表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
231/262

宇宙蛇足編●224D◇鉄と鋼と潜水艦



(だども、その氷。ホントに『水』なんだべか?)


 二酸化炭素やらメタンとか、気体が凍ったものである可能性があるらしい。


 と言われても、「見た目」だけで判別なんて不可能だ。

 ただ、透明に近いものから純白に近い色まであるのは確かだ。二酸化炭素を凍らせた「ドライアイス」って「白い」もんね。


 ここって、「氷の海」の白さのせいで、「雪明り」みたいな、ほのかな明るさがあるよ。『宇宙』の星々の光を反射してるんだろうな。


 でもな、真っ赤なルビーみたいな「つぶ」もあったよ。


(凍った『あかちん』なのでないべか?)


 なんでやねん。


      ◇


 だだっ広い「氷の環」を過ぎて、「金属の環」にたどり着いた……ようだ。


 あいだに「(みぞ)」のような「間隙(かんげき)」が()いてたのだ。

 おそらくは、これが「境界線」だと思われる。


 で、この「金属の環」。『宇宙』側の端っこにある。

 『みなみのわっか』の「最外縁(さいがいえん)」ぽいところだ。


 『軌道リング』と、そこから伸びる突起物である『毛』を利用した「金属精錬施設」によって溶融され、そのまま遠心分離された金属が、比重ごとに分類されてる……とか聞いてるので、その情報が確かならば、この「金属の環」は元素ごとの多層になってるはずだ。ただ、今んとこ暗くて、色味がよくわからんけれども。


 でもなあ、熔けてドロドロの液体状になった金属が冷え切るまで、それなりの長期間「遠心分離」状態になるとは言え……そんなんで、一つ一つの元素を「単離」出来るんやろか?


(それだと、『同位体』ごとに分離するはずだべさ)


 ああ、同じ元素でも、中性子が多いとか少ないとか……ってゆーやつね?


(核兵器用のウランやプルトニウムなんかも、よりヤバいやつを、遠心分離機で()り分けて濃縮してるのだべさ)


 怖いこと言うなあ。

 なんか、『残響のテ○ル』とか『C○PPELI○N』思い出しちゃうよ。


 それって、濃縮し過ぎちゃうと勝手に「核爆発」起こしちゃうんじゃあないの?


(そこまで行かなくとも、ごくまれに『天然原子炉』て言って、ウラン鉱山で自然に核分裂反応が起きてしまう事があるそうだべさ)


 うう、怖いよ。


 『コ○モリバースシステム』が必要な事態になったら、どーすんだよ?

 俺の先輩は、それを「放射能除去装置」と呼んでたよ。時間の断層を感じるよ。


 それと、『地球』の古代都市の遺跡で、超高熱に(さら)されたような痕跡が見つかって、その原因は「核爆発」なのでは? って言う「古代核戦争説」があっただろ?


(『ソドムとゴモラ』のモデルになった中東の古代都市の滅亡は、『隕石』の空中爆発ということで結論付けられてるのだべさ)


 ……へー、そうなんだ?

 それも怖いな。俺も慎重に事を進めないとな。


 夜空で燃え尽きてしまう『流れ星』くらいならばともかく、ガチな『隕石』を『アアス』に降らせるワケにはいかない。


 『女王国』では、『隕石』が『空からの恐怖』のひとつとされてるし。

 それって、ここいらへんから落ちてんのかな? どうなんだろう?


 でも、恐れられてるだけじゃなくて、貴重な資源になってるらしいんだよな。

 いつだったか「屑鉄屋(くずてつや)」のおっちゃんも、『隕鉄(いんてつ)』を欲しがってたよ。


(『黒夜(こくや)隕鉄』が、世界を一変させたのだべさ)


 宇宙(そら)から落ちてくる系の「災厄(さいやく)」らしい。

 空から落ちてくる系のヒロインは「男」だったけれども。


 てか、それって何かのアニメの話だろ?


(『takt ○.Destiny』だべさ)


 ホノカのお気に入りは、通常時の『運命』だそうだ。

 いろいろ話を聞いてたら、俺もシロップを大量にかけたデカいパンケーキが食いたくなってきたよ。


      ◇


 ふと思いついて、『光眼(コウガン)』の「赤外線暗視モード」を発動させてみた。


「……みぞってる」


 個々の金属元素の性質の違いから、(たくわ)えてる熱量が異なってるんだろうな。

 温度差が生じて、「(みぞ)」の列になってるよ。


「みぞれつってるよ」


(おかしな新語を造らないでもらいたいべさ)


 言葉の乱れは、性の乱れって言うしな。……言わないか。


 てか、これアレだな。

 アナログレコードって、顕微鏡とかで拡大して見ると、こんな感じに「みぞ」の列になってるはずだな。


(アナログレコードならば、肉眼でも『みぞ』は確認出来るべさ。そこに微妙な凸凹があって、それを『針』でなぞって音を拾うのだべさ)


 そうだっけ? 俺、実物をほぼほぼ見たことないからな。


 で、その「みぞれつ」の中に、めっちゃ幅の広いところがある。


 ……怪しい。これって、絶対にアレだろ?


 事前に『錬成』しといた超強力永久磁石「黒い石ころ」で、そこの金属塊に磁性があるかどうかを確認してみた。


「……おおっ!」


 空気があれば、「パチン!」と音がしただろうな。

 勢いよく、「黒い石ころ」が金属塊にくっついた。


「うん。コレ、鉄だ」


 ついに「鉄の環」を発見した。

 そんで、「鉄の環ゾーン」はかなり広い。


 すでに『全知神』さまからは、『好きにしていい』との許可はいただいてるし、ここの「鉄」に関しては、自由に使わせてもらってもいいだろう。


「……()()見取(みど)り」


 『STARDUST MEM○RY』のシー○様みたいなセリフを言ってみた。


 にしても、いろんな「鉄」がいっぱいだ。

 鋼板に加工されてるのもあれば、そこからパーツを切り出した後の、「型抜きの残り」みたいなのもある。でも、未加工な「鉄の塊」状態のが、いちばん多いな。


 太陽みたいな「恒星」で、水素⇒ヘリウム⇒酸素・炭素⇒マグネシウムやらシリコン……みたいな「核融合」がすすむと、最後は「鉄」で止まってしまい、その恒星は終焉を迎えてしまうらしい。


 つまりは、恒星(ほし)の数だけ鉄はあるって事だな。

 『宇宙』全体でいうと、アホみたいに「鉄」がいっぱいあるんだろうな。


 だとしたら、はるかな過去に散った「恒星の核の残骸」が、この「鉄」のもとになってるのか?


 なんつーか、「鉄」ひとつとってみても、壮大な宇宙のロマンがあるんだな。


 ――そんなことを考えてると、ホノカからの注釈がはいった。


(『核融合サイクル』には、あいだに『重水素』が入ったり、もっと細かいのだべさ)


 なんでも『CNOサイクル』とか色々あって、めっちゃ複雑な「核融合反応」かーらーの「元素生成」らしい。


 他にも、『D-T反応』とか『P-P反応』とかあるらしい。

 でも、PPに反応してしまうのは、DTだけじゃないと思うんだが。みんな大好きだと思うんだが。俺の主観かな。


 そんで、「鉄」は構造的に安定した元素で、前にホノカが言ってた「価格破壊」とかは起きにくいらしい。


(『核破壊』だべさ)


 でも、こんだけ大量の「鉄」を『アアス』に持ち込めたら、間違いなく「需要」と「供給」のバランスが崩れちゃうと思うぞ?


(そ、そんなにあるんなら、あたしらも欲しいべさ)


 『東の円』の女王『火巫女』でもあるホノカから、無茶な「おねだり」をされた。


 俺は、かの地に滞在中、いろんなところを見学させてもらってるので、鉄をはじめとする金属類が貴重品あつかいされてるのを知っている。


 そして、かの地に滞在中、ホノカのいろんなところを見学させてもらってるので、その頼みは断れないのだ。


 当時、俺は女体化してて「女の子」だったので、俺が湯舟につかってるところに、がばっと……やめとこ。


(あたしは『Y字バランス』も得意なのだべさ)


 そうなのだ。

 こいつ、女の子同士の前だと、完全にアホなのだ(笑)。


「……善処するよ」


 そう約束した。


 カオリちゃんからも、「貴金属」を持ち帰れとか言われてるけれども……それも、度が過ぎると通貨システムがアレなことになるだろうな。


 ま、それは置いといて、いまは「鉄」だ。


 『地球』の文明も「鉄」で支えられてたしな。

 ユーラシア大陸を暴れまわったモンゴルのチンギスハンも、「鉄の生産地」を確保しながら征服地を拡げていったとか……プリムローズさんが言ってたよ。


 そもそも生物の体内で酸素運ぶのも「鉄の化合物」だしな。


 『G』にも「鉄血」があるし。浦安にも「鉄筋」とかあるし。

 タイトルに「鉄」が入るマンガやアニメは、膨大な数だよな。


(『鉄○アトム』とか『鉄○28号』とかだべか?)


 よく知ってるなあ。

 何度かリメイクされてるとはいえ、オリジナルはかなり昔の作品でしょ?


(TVで『なつかしアニメ100連発』とか、そんな番組やってたべさ)


 ……その手の番組、観たことないな。

 俺って、ただの「ヘタレなアニメ好き」だしな。


      ◇


 あ、そうだ。

 ちょいとホノカさんや。


(……なんだべか?)


 俺がゲットした『隕鉄』を、『流星刀』にするって話。

 アレ、どうなったの?


(うっとこの『刀匠(とうしょう)』が言うには、材質的にやわらか過ぎるらしいべさ)


 『毛』による溶融と遠心分離を経ていない天然自然のガチな「鉄隕石」だったらしく、何か別な金属が多量に混じった「鉄合金」になってたらしい。


 で、ホノカから『流星刀』に関するウンチクを聞かされた。


 そもそも、『流星刀』って、かつて北海道にあった某・共和国の総裁だった「榎本武明」が最初に造らせたものらしい。その時も、「鉄合金」がやわらか過ぎたがために、『玉鋼(たまはがね)』を混ぜて、どうにか刀に打ったらしい。


(その隕石。もともとは漬物石に使われてたらしいべさ)


 その漬物。鉄分いっぱい()れそう。


(『地球』に降る鉄隕石は、ニッケルが多いらしいべさ)


 鉄にニッケルとか……もはや「ステンレス」なのでは?

 『アアス』でいうところの、「魔法合金ミスロリ」だよ。


 でも、『地球』の中心核の「内殻」も、鉄とニッケルが主成分だ……って話を聞いたことあるな。


 そしたら、『地球』に降る『隕鉄』って、太古の昔に「別な惑星」だったものが、砕け散ったやつなんだろうか?


 そこに、なんらかの「生命」はいなかったんだろうか?


 ……なんか、微妙な気持ちになるな。


 俺たちの身体(からだ)って、やっぱ「星 屑(スターダスト)」で出来てるんだよな……。


(して、三割ほど、『(はがね)』で水増しすることになりそうだべさ)


 鉄なのに「水増し」なの? そして『玉』無しなの?


 『鋼』って、「鉄」と「炭素」の「合金」ってことでいいのかな?

 以前、『冶金の丘』ってところで、鋼の刀を打ってるところを見学した事あるけど、「浸炭(しんたん)」とか言って、焼いた麦わらと一緒に鉄を叩いて鍛造(たんぞう)してたよ。火花が飛んで、ものすごかったよ。


(して、ジン君が『アアス』に帰還する頃には、出来上がってると思うべさ)


 なんだかんだで、現在「七割がた流星刀」を鋭意製作中らしい。


 とはいえ、あの『隕鉄』。

 そこそこ大きかったから、刀は何振りも造れそうだったよ。


(一部は『釘』にしたのだべさ。『宮』に使うのだべさ)


 やっぱり!


(『野薔薇』も使ってたべさ)


 のばら? なんの合言葉? 花言葉は? あるいはシューベルト?


(『呪術○戦』の登場人物なのだべさ)


 でも、それ以上は詳しく教えてくれない。なに隠してんだ?


 『魔術Ⅲ』の「ミサ○ワースト」も、「釘」を武器として使用してたな。

 『科学』の「○井黒子」のは……釘じゃなくて「鉄の矢」か? 「クロスボウ」の「ボルト」みたいだったな。飛ばさないけれども。


(『刀』と関係なくなってきてるべさ)


 あ、でも、なんかで「ぬかみそ」に入れるって話を聞いたことあるな。


(ことわざみたいに、『釘』を、だべか?)


 イヤ、それもあるのかも知れんけど。


 俺が言いたいのは「刀の焼き入れ」。

 熱した後で、急冷却するやつ。「ぬかみそ」の他にも「米のとぎ汁」とか「泥水」とか色々とあるらしいよ?


 詳しくは知らないけれど、鉄製品って「焼き入れ」したり、「焼きなまし」したり……そうやって「結晶構造」を操作してるんじゃなかった? 冷えてく過程でも、「応力ひずみ」とか聞いたことあるし。


 『ガールズ&パン○ァー』の劇場版にも特別出演してた陸上自衛隊の『10式戦車』には、特殊な結晶構造の「鋼板」が使用されてるんじゃなかった?


(それではないけども、『砲身』はあたしらの地元で造ってたのだべさ)


 ……へー、そうなんだ?


 あと、『10式戦車』の砲塔の後ろには、デカい『バスケット』がついてるけど……あれって、「買い物かご」みたいだよな。お買い物に便利そう。大量に荷物積めそう。


(……戦車で『セ○マ』には行かないと思うのだべさ)


 それ、北海道のコンビニチェーンだろ?

 買い物で、真っ先に思いつくのが、そこなのか?


(『セコ○』で、ザンギ食べたいべさ)


 俺も、「コンビニでアイス食べたい」よ。


 でも、『ガ○パン』世界では、戦車がふつうに街中走ってたな。


 それに、戦車の「無限軌道」ならば、冬の雪道も滑らず安全そうだし。

 舗装路で無茶なドリフトしたら、冷静な冷泉(れいぜい)さんに「履帯(りたい)切れるぞ」って言われるかもだけど。


      ◇


 ぬかったぜ。


(冬の雪道にタイヤが……だべか?)


 それは「泥濘(ぬか)る」だな。


 俺が言いたいのは、「思慮が足りなかった」とか「失敗した」ってことだよ。コレ、もともとは熊本弁らしいよね。


 で、『鉄』を集めるのはいいけれど、大きく動かすのに、いちいち「推進機(スラスタ)」がいるんだよ。その点、抜け落ちてたよ。


 無重力で「重さ」を感じないとは言え、『俺』よりも質量の大きい「鉄の塊」を手で押すと、逆に押し戻されるよ。


 『アル○ノア・ゼロ』の伊奈○君の、左目の「アナティリカルエンジン」みたいなのがあれば、質量とか色々と解析出来るだろうけれども。


 だが、俺の右目の魔眼『光眼(コウガン)』には、「そんな機能は無い」のだ(泣)。


 鉄塊の「重心」を見つけて、端っこの方を押せば「テコの原理」的なやつで……あうう、ダメだ。その場でくるくるスピンしだした。


(無重力状態で、T字形の物体ば回転させっと、おもしい挙動をするのだべさ)


 なんでも、「Y字……じゃなかった。ネットで「T字ハンドル回転」で検索すると、そんな動画が出てくるらしい。


 でも、ここには、そんな「サイ○フレーム」みたいな形状のは無いっス。

 『G』では、小惑星的な「アク○ズ」を移動させるのに、「核パルスエンジン」とか使ってたな。アレも言ったら、「核爆発」なんだろうな。


 せめて、『G』の「バーニア」みたいなのが欲しいよ。


(『バーニャ』は、ロシア式蒸し風呂だべさ。サウナ風呂なのだべさ)


 『ゴールデン○ムイ』の話らしい。

 俺は観れてないけど、「第三部」では黄金を求めて「樺太(からふと)」に行くんだよな。


(ジン君は『錬○術師』だのに、『鋼の錬○術師』みたいなことは出来ないのだべか?)


 いちいち、『金』を隠すなよ。


 そして、俺の『錬○術』は、「俺が触ったことがあるもの」しか『錬成』出来ないんだよ。


 アニメの「ロマン武器」を『錬成』しようとして、何度も何度も、ことごとく失敗してるよ。


 あの「ひんやり」とした冷たい感覚の虚しさと哀しさは、経験した人間にしか理解してもらえないだろうな……。思い出しただけで、泣きそうになるよ。


(したら、ラッセル車のブレードなんて、おさわりしたことあるんだべか?)


 実はある。


 某所にある『鉄道博物館』に行ったことがあるのだ。

 そのついでに、「にしんそば」を食った記憶もあるよ。


 『銀河鉄○999』のモデルになったらしい『SL』の、機関車部分にも乗ってみたことあるよ。まるで「スチームパンク」みたい……じゃないか。そもそもが、実在した「蒸気機関」がモトネタだもんな。


(『999』のメー○ルのモデルは、シーボルトの孫娘なのだべさ。写真見たことあるけども、めっちゃ美人だっただべさ)


 へー、そうなんだ?

 そしたら、『○ンダーボルト』の「狙撃手」のモデルは誰なんだろ?


 『甲鉄城のカバ○リ』の『甲鉄城』は、完全に「ラッセル車」がモデルだよな。

 でも、登場する地名からして「九州」のお話だから、「雪かき」とは関係ないハズだ。あの形状はなんなんだろう?


(線路に迷い込んで来た『カバネ○』を、跳ね飛ばして強制排除する『排障器』になってるんでないべか?)


 怖い怖い怖い。


 そう言えば……『カ○ネリ』の「ロマン武器」も、錬成(つく)ろうとして……失敗したな。


(ホヅミちゃんの『下駄』だべか?)


 無責任に、その名を出すな!

 あと、俺が錬成(つく)ろうとしたのは……名前忘れたけど「眼鏡君」の「携行用パイルバンカー」だよ。あれも動力は「蒸気」だよ。てか、作品そのものが「スチームパンク」だな。


(あ……あれは、『ツラヌキ(つつ)』なのだべさ)


 変な風に聞こえるから、恥ずかしそうに言うなよ。

 明るく元気に、某・ネコ型ロボットみたいに言ってよ。


 ……てか、ソレだな。

 スチームだ。蒸気式ロケットブースターを量産しよう!


(『スチーム○ーイ』みたいに『球体』だべか?)


 イヤ、ミルクタンクだよ。推進剤(なかみ)は、水。


      ◇◇◇


 作業二日目――


(『(くろがね)コミュ○ケイション』てアニメもあったべさ)


 スーパー系の『Z』は、「くろがねの城」だっけ?

 でも、材質は「超合金Z」だよな。装甲がどれくらいプラスされるんだろ?


(『マジン○ーZ』は、日本を代表するスーパーロボットなのだべさ)


 ついでに言っとくと、日本を代表するリアル系ロボットの『ガン○ム』と全長が同じだ。18mだ。


(それがさまざま作品を経て進化して、『魔神(マジン)』になるのだべさ。皇帝(カイザー)なのだべさ)


 俺が知ってる「劇場版」では、みんなの力を結集させる「黄金パターン」を踏襲してたな。


 そんな『★伝心☆』を交わしつつ、「鉄板」をかき集めてる。


 移送用の「推進装置(スラスタ)」は、『錬金術』で自作した。


 愛用してる「水入りミルクタンク」を、潜水艦内で量産したのだ。

 考えたら、カンタンなことで、「材料」はまわりにいっぱいあったのだ。


 タンクの内部は「お湯」だ。


 正確には、「水」と『魔法』で発熱するマカロンみたいなカタチの「高熱源体」を封入した。


 ミーヨからの「補給物資」の中には、きちんと「湯沸かしアイテム」が入っていたのだ。それも『錬金術』でコピーしたったのだ。


 ただ、この『魔火炉(マカロ)』の正体がなんなのか……いまいち不明だ。ちょい不安だ。ヤバいレベルの放射線とか出てなきゃいいけどな。


 で、タンク本体の「噴出孔」部分は、独自のアレンジを加えて、コックをねじって開ける「コック弁」にした。


 旧式の水道の蛇口の無い蛇口……みたいな感じだ。なんだそれ?

 でも、それで「開閉」および「推力調整」が可能になったのだ。


 それを、補助ロケットブースターの如く取り付けて、重たい鉄塊やデカい鋼板を、『わっか』の「氷の環」に中央付近にまで移送している。


 噴出された蒸気は、すぐに凍って、白い飛行機雲のような「航跡」になる。

 ただ、それもごくわずかな時間で、どこかにすぐに霧散して、消えてしまう。


 目標ポイントに近づいたら、逆噴射用のタンクのコックを開けて、減速。

 相対的に「静止」させるのだ。


 なかなかむつかしくて、コツをつかむのに苦労したよ。

 慣性で勝手に進んでくし、ワンテンポ早い予測と行動が必要だ。


 最初は、入学したての新入生みたいに「おっかなびっくり」だった。

 迂闊(うかつ)に触れて動かして、そのまま高度が下がって「大気圏突入」しちゃったら、どうしよう? とか思いながら。


 でも、やってるうちに大胆になった。

 ここって、安定した「静止衛星軌道」だしな。


 『みなみのわっか』にある物質って、見かけ上「静止」しているとは言え、惑星『アアス』の周囲を高速回転してるはずだし、ちょっとやそっとのことでは「大気圏突入」なんてことはならなさそうだ。


 なので、ここではない別なところが、『隕石』の供給源になってる気がする。


 この星系にも、惑星になれなかった「小惑星群」とか「隕石群」があるだろうし。


      ◇


「お願い、みんな! 力を貸して!」


 アニメの黄金パターン「みんなの力を貸して系」だ。


(一人でなにやってんだべか?)


 バラすなよ。


 ……実は、『化物(ケモノ)』のタマゴを孵化させるために、水に浸してみたものの、まったく膨らまない。なかなか水分を吸収しない。俺様の分身を作ろうと思ったのに……無理ぽ。


(お正月の『おせち』に使う『黒豆』ば自作しようとして、二日うるかしても、硬いまんまだったことを思い出したべさ)


 乾物(かんぶつ)の「豆」って、「もどす」のに時間かかるよなー。

 しかも、冬場は水も冷たいしなー。


 イヤ、そういうこっちゃなくて……やっぱ「人手」が足りないんだよ。

 そして、むにむにと「ヒトデ」を指でつついてたのは、イ○ナだよ。潜水艦「イ401」だよ。でも、実はそのコアは……イヤ、コレってアニメの劇場版の設定だな。


(『蒼き鋼のアルペジ○』だべか?)


 うん、ちょうどいま潜水艦の艦内だし。

 まあ、『宇宙』だし。「潜水」も何も無いのだけれども。


 そんで、主機のディーゼル機関とか動いてないし、熱源が何もないから、肌寒いくらいだよ。そう言えば、傷ついた「401」が海底に着底して、艦内がめっちゃ冷え込む描写が『蒼き鋼のアルペ○オ』にあったよ。


 『ハイ○クール・フリート』では、潜水艦は「狭くて暑くて臭くて」とか言われてたけれども。


(劇場版では、潜水艦が潜望鏡を出して、大和級戦艦による超長距離射撃の『弾着観測』をしてたのだべさ)


 『はい○り』の世界線では、「航空機」が無いんだよな。

 扁平(へんぺい)な、「はんぺん」みたいな「飛行船」はあるけれども。


(『はんぺん』は猫だべさ。『まんまる』はフクロウなのだべさ)


 『は○ふり』の猫は「五○六」と「多門○」なので、これは別アニメだな。


 そんで、主砲の46センチ砲って、砲弾が数十キロも飛ぶのだ。

 もはや、完全に「水平線の彼方」だもんな。単艦では、命中したかどうかも分かんないから、観測要員が必要になるのだ。


(その名の通り、『高校艦隊』で戦ったのだべさ)


 艦隊を率いたのは、一年生の「もえかちゃん」だったらしい。

 ちなみに「小泉さん」じゃあないよ。ラーメン大好きでもないよ。


 あと、ゲストキャラとして「スーちゃん」という子が登場したらしい。父親を探しに日本にやって来たとかで。その名の通り、釣り好きなんだろうか?


(その話をしたら、あたしの叔母さんは、『スーザンだし、お父さんは山本(やまもと)だろう』とか言ってたのだべさ)


 うん、イミフだ。スルーしよう。

 でも、競馬好きで『ウ○娘』も好きな田中さんは、「田中」の「スーちゃん」のファンだったらしい。そんな話を聞かされた『前世の記憶』があるよ。


(あたしは『ナスの着ぐるみ』みたいな『田中さん』を知ってるのだべさ)


 ワケワカメ。ワレ理解不能。戦列ヲ離脱スル。


(『わかめ』と言ってやれ)


 ……イヤ、そこは「馬鹿め」だろ?

 てか、『2199』屈指の名シーンだから、怒られるってば!


 それはそれとして、この潜水艦の内部。

 想像してたのと、だいぶ違うよ。


 ディスプレイでタッチペン操作だと思ってたのに、いろいろ機器類多いよ。

 戦闘指揮所には台があって、女の子が寝そべってるのかと思ってたよ。


(それこそ、『蒼き鋼の○ルペジオ』だべさ)


 あと、「女性用トイレ」があって、びっくりしたよ。


(『たいげい』以降の潜水艦は、女性自衛官も乗り組めるように、きちんと考慮されてるのだべさ)


 某惑星で「潜水艦行動」とか言って潜水してた『ヤ○ト』も、旧作に比べると女性乗組員が格段に増えてるらしいよね? 俺の先輩は、その点に、ものすごく違和感を感じたそうだよ。


(西○さんの、髪をかき上げて耳を出す仕草がエロいのだべさ)


 森○の交代要員だっけ? それもメニアックだなあ。


 『2202』では海中から発進してたし、『ヤ○ト』は完全に「潜水艦」としても機能してるよな。「洋上艦」としても機能してたけれども。そんで、『2199』では「みんなの力をかして系」だったな。黄金パターンだ。


 そう言えば……「宇宙戦艦」が海に潜るアニメが、他にもいくつかあるな。


 『ガミ○ス』の「次元潜航艇」は……チートだよな。


 あとは「潜水艦」と言えば……『青の○号』とか『沈○の艦隊』とか。

 他にも、おなかの大きな「妊婦さん」が出てくる作品があったよう気がする。


 もっとあるだろうけど……とっさには思い浮かばないっス。


(『フル○タル・パニック!』は観てなかったのだべか?)


 俺は観てないけど……カオリちゃんからは「みんなから『マム』と呼ばれてるティーンエイジャーの『大佐』は、自分の三つ編みの先っぽの匂いを嗅ぐのが好きだ」って聞いてるな。事実なのか? フェチなのか?


(あたしは、どっちかと言えば、千鳥かな○だべさ)


 あと、主役ロボットが、潜水艦からミサイルで射出されて、エアバーストみたいに空中で分離されるんでしょ? そんなことして壊れないの?


(そこはそれほれ、ラムダドライブなのだべさ)


 ……イヤ、詳しく知らないし。


(2021年秋アニメ『海○王女』にも、潜水可能な船が出てたべさ)


 でも、時代は18世紀らしい。なんか違和感ある。

 

(信州・真田(さなだ)家の末裔(まつえい)(おぼ)しきサムライたちなのだべさ)


 でも、前髪ナナメぱっつんの女子は、銃火器を使用するらしい。

 そんで、その末裔(まつえい)が、『ヤ○ト』の「真田さん」? ……違うだろうな。


(雪○は、日本刀の使い手なのだべさ)


 残念ながら、俺の『前世の記憶』には無いんだよ。


 知ってるところで言えば……。


 『刀使(とじ)○巫女』でも、けっこう長いこと潜水艦に乗ってたよ。

 しかも、アレから対地ミサイルみたいなので「S 装 備(ストームアーマー)」とか射出するし。地面に突き刺さってたよ、あれも着弾時の衝撃で壊れたりしないのか?


()○は、ビッグなバストが大好きなのデース!)


 Me too.


 古波蔵(こはぐら)エ○ンだな? ただ、それは潜水艦とは無関係だぞ?

 そしたら、ついでに訊くけど「チョコミントアイス」は好きか?


(陸上で廃墟と化した潜水艦で、チョコレートを見つけるお話があったべさ)


 ……それ、なんだっけ?

 『少女終末○行』? あの半分だけ無限軌道な乗り物は「ケッテンクラート」?


 てか、質問には答えてないぞ、お前。


(赤い彗☆のシャ○も、『地球』の大西洋で潜水艦に乗ってたのだべさ)


 ジ○ンの「水泳部」って言われてるMSにも乗るしな。

 球形の「カプル」って、元々は『ZZ』に出てくるんだっけ?


 それ以外にも、『G』には、いろいろと「潜水艦」が出てくるんだよな。


 別作品だけど、『幼女○記』では、デグレチャフ少佐たちも潜水艦に乗ってたよ。


 あ、ふと思い出した。『SEED』に「デグチャレフ」ってなかった?


(デグチャ……『DES○NY』に出てくるMAの、武器の名前でないべか)


 ああ、『SEED』世界では、兵装に「名前」ついてるもんね。

 某・宇宙戦艦の「タンホイザー」とか「ローエングリン」とか。カッコイイのだ。なかなかに厨二心をくすぐってくれたよ。 


 それはそれとして、俺がいまいる潜水艦。

 『たいげい型』ってだけで、艦名は不明だ。


 なんて名前なんだろう?


 まさかの、『かおげい(※顔芸)』とか?

 これだと、『金神』のアシ○パさんみたいだな(笑)。


      ◇


 前にカオリちゃんが言ってた「N-ノー○ラス号」は、『ふ○ぎの海のナ○ィア』という作品に登場するらしい。でも、「潜水艦」と見せかけといて、実は「万能宇宙戦艦」なんだそうだ。


 『○の谷のナ○シカ』の「酸の海」で朽ち果ててた「星へ行く船」も、どことなく潜水艦ぽいシルエットだったよな。


(『ナデ○ア』の総監督は、庵○秀明なのだべさ)


 有名な『巨○兵』のシーン描いたのも、そうだよね。

 いちアニメーターとして、『ナ○シカ』に参加してるもんね。


 でもな、俺、考えたら(あん)○監督の『エ○ァ』以前の過去作……ほとんど観てないな。


(映画では、色々とセルフオマージュしてたべさ)


 『シン』だそうだ。


(あん)○監督。いろいろな作品を『シン化』させたのだべさ)


 あのひと自身が、もはや「神」だよな。


(原点は、『彼氏彼女の○○』なんでないべか? 18話の『シン・カ』)


 へー、どんなお話?


(……ジン君のエッチ。へっちゅう)


 なんで!? まるで事情がワカラナイ。


      ◆


 さらにだらだらグダグダと宇宙蛇足編●224Eにつづく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ