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213★最終章[14]◇宇宙シコシコ作戦[中]



(うー……)⇒ミーヨ。

(ワン! ツー!)⇒ホノカ。

(サン○ャイン!!)⇒カオリちゃん。


 怒られない!?


 ちょっと心配になる「掛け声」を合図に、『作戦』は開始された。


      ◇


 『軌道エレベータ』の構造体である「黒い線」は、4本ある。


 その中の1本だけが「当たり」だ。『宇宙ピストン』だ。

 そこに、中○家の五つ子ちゃん全員分の荷重をかけることによって、ストッパーが解除され、『宇宙ピストン』は上昇を開始する。


 俺は、『美南海(みなみ)』の「リン(しま)」にある『軌道エレベータ』では、4本の「黒い線」を「総当たり」して、最後の最後でやっと「当たり」を引き当てた。


 しかし、ホノカは違った。

 なんと、一発で「当たり」を引き当てたのだ。


 そっくりの姿かたちに化けた五つ子ちゃんたちを、すべて見分ける祖父が(ごと)くに! その祖父(いわ)く、それは「愛があれば」可能らしい。主人公の○太郎君も「五」に扮した「三」を見破ったそうだけれども、どこをどう見て見破ったんだろう? しりたい(※博多弁ではありません)。


 ……ま、実を言うと、前もって「茶番」を仕組んでいたのだ。


      ◇


 『太陽の大洋』の赤道付近で発見された『軌道エレベータ』の基部『東のタワー』は、ねじれた「きなこ棒」のようなカタチをしていた。


 おそらくは「風対策」であろう、その形状は、地上からの登攀(とうはん)(こば)んでいた。


 俺をサポートしてくれることになった「地上班」の中には、『★飛行☆』を使えないひともいたので、飛行船を『★召喚☆』して、それをヘリコプター代わりにして、タワーの最上部へと人員を送ることになった。


 その「待ち時間」に、こっそりと頼まれたのだ。


      ◆◇◆


(『ヒトリダケナンテエラベナイヨー!』)


 ……ナニソレ?


(ある女性声優の、苦悶と苦悩の(なげ)きなのだべさ)


 よく分からんけど……そうなんだ? (なや)ましいこと。


 ホノカの用件は、こうだった。


(どれが『当たり』なのか、知っときたいのだべさ)


 4本ある「黒い線」の中で、どれが『宇宙ピストン』なのかを、事前に知っておきたいらしい。なお、断言しておくが、某・同好会に「ハズレ」はいない。


(だども、「レズ」っぽい子はいなくもないべさ)


 そこは、「百合」と言え! 美しく飾れ!!

 てか、誰なの、それ? 後でこっそり教えてね!


 ……それはそれとして、「当たり」を知って、どーすんの?

 効率化? 一度二度間違ったとしても、大した手間じゃないだろうに。


(いざ本番になったら、一発でズバッと引き当てたいのだべさ。したら、言われるべさ。『火巫女(ヒミコ)』さま、すげ――っ!! って)


 それは、虚栄心からなのか?

 みんなから、チヤホヤされたいのか?


(そうでなくて……。やっと独立して正式に女王の位に即いたとは言え、あたしの立場もまだまだ盤石(ばんじゃく)とは言えないのだべさ)


 人気取りの小細工か?

 いわゆる「政治的な演出」に使いたいってぇのか?


(『黒い線』選ぶのは、女王たるあたしの役目なのだべさ。託されてるのだべさ)


 こんなんでも、一応は『東の円十二単王国』の「女王」だもんな。

 確かに、「引き」が強かったら、「持ってる」と思われるだろうな。

 まわりの人間が、(おそ)(おのの)き、ホノカを(たた)え、(まつ)り上げるだろうな。


(あたしはそんな、いいフリこきはしたくないんだども……)


 側近の『御伽衆(オトギシュウ)』が、「やれやれ」とうるさいらしい。

 断っておくけど、「Do」の方だ。「Jo」が二つの方じゃなくて。


 だがしかし!


 俺に、そんな「茶番」の「片棒を(かつ)げ」と?


 ……あの作品にも、「う○い棒」とか「きなこ棒」とか「ふがし」とか「ホー○ランバーの当り棒」とか……色々な棒状の菓子が出てきたけれども。最後のは重要なキーアイテムになってたけれども。


(ところで、ジンさん。好きな棒状のお菓子と言えば?)


 なんのフォローか、いきなりカオリちゃんが割り込んできたよ。


 俺はもちろん、ブル○ン製菓の「チョコ○エール」だよ。ブレないよ。


 ふと思い出したけど、『キズナイー○ー』では「ル○ンド」が実名で出てたよ。

 別作品だけど、「バーム○ール」らしきお菓子が「一条家の食卓」に置いてあったよ。そこん()のしっかり者の一人娘は、両親の前だと意外なほど「甘えん坊」だよ。


 あと、俺は○リじゃないけど、「ホワイトロ○ータ」も好きだよ。


 ホノカオの二人は北海道に所縁(ゆかり)があるし、『白い○人』か?

 ま、「棒状」と呼ぶには、ちょっと微妙な形状ではあるけれども。


(『白い恋○』は板状です。『六○亭』の『マル○イバターサンド』と間違えてません?)


 ……そうかも。


(ずら○が食べてた『の○ぽ』が食べたいべさ)


 静岡やん! 伊豆やん! 『サンシャ○ン!!』やん!!

 あれって、伊東だっけ? イヤ、沼津(ぬまづ)市民のソウルフードか?


(沼津だべさ。伊東さんは、宇宙ものアニメのヒロインなのだべさ。伊東家の食卓は、食べ物てんこ盛りなのだべさ)


 ……何の話だろ? 少なくとも、俺は知らないな。


(せんに「パ○コ」の話した時、二本とも独り占めするキャラがいるって言ったべさ。同じキャラだべさ)


 ああ、『美南海』で帆船に乗って旅してた時だな。

 よく覚えてないけど……そんな話の流れだっけ?

 そんで、実は「チョコ○エール」も「二本入り」だよ。でも、分けないよ。ごくフツーに独り占めするよ。


 それはいいとして、その作品のタイトルは?


(『宇宙』に出たら、お教えするべさ。お楽しみに)


 予告か!


 お前まで、そんなことを……。

 まったく、カオリちゃんとは「姉妹」だなあ。


 そんで、伊東さんって誰? 何かの班長? 

 ホノカから聞いた「未来のアニメ」の、寮のルームメイトか?

 某サークルは、伊豆でキャンプしたのか?


 イヤ、「宇宙もの」ってことだな?

 なら、かなり絞られてくるな。たぶん、アレだろうな。


 そんで、ここって『駅』の中とは言え、もう『宇宙』なんだけどなあ。


 ま、それは置いといて、その手の「不正(ズル)」は良くないよ。

 俺、小心者の小市民だから、『神前じゃんけん大会』のあとの「くじ引き」で()りてるよ。もうヤだよ。


(あたしの叔母さんが『全知全能神神殿』から貰って来た『全知神の瞳』で、「選択の様子」が、『東の円』に生中継されるらしいのだべさ)


 ……なんで、そんな「おおごと」になってんの?


 おととい『第一中継駅』から放逐された俺の様子を見るために、『聖女』さま(※中身はカオリちゃん)が派遣して寄こした『全知神の瞳』は、「気象観測衛星」に近いものだったらしい。


 実は、現在もそれは、ドロレスちゃんに()けた『化物(ケモノ)』たちによって回収され、この『駅』の中にある。


 ただ、例によって例のごとく、二打点(約3時間)経過で、『魔法』の効果は切れてしまっていて、「目」をかたどった、ただの「魔除けのおまもり」と()している。眠そうな閉じかけの「半目(はんめ)」の球体だ。


 それと同じ「生きた」ヤツを、「TV中継用」に持ち込んで来てるらしい。

 要は、動画撮影可能な「カメラ」なんだよな。イヤ、それだけじゃなくて、遠隔地に動画を転送することまで出来るんだもんな。万能すぎる。


 俺の右目の……。


 …………。


 ……。


 うん、分かった。協力する。茶番の片棒かつぐよ。


(例の『魔法』で、お願いするべさ)


 おう! おかせとけ!


(いきなり、あっさりと翻意(ほんい)して承諾しましたね?)


 カオリちゃんが、疑念のこもった思念波を送って寄越した。


 イヤ、だって俺は、ホノカに頼まれたら……断れないのだ。

 『東の円』滞在中、色んな所を見学させてもらってるしな。


(あ! 分かった! あの「おっぱい」って)


 またまたミーヨが乱入して来てるし。


 ……でも、それは違うぞ? 誤解だぞ。


      ◇


 まる二日ぶりに、『宇宙』に出た。


 ちょっと肌寒いな。


(肌寒い? どういう事ですか?)


 今回は、無敵のバリアー『★不可侵の被膜☆』はOFFにして、『東の円』で新規開発した『★マジカル・スペーススーツ☆』を身にまとって、宇宙空間に出て来たのだ。


 これなら、『守護の星(普通サイズ)』で形成された「金魚鉢」をさかさにしたみたいな「ヘルメット(バブル)」に相当する部位に、呼吸可能な「空気」がある。『魔法』も使えるのだ。


(……そういう事ですか)


 なお、『★マジカル・スペーススーツ☆』は「素肌に装着する透明な魔法の宇宙服」なので、見た目は完全に「全裸」だ(笑)。


(…………)


 カオリちゃんが無言だ。

 実は、『魔法』の「新規開発」と言っても、俺自身は「新作の完全オリジナル魔法」を発動出来ないという制限がある「謎な仕様」だ。


 なので、彼女に発動してもらい、それを俺の「魔法コピー能力」でラーニングしたのだ。


 つまり、当時彼女も「全裸」だったのだ。


(…………)


 しかし、彼女のベースは「俺のコピー体」。

 俺たちは、『神造の双子』なのだ。


 いつの間にか、お互いに全裸でも意識しなくなっていたし、一緒にお風呂に入ったこともある。


(……あのときは同性だったからですよ。特別です)


 ただし、いま現在、俺は元々の「男の子」に戻っている。

 女子には無い「出っ張り」がある。


 その部位は、惑星『アアス』の引力とは無関係に、透明な『魔法』の被膜によって、「上向き」に固定されているのだ(笑)。


(……もう、完全にセク○ラじゃないですか)


 ホノカが『★召喚☆』した汎用大型護衛艦『あわ』の「個艦防御兵装」について説明してくれたことがあったけど、「股間防御」に聞こえて仕方なかったよ(笑)。


(ところで、本当に肌寒いんですか?)


 多少ね。


 宇宙服内部の温度設定に失敗したかもだ。

 いろいろと実験を繰り返した『東の円』は、当時「夏」で、暑かったからな。


 ドーナツ形の『東の円』の真ん中にある『(なか)(うみ)』で、気密性を確認するために、宇宙飛行士の水中訓練みたいな「潜水実験」をやったのだ。


 『守護の星(普通サイズ)』って、単体の「☆」のままだと「泳げない」のに、合体して別な形状になってると、水中でも活動出来るのだ。ご都合主義的な仕様だ。


(……海。綺麗でしたよね)


 カオリちゃんとも、一緒に潜ったよね。


 ……ふと思い出したんだけど、水の中から見上げると「光の屈折」とかで、水面にまんまるく光が差し込むんだよな。


 あの現象、なんて言ったっけ?


(ああ、『スネルの窓』ですね?)


 スネ……イヤ、やめとこ。

 俺って、某・国民的猫型ロボットアニメはぜんぜん詳しくないし。


(直接的な言及はなかったですけど……ホノカが言ってたアニメにもあった気がします)


 ……そうなんだ? 『兄弟』に。


 この惑星『アアス』の「海の生き物」も、あの「○」を見上げて、あの向こうはどうなってるんだろう? とか、いつか行ってみたい……とか思ってたのかな?


(『魔法』の『増幅円』とか、丸い円の中に集まる性質は……案外、そうなのかもしれませんね)


 でも、『中つ海』の「海底」には、特に変わったものはなかったな。

 意外と浅かったし、まるで『地球』の海そのまんまみたいだった。生態系が、まるっと「コピペ」されてんのかな?


 よくある「基地」も、「トンネル」も「都市」も「油田」も「コンビニ」もなかったよ。


(最後のは、なんなんですか?)


 『て○きゅう』(笑)。

 それ以外のは、『チャージマ○(けん)!』(笑)。

 

 他にも、海底には「遺跡」とか「船」とか「財宝」とか「剣」とか「仮想月面基地」とかも沈んでるかも……。あるいは「大陸」とか「エクスプレス」とか。


(海底遺跡って、『翠星(すいせい)のガルガ○ティア』ですか?)


 謎生物の巣? ネタバレはやめとこうよ。


 でも、ホノカが言うには、汎用大型護衛艦『あわ』で発見出来なかった「未来の記録媒体」は、あの作品の「海底遺跡」で見つかるものに似ているそうなのだ。


 形状は、某ゲームの「クリスタル」みたいな「石英の結晶体」って話だ。……モロに言っちゃってるな。


 それに、レーザーで三次元的に情報を刻み込んであって、相当な記憶容量があるって聞いてる。


 しかも、その「コピー品」が、『宇宙』……俺が次に目指してる『軌道リング』のどっかに、あるかもしれないって話なのだ。


(そう言えば、あの作品にも『マスドライバー』が登場するじゃないですか?)


 ああ、うん。でも、本来の……んんん? 

 これは、ネタバレ防止措置……じゃなくて、念話の感覚だ。


(腹ごしらえは終わったべさ!)


 人をさんざん待たせといて、メシ食ってやがったのか?


(『太陽の大洋』は、おさかなが美味しいのだべさ。ジンくんも、また来て食べるといいべさ)


(『生物の死骸を摂取するように求めている』)


 チェイ○バーか!


      ◇


「祈願! ★糸電話っ☆」


 こういう『魔法』だ。


 『アアス』には、「糸電話」は無い。

 糸はあっても、「紙コップ」と「電話」が無いのだ。


 これは、言わば「有線式」の『★伝声☆』だ。

 線もしくは棒状の物体をはさんだ双方に、音声を伝え合うものだ。


 『前世の記憶』を持つホノカの側近集団『御伽衆』の中の鈴阿弥(りんあみ)さんが、友人と無言で内緒話したくて、数年前に「出願」した魔法だそうだ。ちなみに、鈴阿弥さんは、セシリアとよく似た小柄な女性だ。


 『★マジカル・スペーススーツ☆』と干渉しないで、並列運用が可能だ。

 水中実験時の安否確認用に、「命綱」を握りながら潜水してたので、その事は実証済みだ。


 今回は、その「命綱」に相当する情報伝達媒体的なヤツが、「黒い線」の中の一本『宇宙ピストン』だ。


 地上では、断定が困難だったけれども、この高度だと、他の「黒い線」には、「繭玉(まゆだま)」みたいな『駅』がいくつもくっついてるので、カンタンに見分けがつく。その画像を転送して見せたら、「お正月飾りの餅花(もちはな)みたい」って言われたよ。実は、上層には薄いピンク色のもあったのだ。


 で、聞こえるかな? ホノカの声。


 この『魔法』。いつもの『★伝心☆』と違って、耳元で「声」がするのだ。


「こちら、ホノカ。こちらホノカだべさ」


 ……一発で当てやがった。


「あ、つながってるのだべか?」


 おめでとう。これが「当たり」だよ。


 君ら『巫女』って、ホントに「持ってる」なー。

 これなら、またまた「イカサマ」にならねーよ。ひと安心だよ。


「あたしも、女王としての威光が示せるべさ」


 でもまあ、こんなのは今回限りにしとけよ。

 『女王国』の『選王剣・抜刀の儀』みたいに、変な風に「儀式化」させるなよ。


「ホノカ、ラジャーだべさ」


 耳元で「声」を聞くと、やっぱシンシアさんと似てる。

 そっちは『天然の双子』だもんな。


 そんで、後で聞いたら、一発で「当たり」を引き当てた女王『火巫女』さまの「強運」に、『東の円』の関係者が大盛り上がりだったらしい。


 にしても、某・プロ野球チームのドラフト会議のくじ引きみたいな「引き」の強さだ。


 さすがは、北海道出身(?)なだけあるぜ。


      ◇


「ならば、御礼にお教えするべさ。伊東さんとは、『宇○兄弟』の『せ○か』ちゃんの事だべさ」


 やっぱ『○宙兄弟』だった。俺も予想が当たってた。


 で、「○りか」って、あのキュートな「パグ」のこと?

 なんか、自動車みたいな名前だね。


「あのワンコは『○ポ』だべさ。伊東さんと中の人が同じなのだべさ」


 ま、実は俺も知ってたけど……。宇宙船みたいな名前だよね。

 で、ヒロイン役の声優さんがマスコットキャラも演じてるパターンか。


「ジン君は、観てなかったんだべか?」


 アニメ放送終了後に「まとめ観」しようと思ったら、全99話もあったので……全話視聴は断念しました。でも、原作は知ってるし、アニメ版も断片的には観てたよ。でも、全99話だよ(泣)。


(長い長いヒューマンドラマですからね)


 カオリちゃんだ。こっちは『★伝心☆』の思念波だ。


 てか、『○宙兄弟』って、某・球技に関するネタが絡んでるのに観てたの?


「ジン君には、あの作品を全部観て、宇宙飛行士になることの大変さや、宇宙飛行士を支える地上スタッフの苦労を、分かって欲しいのだべさ」


 ちょっと恨みがましい。


 たしかに、単なる「アホ」が、「チート」を頼りに安直に『宇宙』まで来ちゃったからな。


(こちら、『ひゅー、すとん』。こちら、『ひゅー、すとん』)


 誰だよ? ミーヨに変なこと教えてたのは?

 なんか、縁起でもない感じになっちゃってるよ。


 とにかく、関係者はそろったし、そろそろ作戦スタートと行こうよ。


「ならば、『宇宙シコシコ作戦』開始だべさ!」


      ◇◇◇


 で、あの「掛け声」を合図に、『作戦』は開始されたのだ。


(人がゴミのようだべさ!)

(こらこら!)


 初挑戦の初回だけに、『アアス』側末端部のステップからの退避が上手くいかず、「地上班」の皆さんがバラけ落ちるみたいな感じだったらしい……。


(男の人たちが、絡み合いながら、黒くて太い棒を握ってたね)


 誰だよ? ミーヨに変な画像送ったのは?

 なんか、妙に下品な感じになっちゃってるよ。

 関係ないけど、「114514」って、どんな意味なんだよ?


(それじゃあ、また、あとでね)


 おう! またな!


(あたしらも、そろそろドロンするべさ)

(ドロン? 忍者のドロン?)


 そんなことを言いつつ、ホノカオの二人も念話の接続を解除した。


 なお、初回の「シコシコ」は、俺たちの移動は行わず、「物資の補給」を依頼した。


 早く届いて欲しい。待ち遠しい。食糧不足で腹減ってるのだ。


 ここには「小麦粉」もないから、「うどん」も打てないよ。

 ああ、本当に「ツルツルシコシコ」の「うどん」が食いたいなあ……。


      ◇


 でも――


「…………」


 待てども待てども上がって来ない。


 『宇宙ピストン』の上昇速度は、意外に遅いのだ。


 一度、我が身をもって経験してるから知ってるけど、かなり遅い。

 ロケットのような「垂直急上昇」を想像してると、正直がっかりするのだ。


 そう言えば、『兄弟』のお兄ちゃんの方が、ジェット練習機で、ロケット打ち上げみたいな「バーチカルクライムロール」やってたよな。その3分後には、アクロバット機みたいにスモーク()いて、大きな「ハートマーク」を描いてたよな。ある男性に向けて……。


 それはそれとして……遅い。


 宇宙側先端部のカウンターウェイトの遠心力とかは関係なしに、どこかに「変速機」みたいな機構があって、全体の構造に極端な負荷をかけないように「減速」してる気がする。


 ……遅い。


 届くまでのあいだ退屈だし、またまた回想でもしようかしら……。


      ◆◇◆


「いいよ、来いよ!」


 俺は言って、彼を待った。



    ぶすり。



 うっわー、ホントに入れやがった。遠慮ねー。


 ……違うな。

 コレは、当時「男の子」だったカオリちゃんによる「触診」の思い出だ。


 某誌の漫画が原作のアニメでは、特級呪物と呼ばれる「指」を、口から飲み込むのだそうだけれども。


 当時「女の子」だった俺は……。


 えー、やり直します。


      ◆


 またまた伸びて、次回が「後編」に――まる。

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