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203★最終章[4]◇魔の13日間



 二日目――


 現在位置は『リン(しま)』上空。高度は不明だ。 


 安否確認のため、毎日『★伝心☆』で定時連絡をする事になっている。

 今日の担当は、何故かユヒ・ホノカさんだ。


(……というわけで、見事なハッピーエンドだったべさ)


 そっかー、あの「りん」が……。

 最終回でやっと乳歯が抜けた、あの「りん」が……。


(それと、『五等分の○嫁』は……)


 あーっ、バカバカバカバカ!


(……なのだべさ)


 ホノカの『未来の記憶』によって、アニメ化もされた某漫画の「結末」を知ってしまったよ……。

 

 てか、こいつ、平気で最終回のネタバレしやがるよ。


 ……ホノカ。おそろしい子!


 それはそれとして、休んでは登り、休んでは登り……の繰り返しだ。


(普通、登っては休み、登っては休み、なのでは?)


 カオリちゃんから突っ込まれた。


(体内錬成。◎輪……じゃなくて! 全身の乳酸を除去)⇒俺。


 『錬金術』で、疲労物質を取り除いてるのだ。


      チン!


 ポールが濡れてる。


 今日は、曇り空で、『軌道エレベータ』の「黒い線」は雲の中だ。

 そのせいで、「水滴」が伝って落ちて来るのだ。素材のせいか、ぬめりはないし、滑りはしないけど……ツラい。


 間違っても、滑り落ちて「最初からやり直し」なんてイヤだ。


 休憩時の「滑り止め」は、慎重に効かせている。

 俺は「アホ」であると同時に「小市民」なので、こんな時には小市民的な用心深さが発動されるのだ。てか、ずり落ちて「やり直し」なんて、本当に、絶対にイヤだ。


 足が、重い。


 疲れてるという意味では無く、「ロープのぼり」みたいに「腕だけ」で登ってるので、「不要なもの」として、やたらと重く感じるのだ。下手にぶらぶらさせてると、たまに「振り子」みたいに揺れ始める事があって、すごく怖い。


(不要なら、軽量化のために、モいじゃえばいいじゃないですか?)


 非人道的なこと言うなよ! 『サン○ーボルト』か!

 飾りじゃないのよ、俺の「足」は! エライ事言う人だよ、君は!


(部位欠損には、ゴールド・○クスペリエンス! だべさ)


 俺、残念ながら「スタンド能力」は持ち合わせてないです。


 でも、断っておきますが、某部位は……。


(『ハガ○ン』の『オートメイル』みたいなの、作れないんですか?)


 機械式の義手とか義足のこと? 俺には、無理ッス。

 俺は、『ムー○ン谷』の「ミ○」みたいな髪型のお婆ちゃんの孫娘じゃないっス。


 てか、切断を前提に色々と言うのはやめて。

 あと、サイボーグ化も無理だから。


(コ○ンみたいに、足の指も使えばいいべさ)


 『未来少年』の方だろう。「未来人」ホノカの、お気に入りアニメのひとつだそうだ。彼女は、2020年に観たそうだ。あと、アニメの時代設定は、2008年の20年後だそうだ。


「足の指まで使うと、俺の『猿度』が一段とアップするんだけどな。休憩時にはバナナ食ってるし……」


 ついつい、そんな愚痴が出る。

 でも、アドヴァイスを受けて、足の指も使ってポールを保持する事に慣れてから、かなり楽になった。


 我々は、人生にとって大切な事は、漫画やアニメから学んでいるのだ。


(そう言えば、『魔○遣いに大切なこと』って作品もありましたよ)


(『魔法少女隊ア○ス』のED曲は、名曲だべさ)


 もう好き勝手なこと言ってるし。


(そう言えば、『おトイレ』はどうしてるんですか?)


 心肺ゴム用(※誤字)。


 俺、「●(固体)」とか「●(液体)」とか「●(気体)」とか、色々な『錬成』テクニック持ってるから……大丈夫と言えば、大丈夫。うん、これでも『錬金術師』だから。


(性欲は、どう処理してるんだべか?)


 知りたいんなら、めっちゃ詳しく教えるけど?


(是非とも知りたいべさ)


 しかし、これから目指す先が「雲の上」とか……。

 まるで、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』だ。


(誤魔化したべさ)

(誤魔化したね)


 『文○ト』の芥川○之介は、中二……じゃなくて、「ポートマフィア」だ。


 『ハイ○ュー!!』の田中○之介は、烏○高校排球部の二年生だ。


 女性だと思わせといて、赤坂○之介は、実は男だった。某アニメだ。


 あと、「俺は男だ!」と言い張る「実は女の子」のリュウノスケ君もいたそうだ。こっちの方が古いので、これがモトネタなのかも。


(『うる○☆やつら』だべか? 『サマータイム○ンダ』にも、説明がややこしいリュウノスケ君がいたのだべさ)


 ネタバレになるだろうから、そのへんで。


(『Fate/Ze○』もいましたよ。リュウノスケ君)


 その関連作品は、『今日のごはん』しか観てない俺なのであった。   


 そう言えば……今日のお昼時、食料補給のために、また「樽」を『★召喚☆』した時、ミーヨから、こんな事を言われたよ。


(今日はねー、『白』だよ。『真っ白』)


 まっしろ? 

 某アニメ……てか、『さくら荘の○ットな彼女』のヒロインみたい。


 ……でも、それなら「ノーパン」が正解だぞ?


      ◇


 三日目――


(さようなら、ジンさん)


 いきなり……何?

 『さく○荘のペットな彼女』にも、「ジンさん」いたけど……昨日の続き?


(私たち、島を出ます。仲間を探すために旅立ちます)


 ああ、そっかー。

 今日から『黄色の日々』。『地球』で言うと「9月」だもんな。


 『リン島』から次の目的地に向かうワケかー。てか、仲間? 何の話?


 俺って、垂直に、ただ真上に移動しているだけだから、これから先もまだまだ「リン島上空」に居続ける事になるよ(泣)。


(そう言えば、初日は『フライング・ヒューマノイド』みたいでしたよ。みんなで笑ってましたよ)


 ……笑わないでよ(泣)。人を「UMA」扱いしないでよ。


(あ、そろそろ切りますね。では、また明日)


 あれ? ミーヨは?


(今日は、特に『報告』する事は無いそうですよ)


 てことは何? ノーパン?


 あるいは盗難事件? 南の島でバカンスと見せかけといて無人島生活……と見せかけといての「特別試験」だったのか?


(ならば、犯人は……)


 し――っ! ネタバレ禁止!


      ◇


 四日目――


 …………。


 ……。


 今日は、『お菓子の日』で「お休み」かあ……。


 ……さみしいよう(泣)。


      ◇


 五日目――


(おとといは『ぴんく』で、昨日は『いちご』だよ)


 い、いちご……だと?

 そんなの、含まれてたかな? それ、きっと「別枠」だぞ。俺があげたヤツじゃあないぞ? 100%違うぞ? セシリアのが混じってたとかじゃあないの?


(今日のはね、『水色のしましま』)


 それならば、心当たりがある。

 どこにも売ってなくて、『東の円』で「特注」したからな(笑)。


(それじゃあ、もったいないから……切るね?)


 相変わらず、「通話時間」を気にする貧乏性のミーヨさんであった。


 しかし、おととい「リン島」を出港した面々は……今頃どのあたりにいる事やら。


 俺も……どのくらい「登ってる」んだろ?

 ポールを掴んで登るのはいいけど、「匍匐前進」よりも遥かに遅い速度だしな。


 でも、足元の、直下の光景を見ると、まるで「航空写真」みたいに「リン島」の全景が見れるようになっている。「D」の字に近い、「カウベル」みたいなカタチしてるよ。

 

 『宇宙よりも遠い○所』だと、スタート地点の日本の群馬県館林市から、その「目的地」までは……何㎞あったんだろう?


 ちなみに、そのヒロインの「○木マリ」の妹の名は、「玉○リン」だ。

 姉よりも、しっかり者だったよ、「玉木○ン」。


      ◇


 六日目――


 そっかー、『肌色』かー。


(『肌色』と言うよりも……ベージュ色ですかね)


 そっかー。ベージュ色かー。貴重な情報ありがとう、カオリちゃん。


 で、話は変わるけど。

 『サンシャ○ン!!』の「ダイヤさん」て、「○'s」の「☆空凛」推しだと思うんだけど……どう思う?


(ああ、ありましたね。雑誌だったか何かで、凛ちゃんの写真)


 だよね? 間違ってはいないよね?

 でもまあ、エリー○カが一番好きらしいけれども。


 で、カオリちゃんは「無印」では、誰推しなの?


 まさかのメンバー以外?

 穂○果の妹とかエリー○カの妹とか。にこ○こにーの妹とか妹とか弟とか。もしや、こ○りの母? 理事長? そして……海○の家族構成が謎だ。


(生まれも育ちも秋葉原なのに、関西弁の子です)


 へー、そうだったんだ? なのに、関西弁なんだ?


(驚くポイントは、そっちですか?)


 そっちです。

 他にも、そんなキャラいるよね? 「なんで一人だけ方言なんだよ?」って突っ込みたくなるような子。でも、いいよね、方言しゃべる女子。


(広島弁のイタリア人フィギュアスケーターとか……いいですよね?)


 それ、誰やねん!?


 ……でも、そっかー。○ちゃんかー。確かに、一番デカイもんね?


(そっちじゃないです)


 のん○んは、イメージカラーは「紫」だっけ?


 ちなみに、ミーヨのは「肌色」だ。本人がそう言ってた。


 そんで「ベージュ色」は、『巫女』シンシアさんだ。

 船内で、カオリちゃんに「ラッキースケベ」があったそうだよ(笑)。


      ◇


 七日目――


 ならば、「日笠さん雪小路」とか「悠木さん連坊小路」とか「佐倉さん大連寺」とか「阿澄さん召喚寺」とか「ゆかりさん聖帝小路」とか「東山さん円城寺」とか「中村さん万里小路(まりこうじ)」とか「田辺さん姫路(ひめじ)」とか「三咲さんDAISY」……これは違うか。


 ヒマつぶしに、「大喜利」のお題「山号寺号(さんごうじごう)」やってます。

 今回は、「女性キャラ限定」です。


(矢作さん西蓮寺。田澤さん西園寺。福圓さん宮藤(みやふじ)。名塚さんランペルージ。後藤さんジョージー)


 さすがはカオリちゃん。なかなかいいネタ持ってるじゃあないの。


 でも、ここで詰まったらしい。


(ううう……男性キャラはダメですか? 『○』に、いっぱいいるのに。ドウミョウジとかミシャクジとかコクジョウジとか)


 あの作品、名字のお尻に「じ」が付く男性キャラが多いらしい。

 さすがは女性向けだな。


(だから、ネ○とか淡○さんとかア○ナとか……男性向けの女性キャラもいますよ! 色んな人のニーズに応えてますってば!)


 ……なんで、そんなに必死なの?


 にしても、なんだかんだ言いつつ、毎日の「積み重ね」で、相当な「高度」にまで登って来ちゃったよ。おそらくは、『地球』最高峰の「エベレスト山」の高さも超えてると思われるよ。


 俺自身が、めちゃくちゃな「位置エネルギー」を有してしまっているよ。


 この「位置エネルギー」が、「運動エネルギー」に転換されちゃったら、どうなるんだろうな? 下に向けて「フォールダウン」したら、どうなっちゃうんだろう?


(『ダモ○レス・ダウン』? アレを破壊する気ですか?)


 聞いたら、『○』には「七人の王権者」がいて、それぞれ色の違う『ダ○クレスの剣』が、空に出現するのだそうだ。『コードギ○ス』のとは、完全に別物らしいけど。


 今日は「七日目」だけど……「七人の王権者」って?


(白銀。黄金。赤。青。緑。灰色。無色(むしき)ですね)


 蒸し器? 無色じゃなくて? でも、それだと今度は「無職」に聞こえるか。


 『アクセル○ールド』では、「赤。青。黄。緑。紫。白。黒」だったけど……。


(ちなみに、両方の作品で、同じ声優さんが『赤○王』を演じてるの、知ってました?)


 え? そんな事はないだろ?

 加速世界では、日○里菜さんだよ? 『ネ○ゲの嫁』でもあるけれど。

 そんで、『アシン○トリー』は堀○由衣さんだろ? 別人やん。


(『初代』と『二代目』……って、何で知ってるんですか? ア○ナが堀○さんだと)


 あの楽曲好きなんだよ。


 なお、カオリちゃんが言う「同じ声優さん」は、某・吹奏楽部の「チューバの先輩」も演じていたらしい。聞いて、びっくりしたよ。


      ◇


 八日目――


 当ててみせよう。

 昨日は、「赤」だ! どうだ?


(すごーい!)


 男子が女子に言われたいセリフ第一位かもしれない事を、ミーヨに言われたぜ。


(どうして分ったの?)


 愛だよ。愛。


(…………もう、ばか)


 確かに、こいつぁ悪くない。


(じゃあ、今日のは?)


 青だな。青。


(あ、ちょっと待って。いま穿き替えるから)


 ……間違えてたらしい。


 てか、実は『前世の記憶』持ちのプリムローズさんに何か言われて、「赤パン健康法」を試していたらしい……。


      ◇


 九日目――


(素敵! 立派! たくましい! 巨○!)


 ……イヤ、ナニソレ?

 しかも、最後の「○根」て……。


(『豚もおだてりゃ木に登る』って、あたしの叔母さんが言ってたべさ)


 誰が「豚」やねん。どう見ても「猿」やがな。

 イヤ、むしろ「豚」ならば、「黒雪○」に可愛がってもらえるのか?


 そして「叔母さん」言うけど、あのひとの中身は「おっさん」だぞ? それもきっと、モトネタは昭和のアニメだろ?


(『タイムボカ○・シリーズ』でしょう? リメイクされてたじゃないですか?)


 過去に行ったり来たりするんだっけ?


(『絶対魔○戦線バビロニア』。ギル○メッシュだべさ)


 ギルガ○ッシュって……「ギルガ○ッシュ・ナイト」の?

 これも、その「俺の先輩」から聞いた話だけれども。


(ナイト? 間違ってますよ。召喚されるサーヴァントのクラスは七つです。セイバー。ランサー。ライダー。キャスター。アーチャー。バーサーカー。アサシンです)


 戦闘機。爆撃機。無免。椅子。自走砲。○ッツ(※ゲーム)。スピンクス? ……これはアサシンじゃなくて、テロリストか。


(それならば、『神○大戦』だべさ。おっぱいデカいべさ。下乳(したちち)が凄いのだべさ)


 三人とも、話が全然噛み合ってない気がするな。


 てか、「おっぱい」だとう? あまつさえ、「下乳」だとう?


 ……やべ。


 ゴメン。二人とも、今すぐ『★伝心☆』切って。


(あ! 『フィロソファー』になる気だ!)


      ◇


 十日目――


 酸素が希薄だ。


 もう、ふつうの「呼吸」は不可能になってる。


 『夜』に寝る時には、前にカオリちゃんが言ってたような「疑似的な冬眠状態」になって寝てるよ。「ヤマネ」みたいに可愛く。


(ヤマネ? 猿でしょう?)

(猿だべさ)


 うるさいよ。


 でも、目覚めると、胸苦しいような感じがあるよ。


(体内錬成。呼吸器系に、酸素。酸素)


      チン! チン!


 これで何回だろう? 酸素無いと、■んじゃうよ。


(今日も運ぶよ)

(酸素。酸素)

 

 おい、双子。うるさいよ。なんなんだよ、それ?


(『はた○く細胞』です。ジンさんは観てないんでしたっけ?)


 残念ながら、「擬人化」が苦手なので……。


 でも、『は○らく魔王さま!』の千○ちゃんが、童顔巨乳なのは知ってるぞ? バーガーショップの制服の胸元が、はち切れんばかりだったぞ? あの子くらい「はち切れんばかり」って表現がピッタリなアニメキャラは、そうはいないぞ?


(童顔巨乳と言ったら、『宇○ちゃんは遊びたい!』の、宇○花ちゃんだべさ。2020年夏アニメだべさ)


 ……そんな『未来の記憶』は、俺には無いよ。


(母親の名前は、「月」だべさ)


 そしたら、祖母は「雪」なのか?


(雪・月・花? 『彼氏彼女の○情』の三姉妹ですか? 一度だけEDに使われた『風邪ひ○た夜』は名曲ですよね)


 どこまで行くんだよ、この連想ゲームは。


 そんで、カオリちゃんは、「花」の弟の「桐」役の声優さんの名前聞いて驚いてたけれど……。俺は、母親「月」役の声優さんの名前を聞いて、驚いたよ。


 良く知る声優さんが、「ヒロイン役」から「お母さん役」に移行していくのって……何とも言えない気持ちになるよ。


 それが、「時の流れ」ってやつなんだろうけれども。


      ◇


 十一日目――


(ジンくん、ありがとう)


 え? なに突然? まだ、何もしてないぞ?


 『宇宙』にもまだ届かずにいて、「黒い線」に、猿みたいにしがみついたまんまだぞ? そして、時折「バナナ」食ってるぞ? プリムローズさんが「モン○ッチみたいやな」とか言ってたそうだけど……ナニソレ? あと、「バナナ」と「お猿」で、色々とアニメネタあるけど、逆に多過ぎるから割愛するぞ!


(この前、『伝説のデカい樹』で、お祈りしたでしょう?)


 ああ、うん。


(それで、そのお陰で、わたし……12年前に亡くなった『お母さん』に……会えた)


 な、なん……だと?


(あとね。今日のは黒だよ。ひもを引っ張ると、真ん中が開いちゃう)


 ……だ、台無し。


      ◇


 十二日目――


 またまた『お菓子の日』で、「お休み」だ。


 訊きたい事があって、悶々としてるのに……。


(まったくもーもー。なんですか?)


 繋いでくれたのか。


 ミーヨの「お母さん」の事だよ。


(聞いてしまったんですね?)


 ――ああ、聞いたよ。


 12年前の『王都大火』で亡くなった、ミーヨの母親。


 その『記憶』を……君が、君に宿る「黒い星」が、持っているんだね?


 以前、『ヘビアタマの翼竜』だった時の『記憶』を取り戻した時に、複数の『前世の記憶』に目覚めた……って言ってたもんね? 『王都』の街並みにも、デジャヴを感じるって言ってたもんね?


 ね、カオリちゃん?


(ええ。わたし、いま『聖女』じゃないですか? それで、自身の内面に語りかけるような)


 どうして……どうして、黙っててくれなかったの?


 そんな事を言ったら、ミーヨが、ミーヨが……。


(喜んでましたよ?)


 そうなんだよ。喜んでたんだよ。


 その「記憶」を持ってるだけで……実は、完全に「別人」なのに……。


(人と人って、見た目がどうとかじゃなく、結局は心と心じゃないですか?)


 でも、「中身」は同じなのに、こころんはミッシェルのこと……。


(……何の話をしているんですか?)


 まあ、ミーヨと君が、それでいいんなら……もう何も言わないけどさ。


 お姉さまは、○巳のこと、見つけ出してくれたし……。


(あ、それはわたしも知ってます)


 で、今は……どんな感じ?

 記憶の混濁(こんだく)とかは? ドロドロ混ざってるような感覚はないの?


(わたしは、『わたし』ですよ。わたしに宿っている『黒い星』にある、他の人の『記憶』の記録に、アクセスが可能ってだけですね)


 そう……なんだ?


 『亡霊』みたいに、「別人格」に乗っ取られるような事はないらしい。


(きちんと、ファイリングされたデータになってますから……『アルバム』を見せてもらってる感じかな? 時系列通りに画像データが並んでて、それにテキストデータが付随してる感じですかね)


 ……へー。

 とすると、俺の右目の魔眼『光眼(コウガン)』の「カメラ機能」って……それなのかも。


 あ、そうだ! それなら訊いてみたい事がある。


 ミーヨのお母さん。

 娘さんの名前の、「ミーヨ」って、どこから? 命名由来は?


 ひょっとして、「宇○美ヨーコ」?


(宇佐美ヨー○……?)


 俺が個人的に好きな「ダイヤさん」の「中の人」が演じていた、某・戦隊ヒーローもののヒロインの名前っス。その作品自体は、観た事がないのだけれど……逆引き的に、ネットで探して見たのだ。


 『イエロー』だったそうだ。


 ちなみに今日の……イヤ、そういう事では無くて、その、あの。


 とにかく、「○佐美ヨーコ」は、おでこが広くて可愛いのだ。

 ……アニメじゃないけど。特撮で実写だけど。


(うーん、たぶん、違うナリ)


 ならば、『昭和元○落語心中』の「み○吉」さん?

 縁起でもないよ? でも、あの作品の声優さんの演技。めっちゃすごいよね? あの落語!


(確かに。激しく同意します。素晴らしかったですよね)


 他にも「ミヨコ」とか、昭和のアニメにいそうな気もするけれども。


(ジンさん、『はじ○てのチュウ』って覚えます?)


 うん。俺の場合は、飼ってた小型犬に飛びつかれて(笑)。


 さらに言うと、『ジョジョの○妙な冒険 ダイヤモンドは○けない』の「杉○鈴美(れいみ)」はファーストキスで……。


(いえ、『キテレツ大○科』ってアニメの……ひゃううう!!)


 な、どうしたの? カオリちゃん?


(お……『お告げ』です。たにまとまたんんっ、いい……い、『隕石』です)


 たにまとまたんん? 『ひ○ねとまそたん』? 違うよね?


 イヤ、これって「神様からのメッセージ」だな。天変地異の先触れだ。

 てか、『隕石』? 手え、貸そうか?


(……はあ……はあ……凄かった……こんなの……はじめて)


 ……カ、カオリちゃん?


(平気です! だって、あたくしは、『聖女』なのですから!)


 …………。


      ◇


 十三日目――


(――という感じでした)


 カオリちゃんから、冷静過ぎるほど冷静な報告を受けた。


 例の『★大いなる守護の星々☆』で、対応したらしい。

 『巫女選挙』の最中に、『隕石』を包み込んで、軟着陸させた『神聖術法』だ。


 この惑星『アアス』の大気圏上層部に、「地上の生物を有害な宇宙線から守るため」に、展開されているという、『守護の星(特大サイズ)』。


 それで、地表に被害をもたらすような規模の『隕石』を包み込み、減速させた上で、安全な場所に落とすのだそうだ。……だから、「安全な場所」ってどこなんだよ?


(『地球』で言う、『ポイント・ネモ』みたいなとこだべさ)


 ホノカによれば、「宇宙空間で不要になったモノ」を安全に落下させて処分するために、『地球』上にそんな場所が設定されてるらしい。太平洋の南半球側で、すべての陸地から、もっとも遠い場所らしい。「海のど真ん中」ってヤツだろう。


(『美南海』の島々は、元々そうやって出来た『石積みの山』だそうです。『ケルン』とか『ケアン』みたいなものですかね)


 『アアス』の、他の海には「◎」とか「◇」とか「△」の陸地があるけれど、『美南海』には無いからな。


 あと、「雪玉」タイプの隕石も全部、『美南海』に落とすそうだ。

 溶けたら「水」だし、それが蒸発して、雲になって雨になって……「循環」されて、それぞれ四つの海は、同じような水位でバランスが取れてるらしい。


 しかし、石積みの山とか……(さい)の河原みたい。

 でも、『鬼灯の○徹』だと、石積みじゃなくて「ジェン○」やってなかった?


(『の○され島』の『お墓』みたいだべさ)


 これもまた『コ○ン』の話らしい。第2話だそうだ。


 ……にしても、あの「陸地」って「石積み」だったのか。

 そこを「ヌメヌメスベスベ」たちが這いまわって、天然自然にコンクリ―ションされたんだろうな……。


 それはそれとして、実はその『★大いなる守護の星々☆』をベースに、「大気圏突入」用の『魔法』を、新規開発してある。


 ただ、実際に使用するのは、まだまだ先……ってゆうか。


 もうやだ!


(なんですか? 突然、その反抗的な態度は?)


 だって、最近じゃあペースが落ちて、日に「1㎞」も登れてないんだよ?

 それを、最低でも「数万㎞」だよ?


 絶対に無理だよ。「人力」で登るなんて……。


(ですが、ジンさん。『宇宙』に行くって)


 だからもう、「人力」は止める。


 もう、「アレ」使う。


(★解除☆)


 俺は、とある『魔法』を使用するべく、無敵のバリアー『★不可侵の被膜☆』を、か、解除……すると、こんなにキッツイのか? さ……寒いよう。い……息苦しいよう。


 さ、さっと済まそう。


「召喚! ★33式極超音速滑空弾・改っっ☆」


      ◇


 『終末の○ゼッタ』では、「対戦車ライフル」に乗った「魔女(※巨乳)」が、「槍」やら「大型魚雷」を魔法で飛行させて、随伴させるのだけれど……。その「ひめさま(※普通)」は、「圧倒的な物量を前に、貧しい小国が勝利する方法が本当にあるのか……」とか言ってたけれども。


 俺は、飛んできた「ハイパーソニック・ミサイル」に飛び乗った。


「★アイハブ・コントロールっ☆」


 自身が乗っかった「物体」を、意のままに『★飛行☆』させる新規開発魔法だ。制御下に置いた、という宣言だ。


 『軌道エレベータ』の「黒い線」の近くで点火させると、怒られそうな気がするので、すこし距離を置く。


 これを『幼○戦記』の「秘匿呼称V-1」みたいに……じゃないか。


 俺の「目標」は、『宇宙』だ。

 機体を、垂直におっ立てたよ。ナニじゃないよ、ミサイル本体だよ。


 発射! イヤ、ナニじゃないよ。ミサイル本体だよ。


(くどい!)


 短く怒られた。


「ならば行くぜ! 祈願! 点火っっっ!!」



      し――ん。



 と言うほど、静かじゃない。風の音がする。


 てか、なんで『魔法』の発動に失敗したんだろう?


(設定した「発動句(スターター)」はそれでした? 違うんじゃありません?)


 そうだった。忘れてた。


 バイクでストレートを走る時みたいに、ぺったりと伏せた前傾姿勢をとる。てか、ミサイルの胴体に必死にしがみついた。


「★イグニッションっ☆」



      ドババババババババ(※ロケット噴射音)――



 後方からの「熱」で、尻が熱いっス。


      ◆


 次回。ついに『宇宙』か? ――まる。

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