ?

 なんか、「未来の謎技術」で、「超合金」的なやつで出来てるのかと思ってたよ。「ルナチタ○ウム」とか「ガン○リウム」とか「バラ○ウム」とか「ムスコニウム」とか。


 でもまあ、こんなデカい船だし。コストを考えたら、やっぱ「鉄」なんだろうな。


 それを、その錆止めの「亜鉛板」まで含めて、こまかくリアルに「再現」してるんだな。『アアス』の「集団的意識共有体」のみなさんが。


 ……んんん?


 この発光現象は……もしや?


      ☆


『こまかいところに気づいてくれて、うれしいのう』


 現れたのは、『全能神』さまだった。

 見た目は、長――い白髭(しろひげ)のおじいちゃんだ。


 そして、満面の笑みだ。

 どうやら、「マニアこだわりのポイント」に注目してもらえて、うれしかったらしい(笑)。


 でも、いい機会なので、疑問に思ってたことを質問してみたい。


 この「鉄の船」というか「宇宙艦隊」が、惑星『アアス』の赤道の上の「静止衛星軌道」に存在してる以上、毎日毎日「昼」と「夜」の温度差で、熱膨張と収縮を繰り返されてると思うんだけどな。


 さらには、「宇宙放射線」とかも浴びるだろうし。

 よそから来た「隕石」と、ぶつかるかもしれないし。


 この『みなみのわっか』にある「鉄の船」って、そのへんどうなってるんだろうな?


 『地球』の「モスボール保存」みたいに、『アアス』の『魔法システム』で保存してあるんだろうな。『★密封☆』の魔法とかあるし。


 でも、そもそもの疑問があるんだよな……。


 せっかくなので、「ご本人」に訊いてみよう。

 ご都合主義的に、お近くにいらっしゃってるし。


「『全能神』さま。お訊きしたいことが」


『なにかのう?』


「ここの『鉄の船』って、ほとんど完成してるのに、なんで海に浮かべないんスか? なんで『宇宙』に置きっぱなしなんスか?」


『ふむ。それはのう』


      ◇


 それが可能な『旅する惑星』が、燃料補給のために出払ってるから、だそうだ。


 『旅する惑星』は、恒星間航行可能な浮遊惑星型宇宙母艦らしい。


 それには、「負の質量」を持つ「反重力物質生成装置」があって……って、反重力!?


 ……ま、そこは置くか。


 とにかく、その「反重力物質」の量を調整しつつ、ゆっくりと時間をかけて、対象物を「降下」させてるらしい。


 巨大な汎用大型護衛艦『あわ』や、「H-ⅡBロケット」の運搬船も、『アアス』の引力とのバランスをとりながら、じんわりと「大気圏に進入」させて、『太陽の大洋』に着水させたものらしい。


 速度が低速ゆえに、よくある「大気圏突入シーン」みたいに「断熱圧縮」での発熱はないらしい。ま、降下させる時も、『守護の星』で保護してるんだろうけれども。


 ちなみに、ホノカがいる『東の(つぶら)』がある『太陽の大洋』に、『船の盛り場』なんて海域があって、鉄の船が漂流してたりするのは、そこが『地球』の「海」と成分が近いからなんだそうだ。俺、何度が味わったけど、かなり「しょっぱい」よ。


 そんで、その現在お出かけ中の『旅する惑星』。

 『太陽系』の『木星』みたいな「巨大ガス惑星」に「ヘリウム」とかを採取に行ってるのかと思ってたら、『海王星』みたいな外惑星で、「メタン」とか「アンモニア」を採取しているらしい。なんか臭そう。


『小型の『岩刳(いわく)(ぶね)』では、小ぶりな船しか降下(おろ)せんでのう』


 『岩刳り船』って、全長50㎞くらいの「小惑星」を刳り貫いて造るらしい。

 ミーヨの新領地にある『月の欠片(かけら)』が、実はそれらしい。実は現在も、いくつかが「羊飼い衛星」として、惑星『アアス』の周囲を回っているらしい。


 でも、小惑星を()()く……とか。


 造る時、「削岩弾」とか打ち込むんやろか?

 俺の先輩は、アレを「ドリルミサイル」とか呼んでたな。


 で、『系外調査船団』の母艦でもある『旅する惑星』は、アホみたいにデカくて、その規模の『岩刳り船』が「小型」になるくらいの大きさらしい。


 そんで、それを某・宇宙戦艦の「マグ○トロンウエーブ」で岩石のリングをまとうが如く、従えているらしい。


『いやいや。どちらかと言うと、『金魚の●(固体)』じゃのう』


 俺の想像と違ってた(泣)。

 でも、「母艦」と有線で繋がってるとか、「へその緒」みたい。


 そんで、『旅する惑星』って言うくらいだから……もはや「ガト○ンティス」やん。「○色彗星」やん。パイプオルガンの怖い音色が鳴り響きそうやん。


 どんなんか、この目で見たいな。『旅する惑星』。


 でも、『星外調査船団』の出発は数百年後ってことだから、この『俺』が生きているあいだには……絶対に見れそうもないな。


『いやいや、もうすぐ来ちゃうのう』


 え? 来ちゃうの?


『君たちの『巫女』が、召喚したからであろうのう』


 ……えーっと、それって先日のシンシアさんの『最終祈願』のコトかな?


 アレって、俺が阻止したのでは……。


『その前に、通ってしまったのだのう』


 てか、来ちゃうのか?


 シンシアさんの『最終祈願』が通って……。


 そんな「ガ○ランティス」の「○びの方舟」みたいなのが……。


 さすがは、白銀……の祭服を着た……『巫女』だな。


      ◇


 でも、聞いてみたら「もうすぐ」とは「一年後」だった。

 この世界の『★召喚☆』は、異次元空間経由で即参上とかじゃないのだ。


 それと、『旅する惑星』について、実はこんな話を聞いている。


 以前、『全知全能神神殿』の『大浴場(女湯)』で、『全知神』さまと対話した時のことだ。


      ◆◇◆


 質問してみたのだ。


 なんで、別の惑星の、まったく別種の生命系統の生き物である「人間」の「願い」を、『魔法』や『錬金術』みたいなカタチで、わざわざ叶えてやってるんですか? と。


『楽しいのだ』


 楽しい?


『我々は『旅する惑星』を手に入れたことによって、長年の願いを成し遂げてしまった。満たされてしまった。ゆえに、退屈になってしまった』


 人間の「ムチャぶり」にどう応えるか? が、楽しいらしいのだ。

 知的好奇心が刺激されるらしいのだ。いい「ヒマつぶし」になってるらしいのだ。


 で、その時は聞き流してしまったけれども、気になる点がひとつ。


 『旅する惑星』を……「手に入れた」?


      ◇◇◇


 で、現在。場所は『宇宙』だ。


『あれは、我々ではない何者がつくりあげた高度な文明の遺物であろうのう』


 応えてくれたのは、見た目が「老賢者」っぽい『全能神』さまだ。


 惑星『アアス』外の、高等知的生命体の文明の遺産なんだそうだ。


 そんで、現在(いま)となっては、いつ誰が造ったのかなんて、まったく分からないそうだ。


 でも、放置しておくと、勝手に『太陽(ソル)』の周囲を300年周期の長楕円軌道で回りだす……というから、やっぱり『アアス』には「超古代文明」があったのかもしれない。その「遺物」なのかもしれない。


 で、その持ち主のいない「無人」の状態だったところを、『軌道エレベータ』や『軌道リング』によって、『宇宙』に進出することが可能になった『アアス』の「集団的意識共有体」のみなさんが、自作の『宇宙機』で飛び乗って、分捕(ぶんど)ったらしい。(ろう)せずして入手できたらしい。


 てか、「飛び乗って分捕る」って……もはや「海賊」だな。

 あきらかに「海賊行為」やん。


 もう、れっきとした「宇宙海賊」やん!


『それで『旅する惑星』は、いまでは我々『三賢者』の一部。『全球神(ぜんきゅうしん)』そのものであるのじゃでのう』


 ああ、『大浴場(女湯)』で『全知神』さまが言ってたな。

 あの時は「ヒ・ミ・ツ」とか言って誤魔化されたけど、そういうことだったんだ?


 某組織の「マギ○ステム」みたいな『三賢者』の、最後のおひとりが……『全球神』さま?


『いやいや、気軽に『たまちゃん』と呼んであげてほしいのう』


 …………。


      ◇


 にしても、「たまちゃん」て。


 ないわー。猫じゃないんだから。

 でも、アザラシの「たまちゃん」て、いた気がするな。


(きゅうううう)


 ナニソレ?


(ゴマフアザラシのゴマちゃん。『少年○シベ』だべさ。きゅきゅきゅキュートなのだべさ)


 それ、「たまちゃん」ちゃうやん。

 そんで、古くない? おばあちゃんかな?


(あたしは『ワンダー○キュート』ではないのだべさ)


 また『ウ○娘』だよな。

 でも、なんでそれが「おばあちゃん」なの?


 ま、それは置いて……俺は「たまちゃん」と言ったら、真っ先に思い浮かぶのは『ハイ○クール・フリート』の「立石(たていし)()」だな。うい。


(『ちび○る子ちゃん』にもいるべさ。たまちゃん)


 それ、どうなんだ?

 『ちびま○子ちゃん』……これもアカン気がするな。


(あと、『育成』とか『スロウ』とか『○詠』とか『久保さん』とか他にも)


 いずれも観てないな。てか、ぜんぜん知らないのもあるぞ。そんで、「たまちゃん」ってそれなりにいるのね。


(『スパイ×○ァミリー』のアー○ャちゃんと同じ1年3組に、『ちび○る子ちゃん』のたまちゃんそっくりな子がいたのだべさ。たまちゃんは3年4組だのに)


 ……そんなん言われても、観てないから知らんがな。


(たまちゃんと言えば……わたしは『銀○匙』の『多摩子』ですね)


 カオリちゃんの『★伝心☆』だ。

 続いて、ミーヨからも届いた。


(茶トラ君てオス猫でしょ? だから後ろから見ると、もっこりしてて)


 それは「もっこり」じゃなくて「たまたま」だ。


      ◆


 宇宙蛇足編●224Gにつづく。

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