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221★最終章[22]◇いまいるこのばしょ



「……うっ!」


 お尻に、ずん! と来た。


(……ジ、ジンさん?)


 ち、違うよ。

 いま俺がいる区画って、なぜか回転してて、その遠心力による「疑似重力」があるらしいんだよ。なので、ついつい「体育座り」してたら……床面から突き上げるような衝撃があったんだよ。


 てか、これ、『★召喚☆』しといた「ミルクタンク」が、ようやっと到着したんだろうな。


(『ホワイト○ース』や『アー○マ』にも有りましたよね。回転式の居住区。と言いますか、『スペースコロニー』そのものが回転してますもんね)


 うん、きっとそんな感じだと思う。


 そう言えば……日本で初めてコンピュータ・グラフィックスが使用されたアニメーション作品は劇場版の『ガン○ム』で、「スペースコロニーが回転してるシーン」だったって聞いた事あるな。


      ◆◇◆


 俺が『宇宙』に来て、もうどれくらい経過しただろう?


 あいだ数日間の「記憶」がすっ飛んでるから、ホントにもうどれくらい『宇宙』にいるのか……不明だ。


 長期間無重力状態でいると、人体にいろいろとネガティヴな影響が出るのは、さすがの俺も知っている。


 筋力の低下とか骨の劣化とか心臓とか血液とか……。


 もともと重力のある場所で生活してるがために、生物の身体中の「水分」は自然と下に下がるらしい。それを自動的に補正してくれる身体の機構が、うまく機能しなくなるのが、主な原因らしい。


 宇宙から帰還した宇宙飛行士が、自力で立てず、人に支えてもらわないとならなくなるもんな。「国際宇宙ステーション」とかじゃあ、毎日「筋トレ」してるし。


(それは、筋肉ではなく、バランス感覚の問題だべさ。無重力で平衡感覚が狂ってまって、重力のある場所に戻ると、ぐるぐる目が回るらしいべさ)


 お、ホノカだ。

 てか、そーなんだ? 筋力の低下が原因じゃないんだ?


(筋トレするんなら、あたしが『♪お願いマッ○ル』を歌ってあげるのだべさ)


 知らない曲なのに、「合いの手」やらされるから、いいです。「ちっちゃい重機」って、なんなんスか?


 あと、ゾンビに「筋トレ」は意味あるんかな?


(『ウ○娘』や『勇者』には、筋トレが大事だべさ)


 イヤ、俺は『勇者』じゃないってば!


(して、無重力では、味覚に異変が生じる場合もあるのだべさ)


 いつだったか、「アンコ入りのチョコ」をばくばく食ってたユヒ・ホノカ嬢だ。


(最悪、まったく味を感じなくなってしまうのだべさ。由々(ゆゆ)しき事態だべさ)


 確かに、それは『ゆゆゆ』しき事態だな。『わすゆ』てはいけないな。


 そうならないためにも、「重力(ジー)」があるところを探さないとな。


(先日の『宇宙シコシコ作戦』では、66回シコシコしたんだども)


 きゃ! 恥ずかしいから、回数とかヤメテよ!!


(そのついでに、色々な『実験』をさせてもらったのだべさ)


 『東のタワー』の『宇宙ピストン』の「末端部」は、高度約300㎞まで上昇するらしいのだ。でも、どうやって計測したんだろう? 航空機の「高度計(アルティメータ)」の動作原理すら知らないな。三角関係……じゃなくて、三角関数的な何かかな。


(『マク○ス』シリーズのテーマは、『うた』と『三角関係』なのだべさ)


 基本は「♀♂♀」だけど、「♂♀♂」もあったらしい。その作品には、「無人機」とか「AI」が登場する先進的な内容だったらしい。「プラス」らしい。


(『セー○ームーン』には『グチャグチャ恋の四角関係』て話があったべさ)


 女児向けなんじゃあないの? いいの?

 そんで、男女の組み合わせはどうなってるんだ?


 ま、それはそれとして、ホノカのほうの「実験」って?


(『落下式無重量状態』だべさ)


 『宇宙ピストン』は、垂直ピストンだけに「上下」する。

 その「下り」の時には、飛行機で弾道飛行すると中が……イヤ、そっちじゃなくて遊園地にあるアレだな。とんでもない規模の「フリーフォール」みたいな事が出来るワケか。「疑似的な無重力」が体験できるワケだ。


(あと、高高度からの降下訓練も行ったのだべさ)


 どこの空挺団だよ? どこかに奇襲かける気か?

 てか、そんな装備あるの? パラシュートとか。


(『★ムササビスーツ☆』だべさ)


 それは、俺が『宇宙』からの「帰り」の最終段階で、『アアス』の空を楽しく滑空しようと思って開発した『魔法』だぞ? 勝手に使うな! 使用料払え! ま、俺のも『地球』の「ウイングスーツ」のアレだけど。


(食品加工実験の方は、失敗に終わったのだべさ)


 初回の「シコシコ」で依頼しといた「食べ物」主体の「補給物資」は、結局そのまま「手つかず」で『アアス』に逆戻りしたそうだ。


 補給物資の中には、『太陽の大洋』で獲れた「おさかな」もあり、それらの「鮮魚」は、水分を失って「干物」みたいになって、地上に戻ったらしい。


(カチンコチンの『棒鱈(ぼうだら)』みたいだったべさ)


 ヨーロッパでの「塩鱈(しおだら)」の干物は、「バカラオ」だか「バカラーダ」とか言う名前だったかな? 実は、似たようなものが『女王国』にもあるのだ。


 とにかく、その「脱水作用」をヒントに、高度上昇による「冷却」と「乾燥」と、さらにその後に「真空」になるのを利用して、「フリーズドライ食品」を作れないかどうか、試してみたらしい。


(『帰り』に雲を突き抜けた場合には、びちょびちょに濡れるのだべさ)


 ダメモトでやってみたら、失敗に終わったらしい。

 でも、フードロスを防ぐべく、スタッフが美味しくいただいたらしい。


 てか、びちょびちょに濡れる……のか。


(先っちょが濡れるのだべさ)


 『宇宙ピストン』の『アアス』側の末端部は、人間が数人乗れるような「ステップ」みたいになっていた。

 それって、『ピストン』のハメ戻しの、「大気圏再突入」用の「耐熱ノーズコーン」だと思うんだけどな。それが濡れるの?


 それも、どんな原理で「耐熱」してるんだろうな。

 空力的な「断熱圧縮」で、めっちゃ高温になるハズなんだけどな。場合によっては一万度超えるらしいから、もはや空気がプラズマ化してるだろうな。


(小惑星探査機『はやぶさ』の大気圏突入用のカプセルは、表面の断熱材が溶けてガス化して、そのガスの薄い膜で本体が守られていたのだべさ)


 ……ガスの薄膜(はくまく)

 そしたら、熱いフライパンの上とかで、水が球になって飛び跳ね回る現象なんだっけ? ウォータースライダー?


(……そうめんそうめんそうめんそうめん)


 ナニソレ?

 ま、俺も知っててボケてるんだけど、「ポロリ」の期待大な「ウォータースライダー」じゃなくて、「ライデンフロスト効果」だよ。なんで知ってるかと言うと、『アル○ノア・ゼロ』で観たよ。レーザーブレードで弾丸はじいてたよ。ただし、作中では「現象」だったよ。


 それはそれとして、旅館の宴会とかで出される「紙の鍋」が、直接火にかけても燃えないのと同じような理屈か? ……知らんけど。


 てか、そんなこと考えてたら、また腹減ってきたなあ。


 ホノカさん。俺、『石狩鍋』食いたいです。


(あたしは『鮭とば』が食べたいべさ)


 『鮭とば』かあ。俺も食いたい。

 『ゴールデ○カムイ』で、アシ○パさんの村で作ってたのは「ルイペ(凍り干し)」だっけか?


 ……てか、そもそも『アアス』の海に「鮭」っているの?


 放送時期的に、俺は『ヴィン○ンド・サガ』は観れなかったのだけれど。

 俺の「先輩」から、それよりもずっと昔に放送された『小さなバイ○ング ビッケ』って作品で、ヴァイキングの船が「北米大陸」と(おぼ)しき未開の土地にたどり着いて、大量の「鮭」を獲りまくってた……って話を聞いたことあるな。


(『東の円』の『中つ海』に、「ベニマス」ならいるべさ。身はサーモンピンクなのだべさ)


 マスかあ……。

 サーモンピンクかあ……。


 ごめん、ちょっと思い出したことがあるんで、『★伝心☆』切ってもらえる?


(『第二次宇宙シコシコ作戦』だべか?)


 イヤ、「第二次」じゃあないよ?


      ◇


 といったホノカとのやり取りもあり、俺は「(ジー)」を求めた。


 無重力による身体への悪影響をキャンセルするべく、重力がある場所を探して、真っ白い空間がひろがる『軌道リング』内を彷徨ったのだ。


 そして、何枚目かの「鉄の扉」を開けた先にあったのが、この「疑似重力区画」だった。


 中に入ると、ふーっ、と身体が「床面」に向かって沈んだ。

 ふと見ると、俺様の俺様も行動の自由度を失って、上を向いてる。これはホノカとの念話中に、いろいろな思い出がスライドショーのように蘇ってしまったからだ。


「これって、重力……?」


 漏らした独り言に応えるものはいなかった。


「……床に……足が……着くぞ?」


 ただ、『アアス』の地表面ほどの「g」は感じない。

 あくまでも「遠心力」による疑似的なものだから、正確には再現出来ないのかもしれないけれど……身体が軽い。ぴょんぴょん跳べる。以前、カオリちゃんの無自覚な『祈願』によって、高度を上昇させられた時みたいな感覚だ。


 ためしに、ぴょーん、と跳んでみよう。バッタみたいに。


 カオリちゃんは、「バッタ」と聞くと「昆虫」ではなく水泳の方の「バタフライ」を思い浮かべてしまうらしい。詳しく聞いてないけど、何かのアニメの影響らしい。


 あと、『少女☆歌劇 レヴュースタァ○イト』には、役を演じる声優さんたちによる2.5次元な「舞台公演」があるのだけれど……実は、アニメ版よりも舞台版のほうが先だったらしい。最初の公演では、「神○ひかり」を演じた「三森さん」による「すごいジャンプ」が披露されたらしい。アニメ版は、それとそっくりだったらしい。


 にしても、「三森さん」は「長い黒髪の美少女」役が多いなあ。ご本人がそうなだけに。


      ◇◇◇


 で、現在。


 届いた「ミルクタンク」を回収するために、『軌道リング』から『宇宙』へ出ようとすると、カオリちゃんから『★伝心☆』が届いた。


(ジンさん。あれほど『毛』には入らないように忠告したじゃないですか)


 んんん? なになに、どゆこと?


(さきほど『★迷子探し☆』と『★監視カメラ☆』の合わせ技で、ジンさんの現在位置を探ってみたんです)


 俺が「遠心力」による「疑似的な重力」がある区画にいる、と言ったのが気になって、独自に調査したらしい。俺様が錬成した史上最強クラスの魔法増幅アイテム『玉パン』で、『神聖術法』をブーストしたらしい。


 で? 俺はどこにいるの?


(見事に『毛』の中でしたよ)


 ひとを「シラミ」か「ダニ」みたいに言わないで。


(■にたいんですか?)


 そんなこと言われても、『軌道リング』内には人間用の「標識」やら「道案内」なんて、何ひとつ無いんだよ。ただの「真っ白い空間」なんだよ。しかも、無重力なんだよ。


(いま現在は、感じてるんでしょう?)


 いま感じてる「重力(ジー)」は……「遠心力」なんじゃあないの?

 でもな、ここにもいるらしい「宇宙適応型のヌメヌメスベスベ」は……ぜんぜん「g」とか無関係な感じだったしな。「重力」が必要な「居住区」とかは()らん気がするな


(ハムスターとかの『回し車』みたいな小規模な回転式の居住区とかではなく、もっともっと大規模な『軌道リング』による「遠心力」じゃないですか)


「……ああ」


 思い当たることがある。

 ホノカから――


(『軌道リング』からさらに『黒い線』を進むと、釣り合いのバランスが崩れて、『引力』よりも『遠心力』が勝つのだべさ。つまり、『線』に掴まってれば、勝手に『遠心力』で外へ外へと運ばれて行くのだべさ)


 ――とか聞いてるな。念話で。

 つまり、それ?


 ま、ここって「床面」があるから、そこで行き止まってるんだけどさ。


(『軌道リング』到着直後にジンさんがいた『白玉(しらたま)』状の構造物は……えーっと、『でっぱり』の根元らしいんです)


 さすがに「食べ物」に例えたあとで、『毛』とは言いにくかったらしい。でも、それもどうなの?


(そこから、ジンさんが突き進んだのが……)


 『毛』の中だったってことか……。


 てことは、まさか「粉砕機」用の「鉄球」が飛んで来るってこと? 「避けゲー」みたいに、それを回避しないといけないのか?


(いえ、『行き止まり』の『床面』があるというのなら……むしろ『溶鉱炉』として回避不可能な、そこの円筒部の直径と同じくらいの大きさの『巨大鉄球』が飛んで来るのでは……?)


 OH! NO!! そんなの、大野さんだって(かわ)せないよ。

 でも、あの主人公の彼ならば、■なない気もするな。


(ま、これは『おどし』です。きっと、そんな事にはならないと思いますよ。そこって、『毛』の根元付近らしくて、色がちょっと違うんです)


 染めた髪の根元が「地の色」になってるみたいな感じ?

 長時間、『宇宙』に(さら)されてると、色が変わるような材質で出来てるってこと?


 てか、ホントの「毛」みたいに、根元から伸びてんの?

 ホノカから聞いた話だけど、生えてないひとの「毛根」て、「休眠」してるだけなの? 救済はあるの? 細胞ははたらいてくれるの? 毛根細胞って「賢者」みたいなの?


(そこで感じてる『g』も、さほどではないんでしょう?)


 うん。まあ、宇宙飛行士の訓練に使われる「ぐるぐるマシーン」みたいに、体重の何倍もの「g」ってワケじゃないよ。むしろ、身体が軽いし。


(ぐるぐるマシーン? 『遠心機』? あるいは『回転椅子』のことですか?)


 ……イヤ、『回転椅子』ってなんなの?

 まさか、そのままの意味?


(わたしも詳しく知りませんが、『JAXA(ジャクサ)』にあるらしいですよ)


 宇宙飛行士の選抜試験とかに使われてるらしい。

 直後に「スイカ割り」とか、やらされるんだろうか?

 そんで、動力は一体なんなんだろう? まさかの人力?


 話戻すけど……「鉄球」って、どんなメカニズムで飛んで来るの?

 特に何もしないで、「遠心力」で自然に加速させてんのかな?


(きっと、そうなんじゃないんですか? あ、そう言えば実験どうでした? 『ガウス加速器』)


 『ガウス加速器』は、複数の「鉄球」と「磁石」を組み合わせた「加速装置」だ。

 一列に並べた鉄球の端に磁石をつけて、そこに鉄球をぶつけると、反対側の鉄球が「加速」して飛び出すやつだ。原理はまったく違うらしいけど、「ニュートンのゆりかご」に似てなくもない。イヤ、そんなには似てないか。ストラップレスだしな。


 カオリちゃんとホノカに頼まれて、いくつか「無重力実験」をしたのだ。

 俺がシコシコと『掌内錬成』していた「黒い球体」は、『ガウス加速器』用のものだったのだ。


(それで、無重力状態で動作しました?)


 うん、めっちゃ飛んだよ。

 でも、せっかく錬成した「鉄球」を失くしちゃったよ。

 某アニメみたいに、『軌道リング』をぐるっと一周して、戻って来たりしないか心配だよ。


 とにかく、『ガウス加速器』って、名前の通りに「磁力」が原動力……あ!


(どうしました?)


 俺も、『アアス』で実験してほしいことがある。

 ミーヨ、呼んで。


      ◇


(こす)るって……どのへん? 真ん中へん? 先っちょ?)


 どこでもいいから、強めに押し当てて、グイってして。


(わかった。じゃあ、擦るね。えいっ!)


 ナニをしてるかというと、『磁石』を作ってます。

 わざとエロい感じになるように、「切り取って」ます。編集テクです。 


(あ、飛んだ。ぴゅっ、って飛んだよ)


 飛んで、どうなったんだ?


(『黒い石ころ』に張り付いたけど?)


 その正体は「超強力な永久磁石」だ。


 それを、鉄の「縫い針」に擦り付けて、『磁石』にしたのだ。

 詳しく知らんけど、電子のスピンの向きを、整列させたのだ。


(水に浮かべたら……うん。『北行運河』と同じ向きになったよ)


 で、N極はどっちに向いてる?


(エヌ? ジンくんは『どエム』なんじゃ……)


 それは俺じゃなくて、「david」だよ。「ドM」だよ。「orz」だよ。

 そんで、あの作品の『SS』は、「シークレットサービス」だよ。


 じゃなくて、磁石の「S」と「N」だよ。


(そんなの、わかんないよ。色分けされてるわけじゃないもん)


 ……そりゃそうか。

 盲点だった。手作りの磁石じゃあ、極性なんて分かんないか。

 『地球』だと、「N」は「赤」になってるんだけどな。


 関係ないけど、北海道では「ポリタンク」の色が「赤」じゃないらしくて、道産子の二人と言い争いになったことがあったよ。


 ま、それは置いといて、ならば『王都』に「磁極」があると判明したな。

 きっと『永遠の道』が、「X」で交差してるのって、そういうことなんだろうな。


(……どういうこと?)


 『地球』には、「ジシャクアリ(磁石蟻)」て生き物がいるんだけどさ。

 そいつらの、モノリスみたいな巨大な「巣」は、正確に南北に伸びてるらしいんだよ。効率よく「日光」を利用するためらしいけど。


(『永遠の道』を造ったのは、『這い上がりしものたち』だって聞いたことあるけど?)


 その正体は、きっとアレなんだろうな。

 ミーヨが好きじゃないので、言わないけれど。


 ほかのものに例えると……柑橘類を剥くと、縦に分割されてるだろ?


(このあいだ、ホノカさんから『東の円』の『みかん』送ってもらったよ。あれみたいに?)


 俺の知らないところで、ヘンな交流があるらしいな。

 俺も食いたいな。みかん。「鍋」には入れなくてもいいけど。


(『磁石』の線が、『みかん』の(すじ)みたいになってて、それをなぞるみたいに『道』が造られてるってこと? そしたら、そのてっぺんて、どうなってるの? 頭の『つむじ』みたいになってるの?)


 だから、きっとそれが「X」なんだと思うんだけどな。


 そう言えば、「磁極」に「方位磁石」を置くと……どこをどう指すんだろ?

 たとえば、『地球』の「南極」とか「北極」とか。


 あと、「光のカーテン」みたいな、あの現象……。

 『王都』で、なんか特殊な天体現象起きたりするのかな? アレみたいな。


(『死の廃都』では、時々夜空に『光のびらびら』が見えるって聞いたことあるよ)


 ナニソレ、やらしい。びらびらて。 


(それって、『オーロラ』なのでは?)


 カオリちゃんだ。


(『おーらる』? ジンくんが、いつも『してして』って、せがむやつ?)


 ミーヨだ。


「……(半笑い)……」


 俺だ。


      ◇


 立つの?


(はい、『南極』では、そうらしいですよ。方位磁石の針が、地面に対して垂直に立って、下を向くんだそうです)


 『地球』を守る「磁場」の、磁力線のあつまるところだからな。そうなるのか?


 そしたら、『南極』でいっぱい「隕石」が見つかるのって、磁力線に乗って降って来るんかな? ……知らんけど。


 てか、その『ひかりのびらびら』って……。


(『光の』ですよ。訂正してください。そして謝罪してください)


 ハイ。訂正します。『光のびらびら』ですね。

 でも、謝罪するとキャラが特定されてしまうので、それはやめときます。


 それはそれとして、『オーロラ』って、どんな時に発生するんだっけ? 寒いとき?


(『太陽』の活動が活発化して、電離した粒子が大量に降り注いだ時に、大気が発光するのだべさ)


 『王都』で、そんな現象起きるなんて、聞いたことないな。


(違うよ。『光のびらびら』が見えるのは、『王都』の北の『死の廃都』の、北のほう。『月の欠片』の向こうに見えるんだって)


 ありゃ?

 とすると、『アアス』の「磁極」はどうなってるんだ?


(かつて、この惑星『アアス』に、『極移動(ポールシフト)』があったらしいんですけど)


 ああ、聞いたな、その話。

 てことは、『王都』の「X」って、旧・北極か……旧・南極ってことか。


 で、その「ポールシフト」。原因はなんなの?

 ナニかのポジションが気に入らなかったの? 俺には無縁な事象だけど。


(ジンくんも、パンツ穿()かないとタイホされちゃうよ?)


 『逮○しちゃうぞ』って、女神さまがロータスヨーロッパに乗って、異世界を旅するんだっけ?


(いろいろ混じって、完全に間違ってますよ)


 あと、『看護○ちゃうぞ』って、ゲームなかった?

 

(したっけ、あたしが『♪看護○さんは甘えん坊』を歌ってあげるのだべさ)


 なんで、そんなうた知ってんだよ!?


      ◇


 そんなことも(はさ)みつつ、「ミルクタンク」を回収するべく、準備をすすめて『宇宙』に出ることにした。


(中には『秋野菜』をいっぱい詰めといたよ)


 補給物資の大部分は「食料品」なのだ。

 炭素たっぷりの有機物だから、『錬金術』の素材としても使えるしな。


(気をつけてね。無茶はしないでね)


 ミーヨが心配してくれてる。


 あの「事故」以来だけど、別に平気だ。

 精神衛生面でも、ヘッチャラだ。●(気体)の河童(かっぱ)だ。俺は、そんなことでビビるようなタマじゃあないぜ。某アニメでは、尻子玉をカッパらうために「*」に突入するらしいぜ……。


      ◇


 なんだかんだとグダグダやりつつも、『毛』に入れたのは、むしろ好都合だ。


 最終目的地である『みなみのわっか』に、着実に近づいているのだ。

 惑星『アアス』をとりまく「(リング)」である『みなみのわっか』は、ドーナツ……というか、きっと「チャクラム」みたいなカタチだろうな。某・インド人少女を守るために、若かりし日の大佐が、スコップで戦った相手が使ってた「投擲武器」だ。『THE ○RIGIN』だ。


 リングの厚さは……『土星』の環と同程度だとすると、「数十m」くらいだと思われる。


 まるい『軌道リング』から、ぴょこんと突き出ている『毛』は、『軌道リング』の水平面から、わずかな仰角(ぎょうかく)あるいは俯角(ふかく)がついて、設置されていると思われる。『わっか』の構成物質とぶつからないようにするために。


(それはないそうです)


 またまた俺の推測が外れてた(泣)。


(無視できる薄さなので、角度はついてないらしいですよ)


 てか、そんな程度の「薄さ」で、よくも惑星の地表に「影」を落とせるもんだな。


(空に浮かんでる雲だって、小さな水蒸気の粒のあつまりじゃないですか)


 正確には、「(コア)」になるような大気中の微粒子「エアロゾル」が無いと、水蒸気が「雲」になることはないらしい。


 青い水の惑星『アアス』には、「火山」もないし、化石燃料を燃やしたりもしないので、エアロゾルが少ないせいか、雲がわきにくいらしい。わりと晴れた日が多い印象がある。


「祈願! ★マジカル・スペーススーツ☆」


 ああ、背中がひんやり。水が冷たいっス。


 結局、探し回っても『出口』は発見出来なかった。

 そのため、俺が「半ケツちゃん」たちと何泊かした『駅』の、「エアロック機構」をイメージしつつ、『拡大掌内錬成』で自作した。それに、まる一日を要したよ。


「待ってください!」


 幻聴かな? 若い女性の声がした。


 振り向くと、肌の露出度の高い奇抜な衣装を着た若い女性だった。


「わたしは、第4555代『聖女』。名をアウロラと申します」

「これはご丁寧に」


 慣例にしたがい、両手で握手した。

 てか、ミーヨの母親をコピーした『化物(ケモノ)』だ。


 巨乳女系一族「メルォン家」の血筋だけに、はっきり言って巨乳だ。

 ただし、左右の大きさが、かなり違うアシンメトリな巨乳だ。その先端は、「苺」で隠されてる。メルヒェンでメニアックな仕様だ。


 彼女は、「半ケツちゃん」と「そっくりちゃん」が合体した個体らしい。

 俺がダマされて食わされた「フルーツ盛り」で、大事なところを隠しているのだけれども……もしかすると「フルーツ盛り」の材料は、二体合体で「(あま)った皮」なのかもしれない。そんな気がする。……でも、「バナナ」で「股間」を隠すのは、どうなんだろう? 女性として。


 一時的に『全知神』さまの「依代(よりしろ)」となっていた事で、本来の「知性」を取り戻した……のかな?


 でも、明らかに痴女めいた姿だしな。

 歩くと、股間のバナナが左右に揺れてるし(笑)。


「わたしも『アアス』に帰りたい。一緒に連れて行ってください」


 なんか「かぐや姫」みたいなこと言われた。


「イヤ、まだまだ帰らないっスよ? ちょっと外に出て、荷物を回収するだけっス」

「そんな! ……(がっくし)……」


 めっちゃショックを受けて、膝から崩れ落ちてる。


 俺は『とても寒い冬』を阻止するために、『新たな月』を創り出そうとしている。


 自分で言うのもなんだけど、「歴史的偉業」だ。

 その「記録撮影要員」として「半ケツちゃん」に、『アアス』のムービーカメラ『全知神の瞳』の操作方法を仕込んでおいた。


 しかし残念ながら、彼女は俺の知らんところで「変形合体」して、「このひと」になってしまった。


 どうしよう?

 代わりの「カメラウーマン」として、連れてこうかな?


「……はううう」


 (めい)の、クリムソルダ嬢みたいになってるし。


 ま、そっとしておこう。


 てか、『魔法』を発動させてしまった以上、「三打点(約4.5時間)」の時間制限があるのだ。急がないと。


      ◆


 長引くなあ(泣)。

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