221★最終章[22]◇いまいるこのばしょ
「……うっ!」
お尻に、ずん! と来た。
(……ジ、ジンさん?)
ち、違うよ。
いま俺がいる区画って、なぜか回転してて、その遠心力による「疑似重力」があるらしいんだよ。なので、ついつい「体育座り」してたら……床面から突き上げるような衝撃があったんだよ。
てか、これ、『★召喚☆』しといた「ミルクタンク」が、ようやっと到着したんだろうな。
(『ホワイト○ース』や『アー○マ』にも有りましたよね。回転式の居住区。と言いますか、『スペースコロニー』そのものが回転してますもんね)
うん、きっとそんな感じだと思う。
そう言えば……日本で初めてコンピュータ・グラフィックスが使用されたアニメーション作品は劇場版の『ガン○ム』で、「スペースコロニーが回転してるシーン」だったって聞いた事あるな。
◆◇◆
俺が『宇宙』に来て、もうどれくらい経過しただろう?
あいだ数日間の「記憶」がすっ飛んでるから、ホントにもうどれくらい『宇宙』にいるのか……不明だ。
長期間無重力状態でいると、人体にいろいろとネガティヴな影響が出るのは、さすがの俺も知っている。
筋力の低下とか骨の劣化とか心臓とか血液とか……。
もともと重力のある場所で生活してるがために、生物の身体中の「水分」は自然と下に下がるらしい。それを自動的に補正してくれる身体の機構が、うまく機能しなくなるのが、主な原因らしい。
宇宙から帰還した宇宙飛行士が、自力で立てず、人に支えてもらわないとならなくなるもんな。「国際宇宙ステーション」とかじゃあ、毎日「筋トレ」してるし。
(それは、筋肉ではなく、バランス感覚の問題だべさ。無重力で平衡感覚が狂ってまって、重力のある場所に戻ると、ぐるぐる目が回るらしいべさ)
お、ホノカだ。
てか、そーなんだ? 筋力の低下が原因じゃないんだ?
(筋トレするんなら、あたしが『♪お願いマッ○ル』を歌ってあげるのだべさ)
知らない曲なのに、「合いの手」やらされるから、いいです。「ちっちゃい重機」って、なんなんスか?
あと、ゾンビに「筋トレ」は意味あるんかな?
(『ウ○娘』や『勇者』には、筋トレが大事だべさ)
イヤ、俺は『勇者』じゃないってば!
(して、無重力では、味覚に異変が生じる場合もあるのだべさ)
いつだったか、「アンコ入りのチョコ」をばくばく食ってたユヒ・ホノカ嬢だ。
(最悪、まったく味を感じなくなってしまうのだべさ。由々しき事態だべさ)
確かに、それは『ゆゆゆ』しき事態だな。『わすゆ』てはいけないな。
そうならないためにも、「重力」があるところを探さないとな。
(先日の『宇宙シコシコ作戦』では、66回シコシコしたんだども)
きゃ! 恥ずかしいから、回数とかヤメテよ!!
(そのついでに、色々な『実験』をさせてもらったのだべさ)
『東のタワー』の『宇宙ピストン』の「末端部」は、高度約300㎞まで上昇するらしいのだ。でも、どうやって計測したんだろう? 航空機の「高度計」の動作原理すら知らないな。三角関係……じゃなくて、三角関数的な何かかな。
(『マク○ス』シリーズのテーマは、『うた』と『三角関係』なのだべさ)
基本は「♀♂♀」だけど、「♂♀♂」もあったらしい。その作品には、「無人機」とか「AI」が登場する先進的な内容だったらしい。「プラス」らしい。
(『セー○ームーン』には『グチャグチャ恋の四角関係』て話があったべさ)
女児向けなんじゃあないの? いいの?
そんで、男女の組み合わせはどうなってるんだ?
ま、それはそれとして、ホノカのほうの「実験」って?
(『落下式無重量状態』だべさ)
『宇宙ピストン』は、垂直ピストンだけに「上下」する。
その「下り」の時には、飛行機で弾道飛行すると中が……イヤ、そっちじゃなくて遊園地にあるアレだな。とんでもない規模の「フリーフォール」みたいな事が出来るワケか。「疑似的な無重力」が体験できるワケだ。
(あと、高高度からの降下訓練も行ったのだべさ)
どこの空挺団だよ? どこかに奇襲かける気か?
てか、そんな装備あるの? パラシュートとか。
(『★ムササビスーツ☆』だべさ)
それは、俺が『宇宙』からの「帰り」の最終段階で、『アアス』の空を楽しく滑空しようと思って開発した『魔法』だぞ? 勝手に使うな! 使用料払え! ま、俺のも『地球』の「ウイングスーツ」のアレだけど。
(食品加工実験の方は、失敗に終わったのだべさ)
初回の「シコシコ」で依頼しといた「食べ物」主体の「補給物資」は、結局そのまま「手つかず」で『アアス』に逆戻りしたそうだ。
補給物資の中には、『太陽の大洋』で獲れた「おさかな」もあり、それらの「鮮魚」は、水分を失って「干物」みたいになって、地上に戻ったらしい。
(カチンコチンの『棒鱈』みたいだったべさ)
ヨーロッパでの「塩鱈」の干物は、「バカラオ」だか「バカラーダ」とか言う名前だったかな? 実は、似たようなものが『女王国』にもあるのだ。
とにかく、その「脱水作用」をヒントに、高度上昇による「冷却」と「乾燥」と、さらにその後に「真空」になるのを利用して、「フリーズドライ食品」を作れないかどうか、試してみたらしい。
(『帰り』に雲を突き抜けた場合には、びちょびちょに濡れるのだべさ)
ダメモトでやってみたら、失敗に終わったらしい。
でも、フードロスを防ぐべく、スタッフが美味しくいただいたらしい。
てか、びちょびちょに濡れる……のか。
(先っちょが濡れるのだべさ)
『宇宙ピストン』の『アアス』側の末端部は、人間が数人乗れるような「ステップ」みたいになっていた。
それって、『ピストン』のハメ戻しの、「大気圏再突入」用の「耐熱ノーズコーン」だと思うんだけどな。それが濡れるの?
それも、どんな原理で「耐熱」してるんだろうな。
空力的な「断熱圧縮」で、めっちゃ高温になるハズなんだけどな。場合によっては一万度超えるらしいから、もはや空気がプラズマ化してるだろうな。
(小惑星探査機『はやぶさ』の大気圏突入用のカプセルは、表面の断熱材が溶けてガス化して、そのガスの薄い膜で本体が守られていたのだべさ)
……ガスの薄膜?
そしたら、熱いフライパンの上とかで、水が球になって飛び跳ね回る現象なんだっけ? ウォータースライダー?
(……そうめんそうめんそうめんそうめん)
ナニソレ?
ま、俺も知っててボケてるんだけど、「ポロリ」の期待大な「ウォータースライダー」じゃなくて、「ライデンフロスト効果」だよ。なんで知ってるかと言うと、『アル○ノア・ゼロ』で観たよ。レーザーブレードで弾丸はじいてたよ。ただし、作中では「現象」だったよ。
それはそれとして、旅館の宴会とかで出される「紙の鍋」が、直接火にかけても燃えないのと同じような理屈か? ……知らんけど。
てか、そんなこと考えてたら、また腹減ってきたなあ。
ホノカさん。俺、『石狩鍋』食いたいです。
(あたしは『鮭とば』が食べたいべさ)
『鮭とば』かあ。俺も食いたい。
『ゴールデ○カムイ』で、アシ○パさんの村で作ってたのは「ルイペ(凍り干し)」だっけか?
……てか、そもそも『アアス』の海に「鮭」っているの?
放送時期的に、俺は『ヴィン○ンド・サガ』は観れなかったのだけれど。
俺の「先輩」から、それよりもずっと昔に放送された『小さなバイ○ング ビッケ』って作品で、ヴァイキングの船が「北米大陸」と思しき未開の土地にたどり着いて、大量の「鮭」を獲りまくってた……って話を聞いたことあるな。
(『東の円』の『中つ海』に、「ベニマス」ならいるべさ。身はサーモンピンクなのだべさ)
マスかあ……。
サーモンピンクかあ……。
ごめん、ちょっと思い出したことがあるんで、『★伝心☆』切ってもらえる?
(『第二次宇宙シコシコ作戦』だべか?)
イヤ、「第二次」じゃあないよ?
◇
といったホノカとのやり取りもあり、俺は「g」を求めた。
無重力による身体への悪影響をキャンセルするべく、重力がある場所を探して、真っ白い空間がひろがる『軌道リング』内を彷徨ったのだ。
そして、何枚目かの「鉄の扉」を開けた先にあったのが、この「疑似重力区画」だった。
中に入ると、ふーっ、と身体が「床面」に向かって沈んだ。
ふと見ると、俺様の俺様も行動の自由度を失って、上を向いてる。これはホノカとの念話中に、いろいろな思い出がスライドショーのように蘇ってしまったからだ。
「これって、重力……?」
漏らした独り言に応えるものはいなかった。
「……床に……足が……着くぞ?」
ただ、『アアス』の地表面ほどの「g」は感じない。
あくまでも「遠心力」による疑似的なものだから、正確には再現出来ないのかもしれないけれど……身体が軽い。ぴょんぴょん跳べる。以前、カオリちゃんの無自覚な『祈願』によって、高度を上昇させられた時みたいな感覚だ。
ためしに、ぴょーん、と跳んでみよう。バッタみたいに。
カオリちゃんは、「バッタ」と聞くと「昆虫」ではなく水泳の方の「バタフライ」を思い浮かべてしまうらしい。詳しく聞いてないけど、何かのアニメの影響らしい。
あと、『少女☆歌劇 レヴュースタァ○イト』には、役を演じる声優さんたちによる2.5次元な「舞台公演」があるのだけれど……実は、アニメ版よりも舞台版のほうが先だったらしい。最初の公演では、「神○ひかり」を演じた「三森さん」による「すごいジャンプ」が披露されたらしい。アニメ版は、それとそっくりだったらしい。
にしても、「三森さん」は「長い黒髪の美少女」役が多いなあ。ご本人がそうなだけに。
◇◇◇
で、現在。
届いた「ミルクタンク」を回収するために、『軌道リング』から『宇宙』へ出ようとすると、カオリちゃんから『★伝心☆』が届いた。
(ジンさん。あれほど『毛』には入らないように忠告したじゃないですか)
んんん? なになに、どゆこと?
(さきほど『★迷子探し☆』と『★監視カメラ☆』の合わせ技で、ジンさんの現在位置を探ってみたんです)
俺が「遠心力」による「疑似的な重力」がある区画にいる、と言ったのが気になって、独自に調査したらしい。俺様が錬成した史上最強クラスの魔法増幅アイテム『玉パン』で、『神聖術法』をブーストしたらしい。
で? 俺はどこにいるの?
(見事に『毛』の中でしたよ)
ひとを「シラミ」か「ダニ」みたいに言わないで。
(■にたいんですか?)
そんなこと言われても、『軌道リング』内には人間用の「標識」やら「道案内」なんて、何ひとつ無いんだよ。ただの「真っ白い空間」なんだよ。しかも、無重力なんだよ。
(いま現在は、感じてるんでしょう?)
いま感じてる「重力」は……「遠心力」なんじゃあないの?
でもな、ここにもいるらしい「宇宙適応型のヌメヌメスベスベ」は……ぜんぜん「g」とか無関係な感じだったしな。「重力」が必要な「居住区」とかは要らん気がするな
(ハムスターとかの『回し車』みたいな小規模な回転式の居住区とかではなく、もっともっと大規模な『軌道リング』による「遠心力」じゃないですか)
「……ああ」
思い当たることがある。
ホノカから――
(『軌道リング』からさらに『黒い線』を進むと、釣り合いのバランスが崩れて、『引力』よりも『遠心力』が勝つのだべさ。つまり、『線』に掴まってれば、勝手に『遠心力』で外へ外へと運ばれて行くのだべさ)
――とか聞いてるな。念話で。
つまり、それ?
ま、ここって「床面」があるから、そこで行き止まってるんだけどさ。
(『軌道リング』到着直後にジンさんがいた『白玉』状の構造物は……えーっと、『でっぱり』の根元らしいんです)
さすがに「食べ物」に例えたあとで、『毛』とは言いにくかったらしい。でも、それもどうなの?
(そこから、ジンさんが突き進んだのが……)
『毛』の中だったってことか……。
てことは、まさか「粉砕機」用の「鉄球」が飛んで来るってこと? 「避けゲー」みたいに、それを回避しないといけないのか?
(いえ、『行き止まり』の『床面』があるというのなら……むしろ『溶鉱炉』として回避不可能な、そこの円筒部の直径と同じくらいの大きさの『巨大鉄球』が飛んで来るのでは……?)
OH! NO!! そんなの、大野さんだって躱せないよ。
でも、あの主人公の彼ならば、■なない気もするな。
(ま、これは『おどし』です。きっと、そんな事にはならないと思いますよ。そこって、『毛』の根元付近らしくて、色がちょっと違うんです)
染めた髪の根元が「地の色」になってるみたいな感じ?
長時間、『宇宙』に曝されてると、色が変わるような材質で出来てるってこと?
てか、ホントの「毛」みたいに、根元から伸びてんの?
ホノカから聞いた話だけど、生えてないひとの「毛根」て、「休眠」してるだけなの? 救済はあるの? 細胞ははたらいてくれるの? 毛根細胞って「賢者」みたいなの?
(そこで感じてる『g』も、さほどではないんでしょう?)
うん。まあ、宇宙飛行士の訓練に使われる「ぐるぐるマシーン」みたいに、体重の何倍もの「g」ってワケじゃないよ。むしろ、身体が軽いし。
(ぐるぐるマシーン? 『遠心機』? あるいは『回転椅子』のことですか?)
……イヤ、『回転椅子』ってなんなの?
まさか、そのままの意味?
(わたしも詳しく知りませんが、『JAXA』にあるらしいですよ)
宇宙飛行士の選抜試験とかに使われてるらしい。
直後に「スイカ割り」とか、やらされるんだろうか?
そんで、動力は一体なんなんだろう? まさかの人力?
話戻すけど……「鉄球」って、どんなメカニズムで飛んで来るの?
特に何もしないで、「遠心力」で自然に加速させてんのかな?
(きっと、そうなんじゃないんですか? あ、そう言えば実験どうでした? 『ガウス加速器』)
『ガウス加速器』は、複数の「鉄球」と「磁石」を組み合わせた「加速装置」だ。
一列に並べた鉄球の端に磁石をつけて、そこに鉄球をぶつけると、反対側の鉄球が「加速」して飛び出すやつだ。原理はまったく違うらしいけど、「ニュートンのゆりかご」に似てなくもない。イヤ、そんなには似てないか。ストラップレスだしな。
カオリちゃんとホノカに頼まれて、いくつか「無重力実験」をしたのだ。
俺がシコシコと『掌内錬成』していた「黒い球体」は、『ガウス加速器』用のものだったのだ。
(それで、無重力状態で動作しました?)
うん、めっちゃ飛んだよ。
でも、せっかく錬成した「鉄球」を失くしちゃったよ。
某アニメみたいに、『軌道リング』をぐるっと一周して、戻って来たりしないか心配だよ。
とにかく、『ガウス加速器』って、名前の通りに「磁力」が原動力……あ!
(どうしました?)
俺も、『アアス』で実験してほしいことがある。
ミーヨ、呼んで。
◇
(擦るって……どのへん? 真ん中へん? 先っちょ?)
どこでもいいから、強めに押し当てて、グイってして。
(わかった。じゃあ、擦るね。えいっ!)
ナニをしてるかというと、『磁石』を作ってます。
わざとエロい感じになるように、「切り取って」ます。編集テクです。
(あ、飛んだ。ぴゅっ、って飛んだよ)
飛んで、どうなったんだ?
(『黒い石ころ』に張り付いたけど?)
その正体は「超強力な永久磁石」だ。
それを、鉄の「縫い針」に擦り付けて、『磁石』にしたのだ。
詳しく知らんけど、電子のスピンの向きを、整列させたのだ。
(水に浮かべたら……うん。『北行運河』と同じ向きになったよ)
で、N極はどっちに向いてる?
(エヌ? ジンくんは『どエム』なんじゃ……)
それは俺じゃなくて、「david」だよ。「ドM」だよ。「orz」だよ。
そんで、あの作品の『SS』は、「シークレットサービス」だよ。
じゃなくて、磁石の「S」と「N」だよ。
(そんなの、わかんないよ。色分けされてるわけじゃないもん)
……そりゃそうか。
盲点だった。手作りの磁石じゃあ、極性なんて分かんないか。
『地球』だと、「N」は「赤」になってるんだけどな。
関係ないけど、北海道では「ポリタンク」の色が「赤」じゃないらしくて、道産子の二人と言い争いになったことがあったよ。
ま、それは置いといて、ならば『王都』に「磁極」があると判明したな。
きっと『永遠の道』が、「X」で交差してるのって、そういうことなんだろうな。
(……どういうこと?)
『地球』には、「ジシャクアリ(磁石蟻)」て生き物がいるんだけどさ。
そいつらの、モノリスみたいな巨大な「巣」は、正確に南北に伸びてるらしいんだよ。効率よく「日光」を利用するためらしいけど。
(『永遠の道』を造ったのは、『這い上がりしものたち』だって聞いたことあるけど?)
その正体は、きっとアレなんだろうな。
ミーヨが好きじゃないので、言わないけれど。
ほかのものに例えると……柑橘類を剥くと、縦に分割されてるだろ?
(このあいだ、ホノカさんから『東の円』の『みかん』送ってもらったよ。あれみたいに?)
俺の知らないところで、ヘンな交流があるらしいな。
俺も食いたいな。みかん。「鍋」には入れなくてもいいけど。
(『磁石』の線が、『みかん』の筋みたいになってて、それをなぞるみたいに『道』が造られてるってこと? そしたら、そのてっぺんて、どうなってるの? 頭の『つむじ』みたいになってるの?)
だから、きっとそれが「X」なんだと思うんだけどな。
そう言えば、「磁極」に「方位磁石」を置くと……どこをどう指すんだろ?
たとえば、『地球』の「南極」とか「北極」とか。
あと、「光のカーテン」みたいな、あの現象……。
『王都』で、なんか特殊な天体現象起きたりするのかな? アレみたいな。
(『死の廃都』では、時々夜空に『光のびらびら』が見えるって聞いたことあるよ)
ナニソレ、やらしい。びらびらて。
(それって、『オーロラ』なのでは?)
カオリちゃんだ。
(『おーらる』? ジンくんが、いつも『してして』って、せがむやつ?)
ミーヨだ。
「……(半笑い)……」
俺だ。
◇
立つの?
(はい、『南極』では、そうらしいですよ。方位磁石の針が、地面に対して垂直に立って、下を向くんだそうです)
『地球』を守る「磁場」の、磁力線のあつまるところだからな。そうなるのか?
そしたら、『南極』でいっぱい「隕石」が見つかるのって、磁力線に乗って降って来るんかな? ……知らんけど。
てか、その『ひかりのびらびら』って……。
(『光の』ですよ。訂正してください。そして謝罪してください)
ハイ。訂正します。『光のびらびら』ですね。
でも、謝罪するとキャラが特定されてしまうので、それはやめときます。
それはそれとして、『オーロラ』って、どんな時に発生するんだっけ? 寒いとき?
(『太陽』の活動が活発化して、電離した粒子が大量に降り注いだ時に、大気が発光するのだべさ)
『王都』で、そんな現象起きるなんて、聞いたことないな。
(違うよ。『光のびらびら』が見えるのは、『王都』の北の『死の廃都』の、北のほう。『月の欠片』の向こうに見えるんだって)
ありゃ?
とすると、『アアス』の「磁極」はどうなってるんだ?
(かつて、この惑星『アアス』に、『極移動』があったらしいんですけど)
ああ、聞いたな、その話。
てことは、『王都』の「X」って、旧・北極か……旧・南極ってことか。
で、その「ポールシフト」。原因はなんなの?
ナニかのポジションが気に入らなかったの? 俺には無縁な事象だけど。
(ジンくんも、パンツ穿かないとタイホされちゃうよ?)
『逮○しちゃうぞ』って、女神さまがロータスヨーロッパに乗って、異世界を旅するんだっけ?
(いろいろ混じって、完全に間違ってますよ)
あと、『看護○ちゃうぞ』って、ゲームなかった?
(したっけ、あたしが『♪看護○さんは甘えん坊』を歌ってあげるのだべさ)
なんで、そんなうた知ってんだよ!?
◇
そんなことも挿みつつ、「ミルクタンク」を回収するべく、準備をすすめて『宇宙』に出ることにした。
(中には『秋野菜』をいっぱい詰めといたよ)
補給物資の大部分は「食料品」なのだ。
炭素たっぷりの有機物だから、『錬金術』の素材としても使えるしな。
(気をつけてね。無茶はしないでね)
ミーヨが心配してくれてる。
あの「事故」以来だけど、別に平気だ。
精神衛生面でも、ヘッチャラだ。●(気体)の河童だ。俺は、そんなことでビビるようなタマじゃあないぜ。某アニメでは、尻子玉をカッパらうために「*」に突入するらしいぜ……。
◇
なんだかんだとグダグダやりつつも、『毛』に入れたのは、むしろ好都合だ。
最終目的地である『みなみのわっか』に、着実に近づいているのだ。
惑星『アアス』をとりまく「環」である『みなみのわっか』は、ドーナツ……というか、きっと「チャクラム」みたいなカタチだろうな。某・インド人少女を守るために、若かりし日の大佐が、スコップで戦った相手が使ってた「投擲武器」だ。『THE ○RIGIN』だ。
リングの厚さは……『土星』の環と同程度だとすると、「数十m」くらいだと思われる。
まるい『軌道リング』から、ぴょこんと突き出ている『毛』は、『軌道リング』の水平面から、わずかな仰角あるいは俯角がついて、設置されていると思われる。『わっか』の構成物質とぶつからないようにするために。
(それはないそうです)
またまた俺の推測が外れてた(泣)。
(無視できる薄さなので、角度はついてないらしいですよ)
てか、そんな程度の「薄さ」で、よくも惑星の地表に「影」を落とせるもんだな。
(空に浮かんでる雲だって、小さな水蒸気の粒のあつまりじゃないですか)
正確には、「核」になるような大気中の微粒子「エアロゾル」が無いと、水蒸気が「雲」になることはないらしい。
青い水の惑星『アアス』には、「火山」もないし、化石燃料を燃やしたりもしないので、エアロゾルが少ないせいか、雲がわきにくいらしい。わりと晴れた日が多い印象がある。
「祈願! ★マジカル・スペーススーツ☆」
ああ、背中がひんやり。水が冷たいっス。
結局、探し回っても『出口』は発見出来なかった。
そのため、俺が「半ケツちゃん」たちと何泊かした『駅』の、「エアロック機構」をイメージしつつ、『拡大掌内錬成』で自作した。それに、まる一日を要したよ。
「待ってください!」
幻聴かな? 若い女性の声がした。
振り向くと、肌の露出度の高い奇抜な衣装を着た若い女性だった。
「わたしは、第4555代『聖女』。名をアウロラと申します」
「これはご丁寧に」
慣例にしたがい、両手で握手した。
てか、ミーヨの母親をコピーした『化物』だ。
巨乳女系一族「メルォン家」の血筋だけに、はっきり言って巨乳だ。
ただし、左右の大きさが、かなり違うアシンメトリな巨乳だ。その先端は、「苺」で隠されてる。メルヒェンでメニアックな仕様だ。
彼女は、「半ケツちゃん」と「そっくりちゃん」が合体した個体らしい。
俺がダマされて食わされた「フルーツ盛り」で、大事なところを隠しているのだけれども……もしかすると「フルーツ盛り」の材料は、二体合体で「余った皮」なのかもしれない。そんな気がする。……でも、「バナナ」で「股間」を隠すのは、どうなんだろう? 女性として。
一時的に『全知神』さまの「依代」となっていた事で、本来の「知性」を取り戻した……のかな?
でも、明らかに痴女めいた姿だしな。
歩くと、股間のバナナが左右に揺れてるし(笑)。
「わたしも『アアス』に帰りたい。一緒に連れて行ってください」
なんか「かぐや姫」みたいなこと言われた。
「イヤ、まだまだ帰らないっスよ? ちょっと外に出て、荷物を回収するだけっス」
「そんな! ……(がっくし)……」
めっちゃショックを受けて、膝から崩れ落ちてる。
俺は『とても寒い冬』を阻止するために、『新たな月』を創り出そうとしている。
自分で言うのもなんだけど、「歴史的偉業」だ。
その「記録撮影要員」として「半ケツちゃん」に、『アアス』のムービーカメラ『全知神の瞳』の操作方法を仕込んでおいた。
しかし残念ながら、彼女は俺の知らんところで「変形合体」して、「このひと」になってしまった。
どうしよう?
代わりの「カメラウーマン」として、連れてこうかな?
「……はううう」
姪の、クリムソルダ嬢みたいになってるし。
ま、そっとしておこう。
てか、『魔法』を発動させてしまった以上、「三打点(約4.5時間)」の時間制限があるのだ。急がないと。
◆
長引くなあ(泣)。




