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205★最終章[6]◇『電気あんま』の衝撃[※改訂版※]



 『軌道エレベータ』の『第一中継駅』。


 実はこれ、両方とも「仮称」だ。

 呼び名が無いと不便なので、便宜上そう呼んでるだけだ。


 これらのシステムを創り上げた『アアス』の生命体たちが、実際に何と呼んでいるのか……は不明だ。「神様たち」も、俺たちの『前世の記憶』の知識に合わせてくれてるしな。


 『駅』には、「エアロック」みたいな機構が付いていた。

 気圧差で閉じられていた丸い「入り口」を押して、中に入ると、円筒形の縦孔空間(シャフト)になっていた。入り口を閉じると、そこに『駅』の内部から「空気」が注入された……らしい。


 ただ……これは……息苦しい。「酸素」がほとんど含まれて無さそうだ。

 ならば、またまた、ここでも「水の……じゃなくて、「錬金術(きん)の呼吸」だな。


 運河の「閘門(こうもん)」みたいだよなあ、とか思いつつ、エアロックから『駅』の内部に入ると、そこは広さが判然としない「白い空間」だった。


「……(うぐぐぐ)……」


 ここもまた息苦しかった。

 エアロック内部だけの限定仕様かと思ったら、ここも「酸素」は無さそう。通常の呼吸は無理そうだ。


「お兄さんのえっち! どこ触ってるんですか!」


 でも、空気がある証拠に、「半ケツちゃん」から「音声」で抗議された。


「イヤ、えっち……って」


 人間の女性に当てはめて言うと、「おっぱい」に相当する部位を、思いっきり鷲掴みにしてしまったからだろうけれども。


「「「「えっち!」」」」


 だって、そこが一番つかみやすかったんだから、仕方ないじゃないですか?


「「「「えっち! すけべ!! 変態! ○出し!!」」」」


 ……そんなこと言われても、君らは「人間」じゃないしなあ。


 さて、この「ドロレスちゃんに化けた『化物(ケモノ)』」4体を……どうしよう?


      ◇


(唯一の方法が、『電気あんま』なのだべさ)


 で、『電気あんま』? ……って、どんなんだっけ?


(まず、対象を寝かせて、その両足を両手で持って、自分の足の裏を相手の股間に押し当てて、グリグリと動かして、小刻みに振動させるのだべさ)


 この「語尾」からお察しの通り、『★伝心☆』の相手は『東の円』の女王『火巫女』ことユヒ・ホノカだ。

 いったん「通話可能時間」切れでリンクが途切れたのに、「延長追加料金」を払って、繋ぎ直したのだそうだ。イヤ、それ、どこのどんなシステムだよ?


(それがッ、それこそが『電気あんま』なのだべさ!)


 しかし……相手は「女の子」だぞ?

 股間に足の裏を当てて、グリグリ……って。


 ……電マか?


(『電気あんま』だべさ)


 知っててボケたんだよ。

 普通に訂正しないでよ。なんか突っ込んでよ。


(それが、人間に化けた『化物(ケモノ)』を元の『タマゴ』に戻す、唯一の方法らしいべさ)


 ……それ、誰に聞いたの?


(カオリが、あのいちばんデカい『巫女』ちゃんに聞いて、それをあたしに念話で伝えて来たのだべさ)


 いちばんデカい……って、動物専門の『癒し手』でもある『巫女』クリムソルダ嬢の事だろう。事実、いちばんデカいし。


 『宇宙』への「前進基地」となる『第一中継駅』にまでついてきてしまった『化物』4体をどうにかしたくて、カオリちゃんに「情報収集」を頼んだのに……何故ゆえにホノカが「説明」してるんだろうか?


(そしてそれは、あるアニメの最終話でも行われていたのだべさ)


 『電気あんま』を? 女の子同士で?


(そうだべさ。受けた相手は「でもっ、悪くないっ、あっ」とか言ってたべさ)


 ……み、観たい。何て作品?


(『La○s Re:LiGHTs ラピスリ○イツ』。これまた2020年夏アニメだべさ)


 そっかー、そのために。

 こんな事のために、ホノカ再登場か?


 『未来の記憶』は、ホノカにしかないもんな。

 そして、お前と言うヤツは、またまた最終話のネタバレしやがるのか?


(記憶の門が開いた……のだべさ)


 それに登場する『髪飾り』には、「年代記」みたいな膨大な量の「記憶」が封入されているのだそうだ。


(過去へと遡るイメージ・シーンでは、ヒロインは全裸になるのだべさ)


 それは素晴らしい。なんて素敵な展開なんだ。


 そう言えば、俺とカオリちゃんが「入れ替わり」した時に、実はこんな事があったよ……。


      ◆◇◆


 『東の円十二単王国』のひとつ『()の国』に滞在中の事だ。


 当時、女の子で、なおかつ『聖女』ヨハンナであった『俺』。

 そしてその『俺のコピー体』であるカオリちゃんは、俺様の『錬金術』で「性転換」し、ココロもカラダも女の子となっていた。


 まさに「ヨハンナちゃん入れ替わり作戦」にとって、おあつらえ向きの、これ以上ないくらいの「替え玉候補」だ。


 あと、アニメで「入れ替わり作戦」って、色々とあるけれど……個人的には「クリ○タ」の身代わりになった「アル○ン」が、変態にハアハアされてたのを思い出しちゃったよ……。


「ジンさんも『錬金術師』なら、『ニセモノの■■体』でも錬成すればいいのに」


 ちょうど目の前にいたので、肉声でカオリちゃんから、そう言われた。

 あと、「ニセモノの■■体」は、『鋼の錬○術師』の中のエピソードだそうだ。


 てか、俺は「触ったことがあるもの」しか『錬成』出来ないんだよ。そんなの触る機会なんて、あるわけ無いよ!


 それはそれとして……。

 俺たちの「入れ替わり」には、ひとつ、問題があった。


「◎首の■さの違い、ですか?」

「ああっ! そうだった!」


 ……な、なんてこったい! 大問題が発覚したよ。

 カオリちゃんのは「特別仕様」で、俺のよりも「明るく綺麗な色」なのだ。決定的に異なるよ。


「それも入れると、問題はふたつ……イヤ、みっつか?」

「……いえ、そこは適当に誤魔化しますから。どうにかしますから」

「そ、そう?」


 ならば、問題はひとつ。

 前任の『聖女』さまから『おでこ合わせの儀』で引き継いだ「数千年に渡るひとびとの記憶」が宿るという「おでこの黒い星」の移動だ。


 果たして、『全知全能神神殿』でもない、この場所で、上手く行くのだろうか? とか、グダグダ悩むと見せかけて――


「えいっ!」



      ごっちんこ!



「あ、痛うう!」

「痛てて……どう? 『星』は見えた?」


 俺の方は、今も目の前にチカチカとした星が見えるよ。

 考えたら、「チカ」って名前のキャラ。意外といるよなあ。「普通怪獣」とか「フルート奏者」とか「ちびっ子パイロット」とか「ラブ探偵」とか。


「……くっくくっく」


 あ、『亡霊』さんも俺にくっついてたのを……忘れてた。


「……ふむふむ(揉み揉み)」


 いつものルーティーンで、「憑依」先の女性のお胸をチェックしているよ。


「なにやら、手触りに新鮮味が無いのう」


 まあ、俺とカオリちゃん、『神様が造った双子』だし、「おっぱいの大きさ」は、ほとんど差が無いしね。


「……ぬは!? 『聖女』さま!」


 当時は絶賛女体化中で、『聖女』だった俺を見て、『亡霊』さんが吃驚仰天した。


 てか、この「ジョーカー」とも言うべき『亡霊』を何とかしないと、「おでこの黒い星」の移動なんて、不可能なのでは?


 一度、誰か適当な「第三者」に、『亡霊』を移動させる。それからでないと、俺とカオリちゃんのあいだで『亡霊』のやり取りを繰り返すだけになる気がするな。


 とりあえず、カオリちゃんから、またまた俺に移そうっと。


「ハイ。ちょっくらゴメンよ!」



      ごっちんこ!



「痛うう! ……ひび割れそう。頭蓋骨が」


 そう言えば、某アニメでも「選手交代」の時に「頭突き」してたなあ……。


 カオリちゃんが、その球技に対して何か闇を抱えているので、言わないけど……「聖蹟」って言ったら「藤宮さん」が登場する『一○間フレンズ。』の舞台もあの辺だよねー。


「……くっくくっく。ふむふむ(揉み揉み)……(くいっ、くいっ)」


 よし、移動は成功したな。……あっ、そんな先っちょを……。


「すごーく痛いんですけど……え? ヨハンナさん?」

「き、気にしないで、『亡霊』さんが……つ、強いっ」


 問題は、この『亡霊』を誰に預けるか? だ。

 きちんと事情を説明して、ミーヨにでも……。


 そこに、誰かがやって来た――


「失礼しますう」


 『巫女』クリムソルダ嬢が全裸でやって来た。

 実はここ『湯殿』なのだ。「お風呂場」なのだ。俺たち入浴中だったのだ。


 それにしても、すごく……大きいです。素敵です。感動です。憧れます。


「ちょーどいいですう」


 超弩級だ。超戦艦クラスだ。すんげー。


「……(ギロリ)」


 カオリちゃんから睨まれた。

 だって、あたくしは『地球』由来の「哺乳類」なのですもの。


「『聖女』さまにぃ、おーねーがーいーしたい事がぁ」

「な、なんですのん?」


「昨日ぉ、吸っていただいてー、初めてぇ、立ったのですけれどぉ」

「…………」


 『亡霊』状態の『聖女』ヨハンナが、「幼児退行」して、その「頂き」に吸い付いたらしいのだ。でも、その事は『俺』の記憶には、まったく残っていない。


「引っ込んでしまったのでー。またー、吸い出してー、欲しいのですう」


 まったく、そうは見えないけれど、彼女も彼女なりに、自分の「陥凹◎頭」に悩みを抱いてたらしい。


「あれぇ? もう、お一人いらっしゃいますう」


 ここでようやっと、カオリちゃんに気づいたらしい。

 『聖女』ヨハンナ(※中身は俺)と、見た目が「瓜二つ」の少女だ。

 そして、クリムソルダ嬢は「メロンふたつ」の少女だ。ホントに凄く大きい。


「ちょうどいいですう。二人で同時にぃ、両方の◎首を吸って欲しいですう」


      ◇


(いえ、まってください!)


 当事者の一人であるカオリちゃんから、『★伝心☆』で突っ込まれた。

 でも、これって「テレテレパ……じゃなくて、「テレパシー能力」かもしれないんだよな。


(あの時、クリムソルダさん、そんな事言ってました? そんな、『二人で同時に、両方の◎首を吸って欲しい』とか)


 うん。「二人で同時に、両方の◎首を吸って欲しい」とは言ってないよ。ちょっと盛った。


(……もう! どこか遠くに行っちゃってください!!)


 なかなか可愛い恥ずかしがり方だ。


(…………)


 えー、ハイ。真面目にやります。


      ◆◇◆


 真相は、こうだった。


「どうしてー、『聖女』さまがー、二人ぃ、いるんですかぁ?」


 ま、疑念を持たれるのが、当然だわな。


「またまた『化物(ケモノ)』ですかぁ?」

「あたくしが、本物です!」


 間髪入れずに言ったった。

 ここはそういう事にして、乗り切るしかない。


「その証拠に、見てください!」


 カオリちゃんの、ある部位を指差した。


「い、色が違いますう! ■くないですう」

「でげしょ? あいつがニセモノずらよ!」


 でも、言ってて、ちょっと哀しいよ(泣)。


「わたしはー、人間にぃ、化けたぁ『化物』のー、戻し方をー、知っていますう!」


 そして、全裸のクリムソルダ嬢は、全裸のカオリちゃんに、『電気あんま』をしたのだった。


「えいえいえいっ!」

「あっあっあっああ!」


 グリグリしてる。振動が上半身にも伝播してる。めっちゃ揺れてる。


「…………」


 その出来事は、今後とも絶対に忘れる事はないのだけれど。


「えいえいえいっ!」

「あっあっあっああ!」


「…………」


 そもそも、カオリちゃんは「人間」なので、『化物』の『タマゴ』に成ったりはしなかった。


「えいえいえいっ!」

「あっ、あっああぁぁぁぁ……」


「…………」


 なので、完全に「別カテゴリー」の出来事として、『化物』とは結び付かなかったのだ。


      ◇


 その衝撃的な事件もあって、カオリちゃんは俺に直接伝えられず、迂回ルート的にホノカに「説明」を頼んだらしい。


 不幸中の幸い、とでも言うべきか、あの時俺は「別の事象(※クリムソルダ嬢の激しい揺れだ)」に心を奪われていたので、カオリちゃんの痴態は見ていなかった。


 だから、「気にしないで」とは言っておいたのだけれども……。


 それと、『電気あんま』の後で、こんな事もあったよ。


 では、回想――


      ◆◇◆


「ねえ、クリちゃん。こっち向いて」

「なーんでーすー……くわッッ!?」



      ごっちんこ!



 ああ、痛い。本日三発目の「頭突き」だ。


「い、痛いですう。『聖女』さまあ……くっくくっく」


 無関係な第三者のクリムソルダ嬢に、『亡霊』の「黒い星」を移したったぜ。

 ちょっとだけ、預かっといてね? その隙にカオリちゃんに『おでこ合わせの儀』をやっちゃうから……って、またまた「頭突き」だけども。


「こ、これは……な、なんと!」


 『亡霊』に操られたクリムソルダ嬢が、スゴイ勢いで自分のお胸を揉んでいる。……うわー。


「……(揉み揉み)……」


 惹かれるな、重力に。


「……ああ……母さま……」


 その大きさに満足したのか、『亡霊』が泣くような声でそう言った。

 そして、「黒い星」が、クリムソルダ嬢の身体から離れて行った……。


 これって、いわゆる「成仏(じょうぶつ)した」ってやつだろうか?


 なんか、違う気もするけれども……。


「あ、『亡霊』さん! 『全知神』さまが、『では近々出立(しゅったつ)する『系外調査船団』に乗せてってやろう!』って言ってたでしょ? アレって数百年後らしいから、忘れずにね!」


 一応、教えといた。


 何しろ「神様」なので、時間感覚が滅茶苦茶なのだ。「近々」がどれくらいなのか訊いたら、「数百年後」だったのだ。


 この恒星系を超楕円軌道で巡る『旅する惑星』とやらが、実は「船団」の「母船」で、『太陽系』で言う『木星』みたいな「巨大ガス惑星」まで行って、燃料を採取してから……って話だったのだ。


      ◇◇◇


 お互いにヒマだったので、ホノカとの無駄念話が続いている。


(お題は『りん』だべさ)


 ファーストネーム限定で、「姓」は無しだそうだ。


 『宇宙』に出たとは言え、いまだに「リン島」上空にいるんだよな、俺。


『地球』の「国際宇宙ステーション」なら、低軌道をグルグル周回してるから、色んな光景を楽しめるけれど……『アアス』の『第一中継駅』は、『軌道エレベータ』で固定されてるので、眼下の光景はずっと変化無し……。というか、そもそも「窓」が無いんだよな(泣)。


(男性キャラで、双子の一人に『(りん)』がいるべさ)


 そしたら、『シド○アの騎士』の『(ほのか)シリーズ』にもいた気がするな。燐。


(あと、『ケム○クサ』のヒロインも「りん」だべさ)


 声優さんには、「りんみみ」さんがいるよ。

 キーボードの、「F9」か「F10」で、アルファベットに変換してみてね!


 カオリちゃんが言ってた『そ○が声優!』にも、「鈴ちゃん」がいるらしいし。

 あと他にも、「アイドル○スター」とか「リトル○スター」とか「ライダー」とか「スイマー」とか何人かのJKとかJCとかJSがいるそうだよ。あとは、魔法のお姫様のお付きのメイドさんとか。


 ホノカの側近、『前世の記憶』持ちの『御伽衆(おとぎしゅう)』の面々が、「りん」捜しで、めっちゃ盛り上がったそうだよ。……やれやれ。


(『伝○巨神イデ○ン』の「フォル○ッサ・リン」てキャラが、「リン」と呼ばれてたらしいべさ)


 そんで、このネタが、いちばんマニアックって事になったらしいよ……。


(あと、『さよ○ら絶望先生』にも、「(りん)」て女性キャラがいるべさ。「糸色(いとしき)」先生の妹だべさ)


 そうなんだ?

 観てないから、知らんけど。先生の決めゼリフは、「絶望したー!」だっけ?


 しかし、女性の場合の「絶倫」て、どんななんだ?

 ……何というか、恐怖しか感じないな。


(おろろー、忘れてた! さっきの『電気あんま』。実際に『化物』に対してやっと、その「グリグリした部分」から「大量の水」が噴き出すらしいべさ。気ぃつけねえとダメだべさ)


 ああ、聞いてる、その話。


 以前、『王都』の『地下街』で、クリムソルダ嬢が――


「そーですう。足でー、素足でー、むぎゅぎゅっっっ、って踏むとー、ぴゅぴゅぴゅーっ、って噴き出るんですう」


 とか言ってたんだよな。


 それって、『電気あんま』の事だったんだな。

 それ故に、カオリちゃんは……。


 でも、もう80日以上も昔の、「過去」の話だよ。

 なんだかんだで、それくらいの時が過ぎてしまったのだ。


 お腹に「新たな生命」を宿したミーヨも、最近ぽっちゃり太ったらしいし。

 さらには、ラウラ姫も「最近来てない」らしいよ。どうやら「命中」したらしいよ。「百発百中! ライ○ングアロー!」……モトネタなんだろ、これ? てか、そういう意味では、かなり「無駄射ち」もしたけれども。


 それはいいとして、カオリちゃんたち……『聖女』さま御一行の聖地巡礼ツアー『七堂巡り』も、残すところあと一箇所らしい。


 最後に寄る『天空……。


(カフェテリアだべか?)


 イヤ、違うよ? 何の話?


(三期目の主題歌だべさ)


 ああ、例の『BLOOM』ね?

 シャ○の所持金が「62円」だったという。「52円」は、コ○アの貯金箱の中身だったという。


 ……イヤ、そういう事じゃなくて、『七堂巡り』の最後の訪問地は、『天空の神殿』って場所らしいのよ。


 俺は聞いた事もないのだけれど……それって、どこにあるんだろう?


(カオリも知らないって言ってたべさ)


 カオリちゃんの『前世の記憶』が宿る「黒い星」には、他のまったく別な人物に付着していた時に収集した「記録」が残っている。


 その中には、ミーヨの母親の「記憶」も含まれているのだ。

 『ヘビアタマの翼竜』だった時の事も、うっすら覚えてるそうだけど……。


 それは置いといて、ミーヨの亡くなった母親は、第4555代目の『聖女』だった女性だ。なので、『六堂巡り』の「記憶」もあるそうだ。その時代から、一箇所増えてるのだ。


 にしても、『天空』とか。

 もしかして、「空飛ぶシロナガスクジラ」の背中の上にでも、あるんかな?


 そんで、話がこんなにもグダグダと長引いてもいいんだろうか?


(いいのだべさ。神様が、敗因を「宇宙に行ってる時間を端折り過ぎて盛り上がりに欠けた事じゃ」と分析してたべさ)


 イヤ、それ、どこのどんな神様だよ? そして、一体何の「敗因」だよ?


(オーディン様だべさ。ただし『シ○ルリ』ではなくて『神様』だべさ)


 俺には、まるで分からん。


 また『未来の記憶』にあるアニメか? 2020年秋あたりか?


      ◇


 ……腹減ったなぁ。


 ひとまず落ち着いたら、めっちゃ腹減ってる事に気付いた。


 でも、なんの「物資」もないよ。

 ドロレスちゃんに化けた『化物』のうちの、「荷物持ち要員」だった子は、『宇宙ピストン』で「吊り上げられた」時に脱落して、ロストしてしまったのだ。


 食料品その他を、あの子に背負わせてたのに……。


 もう、『★召喚☆』可能なアイテム「樽」は、使い切ってるしな。

 ……イヤ、帆船『クリムソルダ二世号』そのものはあるけれど。


 流石に、あれは……。

 万一、誰かを乗せたまま『宇宙』にまで呼び付けたりしたら……ドエりゃーことになるで。


(ジン君は、『★お取り寄せ☆』が出来るはずだべさ)


 『地球』から「お取り寄せ」したいものは、山ほどあるよ。


 『東の円』にいた時、『アアス』に「コピペ」された家電製品について、色々聞いたけど……どうやら、電子回路に含まれてる「レアアース」が足りなくて、正確に再現されてないらしいって話なんだな。だからマトモに動作しないらしいよ。


 この惑星『アアス』に「レアアース」があるとしても、海水中か海の底だろうし。『守護の星(普通サイズ)』は「泳げない」らしいし。


(今回は『魔法』の方だべさ。『魔法騎士(マジックナイト)レイ○ース』だべさ)


 イヤ、『★お取り寄せ☆』でしょ?


 それって、『巫女選挙』の『お披露目会』の時に、当時の『聖女』さまに取り憑いていた『亡霊』さんが使った『魔法』だな。


 ならば、俺の「魔法コピー能力」で、すでに「会得」してある。


 で、何を「お取り寄せ」しろと?

 てか、どんな条件で、それが可能なの?


(両手で触った事があって、生き物以外のもの、だべさ)


 そんな、ゆるゆるな条件なの? もう何でもありやん。


 そんなんでいいなら、俺いろんな物を「ぺたぺた」と触ってるな。


      ◇


 ミーヨに頼んで、「補給物資」を用意して貰ったよ。

 つっても、ほとんどが「食料品」だけど。


(言われた通りに、『ふろし・きず・つみ』みたいにしたよ)


 『風呂敷包み』ね。

 それだと、なんか「不老不死の呪い」みたいになっちゃってるよ。どことなく中二病テイストだよ。


(きちんと『★密封☆』したから、『ハンコ』で解いてね)


 オッケー。


 んじゃ、何がどうなるかハッキリしないから、安全のために、距離をとって離れといてくれ。


(わかったー)


 では、行くぜっ。


「祈願! 『夏の旅人のマントル』を ★お取り寄せっっ☆」


 口を開けて「発声」すると、やっぱ息苦しい。


(…………)


 …………。


(…………うええっ! 突風が!)


 妙な「間」がある。ラグがある。


 そう言えば、1980年代のアニメ『疾風ザブン○ル』って作品に、「○グ」ってキャラがいたそうだ。どことなく「亀」みたいな『ザブ○グル』は、ガソリン・エンジンで動くロボットだそうだ。空飛べなくて、苦労するんだそうだ。


 先輩から聞いて、「悔しいです」のモトネタとして、俺も知ってはいるのだ。


 それはそれとして、どうやって「配達」されるんだろうな? その『風呂敷包み』。『アアス』には、『地球』の某・食品宅配サービスみたいなものは無いしな。


      ◇


 とにかく、腹減った。


 『風呂敷包み』が、まだ届かないよ。


(ごめんねー。なんか『空中大爆発』したみたい)


 ……ハア?


(硬度が硬くなると大きくなって膨らむ、って言ってたでしょう?)


 高度が高くなると、だ。

 そんな風に、まるで「おち○ちん」みたいに言うのはおよしなさい(笑)。


(セシリアが、天空から『ばぁん!』て音がしたのを、聞いてたらしいの)


 ある程度の地表高度に到達した時点で、気圧差で「風呂敷包み」の中の空気が膨張して破裂してしまったらしい。なんてこったい。


(バ○ンと言えば、『天空のエス○フローネ』の主人公)

(バ○ンと言えば、『聖戦士ダ○バイン』の敵役だべさ)


 あ、いつもアニメな『魂の双子』のお二人だ。

 ところで二人とも、その「説明」で合ってるの?


 ついでに言うと、俺の先輩なら、きっと「ブレストバ○ン!」て言ってるよ。

 冬場、日影に出来る「ブラックアイスバーン」には、くれぐれも注意が必要だよ。


      ◇


 両手で「ぺたぺた」触った事がある、何か「硬いもの」と言えば……これだッッ!


「祈願! クリムソルダ嬢の白い木靴を ★お取り寄せっっ☆」


 しかし、よりにもよって、こんなものを……。

 かるい変態じゃないですか?


(だって『空薬莢』とかじゃ、何も入らないよ?)


 ミーヨの言う通り、「金魚のエサ」くらいしか入らないだろうな。


      ◇


 そして――


(礼拝中のクリムソルダさんが、突然片足を高く大きく上げて、そのまま後方にひっくり返って、転倒したそうです)


 カオリちゃんも、あきれ果ててる感じだ。


 …………。


 俺は言葉も出ないよ。

 クリムソルダ嬢は、いつもの口癖で「はううう!」とか言ってたらしいよ。


(気づくと、片方の靴が消失していたそうです)


 うん、その事件の原因となったであろう「白い木靴」が、『軌道エレベータ』の『第一中継駅』に、つい今しがた届いたよ……。中身は空っぽのままで。


(『全知全能神神殿』の「七不思議」が、またひとつ増えそうですね)


 幸い、クリムソルダ嬢に怪我は無かったらしい。それは、ひと安心だ。


 以前、みんなで飛行船『空の浮き船』に乗った時に、脱いだ木靴を履かせてあげようとして、「ぺたぺた」触ったの忘れてたよ。


 あと、『巫女』クリムソルダ嬢は、現在は「任地」である『銀の都』にいるので、「神殿八不思議」には、ならないと思う。カウントされないと思う。


      ◇


「祈願! 湖底で拾った白い木靴を ★お取り寄せっっ☆」


 これが「正解」だったのだ。


 にしても、いつもいつも、どうしてこんなにまでドタバタしてしまうんだろうな。


 ……やれやれだぜ。


      ◇


 で、もう「夜食」と言ってもいい時間帯になって、やっと届いた「木靴」に詰め込まれていたのは、ボソボソとした『神殿黒パン』とチーズだった。


 そのせいで、念のため「くんかくんか」してみた時、靴の中が良い匂いに満ちていたよ。これって、チーズの匂いかな?


「それ、最初に届いた方じゃないですか!」


 半ケツちゃんから突っ込まれた。

 どうやら、クリムソルダ嬢からの直送便の方だったらしい。


「お兄さんの変態!」


 否定はしない。否定は。


 なお、『化物』は「水」だけでいいらしく、何も食べなかった。やっぱ謎生物だ。イヤ、そもそも生物じゃないんだった。


「「「「お兄さんの変態!」」」」


 『化物』四姉妹がうるさい。やっぱ、タマゴに戻したろかな?

 でも、どうしても『電気あんま』に抵抗があるので、自粛しようっと。


「おやすみなさい」


 もう眠る事にした。


「「「「……」」」」


 大人しくなった。

 この慣用句というか「就寝前の挨拶」を言われたら、以後は騒がず静かにしてないといけないと「学習」しているらしいのだ。なかなか、お利口さんだ。


「……重いです、お兄さん」


 俺は高めの枕じゃないと眠れないので、ドロレスちゃんに化けた『化物』の「半ケツちゃん」を枕にしてるのだ。


      ◆


 構成変えました――まる。

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