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222★最終章[23]◇秋野菜と同位体



 サザエみたい。


「『サ○エさん』ですか?」


 ちげーよ。海の「貝」だよ。「壺焼き」にするやつだよ。


「…………」


 ボケが浮かばん。

 ミーヨなら、なんてボケるかな?


 実はこれ、自作自演の一人芝居だったりする。

 いま現在、誰とも『★伝心☆』が繋がっていないのだ。


 『東の円』も『女王国』も、「夜の領域」に入って、みんな寝ちゃったのだ。


「……(むな)しい。そして、さみしい」


      ◇


 どことなく、サザエかなにかの「貝のふた」を思わせる「エアロック機構」のハッチを内側でズラすと、キラキラした虹色の星が、空気と一緒に『宇宙』に吹き飛ばされて行った。


 『魔法』の『守護の星(普通サイズ)』だ。

 『軌道リング』内にも、フツーに存在してるのだ。でないと、『魔法』も『錬金術』も使えないもんな。


 無為(むい)に散らしてしまうのも、もったいない気がして、急いで『宇宙』に出て、すぐさまハッチを締めたよ。


 真っ白い空間から、一気に『宇宙』の暗闇だ。

 なんか「視覚」が戸惑ってる。ちょっと目がくらんだ。


 星が……奇麗だな。


 でも、大気のない、ほぼほぼ真空の『宇宙』なのに、星が(にじ)むようにまたたいて見える箇所がある。


 『守護の星』の「薄膜」かもしれない。

 あつまって、何かやってんのかな?


 俺たちの母星『アアス』は……見えないな。

 『軌道リング』が、すぐ目の前にあって、それに阻まれて見えない。


 いまは「夜」なので、『アアス』の陰に入った『みなみのわっか』も見えない。

 でも、「黒い弧線」となって星々を隠してるので、存在そのものは確認出来た。


 あらためて見てみると、『軌道リング』の外側は……発光してない。

 あの白い内壁は、光源も無しで、どうやって光ってるんだろう? やっぱ宇宙線?


 とりあえず、さくっと「ミルクタンク」を回収してしまおう。


 『軌道リング』における「球体関節」みたいな役目をしてるらしい『白玉』の、白くなめらかな外壁。そこから突き出た『毛』の「根元」に、ポコッとした「円筒形の物体」が見える。目的のブツだ。


 そこに向かうべく、慎重に「水と空気」を噴出させた。


 『★マジカル・スペーススーツ☆』の背中には、「潜水実験」用に追加装備した「水タンク」がある。潜水艦の浮力を調整する「バラストタンク」みたいなものなので、浮上時に水を排出して、空気で満たす「タンクブロー機能」も付いている。


 それを、「推進器(スラスタ)」の代用品にしてるのだ。

 これによって、無重力状態での「移動」が可能になったのだ。ただ、「推力」が不足気味で、めっちゃ低速度だけれども。


「……落ち着いて……冷静に……」


 ヘルメット内には「空気」があるので、しゃべれる。声を出せる。

 自分に言い聞かせながら、慎重に「水と空気」を絞り出した。


「……慎重に……っと」


 色々とヘマもやったし、■にかけもした。

 アホでバカな俺様も、多少は慎重になるってもんだ。


 事前の「実験」では、無重力の『軌道リング』内で水を噴出させてしまい、それが「ふよふよ」とした水球になって、宙を漂った。「国際宇宙ステーション」とかでは、絶対にやったらアカンやつだ。人間よりも、電装品とかの機械が壊れるらしいよ。


 その水球は、例の痴女めいた『化物(ケモノ)』が美味しくいただいてたよ。その「水を吸収する様子」を見て、あらためて「ヒト」じゃないって、確信したよ。


「あ、そこ。よしよし、オッケー」


 代用スラスタの噴射精度は、意外と高かった。

 きちんと「狙ったところ」に進めてる。


 途中で噴射を停止して、「慣性飛行モード」に移行した。

 背中で感じていた噴射の振動もなくなり、ふわ――っ、と接近した。


「つかまえた!」


 思わず、タンクに抱きついた。

 胴回りは、ミーヨのウエストくらいあるな。


 でも、いまは違うだろうな。

 現在妊娠中なので、お腹が膨らんできてるのだ。


 いろいろ計算してみると、俺が『俺』として、あの麦畑で目覚める以前に「注ぎ込んだ愛」(笑)らしいので、微妙な気持ちだ。なんか、実感がとぼしい。つっても、それ以後も何度も何度も(以下略)。


 見ると……「ミルクタンク」は二つあった。


 うん。実は、ラウラ姫も「おめでた」らしいし(笑)。

 毎回、『見届け人』として付き添ったプリローズさんによると、「受胎日」はだいたい特定出来ちゃうらしい。……なんてこったい。


 ミルクタンクを両手で両脇に(かか)えた。


 初代の『マク○ス』に、こんな感じに両腕部分が「(たる)」みたいなカタチの多連装ミサイルポッドになってる人型兵器「デス○ロイド」があった気がする。


 『Δ』とかにも出てた四本の細長いキャノン砲がついてる巨大恐竜的な「デスト○イド・モンスター」。個人的には、かなり好きだな。全兵装の「全弾発射」は、男のロマンだよな(笑)。


 それはそれとして、中には、何が入ってるんだろう?


 なんか、ワクワクする。湧き立つ楽しさを感じる。


 でも、二つのミルクタンクのせいで、真っすぐ進めなくなった。


 重量バランスが片寄ってるな。どちらかが、極端に重いらしい。

 それを修正しつつ、ハッチのところに、飛んで戻ったよ。


「『みつばちハッチ』だべか?」


 これもホノカじゃなくて、俺だけど……。

 でも、間違えてるかな? 正しくはなんだっけ?


 『ミ○コとハッチン』にしとけば良かったかも。

 あの作品も「異世界もの」……なのかな? ふしぎな世界観だった気がする。


      ◇


 翌朝――


 えーっと、ミーヨさん。

 この細長い「マスクメロン」みたいなものは、いったい何かな?


(『ますくめろん』? それは男の人用の野菜『ヨメイラズウリ』だよ)


 漢字表記だと「嫁不要瓜」かな?

 てか、(うり)とかメロンて「野菜」なの?


(イチゴとかバナナやメロンは、分類上は「野菜」ですよ)


(それらは「果実的野菜」だべさ。木に実をつけるものが「果実」なのだべさ)


 カオリちゃん(※本物)と、ホノカ(※本物)だ。『★伝心☆』による念話だ。

 知らん間に、毎朝の定例になってしまった早朝リモート念話会議だ。


 関係ないけど、『やさいの○うせい』とか『♪野菜シ○ターズ』ってなかった? 後者はアニメじゃないし、末尾「8」だけど。


 で、どうやって食べるの、コレ?


(自分に合った長さに切って、中に入れると気持ちいいんだって)


 ソレ、「食べ方」じゃなくて「使い方」やん!


 内側には、メロンの真ん中みたいな「濡れた空洞」があるらしい。

 そんで、表面が網目状になってるのは、握った時の「滑り止め」かなあ? でも、それなりに太いし。握って動かすのは、タイヘンそう。


(奥から、つぶつぶした種が出てくるのがいいんだって)


 ほほう? 野菜のクセに、なかなかの名器らしいな。


(使う気まんまんじゃないですか?)


 ゆるい「勇者もの」の『えんどろ○!』だと、「アンダスメロン」を噛むと「あんこ」が出てくるとか言ってたよ。


 で、こっちの「△起した男性器」(笑)にソックリなものはナニ?


(『ヒトリミヒョウタン』だよ。そっちは女の人用だけど、男の人の中にも、使う人がいるんだって)


 だから、「使う」んじゃなくて「食べろ」よ。野菜なんだから。


 こっちは「独身瓢箪」だろうな。


 反り返ってて、なかなかの硬度だ。でも、デカけりゃいいってもんでもなく、「ほどほどの大きさ」のが人気で、高値がつくらしい(笑)。


 『地球』でも、自然の神秘というか「ち○こ」に似てる動植物って、いろいろあるよな。もう、アレそのものみたいな『タケリタケ』とか。


 ま、「○○こ」に似てるものも、いろいろあるけれども。

 ちなみに、今回は関西リスペクトでの「三文字」仕様だ。……怒られるか。


 そんで、この二つを組み合わせたら、誰得なんだろうな?

 イヤ、別に誰の得にもなんねーだろうな。意味ねえわ。


(ですけど、ある種の男性にとっては……)

(後ろと前が)


 やめてーな。 


(それで、最後のが)


 うん、コレは知ってる。『スケベダイコン』だ。

 二股になってて、女性の下半身に良く似てる。「ふともも」の質感がすごい。色白でムッチリしてる。ま、しょせん「大根」だけどね。


 ……で、なにこの「珍野菜」三点セットは?


(ジンくん、前々から『女王国』の『秋野菜』がどんなのか知りたがってたでしょう? だから、わざわざ送ったんだよ)


 ……やれやれ、だ。


 でも、これらの「エロ珍野菜」どもは、約400年前の「謎の疾病(しっぺい)」による「人口の激変」のあとに、新たに創り出されたものらしい。


(人口の激変?)


 カオリちゃんだ。


(激減ではなくて?)


 うん、いったん「激減」したあとに、当時の『巫女』の『祈願』で、逆に人口が「激増」したらしいよ。それで、男女の比率がおかしくなったらしいよ。


(それって……わたしたちみたいに「神様に造られた人間」てことですか?)


 うん。

 『アアス』の「神様たち」にとって、「ヒト」の数を増やすなんて、ただの「物理現象」なんだよ。すんごい雑なんだよ。


(…………)


 その時期に『アアス』にあらわれたのが、「後着組」と呼ばれる人々だ。

 ラウラ姫やプリムローズさんの「ご先祖さま」だ。


 さらに言うと、同じ時期に「日本の船」に乗っていたような人々も、『アアス』に「コピペ」されたらしい。「蒙古斑」が「前世の罪人の証」とか「奴隷の証」なんて言われるようになったらのは、その後のことだ。『獣耳奴隷制度』が確立してしまったのは、ここ数百年のことらしいのだ。


(…………)

(…………)


 これは、『全知全能神神殿』の『伝承庫』にあった「文書」に記してあった事だ。つっても、解読したのはプリムローズさんだけど。


 その「人口の激変」で……ハッキリ言うと、とんでもない「男あまり状態」になったらしい。女性専用の『護身魔法』が編み出されたのも、この時代らしい……。


 で、男性向けの「大人のお店」がいっぱいあった『東の街区』も、そのころに大規模拡充されたらしい。「猫の手」ならぬ『化物(ケモノ)』の手も借りたいような大盛況だったらしい。


 実は……ま、いいか。


 それは「過ぎ去りし過去」の話だ。置いておこう。


 で、ほかにマトモな食い物は無いの?


(穀物も詰めたから、あるはずだよ)


 穀物って、ただの「麦穂」やん!


 脱穀されてないやん! 触るとちくちくするがな。

 よく知らないけど、アルファ化されてないよ! ナマの「麦」だよ。


 ナマムギ ナマゴメ……と言ったら。


(『♪巫女み○ナース・愛のテーマ』だべか?)


 その通りだよ。


 俺は、「京都」の通りの「姉三六角」を、その歌で知ったよ。

 落ち込んだ時に聴いて、元気をもらってたよ。俺の「元気ソング」だよ。


(あたしの叔母さんは、『♪セピアの夏のフォ○グラフ』って曲ば聴いて、元気と笑顔を貰ってたらしいべさ)


 俺の「先輩」の事だよ。

 伝説的な、某・恋愛シミュレーションゲームに関係する曲らしいよ。


 それはそれとして、「生」だよ。このままじゃあ食えないよ。

 なんか『八ツ橋』食いたくなってきたよ。ぬるめの「抹茶」か「玉露(ぎょくろ)」で。


(えー……「生」はダメだった?)


 イヤ、キライじゃない……じゃなくて、俺ならば『錬成』出来るからいいけど、フツーの人なら、いちから加工と調理が必要だぞ? 場合によっては、どうしようもなくなって詰むぞ?


(もうひとつの方には、パンが入ってるよ)


 『神殿黒パン』じゃねーだろうな?


(あと、『汁物(しるもの)』と『ちーず』と『塩漬け豚腿肉』も入ってるはずだよ)


 俺が求めてたのは、そういうのだよ。「はむっ」と食べるよ。


      ◇


 なんてこったい。「お湯」がいる。またまた盲点だった。

 ガチな「宇宙食」のパックみたいに、お湯が必要だった。


 ミーヨの言う『汁物』が、登山用の携帯保存食「ペミカン」みたいに、なにかの脂で固められてたのだ。お湯で()く必要があった。


 水は……無いこともない。

 でも、ここにはガスコンロも焚火も無いのだ。


「お湯、ちょうだい!」


 言ってみた。


「……(びくん)……」


 そばにいた『化物(ケモノ)』が……動いた。


      ☆


『まったく、しょうがないなあ』


 すべてを知るもの。『全知神』さまだ。

 またまた例の『化物(ケモノ)』を「依代(よりしろ)」にしての『ご光臨』だ。股間につくりもののバナナを揺らす、かなり恥ずかしい姿だ。全裸のほうが、まだマシだ。はみ出て見えてるし(笑)。


『なら、とるよ』


 身体の「フルーツ盛り」をはぎ取って、全裸になられた。

 俺も全裸だけど、ふたりの間には、ナニも起きないだろうな。


『で、熱湯でいいのかい?』


 あ、猫舌なんで。80度くらいで。


 ミルクタンクの中には、食器も入っていたので、そこに「せっけん」みたいにカチコチになってる『汁物』を入れる。なんでそんな状態で『汁物』だと分かるのかと言うと、カラフルな野菜のつぶつぶが見えてるのだ。


 ここには、弱いとはいえ「疑似重力」がある。

 なので、液体をあつかっても大丈夫……はいいけど、どうやって「お湯」をつくり出すんだろう? そして、どうやって出すんだろう?


『準備は出来た。私の足のあいだに寝ころびな』


 イヤですう。


      ◇


 そんなアホなことをしつつも、『全知神』さまの「おゆるし」を得た。


 『みなみのわっか』にある物質は、「好きにしていい」らしい。


『出来るものならな』


 ――とも言ってたけれども。


 どういう意味だろう?


 『魔法』禁止とか?

 そしたら、『アアス』に貴金属の塊を降下させるなんて不可能だ。


 ならば、俺の『錬金術』の『体内錬成』で、「●(固体)」を「黄金のウ○コ」に置換した状態で、『アアス』に帰還しようかな?


 てか、どこのどんな密輸犯だよ? イヤすぎるがな。


 ちなみに、「未来人」ホノカによれば、某・有名作品の劇場版では、サクラちゃんが……やめとこ。


 でもまあ、なんだかんだで「腹ごしらえ」も終わったし、いよいよ『みなみのわっか』へ出発だ。


(ちょっと待った!)

(おおっと! ちょっと待ったコールだ!)


 カオリちゃんとホノカだ。

 それ、モトネタなんなの? アニメじゃないよね?


(ナレーションは「皆○裕子さん」なのだべさ)


 そしたら、俺的には「姉ヶ○寧々」だな。アニメじゃないな。 


      ◇


(――じゃないんですか?)


 ああ、うんうん。

 確かに、いつも同じだと飽きるよね。たまには違うことにチャレンジしないと。てか、全部で「48」あるとか聞くし。どうせなら、完全制覇したいよね。


(……ジンさん、何か勘違いしてません?)


 ナニが?


(わたし、『同位体』って言ったんですよ?)


 ……あ、ああ、うんうん。

 なるほどなるほど。ハイハイ。


      ◇


 説明しよう。


 俺じゃなく、ホノカが。


 『同位体』とは――


(おんなじ名前の『元素』でも、原子核にある中性子の数が違うのだべさ)


 遺跡や遺物の「年代測定」とかで利用される「炭素14」とか、よく聞くな。ふつうは「炭素12」らしいよ。


 てか、なんで「14」なの? 何かの「呪い」?


(あたしの叔母さんは、『エバ』と聞くと、劇場版の『機動○察パ○レイバー』を思い出すらしいべさ)


 でも、正しくは「エホバ」をもじった「ホバ」らしい。


(わたしは『君の○る町』ですかね)


 カオリちゃんだ。

 ヒロイン姉妹の事だろうな。俺は妹派だ。


 俺は、『○菓』だな。名前しか出てこない「ホンゴウ先輩」の親友の「エバ先輩」だ。「ハバ先輩」もいて、なかなかややこしいけれども。


 で、ホノカ自身は「エバ」と聞くと声優の「三○琴乃さん」を思い出すらしい。

 したら、「エバー」やん。


 それはそれとして、同じ名前の『元素』の『同位体』がなにか?


 てか、そもそも『元素』って、何種類あるんだ?


 水兵(スイへー)……ヨーソロー!


 ……だめだ。違うものしか頭ん中に浮かばない。

 『サン○ャイン!!』の○ちゃんも、チカリコにヤキモキする、なかなか切ないポジションなのだ。同性なので「三角関係」と言っていいのか、知らんけど。


(いいべか?)


 あ、ごめんごめん。


(『元素』の数は……だいたい120くらいだべさ。まだ発見……というか『まだ生成されてない元素』もあって、想定されてるのは150くらいなのだべさ)


 そんで、その「別バージョン」というべき『同位体』を含めると、『元素』は理論上数千種類以上になるらしい。


 まあ、そんなことを言われても……ピンと来ないな。


 アニメに例えると、「TV版」と「ディレクターズカット版」とか「デジタルリマスター版」とか……そんな感じ?


 あるいは円盤の「初回特典」が、ショップによって違うとか? ブルーレイの「手渡し会」とかあるんかな?

 でも、作品によっては、「円盤収録版」では規制が外れて、いろいろ見えちゃうだろうな。それ自体が「特典」だよな。いつからあるんだろうな、あの規制。「謎の光」。


(また話があらぬ方向に……)


 まさかとは思うけど、某『G』が原因じゃないよな?

 そしたら、「ニュートロンジャマー・キャン○ラー」ならぬ「◎○ジャマー・キャンセラー」とか(笑)。 ……これも怒られるか。


 某・ハイスクールものでは、◎○の「塗り」が、すごく丁寧で奇麗だった気がするな。あれは何年製作だったんだろ?


(『プリズン』ですか?)

(『D×D』でないべか?)


 話を戻すけど……その『同位体』が、俺がこれから出発する『みなみのわっか』と、どんな関係が?


 ちなみに、惑星『アアス』と『みなみのわっか』は、「◎頭」と「◎○」みたいな関係だ(笑)。


(祈願! ★指でっぽう☆)


 やめて! 指で(はじ)いちゃイヤン!


 てか、さっきの『まだ生成されてない元素』て何?


(『地球』では、重い元素は自然では発見されなくて、元素同士を衝突させて、無理やり「新元素」を創り出してたじゃないですか?)


 詳しくないので、雑な説明になるけれど、原子番号113の『ニホニウム』も、複雑な工程を経て、人為的に誕生させたものらしい。直径が何㎞もあるデカい「粒子加速器」とかで、いろいろ実験してるらしい。


 てか、ここの『軌道リング』って「粒子加速器」みたいな使い方出来るんやろか?


(カオリが心配してんのは、『みなみのわっか』にある物質のことだべさ)


 なかなか話が進まないので、ホノカが割り込んできた。


(『宇宙線』の影響で、『放射性同位体』になってる可能性があるのだべさ)


 『放射性同位体』?


 またまた説明しよう。


 では、ホノカさん。はりきって、どうぞ。


(『放射性同位体』とは、『放射能』を持つ『同位体』のことだべさ)


 わりとそのまんまだった。


 『放射性同位体』は、時間の経過によって勝手に崩壊して、別な「元素」になってしまうらしい。その過程で、ヤバイ感じの「放射線」や「光」も放つらしい。


 詳しくわからんけど、「アルファ崩壊」とか「ベータ崩壊」とかで、先の「炭素14」は「窒素」になっちゃうらしい。


 俺の「先輩」は、前世紀の「ビデオテープ」の時代、「VHS」ではなく「ベータ」を使ってたらしい。いろいろと崩壊したらしい。舌打ちしたうえで、某・家電メーカーを呪ったらしい。


 放射性元素の「崩壊」では、『中性子』が電子とニュートリノを出して、『陽子』になってしまうらしい。


 『シドニ○の騎士』では……前に一回やったから、やめとこ。


(『宇宙』を飛び交う『銀河宇宙線』の中には、ニューリ)


 ん? 今なんて言いかけた? 「◎○」?


(ニュートリノや、波長の短い電磁波が含まれてるのだべさ)


 ガンマ線とか、そのへんらしい(※雑)。


 某ゲームには、食らったら全滅しそうになる「ガンマレイ」を放つ「隠れボス」がいるけれども。


(あたしの叔母さんは、全員LV99の『すっぴん』で、雷属性の槍『トライデント』を『両手持ち』して、全員で『ジャンプ』して倒したらしいべさ)


 『魔○剣』つかえよ。


 あと、その「俺の先輩」は、『すっ○ん』て聞くと「英知な本」を思い出すそうだよ。「魔導書」の一種らしいよ。


(ニュートリノやガンマ線は、天体の『磁場』の影響を受けないのだべさ)


 まっすぐに飛んで来るらしい。

 そしたら、「オーロラ」とは関係なしか。


 でも、ニュートリノを検出するための「カミオカンデ」とか、どこかに無かった? 滝の裏側だっけ?


(して、それらの『宇宙線』が、宇宙空間にある『元素』にぶつかると、『核破壊』が起きて、減数的に別の『元素』になってしまうのだべさ)


 壊れちゃうらしい。


 その「玉突き」みたいに衝突して生成された『元素』は、たいていの場合『同位体』になるらしい。


 そんで、今度はそれが「第二宇宙線」と呼ばれるものになるらしい。


()(よう)は、電離した状態の『元素』の『原子核』なのだべさ)


 それが、また他の『元素』とぶつかって、またまた「価格破壊」を起こすらしい。「ビデオテープ」の時代に比べると、DVDとかブルーレイって、かなり低価格らしい。かつては、ぜんぜんエロくないビデオまでもが、一万円以上してたらしい。


(価格破壊でなくて、『核破壊』だべさ)


 うん。分かっててボケました。

 俺の悲しい習性なんです。そうせずにはいられないんです。


 てか、その「核破壊」って「核分裂」とは違うの? 「ニュート○ンジャマー」で妨害出来ないの? 物理的で実体的な「◎○ジャマー」である「ニプレス」って、()がす時に痛くないの?


(ていっ!)


 ……ぐハァッ!!


 で、でこが痛い。


(『★指でっぼう☆』です)


 ……タメてたのか。「タメ状態」から撃つと、タイムラグ無しなんだそうだよ。


      ◇


 俺が以前、人造湖の湖底で拾った『白い木靴』には、『重い銀の円盤』が仕込まれていた。『重い銀』って、『イリジウム』だ。


 で、その原子番号77の『イリジウム』にも、さらに重たい『イリジウム192』があって、コレはガチな「放射性物質」らしい。


 そんで、プリムローズさんの『前世の記憶』には、『イリジウム192』による被曝事故の記憶があるらしく、なんかビビってたよ。「ペンシル」じゃなくて良かったって言ってたよ。


 にしても、「192」……「イクニ」とか。

 先鋭的で、なんか放ちそうだ。なぜか「ごま最中(もなか)」食いたい。


 それはそれとして、つまりは『みなみのわっか』にある物質が、宇宙線の影響で『放射性同位体』になっていた場合、俺の身体に悪影響があるんじゃないか? と心配してくれてたワケだ。


(あ、違います違います)


 俺のことを心配してくれてたワケじゃないんだね(泣)。

 ま、見た目「全裸」で、『宇宙』に出といて、いまさらなんだけれども。


(『みなみのわっか』にある貴金属の(たぐい)が『放射性同位体』になってたら、『アアス』に持って帰れないじゃないですか? ひと(もう)け出来ないじゃないですか?)


 そっちか!


      ◆


 以降の展開、改変中――まる。

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